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1901.  はつ恋(2000) 《ネタバレ》 
田中麗奈は『夕凪の街 桜の国』でも、親の過去を探ってたが、そういえば昔っからそういうことやってる娘だった。こっちは母親。この映画の真の主役は母の原田美枝子の方で、病気と真摯に対峙し、泰然と死の準備を進めていく芯のある女性。それだけなら、まあ原田なら似合った役どころで特別印象に残らなかっただろうけど、初恋の人真田が病床のベッドに訪れたとき、スッピンの顔を恥じらい、枕で隠すとこが白眉。毅然とした外面のなかに潜んでいた柔らかい内面が、一瞬姿を現わすとこがよかった。あくまでこれは中年の物語、その過去の青春を現在の青春が探検するために、奥ゆきが出た。
[映画館(邦画)] 6点(2008-10-02 12:10:52)
1902.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 
ヘレナ・ボナム・カーターって、普通の光線の下でも不健全な印象をもたらす人だから、こう青ざめた暗い光のドラマだと似合いすぎちゃってマズいんじゃないの、と危惧してたら、なんか良かった。内に秘めたトッドへの愛が人物造形に膨らみを与えていて、つまり、女一人でパイ店をやってきて平気で人肉パイを提案する凄腕ぶりと、たえずトッドの様子をうかがう恋する女の気弱さとが、ちょっと三枚目にかかりながら同居している。けっきょく彼女がドラマの重要な部分を動かしていたわけだし。一方ジョニー・デップの方は、見てるほうが距離感をつかみづらい役どころで、つまり、復讐は成功させてやりたいけど、トビー少年をカミソリ持って追うあたりは、トビーの側からトッドを敵役として見てしまうし、そういうブレは人物造形の膨らみよりも、どう眺めたらいいのか、距離の取り方の難しさを感じさせ、心理的に遠ざけてしまった。それと、こういう題材だから仕方ないのかもしれないが、踊りがないのがミュージカルとしては寂しく、往年のミュージカルだったら人肉パイを作り上げる工程なんかダンスにしたんじゃないか。街行く人を食材として眺めるナンバーが楽しかった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-01 12:16:17)
1903.  どら平太
30年前だっら誰が演じることになったんだろう、と考え、しかし考えつかず、役所の貴重さを改めて思った。柔剛あわせ持つキャラクター。でもやはりこの監督は女性映画の人で、たとえ浅野ゆう子でも、彼女が出てくると崑らしさがパーッと出る。遊びみたいなシーンだけど、岸田今日子の女博徒もおかしかった。活劇映画としては、も一つ駄目押しの見せ場がほしいところだなあ。ま、どら平太のサワヤカさの方に主眼が置かれているのだろう。宇崎竜童と片岡鶴太郎は、配役をちょいとひっくり返しているような面白味。
[映画館(邦画)] 6点(2008-09-29 10:45:20)
1904.  グラディエーター
興味深かったのは、剣闘士による歴史の再現劇いうとこ。そういえばギリシャ劇でも昔は、戦闘の殺戮シーンでホンモノの人間を使ったっていうのを聞いたことがある。これの思想を広げていけば、戦争のテレビ中継を期待する大衆論につながっていくだろう。でもこの映画はそういう大衆をそれほど批判してはいなくて、後半はその大衆の支持が主人公の補強に使われている。この大衆の浮気っぽさを織り込めばもうちょっと味わいが深まるのに、ここらへんが大衆相手のハリウッド映画の限界か。ラッセル・クロウよりホアキン・フェニックスのほうがもうけ役で、「なぜ父上は私にない美徳ばかりを挙げるのか」なんてあたりのコンプレックスぶりがいい。しかしあの皇帝の最期も、なんかマヌケだったなあ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-09-28 14:42:02)
1905.  ダーウィン・アワード
