Menu
 > レビュワー
 > エスねこ さんの口コミ一覧
エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 644
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  戦略大作戦 《ネタバレ》 
ガールズ&パンツァーのレビューを書き進めるために鑑賞したら、何ともマイフェイバリットな怪作だったという (詳細はブログにて)
[インターネット(字幕)] 9点(2016-02-04 23:48:46)
2.  ピンチクリフ・グランプリ 《ネタバレ》 
もちろん10点ですよ。去年、金もないのに2回観に行きましたもん。 アニメーションも前例のない技術(後にも先にも、世界でこれっきりみたいです)を駆使してて圧倒されるんですが、なんたって最後のレースシーンが凄いんですよ。 レースの各局面でメーター類の動きがリアルにマシンの状況を反映してるんです。メーターの針をここまで愛情込めてアニメートした作品は他に知りません。パワーを限界まで出し切って、いつ死ぬかもわからないイル・テンポ・ギガンテ号。その機械の悲鳴が聞こえてきそう。 そこで、無言で、静かに、でも迷いなく警報装置のスイッチを切る主人公の指に、人形の柔和な顔の下にある凄まじい感情がチラリと覗きます。 ここ、この場面でホントに泣きましたよもー。 カウリスマキやベント・ハーメルにも通じる、北欧人のプライドのあり方かもしれないけどね。カッコいいという言葉だけではどうにも表現できない、一人の、老いた、骨の太いオトコの姿があるのです。 その、ただの一瞬だけで、オイラは10点の価値を感じてしまうのですな。
[映画館(字幕)] 10点(2009-04-05 01:06:32)
3.  カンバセーション・・・盗聴・・・ 《ネタバレ》 
残念。自分の中で、どうにも面白さがサスペンスへと深化していかなかった。後半はすっかりパラノイア的ギャグ。バスタブの栓の裏側をチェックする慎重さにはニヤニヤし、マリア像を壊した勢いでリミッターが解除されるラストには笑ってしまった。 多分、テーマに宗教を持ち込んだのと、ジーン・ハックマンの役作りが完璧すぎるのと、物語にぜい肉がないのが原因だと思う。ちょっと出来のいい中篇小説という感じ。 演技もさりながら、映像的にも素晴らしいシーンは多い(特にバスルームのシーンは多分『シャイニング』の元ネタっすよね?)。 この映画が味わえないのが、つくづく残念だなあ…『わらの犬』『タクシードライバー』にも無感動だったオイラなので、多分70年代のこの系列はダメなんだろうな…。
[DVD(字幕)] 5点(2008-01-06 23:36:09)
4.  急げ! 若者 TOMORROW NEVER WAITS 《ネタバレ》 
映画製作当時に観ていたら「てやんでェばっきゃろう!」となっていたはずの70年代アイドル映画も、これだけの歳月が過ぎれば冷静に評価できる。 この話は凄い。若大将シリーズの脚本家・田波靖男が製作/脚本というのが既にトリックのようなモノで、「こうあってほしいアイドル映画」をどんどんずらして行く。 孤児院を巣立った4人の若者が、それぞれに夢を見ながら厳しい社会で働き、歌を録音してはレコード会社へ送って…となると、その先の展開は決まりのはず。なのに、既に冒頭シーンから始まっていた微小な揺らぎが次第に大きくなり、サクセスストーリーと並行して不和・盗難・暴力団・ゆすり…と、無視できない規模になってフォーリーブスへまとわりつく。こんなアイドル映画はありえない。 大団円を期待する観客の心理を巧みに誘導する確信犯ぶりが素晴らしい。ラストでは見事に「歌手」と「歌」の相互に見つめ合う関係を絵に納めている。  シンデレラ物のお約束として、名のある人に認められるキッカケが必ずある。いわゆる現実とファンタジーの境界線を越えるエピソードだ。本作では自作のテープの放送を強行するため、ラジオ局に忍び込むシーンがそれで、ラジオパーソナリティとして二瓶正也が本人役で登場。この配役が絶妙で、「ウルトラマン」で誰もが知っている二瓶正也のマヌケぶりが見事にかぶり、ファンタジーへの境界線を知らぬ間に越えている。このラジオ放送を聞いてコンタクトして来る芸能プロ社長が、岡田真澄。真顔の濃い演技で、コミカルな色合いは消え、フォーリーブスの仮想空間は見事に確定する。  途中の展開で凄いナと思ったのは、疾走したメンバーを発見した感動の場面が、ミュージック・クリップ風に描かれて、ストーリーが消え去ってしまう部分。おなじみの手法だが、本作のは半端じゃない。歌と踊りに混じって撮影の合間のオフショットを入れる、練習風景を入れる、つまり物語は消滅して、この映画自身のメイキングフィルムに変わる。虚構の破れ目が覗くメタフィクションだ(このパートに対してもオチが用意されているのが凄い)。  アイドルを餌に、かなりの実験をブチ込んだ本作。実際のフォーリーブスの軌跡をたどると、あながちウソとも言い切れない部分があるのが、また恐ろしい。
