1. 風の谷のナウシカ
世界終末時計なるものがあって、1981年に4分前、1984年には3分前を記録した。冷戦、核兵器、環境破壊…ナウシカはそういった時代背景から成り、人類に警鐘を鳴らす。壮大なスケール、作画レベル、声優陣、素晴らしい音楽、ほとんどパーフェクトな作品だと思っている。 [地上波(邦画)] 10点(2006-02-04 07:20:45) |
2. 蒲田行進曲
時代設定はリアルタイムの1982年なんだろうけど、明らかに邦画全盛時代を意識している(汐路章のエピソードが基だから当たり前か)。松竹映画でありながら、スターと大部屋俳優の明確な上下関係を必要とするため、スターシステムで有名な東映を舞台にしているのも面白い。そんな古き良き時代(と言っちゃっていいものか…)を思わせる映画界に生きる大部屋俳優ヤス。そのエネルギッシュな生き方はおかしくも悲しいものだ。映画はスターだけでは成り立たない。普段、日の当たらない端役を輝かせたこの作品に映画好きの端くれとして低い点は付けられないって気分。そして意表を突いたラストシーンに+1点。この頃の松坂慶子は魅力的。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-26 00:31:00) |
3. Wの悲劇
主演の薬師丸ひろ子を差し置いて半分以上、三田佳子の映画だったと記憶されるだろう。大女優のイメージをそのまま投影させた役だけにハマリすぎてて怖い。各映画賞で助演女優部門を総なめにしたようだが大納得である。スキャンダルも後年… やめておこう…。主人公・三田静香は劇団の研究生、立場的にあの話を持ちかけられて心が動くのは当然だ。いけない事だと分かっていても売れるためなら汚い手も使う、それはスポーツ選手のドーピングに似た感覚かもしれない。失うものが無い者、すべてを手に入れた者、三田静香、羽鳥翔、二人の女性を通して見えてくる俳優、そして人間の心理に引き込まれる。舞台の芸術性も作品全体にいいイメージを与えているし、華やかな表、ドロドロとした裏が同時進行で展開され、まったく飽きさせない。(新人)の表記付きだった高木美保も、とてもそんな風に思えないほど堂々としていて見事。あ~ 面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-02-01 19:35:43) |
4. シャーキーズ・マシーン
《ネタバレ》 2時間濃かった。好きな女を守るためなら指の一、二本どうってこと…(痛い!) そんなバート・レイノルズのかっこよさや男臭さもさることながら、さらに凄かったのがヘンリー・シルヴァの人間とは思えないしぶとさだ。これはちょっと笑えるレベルに達している。最後は二人の直接対決になり、その結末にはスカッとすること間違いなし。その直前の会話では逆光にたたずむヘンリー・シルヴァが強いインパクトを残している。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-01-22 20:02:09)(良:1票) |
5. 摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に
UNIVERSALのロゴの時点からBGMが最高、街並みや主演のマイケル・J・フォックス含め80年代の空気が伝わってくるようで魅せられた。内容も楽しくて、特にパーティー後のみんながコソコソ部屋を行き来するシーンは大笑い。でもニューヨークに出てきたばかりの頃のちょっと壁にぶつかってる感じも好き。大都会の夕焼けが切なくてたまらない。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-01-08 19:37:24) |
6. スター・ウォーズ/帝国の逆襲
これが一番好き。世界観の素晴らしさ、後世にどれだけの影響を与えたか計り知れない。EP4では少し物足りなかったダース・ベイダーも存分に活躍。ルークとベイダーが直接剣を交える、そして真実の告白。熱いな~ 名作だ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-08-01 00:02:46) |
7. エイリアン2/完全版
エイリアン、リプリー共にしぶとい、しぶとすぎる。1本の映画でこれだけ何度も見せ場を作るとは、頭が下がります。前作では合成人間で痛い目に遭ったが、本作では逆に感動要素になっている点も好感が持てます。 [DVD(字幕)] 9点(2010-05-13 00:30:52)(良:1票) |