思わず笑っちゃう三面記事的アクシデント集ってとこがあって、ちょっと不謹慎かなあと後ろめたく感じつつ楽しむというコメディ。いちおう、彼らは早死にしても楽しそうな人生だった、とフォローしている。フォローになってないか。そういった素材を並べて普通のハリウッド・コメディの型に流し込み、マイケル・ムーア的(『シッコ』)批評精神もちょっと織り込んで、一丁上がりといった感じ。新しいエピソードに移って、さて今度はどんな事故死かな、というあたりがワクワクさせる。やっぱり不謹慎だなあ。素材の面白さに比べると、枠の話は見劣りがし、こういった事件・事故の主役たちの暗い情熱に突っ込んでいけば面白いのに、とも思うが、そうするとミニ・シアター系の映画になって軽く笑えない。微妙なところ。真人間に改心したウィノナ・ライダーに久しぶりに会えた。ハヤカワ文庫に、笑っちゃう自殺・事故死を集めた『変な学術研究2 活魚で窒息、ガムテープぐるぐる巻き死、肛門拳銃自殺』という長い題の実に不謹慎きわまりない本があって、そういうのが好きな人にお勧めしときます。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-27 12:10:46)
1906.  歓呼の町
どこに行っても日の丸の下ということで同じじゃないですか、だからみんな明るく疎開しましょう、という戦中の時局PR用映画。疎開を渋る四家族が「心を入れ替えて」疎開に応じるまでの話、あくまで庶民レベルで進行する。シーンが変わるときに人物の出入りを重ねて、スムーズに群像劇を進行していくあたりの手腕が見どころか。いいところのお嬢さんさえ郵便配達をして働いている時局だから、わがままはいけない、というあたりの論理に日本人は弱いんだ。事故死という犠牲者が出ても、だからこそ頑張ろう、になっちゃう。安部徹が、洟をかんでは顔を拭こうとするのを若妻が嫌がる、なんてスケッチが木下らしいと思ったが、脚本にはタッチしていなかった。町会長の勝見庸太郎って『秀子の車掌さん』の社長の人か、この役者さんいいなあ。
[映画館(邦画)] 6点(2008-09-19 12:18:56)
1907.  犯人に告ぐ 《ネタバレ》 
警察内部のドロドロが織り込まれるのにもちょっと飽きてきて、それも新しい切り口があるのならいいけど、定型の俗物ぶり。まあそのせいで主人公が、時代劇で言えば素浪人のニヒルな風貌を帯びることにはなるが、こっちも定型っぽい。ともかく犯罪も捜査もマスメディア抜きでは成り立ち得ない時代になりつつある、ってなリアリティはあった。無数の誰かに見てもらうことが前提で悪心も起これば、その無数の誰かを引き込ませられなければ捜査も難しくなる時代。各警察署は見てくれのいい刑事をメディア用に雇わねばならなくなる。テレビが警察を超えた権力者になりつつあるな、と思わせたところが、この映画の手柄だ。ある日、警察が掌紋を採取しにまわって来たら、私なんか悪いことしてなくてもつい逃げちゃって、容疑濃厚のリストに入れられちゃう、絶対。
[DVD(邦画)] 6点(2008-09-18 12:13:48)
1908.  蝿男の恐怖 《ネタバレ》 
これシネスコってことで、ビデオで見るとたしかに最初と最後は左右詰まった画面になってるけど、肝心の中身、トリミングした不自然な感じがなく、どうなってるんだろう。いかにもやっつけ仕事の演出って感じで、明るすぎるセットで登場人物がそれらしい動きをするだけ、よく言えば禁欲的。でも中途半端に凝ったことやられるとかえって安っぽくなるのを、ここまで何も工夫しないと、たとえば妻が蝿を目で追うなんてささいなアクションすら味わい深くなるから妙である。原作が面白い場合は、こういう何も凝らない演出のほうがいいのかも知れない。原作読んでみたら、映画はラストがハリウッドの定番で明るく変えられてるほかは(もっとも一番怖い蜘蛛の巣は生かしてある)けっこう忠実で、消えた猫がもう一度絡んでくるのをやめたのは、映画の場合正解だっただろう。「白い頭の蝿」が家の中にはいり込み、みんなで追うシーンが加わっているのは、映画的でよろしい。ゾンビものと同じで、人間界から離脱した肉親は処分してしまうのが情け、なのがあちらの考え方なのね。でこの映画の教訓は、やれ打つな蝿が手をすり脚をする、だ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-09-16 12:12:48)(良:1票)