[映画館(邦画)] 8点(2007-05-16 14:22:52)
5.  チャイコフスキー
その曲は当代の人々に溺愛され、今でも多くのファンを持ちつつも、人としての愛に恵まれなかったチャイコフスキーを描く伝記大作。 チャイコフスキーの音楽演奏は、ともすると非難ばっかりが集中して、ロシア音楽からドイツ音楽へ、またはジャズやポップスへと簡単に切替えられるこのCD時代に楽しむのは相当辛いモノがあるんですが、これが彼の人生にミックスされると俄然、肌合が変わります。一応彼を擁護しておくと、チャイコフスキーは大編成を好み、金管が派手で、和声にポリシーがなく、メロディ重視。彼の時代には、既にオーケストラは貴族の遊興を離れて大衆の娯楽になってますから、この流れに乗った「ひたすら耳に心地よく、意味不明にゴージャス」な音は正しかったわけっすよ。音楽史的にはね。 ところが映画はそんな音楽論を一切無視、「一人の男の生きざまを音楽で綴る」という、まるでミュージック・クリップのような展開をしています。しかも筋がなくって、ほとんどが内面描写。ロシア映画の伝統である時間経過の独特な表現もあいまって、彼の人生についてわかる明確なイベントは結婚した事と離婚した事くらいで、あとはひたすら音楽がナレーションがわりとなり、内面の成長・成熟を描く。これはクラッシック作曲家映画としては超王道でしょう。音とモンタージュの力で宗教的な、時には人間的な、悲痛で荘厳な世界が拓けていきます。 『マーラー』と双壁をなす、音楽映画の傑作。
[映画館(字幕)] 7点(2007-03-17 22:42:33)
6.  罪と罰(1970)
ドストエフスキー読んだ事がなくて、というかロシア文学全般を押さえてないんですが、サスガにまあ『罪と罰』ともなれば概略くらいは知ってます。 本作を観ようと思ったのは本末転倒というかタル・ベーラ監督の『ヴェルクマイスター・ハーモニー』の主役がこのバージョンのラスコリニコフ似だと聞いてたもので、何か関係あるのかナ、と。結論から言えば彫りの深さや眼光なんかがすげー似てますが、性格はまるで逆。3時間弱の間、終始「いや彼はこんな事しないぞ」という違和感を感じて…ってだから本末転倒なんだってば。 原作未読のため直感で点数つけてますが、ロシア演劇の底の厚さ(判事が真意を隠してラスコリニコフを説得するシーンは演技でグッと来ますな~)と、手際のいい説明カット(あのオッサンの盗み聞き映像なんかは映画ならでは)が随所に入って、難解であろう原作が凄くわかりやすくなってました。 原作、いつか読むかなあ…。
[映画館(字幕)] 7点(2007-02-19 22:47:42)
7.  はなれ瞽女おりん
ハレとケの混交するカオス。 そんな階級が存在するとは思いもしなかった社会の最下層以下の人間でありながら、同時に人のしがらみを突き抜けた仏。芸能人であり売女。あらゆる両側面を備えて、それがさらに「盲者が主人公の映像作品」という大きな矛盾に包まれている。だが観れば納得、その心は明快だ。 製作時期からして、おそらく名作『砂の器』路線を狙った映画なんだと思う。でも自分的にはアレを遥かに超えている。扱っているイメージが広すぎるのだ。おりんの姿には小野小町の末路まで重なってしまうし、門前で三味線を弾く瞽女姿はロックスターまで(というか「ロックンロール」という言葉そのもの)が重なる。そして折々に挿入される、一見「あれ? 何でここで?」的な北陸の風景。ゼンマイ、蓮の花、木々…彼女にはそう見えているのだ。なので、線香くさくない、地に足のついた土俗的仏教ワールドも広がっていると言える。  重層的な世界観を、ただ一人の主人公を描く事で束ねてしまった、とてつもない傑作。オイラの生涯を縛る作品にまたひとつ出会えたのが嬉しい。
[映画館(邦画)] 10点(2007-02-04 01:14:42)(良:1票)
8.  ウディ・アレンのバナナ