8. スカーフェイス
迫力と緊迫感に大満足。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-29 11:37:19) |
9. 天空の城ラピュタ
素晴らしい。 9点(2004-12-25 14:44:58) |
10. ニュー・シネマ・パラダイス
あのフィルムにはやられました。 9点(2004-08-23 23:00:41) |
11. ダイ・ハード
とにかく面白い 9点(2004-02-18 12:34:59) |
12. パリ、テキサス
美しい。といっても息を呑む圧倒的な美ではなく、日常にある美が印象的に映し出されている。外国の風景ではあるが、自分の人生の一場面と何度も重なってきた。音楽とともに哀愁をまとって、心に染みてくるTHE名画。本当に素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-06 20:00:30) |
13. バベットの晩餐会
《ネタバレ》 二人の老姉妹に助けられて今がある家政婦のバベットが、村の人も招いて恩返しの晩餐会を開く物語。しかし、準備段階でのあまりの物々しさに警戒感を抱く人々。「味覚など持ってないふりをするんだ」と誓いあい、その時を迎えたが、ここからが圧巻。人は美味しいものを食べてる時は幸せになる。これは本能のレベルであり、逆らえない。いや、それどころかその光景を見ているだけで何となく幸福感があるではないか。バベットは黙々と料理を作り、それを爺さん婆さんが黙々と食べているだけなのに… 不思議なものだ。満たされて帰っていく皆を見送った後、二人はバベットが宝くじの当選金すべてを使ったと知る。カフェ・アングルでは12人分が1万フランだったという偶然は神の介在を感じさえ、信心深い者にとってはこれが一つの理由になりえるが、バベットの場合それだけではなかった。「一生貧しく暮らすの?」と心配する二人にバベットは「芸術家は貧しくありません」と返す。12人の心と舌に残る芸術品を作れたことが喜びであり、この域に達した天才料理家の誇りでもある。温かさと気高さをまとった見事な作品に出会えた。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-02-09 17:32:14) |
14. ロボコップ(1987)
《ネタバレ》 人間ではない。しかし、ただのロボットでもない。生きていた頃の記憶が完全には消えておらずトラウマに苛まれるヒーロー。派手なアクションに加え、自分を取り戻していくというドラマもあるから感情移入しやすかった。犯罪組織から惨殺され、今度は仲間のはずの警官たちから容赦なく銃弾を浴びせられる。ターミネーターのような完全なロボットでも痛めつけられていると哀れみを感じずにはいられないが、少し人間が残っているとなればなおさらだ。正直、最初は強すぎるんじゃないかとも思ったけど、敵も強力の武器を手に入れるし、ロボコップにも致命的な弱点があったりとホント面白い戦いになった。敵の死に方もちょくちょく笑えるし。80年代はこのような優れた娯楽作が多く作られた印象。いい時代だったのだろう。ED-209のぎこちない動きもむしろ味です! [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-16 12:07:20) |
15. ブロンコ・ビリー
《ネタバレ》 アメリカ人にこんな言い方はおかしいけど、イメージとしては昭和のおっさんかな。不器用でカッとなりやすく(怒るとクラクション鳴らすのがお決まり)説教好きでも、義理人情に厚く仲間を大切にする。そして子供には優しい。日米、国の違いはあっても同じように古きよき時代を感じさせる。そんなブロンコ・ビリーと、魚みたいに冷たい女リリー。恐らく周りにいた人が金目当てばかりで人間不信になっちゃったんだろうけど、ビリーとの日々で徐々に変わっていく。そして惹かれあう二人。のんびりした田舎町の空気も相俟って自分には癒しの映画となった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-18 18:30:26) |
16. 張り込み(1987)