1909.  サラエボの花 《ネタバレ》 
大事なことを言っている映画で、固有名詞を変えては、敗者の歴史で繰り返される悲劇のやりきれなさが伝わってくるが、正直、もう少しザラザラとこっちを掻き立ててくるものに欠けているような気がした。最初のほうで、報奨金(?)と引き換えに開かれる被害を受けた女たちの会の場があり、そこで若い女が無遠慮に笑うシーン、あれは世代の違いを言ってるのか、それともお仕着せの会の無力を笑ってるのか、よく分からなかったなりに、ザラリとしたものを感じ、沁み入ってきた。ああいう場面がもっとほしかった。おそらく女の子の描き込みが弱いのが欠点だろう。事実を知ったあと、ラストに至るまでの間に大きな心のドラマがあったはずだが、父親似の髪をナニするという一点に絞ってしまったので、あまり深まらない。とは言え、母の友人やその仕事場の同僚たちの連帯感の描き方などホロッとさせ、もちろん見ないよりは見てよかったと思った映画だ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-14 12:05:59)(良:1票)
1910.  惜春鳥 《ネタバレ》 
佐田啓二、川津祐介という二人の人生の敗者が故郷に帰還するところから始まり、それぞれが故郷に受け入れられずに終わるという話だ。木下における「地方」は、けっして単純な理想郷ではない。地方ならではの跡継ぎ問題もあれば、工場で赤旗振ってる若者もいて(元士族を誇りとする笠智衆は気に食わない)、地方にも都会と同じように、安保闘争前夜の政治の季節が近づいている。ロケにいささか会津名所めぐり的なところがあって緊張を欠くが、ラスト、びっこ(脚の不自由な人)の青年が駅に駆けていく木下お得意の長い横移動は素晴らしい。木下映画では身体障害者の登場の頻度が高いような気がする、『永遠の人』にもびっこ、『カルメン故郷に帰る』『二十四の瞳』の盲人、戦傷者であることが多く、あまり弱者弱者した描き方でないところに特徴がありそうだが、ひとつ頭に入れておく注意点としとこう。
[映画館(邦画)] 6点(2008-09-13 12:15:07)
1911.  
たぶん木下の最も短い作品。顔のアップを多用し、時には口元のみと、未来の劇画を思わせる構図。小沢の“いかにも”の歪んだ笑いには閉口させられる。別にどうというシーンではないのだけれど、流しの歌の場に変な緊張があった。敗戦直後の人々の顔、何ら楽しそうでなく歌う人々、ただ一つのコードだけを繰り返すギター、すごく時代を感じた。オールロケ作品の強みか。すべて戦争のせいなんだと言う小沢。そこに昼火事が起こる。あたかも戦争の空襲のように再現される。二階から投げ落とされるフトン。こういう場で人を裏切ってはいけない、それは許されない悪だ、という信念のようなもの、戦争はもうまっぴらだが、あの悪い時代をともにやり過ごしてきた者同士の連帯意識は、これからも忘れないでやっていこうじゃないか、といった強いメッセージが感じられた。腐れ縁の男女の演出なら成瀬のほうが断然うまいけど、こういう素朴なメッセージが入る木下の生真面目さも、嫌いじゃないのだ。
[映画館(邦画)] 6点(2008-09-11 12:16:09)
1912.  壁男 《ネタバレ》 
ホラーの棚にあったけど、ホラーを期待して見るとがっかりする。一本の映画としても盛り上がりに欠けるが、でもなんか面白そうなとこの周辺を回ってはいるんだ。なんで小野真弓なんだよ、と誰もが思うだろうけど、いかにもテレビメディア的な人ってことでの起用で、これは理解してやりたい。テレビは非日常的なことを連日取り上げることによって、一番日常的な光景を作り上げている。それぞれの家庭が部屋の壁を厚くして閉じ籠もり、必要以上になれなれしく語りかけてくるテレビのレポーターに向かい合っている。私たちの日常生活はメディアと壁に挟まれて営まれてるんだなあ、という発見。なんか映画はそこらへんを巡ってはいるのだけど、も一つ焦点を結んではくれなかった。レポーターへの親しみが狂おしいまでに高まる青年もいれば、ノーマン・ベイツのお母さんみたいのもいて。