面白かった~。最近、観客としてのヒネクレ度がさらにUPしてしまったオイラですが、ここまで観客を置いてけぼりにしてくれれば文句なし。ナンセンスのレベルが、今のオイラに一番合ってるのかもしれないっす。どこにストーリーが流れて行くか全く読めない上に、序盤で出てきたテーマがブーメランのように帰ってくるあたりが、ナカナカにマイ・フェイバリット。問題は『スリーパー』と内容がほとんど同じだった事かな…面白さを取れば『スリーパー』、全体構成の巧みさを取れば『バナナ』っすかねー。それにしてもスタローンはこんな無名の端役時代からキャラが立ってたんだねえ。まるでカメオ出演のようでした。本作一番のサプライズかな。
[DVD(字幕)] 5点(2006-05-27 01:38:47)
9.  アタック・オブ・ザ・キラートマト
かつて、映像作品は神聖だった。どんなクズ映画だって作っている側は真剣そのものだった。エド・ウッドはシャレで『死霊の盆踊り』を製作した訳ではない(少なくとも酒代を儲けたかった)。石井輝男は遊びで『江戸川乱歩全集~恐怖奇形人間』を監督した訳ではない(彼はいつだって本気)。ハーシェル・ゴードン・ルイスは無為に『血の祝祭日』を撮った訳ではない(彼も生活がかかってた)。ラリー・ブキャナンは何の下心もなく『火星人地球大襲来』を企画したわけではない(あれはストリップ映画を撮るための口実)。若松孝二はドブに捨てるつもりで『天使の恍惚』を世に出した訳ではない(そのトンデモなさで評論界から睨まれはしたが)。etc,etc…。 だがしか~し! 70年代のある晴れた日の事(あくまで想像)である。我らがジョン・デ・ベロは映画を神聖だなんてこれっぽっちも思わなかった。創作行為が芸術だなんて、映画配給がビジネスだなんて、そんなセオリーぶったゴタクには耳も貸さなかった。代わりに、彼はかつてない手段で「映画」というメディアを処理した。ニヤニヤと笑いながら(あくまで想像)各地の大都会のパニックシーンをたった1カットで撮り上げ、ビーチでの凄惨なトメィトォ襲撃シーンは究極のリアリズムで挑む。彼はハリウッドが積み上げてきた伽藍の塔を、作中では事も無げに突き崩してしまった。 「ラクガキするな」と言われればデカい筆で大書してみたくなる。廊下だって走ってやりたい。みんながやらないのは、単に後ろ指をさされたくないからだ。だからオイラは今でも、こんなに楽しげに廊下を爆走する彼(あくまで想像だって)の姿に、分類不能のある種の感動と羨望を憶えるのだ。 こんな幸福な人物は滅多にいないと思う。 彼は世界で初めて、一点の曇りもない遊び心から、無為に、下心もなく、シャレで映画を作ってドブに捨てた。映画界にでっかくラクガキしたのだ。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-20 02:11:43)(良:3票)
10.  激突!<TVM>
ここのリスト見て、スピルバーグのデビュー作ではなく第3作だというのを知りました。そうか3作目が『激突』か…キューブリックの3作目は『突撃』だったっけ。←睡眠不足
[地上波(吹替)] 7点(2006-05-08 04:10:10)
11.  スリーパー
このヌルくてユルい未来SFが今なお新鮮なのは、未来を舞台に本気でスラップスティックをやろうという輩が現れないからだろうな。ホント、何度見ても野菜畑のシーンはくだらねーなー(笑)。作中でも触れられていますが、これ古典的なバックロジャーズネタでして、ウディ・アレンらしい捻りのおかげで何とか見れる内容になったって感じ。逆説的に、本作を意識しまくりのスタローン作品『デモリションマン』は、隔世遺伝でバックロジャーズに近づいてしまったのが笑止というかねえ…。オイラの知る限り未来のマクドナルドを描いたのは本作が一番早い。全体的な完成度は置いといて、繰り出される小ネタは現代でもまだけっこう新鮮だったりします。アレンの目の付け所がいいわけですなー。●補足:あ、でもオイラだってTV放送の吹き替え版を知ってるから、今の字幕版のみのDVDでも思い出し笑いできるわけです。これから初めて見る人には辛いだろうなあコレ…。
[地上波(吹替)] 7点(2006-03-12 14:09:11)
12.  惑星ソラリス
 惑星ソラリス。 それは鏡張りのバイオリンが懐古趣味のストーカーを弔う戦場。 タルっこさの全てがハイウェイを流れていく。 モスフィルムは、 この放射線を浴びて、 滅んだと聞く… 眠い… 
[映画館(字幕)] 7点(2006-03-11 12:55:01)
13.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