《ネタバレ》 期待以上に面白かった。張り込みをする側のクリスが一方的に恋をするのではなく、マリアもクリスに惹かれていく。しかし相棒以外にこの関係が知られたら一大事だし、マリアにも正体は隠しているから大変だ。これは戯曲的な面白さと言えるかな。ピンチにあたふた。女性用の帽子をかぶって逃げ回るリチャード・ドレイファスが笑いを誘う。そんなお調子者キャラだったクリスがすべてを打ち明け、関係は崩壊。この仕事を任されたからこその出会いだが、愛する人を騙す形になってしまった後悔。切ないな~。路上で彼女を引き止めたときの真剣な目、そして言葉にはぐっときた。その他、アクション映画としても見所があるし、スパイモノのようなドキドキ感もあって、充実の内容。「12モンキーズ」から遡ること8年、当時29歳だったマデリーン・ストーも魅力的だ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-09 19:08:08) |
17. ミシシッピー・バーニング
《ネタバレ》 KKK、完全に異常だ…。人間がどうしてあそこまで残酷になれるんだろうか。ジーン・ハックマンが怒りを爆発させる場面でスッキリできたけど、下された刑の軽さにはモヤモヤ感。黒人が逆のことをしたらこんなものじゃ済まないんだろうし。映画としては良く出来ていると思う。濃い2時間だった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-06 21:20:08)(良:1票) |
18. ペリーヌ物語
《ネタバレ》 テレビシリーズは未見。1877年のパリ、両親を亡くしたペリーヌが祖父ビルフランを訪ねるも、いかにも厳しく、冷たそうな老人だった。もともと母から「歓迎されないかも」と聞かされていたため、ペリーヌは孫だと名乗り出ることができず、偽名を使いビルフランが経営する工場で働き始める。英語が話せたペリーヌは通訳として重用され、徐々にビルフランから信頼を得ていく。ペリーヌがビルフランの屋敷に泊まるようになってからの日々、「本を読んで差し上げましょうか?」と言われた時のビルフランの喜びようが何ともほほ笑ましい。普段は厳しい人が見せる柔らかい表情は余計心に残る。息子エドモンが死んだと知り、落ち込むビルフランをペリーヌが励ますエピソードも感動的だ。ビルフランはフランソワーズの言葉からオーレリィ(ペリーヌ)の正体に勘付き、フィリップ弁護士に調査を依頼するが、ペリーヌと初めて会った日、驚きの表情を見せていたフランソワーズがちゃんと伏線になっているのは素晴らしい。「神よ、この幸せをあなたにどうやって感謝すれば良いのでしょう」…ビルフランの涙にもらい泣きした人はきっと数え切れないことだろう。いやあ、本当に良かった。ただ、作画レベルはお世辞にも高いとは言えないので、劇場用に全部描き直すくらいの気概がほしかった。自分のデビュー当時の演技を再現してみせた鶴ひろみの技術はさすがプロといったところ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-03-28 14:47:49) |
19. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
《ネタバレ》 星空を見上げながら誰々に比べればマシだと自分を慰めるイングマル、もう一つ思うことは「ママが元気なときにもっと話せばよかった」という後悔。どんなにガミガミ言われても、子供はお母さんを嫌いになれないものだ。そして距離を置いて見ることで子供ながらにいろいろなことが見えてくる、分かってくる。悲しい話なのに、それをあまり感じさせず、逆に少年時代の楽しさや、懐かしさを思い起こさせる映画。国も時代も境遇も違うのに不思議…。イングマルに笑顔が戻って良かった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-09 21:07:11) |
20. エレファント・マン
《ネタバレ》 ジョン・メリックに優しく接した人たちは偽善者かもしれないけど、見世物小屋で過ごした日々より幸せならば、そもそも偽善って何なんだろうと考えさせられる。プレゼントに感激し、流した涙に嘘はないはず。さらし者にされても卑屈な考えに支配されず、美しい心を持ち続けたジョン・メリックの生き方が胸に突き刺さる。そして彼の最期は充実感や満足感に満たされたものだったと信じたい。大聖堂のミニチュア、本当に素晴らしい出来でした…。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-29 17:01:01) |