[DVD(邦画)] 6点(2008-09-10 12:13:33)
1913.  夕凪の街 桜の国
麻生久美子が「誰かに死ねばいいって思われてたのに生きてる」って言ったとき、おっ、ここがポイントだぞ、と思った。あの戦争のとき、多くのアジアの人に日本人は死ねばいいと思われた。その恨みを持たれた日本人の代表として、なぜ広島の庶民がむごく死なねばならなかったのか、この外から見ると理屈があって、こっちから見るとひどく理不尽というズレが、原爆の悲惨を世界に訴える上での障害になっている。そこに切り込んでいくのかと思っていると、どうも「死ねばいいと思っている誰か」とは、ここではアメリカだけのようで、もちろんアメリカを告発し続ける必要は未来永劫あるのだけれど、そこに「死ねばいいと思っていたアジア」の視線も含めていかないと、どうしても声は弱くなる。そうすれば、なぜ東京でなく広島だったのかという重要な疑問にも、もうちょっとで至れたのだ。米軍が「死ねばいい」と思ったのは広島の庶民であって、東京の軍の参謀や政府・天皇は話し相手として残しておいた。東京の庶民は平気で焼き殺したが、中枢に損害は与えなかった。日本対アジア・アメリカという図式でなく、広島や東京やアジアの庶民対米軍・日本軍という対立が見えてくる広々としたところまで、もうちょっとだったのだ。そこらへん、実に惜しいと思った。現代編で、父への尾行が時間を超えた追跡になっていくところをもっとうまく演出できたんじゃないか、などといろいろ不満はあるが、こういう映画さえ作られなくなったらオシマイ、と思ってるので、このぐらいで。
[DVD(邦画)] 6点(2008-09-04 10:57:25)
1914.  美術館の隣の動物園
韓国の理想の男像って、ゴツッとしたモロ師岡タイプのようだ。民族によって“いい男”はずいぶん変わる。女優のほうは桑野通子似で理解可能。ケンカで始まるラブ・コメディと、いたって平凡な枠組みだが、ポイントはふたりで作るシナリオの映画中映画が入るとこ。それぞれの空想の中で、ふった女・憧れの男が演じてる。この部分はスタイリッシュな構図で、まさに“夢”のように描かれる。ツンケン女が自転車を蛇行させる内気な娘になり、議員秘書が天文学趣味の獣医になる。ラストで映画中映画とこの二人が融合するあたりが映画ならではの楽しみ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-31 11:10:55)(良:1票)
1915.  KOROSHI 殺し
仕事ってものには残念ながら他人を損ねる要素があり、この映画の失業者らが殺しの循環をしている構図には、けっこう現代を突いているものがあった。たとえば、アメリカの生活の苦しい者たちが軍へリクルートされ、成績を上げようと懸命になってイラク人を殺している図を重ねられそう。石橋凌にもう少しオカシサが出ていればもっと良かっただろう。緒形拳が話を持ち込んできたとき、冗談じゃないかとか、ドッキリカメラじゃないかとか、もっとそれらしいリアクションがほしいところ。荒涼とした白の世界。外で回る風力発電の風車、室内で回る扇風機。被害者が画面の外に歩き出たところで銃声が轟く殺しの場。題名の刺々しさと裏腹な静かな画面展開がいい。ラスト、緒形が石橋の目を見つめるところで、「決して相手の目を見てはいけません」が生きた。
[映画館(邦画)] 6点(2008-08-30 12:14:10)
1916.  ことの終わり