久々にゴブリンの『ゾンビ』聞いてたら書きたくなっちゃったよ。オイラは映画としてはロメロ版じゃなく、コッチ派なんですよね。この映画の凄いトコは、ヨタヨタ歩いて襲ってくるゾンビ襲撃場面のBGMに、ゴブリンのハードロックをつけちゃったダリオ・アルジェントのセンスにあると思うんですよ。あとゾンビの衣装も、本作が一番ぶっ飛んでてすごい。ラストの脱出シーン、野球選手のゾンビとかはまだ許せるが、ラマ僧のゾンビなんて、いったいあのショッピングセンターまでどうやってたどり着いたか意味不明だァ! あのぶっ飛んだ感覚がヒッピー文化の断末魔、最後の集大成みたいな感じに思えて仕方がないんです。ロメロ的な「空転する論理」で味わう左脳の恐怖と、アルジェント的な「意味不明殺戮ショー」で味わう右脳の恐怖が70年代の空気の中で絶妙にミックスされて、他のゾンビ映画では到達し得ない高峰まで登り切ってしまったんじゃないですかねえ。だいたい、ロメロもアルジェントも単独で撮ると完成度ボロボロでしょ。きっと互いに相手を嫌ってる事でしょうが、オイラは本作を「映画史における異質な才能のベストマッチング」だと断言したいっす。
[地上波(吹替)] 9点(2006-02-12 20:02:37)
14.  ゴジラ対メガロ
冒頭から、何気に怪しげな香気を放っているジェットジャガーなんすけど、どうして顔のデザインを般若ベースにしちゃったんすかねー。テーマソングまで作って、それ以降のゴジラシリーズで片翼を担うヒーローロボットとして生み出されたんだと思うんだけど、あれじゃ子供泣いちゃうよー! だがしかーし、この怪奇なデザインのインパクトが幼少期のサム・ライミに与えた影響は果てしなく大きかったと言わざるを得まい。本作から下ってはるか数十年後、スパイダーマンの好敵手となるグリーンゴブリンの姿にジェットジャガーの残像を(嘘
[ビデオ(字幕)] 1点(2006-01-07 13:15:45)(笑:1票)
15.  夢のチョコレート工場 《ネタバレ》 
このページ見るまでオイラの中では4点だったんですが…うっわー! 短編小説界のミスター毒、ロアルド・ダールの原作だったんかい~! こりゃ点数上げねば毒の神様のバチが当たりますわッ…というワケで7点! ウンパルンパの歌はひたすらリピートして聴きましたよ、ええ、だから神様許してね。ワンカ氏に漂うブラックさには、時代柄モンティ・パイソンを連想してたんですが、ある意味こちらの方がオリジナルでさぁねー。でも、満点に届かないのは西洋独特の宗教的構造の物語だからで、こればっかは原作を読まねば評価できまへん。ワンカ=神、ウンパルンパ=天使、チョコレート工場=天国、金のチケット=天国への入場権…この対比が猛烈にハマる上に、ラストで空を飛ばなければならない理由まで明快になってしまいますぞ。神様、毒の量に対してテーマがわかりやすすぎです(笑)。しっかし、『南から来た男』や『味』そのまんまのブラックさを保持したお子様映画があっただなんて…レアすぎる怪作でした。●追記:ウンパルンパの最後の歌の過激さにやっと気付きました。"You get no, You get no, You get no, Commercial!!" …100% 放映不可能ですな(NHK を除く)。こりゃTV放送されないで幻の作品にもなるわなあ…。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-27 01:22:12)
16.  ペーパー・ムーン
さて。テイタムは同世代なので、この映画は初放映時には完全に没入してしまいました(ある意味、今でもそうだな)。自分がアディという分身に置き換わって、カンサスの平地を走ってました(ある意味、今でもそう)。冷静に語るのが難しい作品です。 この映画を語る時は切り口が多すぎて困っちゃうんですが、2点書いておきましょうか。まずコレ実話なんですよね、意外と知られてないけど。原作はアディが大人になるまでを描いてて、ちょっと赤裸々すぎな感じ。映画で絶妙にチョイスされたエピソードのおかげで、すっごくホノボノ映画になってます。次に、異色なようで異色でない「少女ロードムービー」の代表格である事。「中年男と少女が車に乗って流浪する」というシチュエーションはアメリカ文学では定期的に登場するテーマで、『ロリータ』『ペーパームーン』『ファイアスターター』『眠れる犬』とまあ、けっこう名作やヒット作が多いんですよね(私的に、ここで挙げた中では『眠れる犬』が最高かな)。 詐欺・紙の月・親子疑惑・不倫・不況とルーズベルト…すべてひっくるめて「信じる」というキーワードで、幸福の周囲を行ったり来たり。多層的なテーマの描き出し方と、飾り気のない絵造りにどこまでも引き込まれる、古き良きアメリカの寓話です。
[地上波(吹替)] 10点(2005-07-01 00:38:26)(良:2票)
17.  ニッケルオデオン 《ネタバレ》 