戦争という非日常下での恋が戦後になって…、っていう構造は、たとえば『浮雲』などとも通じる普遍的な物語世界だが、グレアム・グリーンだと、そこにカトリックの神が絡んでくる。恋が、神への誓い・神への愛に広がり、奇跡なんてテーマも出てきちゃう。少年から消えるアザ。神に、どうか私をほっておいてくれ、と祈る無神論者の作家である私。非カトリック圏のカトリック文学のほうが、より突き詰めてるみたい。何を語っても神が現われてくる思考経路って、宗教的にいい加減な風土で暮らしている者にとっては、一枚どうしても通り抜けられない幕が掛かっているようで。上り階段で始まった恋が、下り階段の爆撃で終わったわけだなあ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-27 12:04:13)
1917.  歌え若人達 《ネタバレ》 
木下恵介のコメディが好き。これが最後の純コメディになるのかな。松竹戦前からのお得意のスター誕生物語の枠組みだが、でもテレビで人気が出てから映画へというコースになっているのが60年代。永井智雄、大森義夫、坪内美詠子と、テレビ「事件記者」のレギュラーが顔を揃えたのは偶然か。他愛ない作品だけど、何となく現実と触れあえない気分や、もひとつたぎらない青春の血潮ってあたりに、脚本山田太一の色を感じる。東山千栄子に代表される田舎の重圧は木下のテーマ。特別出演の佐田啓二が「俺ら岬の…」を、田村高広が「女の園」を歌うというウチワオチあり。寮生活模様のスケッチ、いつもぶつかる手前のドアのギャグとか、若水ヤエ子管理人の放送などで笑わせる。ストリップ見た後ですぐに寮の男風呂のでぶのカットになるというギャグもあった。他愛ない作品ではあっても、いい加減な感じはない。
[映画館(邦画)] 6点(2008-08-26 12:15:15)
1918.  サタデー・ナイト・フィーバー
今見ると、ディスコダンスの陰気さに驚かされる。薄暗いところにみんながぞろぞろ並び、覇気なく緩慢に体を動かしていて、ときどき物憂げにポンと手を打ったりして、こりゃ盆踊りだ。全体として籠もった感じ。ダンスならではの外へ向けたエネルギーがあまり感じられない。といってフラメンコのように、内側へ力を充溢させていくようにも見えない。動く快感より見られることが主体のダンスなのか。これは何なんだろう。60年の外側へ向かった抗議の時代の反動だったのかな。その驚きがかなりショックだったので、物語として映画を見てる余裕があまりなかった。トラボルタの、粗野だけど純真よ、っていう目つきが女性にウケたのはよく分かる。今だったら「誰でもいいからぶっ殺してやる」になっていきかねない、展望の開けぬブルーカラーの若者の鬱屈が、けっこうキチンと描かれていたような。
[DVD(字幕)] 6点(2008-08-24 12:13:31)(良:1票)
1919.  三文役者
故人となった乙羽信子が出るのが評判になってたが、証言者としてちょっとだけ出てくるのかと思ってたら、ナレーターで出っぱなしだった。しかも殿山泰司役の竹中直人と切り返しで会話調になったりするのには驚いた。生きてるうちにシナリオを完璧に作って撮影しといたんだな。プレハブに住み込み共同作業で映画を作っていた独立プロシステムの記録として、貴重な作品となるだろう。晩年、ポルノなどに出て嫌気がさし演技賞のトロフィーを投げる、なんて場面があって、こっちが思っているアナーキーな殿山泰司のイメージと違ったが、そういう面もあったのかなあ。
[映画館(邦画)] 6点(2008-08-23 12:13:33)
1920.  ただいま
街の音が沁みる。住宅から漏れてくるテレビの声など、彼女が牢屋にいる17年間耳にしなかった音だし、たぶんそれ以前にも聞いたことのない街の音。中国におけるここ17年の変化は大きい。やがてここに入っていかなければならない世間に対して身構え、耳を澄ましている緊張が伝わってくる。天津の街の、息の白くなる寒さも伝わる。主任のほうにもちょっと帰りにくい家があり、帰還するということの緊張が本作のテーマ。浦島太郎を基本形にして、「帰還もの」という物語のジャンルを考えてもいいかもしれない。帰還するって、けっこう大きなドラマなんだ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-22 10:03:44)
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