のっけからネタバレで申し訳ない(ずっとずっとずーっと誰かが1番レビューしてくれるのを待ってたんだけどさー)。こないだ『イントレランス』で初めてグリフィス作品に触れたんですが、彼の語り口はどうしても鼻につく部分があって、のめり込めない事がわかりました。原因はおそらく、この映画をずっと先に、リアルタイムで見ていたから(っても日本公開は80年代に入ってからですが)。劇場に2回足を運んで、4回観ました。そこかしこで遊びまくりの画面が楽しい逸品。俳優的には、バート・レイノルズとライアン・オニールという当時のハリウッド2大プレイボーイにドタバタやらせたり、『ペーパームーン』で人気爆発直後のテイタム・オニールに魅力を殺した演技させてる(同じスタッフだから、これは確信犯)のも見どころか。 …さて、サイレントが復権するのは90年代。タランティーノやカウリスマキやベント・ハーメルなんかの異色監督が、この時代の技法を多用して再度市民権を得ます。でもそれまでは、古きよきニッケルオデオン時代の字幕やオーバーアクトや無茶なカット繋ぎは(仏ヌーベルバーグ時代を除いて)ファッション的に、スパイスとして使われただけ。サイレントはなぜそこまで冷遇されたのか…? オイラは映像作家グリフィスが音を欲し、サイレントスタイルを叩き潰したようにしか見えないんです。本作の最後で、『國民の創生』のプレミア上映の帰り道、「俺たちの時代は終わったんだ…」とシンミリ去っていく主人公たち。ボグダノヴィッチ流のペーソスの中に混じって、天才グリフィスへの「シラケ感」が漂って、観客までが映画の新しい時代の到来を全く喜べない心境になります。初期の映画の手作り感覚や一発屋的ショーマン感覚に満ち溢れた怪しげな香具師たちのドタバタは、字幕が復権した今の時代に見返すと、また一層味わいが増しますよ。70年代作品でありながら、極めて今風なテクニックを駆使した本作。内容的には70年代らしくヌルくてキレは悪いけど、今の時代に振り返れば、予見的で、示唆的で、刺激的です。サイレント万歳。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 22:11:12)
18.  合衆国最後の日 《ネタバレ》 
全権を掌握していたはずの大統領。その彼が単に役所のトップでしかなかった事を悟った時の衝撃。官の論理を延々と述べ立てて、政府の方針を変える事を拒む長官たち。サイロを占拠し、全てを操るパワーを手に入れながら、それを行使できないテロリスト。まったく救いのない70年代の縮図ですなあ。大統領の死の間際、事の真相を明らかにするよう懇願するが、誰も返事をせずに臨終を看取るエンディングが秀逸でした。真実・国民の審判・正義。そんなモノが意味を持たなくなった現代政治の、言ってみれば愚痴映画です。けれど、ホンキの愚痴には観客を涙させる力がある。泣きましたね。テレビムービーという「視聴者を引っ張り続けるためにダレ場を許さない」特殊な造りが、本作ではプラスに働いていたと思います。●追記:アマゾンで調べたら、TVMじゃなかった…あのいかにもTVっぽい、ちゃっちいオープニングとエンディングは何なんだ…? あと、劇場用だとすると、ちょっとカメラアングル(バストショット)が平板でショボいぞ。加えてあの画面分割は『ハルク』の元ネタでもあるワケですな。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-05 01:00:02)
19.  ザ・ドライバー
あれ? 大事なポイントに誰も言及してないですね…この映画、「主役のオニールとアジャーニが一瞬たりとも笑わない」っていうのでも有名になったんですよ(いや今ならカウリスマキとかがフツーにやってますが)。ウォルター・ヒルの作劇能力は本作(と『ウォリアーズ』)で頂点に達したと思ってます。映画を見始めた頃からしばらく、血気盛んな自分的には10点満点を維持してきたんですが、『イシュタール』に出会ってからオイラの興味がバカ映画に向いてしまったので、今はちょっと点が低め。あ、でも両方ともアジャーニがヒロインだぞ。なんだそういう事だったのか(笑)。
[地上波(吹替)] 8点(2005-05-15 01:27:11)
20.  中国超人インフラマン
予断をもって見て欲しくないので、オイラはレビューは書きません。以上。
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-10 14:31:34)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS