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プロフィール
コメント数 2389
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  ゴッド・アンド・モンスター 《ネタバレ》 
自分にはその気はないのですが、ゲイが絡む映画には心を揺さぶられる傑作が多いから困っちゃいます。引退したホモの映画監督ホエール、若いムキムキだけど頭はカラッポの庭師、ホエールに15年仕えているが彼の性癖は嫌悪している信心深い老家政婦、この三人でほとんど物語は進行してゆくので舞台劇を観ているみたいな感覚です。リアル・ホモのイアン・マッケランは複雑な人格のホエールを繊細に演じきっていて見事です。「神」と「怪物」は『フランケンシュタインの花嫁』からの引用なのですが、実はどちらもホエールの内面を表すキーワードなのでした。つまり“ゴッド=モンスター”というわけなのですが、戦争で心に傷を負った過去の回想も交えて、観ていてほんと切ない気持になる素晴らしい脚本だと思います。そして家政婦を演じるリン・レッドグレーブの演技も実にいい。彼女は昨年亡くなりましたが、父マイケル・レッドグレーブもホモだったそうで、「父は罪深い人だった」とインタビューに答えています。まあ実人生のリアルな経験が映画の役柄に直結していたわけで、彼女の生涯最高の名演に役立つとは何とも皮肉なもんですね。タイトル・バックはフランケンシュタインの怪物の影絵の様なアニメーションですが、ラストにこの怪物の正体が判って「なるほど!」と唸らされました。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-11 20:30:27)
2.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
いやー、ここまで凄い映画だとは思ってませんでした、間違いなく傑作です。 冒頭のモノローグでスペイシーが殺されるのは判りますが、果たして誰が彼を殺すのかというサスペンスが良い緊張感を生んでぐいぐい観客を引っ張てゆく脚本の巧妙なこと! スペイシー家を含めて並んだ三軒の家のファミリーがみんなそろって変態であったり心の闇を抱えていたりと巧妙な人物造形なのがいいですね(あのゲイのカップルが一番まとも)。スペイシーの演技はあまりに絶妙で、まるで素でカメラの前に立っているみたいです。劇中にはストーリー上のトラップがかけられているのですが、ミーナ・スパーリのロリータぶりにはすっかり騙されましたよ。計算された脚本とカメラのシンクロも見事で、オスカー撮影賞受賞も納得です。本作のシチュエーションはウディ・アレンが撮ってもおかしくない様な題材ですが、ここまでグロテスクに昇華されれば、とんでもない結末とは言え本作は非常にソフィスケートされたコメディであることは間違いありません。
[ビデオ(字幕)] 10点(2010-12-17 22:06:13)
3.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 
この映画の味付けはコテコテのどろソース風味ですが、奇想天外なプロットを重厚な悲喜劇として見せてくれて、やはりこの監督クストリツァは天才です。彼の映画に欠かせない祝宴シーンは三十分に一度の割合で出てきますが、ヨヴァンの結婚式で花嫁が空中浮遊する場面は素晴らしかった。そしてラストでひょうたん島のように河辺が流れだすシーンには、内戦の果てに消滅していったユーゴ・スラビアという国への惜別がひしひしと伝わってきます。本作は自分にとって『奇跡の映画』です。
[ビデオ(字幕)] 10点(2010-01-07 00:02:56)(良:2票)
4.  レオン(1994) 《ネタバレ》 
リュック・ベッソン&ジャン・レノの黄金コンビが映画史に残した最高傑作です。たぶんベッソンはこの先何本映画を撮っても本作を超えることはできないんじゃないかな、まさに映画の神が降臨してきたって感じです。ベッソンはともかくとして本作でハリウッド・デビューを果たしたレノも、その後はここ三十年で最もハリウッド映画に出演した仏男優として活躍していますが、やはりジャン・レノ=レオンのイメージが変わらないのはいかがなものでしょうか。 世間には“ロリコン映画”としても有名ですけど、それはやはりその要素を意図的に強調した“完全版”の印象があるからで、このオリジナル=劇場版では“そこはかとないロリコン要素”という薄め具合が程よくて、まさに公開時の宣伝コピーである“凶暴な純愛”がピッタリはまっています。ナタリー・ポートマンはこの時十三歳ですが、見た目はさらに二・三歳下に見えるルックスが彼女の絶妙な演技を引き立ています。ちょっと知能発達に欠陥があるレオン、このおっさんとませたローティーンの組み合わせは考えてみれば危ない要素が満載ですが、そこをギリのラインで純愛ものに昇華させ得たのがこの劇場版だと言えるでしょう。でもポリコレがたいへん五月蠅くなった現代では、もはや製作が許されない物語なのかもしれません。そして、やはり本作で世間に知られるようになった“キレ芸ならこの人”ゲイリー・オールドマンの怪演も忘れてはいかんでしょう。まさかこの人がウィンストン・チャーチルに化けてオスカー受賞するとは、俳優の人生って判らないもんですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-07-09 23:12:21)
5.  英国万歳! 《ネタバレ》 
王と王太子の仲が悪いというのは、現代まで連綿と続く英王室の伝統みたいなものなんですね。それにしても、王室の物語だというのにウンコやオシッコのネタが多いのは笑っちゃうほどです。それも国王のですからねえ、こんなもので患者の精神状態が判るなんてほんと眉つばものです。よく考えるとこのストーリーは『英国王のスピーチ』と基本的には同じ話なんですね、王族への視点が本作の方がはるかにシニカルですけど。このジョージ三世という王様はは失政が多くてアメリカ植民地の独立を招いてしまったりしてますが、悪役扱いの王太子の方が奴隷解放を唱えたりして政策的にはまともな感じなのは凄い皮肉です。この王様、精神錯乱状態のときに助けてくれた侍従や医師を回復するとクビにするなど、『英国王のスピーチ』のジョージ六世と違ってなかなか非情です。感動を呼ぶには程遠い結末ですけど、これはこれで王族という人達の本質を鋭く突いていると思います。ラストで「家族円満を見せることが王室の大事な仕事だ」と犬猿の仲のロイヤルファミリーが民衆に笑顔を振りまくところなんか皮肉がきつ過ぎです。 ナイジェル・ホーソンの演技は、狂っているというよりも強度のノイローゼという感じなのです。でも本当は正気なのに厳しい現実から逃避するために深層心理が暴走している様にも見え、なかなか優れた演出だと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-12-02 00:14:01)
6.  ブラッド・シンプル ザ・スリラー 《ネタバレ》 
今まで色んな映画作家のデビュー作を観てきたけど、ここまで完成度の高いデビュー映画は後にも先にも本作だけです。もちろん再編集版『ザ・スリラー』で鑑賞したことは承知してますけど、DVD特典で観られたオリジナルとの相違点をチェックしてみても、あたりまえだけど基本的に同じ映画だと判ります。レイがマーティを埋めた畑から車で立ち去るロングショットなんか、デジタルリマスターの力であのほとんど黒に近いブルーの色調が見惚れるほど鮮やかになってますよ。このブルーを強調した映像や音楽の雰囲気そして大胆なカット割りなんかを観てると、そう、北野武の映画と空気がすごく似ているんです。例えると、凄く良く出来た脚本の北野映画という感じです。彼はこの映画を絶対に観て影響を受けてますよ。 冒頭でインチキ解説者を登場させて「この映画はフォーエヴァー・ヤングです」なんて言わせるところなんか、コーエン兄弟のすっとぼけたユーモアがわたしには大受けでした。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-29 23:35:08)
7.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 《ネタバレ》 
この映画を初めて観たときは、「俺さまこそが、英国のタランティーノじゃ!」というG・リッチーの雄叫びを聞かされたような気がしました。たしかに音楽の使い方のセンスなんかは、その当時のタランティーノを超えているんじゃないかな(もっともタランティーノの方はその後も進化を続けてG・リッチーを遥か彼方に置いてけぼりにしてしまいましたが)。 出てくる連中がどいつもこいつもろくでもないおバカさんなので、物語が動き出す前でも退屈させられません。派手な銃撃戦がある割には死ぬのは悪党だけなのでまあ後味すっきりと言うところでしょうか。 まあこの映画は、ビッグ・クリスことV・ジョーンズが最後はおいしいところを持っていってしまいましたが、あの“車のドア、バタバタ殺法”がちゃんと“スナッチ”でのV・ジョーンズ登場シーンに繋がっているところがにくいです。
[DVD(字幕)] 9点(2013-07-16 21:16:54)
8.  地球は女で回ってる 《ネタバレ》 
主人公ハリーは三度も結婚して別れた妻がみんな出てくるし、小説の世界ではハリーと妻たちをそれぞれ違う俳優が演じているので、始めのうちはややこしくて頭を整理するのが大変でした。でもこの脚本、数あるアレン映画の中でもかなり上位にランクされる出来だと思います。よく“虚実とりまぜる”と言いますが、これほど巧みにその境界線がぼかして見せてくれる映画は滅多にありません。ピンボケのR・ウィリアムスなんて、こんなこと考えつく映画監督はそう滅多にいるもんじゃありません(そいうや彼、最後までピンボケのままでしたね、良くこんなキャラを引き受けたものです)。最後にハリーの創造した小説の登場人物たちが勢ぞろいするところを観て、この映画はW・アレンの『8 1/2』なんだなと納得しました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2013-02-22 22:15:48)
9.  プライベート・ソルジャー<TVM> 《ネタバレ》 
TVMながらも並みの劇場映画をはるかに凌駕した、知られざる傑作戦争映画です。同時期に製作された『プライベート・ライアン』や『バンド・オブ・ブラザーズ』がレンジャー部隊や空挺部隊といったエリートの物語であるのとは対照的に、本作でとりあげられている師団は、兵卒も大半が徴兵されたばかりの普通の連中。主人公のマニングという兵士、ちょっと他の戦争映画ではみたことない様な卑劣で赤裸々な奴で、上官と取引して除隊の約束をさせるシーンで見せるニヤニヤ顔は人間の卑しい部分を見せられて強烈です。「ニタニタするな!」と大尉に怒鳴られるのも当然です。戦争では市街戦のつぎに兵士が嫌うのは森林戦だそうで、霧で視界が悪く地雷だらけの森で突撃させられるのは、ホント恐ろしさがひしひし伝わってくるシーンでした。冒頭で背負ってた戦友を途中で見捨てたマニングが、ラストは一度は見殺しにしようとした部下に背負われて死んでゆくのはなんという皮肉でしょうか。
[ビデオ(字幕)] 9点(2012-02-11 23:00:05)(良:1票)
10.  ファーゴ 《ネタバレ》 
“実話”なんて大ウソで、実在するのは地名ぐらいでしょう。その地名にしたって、タイトルになっているファーゴからして冒頭ブシェミたちが打合せに集まった場所ですが、その後まったくストーリーに無関係というおとぼけぶりです。田舎の町ですから警察署長を始めのんびりした人ばかりのところに、ウィリアム・H・メイシーが立てた間抜けな誘拐計画のためにやって来たよそ者二人が期せずして凄惨な殺しを重ねてゆくところは、後年の『ノーカントリー』に繋がってゆくわけです。メイシーのかみさんが拉致されるシークエンスは、侵入してくるところから実に怖いカットの連続なのですがドタバタ喜劇の様なかみさんのリアクションが妙にシュールに見えてコーエン兄弟の演出の真骨頂です(このかみさん、その後殺されるまでずっと袋かぶせられたままというのもおかしい)。フランシス・マクドーマンドの食事シーンが何度かありますが、どれも脂ぎった喰い物をバクバク平らげているのが、とってもグロテスク。「食べる」ことは「生きる」ということに直結しているということが言いたいシンボリックな表現なのかなと思いました。いずれにせよ、コーエン兄弟映画のひとつの頂点であるのは確かです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-25 19:12:00)
11.  ノーバディーズ・フール 《ネタバレ》 
正直あまり期待しないで観たのですが、これが予想をはるかに上回る良作だったので嬉しかったです。この映画のポール・ニューマンの演技は、彼の晩年でもっとも素晴らしいものだと私は思います。これでオスカー獲っててもおかしくなかったし、『ハスラー2』なんかより全然いい! こういう静かなほのぼのとした小品を撮らせると、ロバート・ベントンはホントに上手い人です。メラニー・グリフィスもなかなか魅力的な役柄でしたが、ほんの一瞬オッパイを見せる瞬間芸は笑わせていただきました。あれは、彼女のアドリブだったんじゃないでしょうか。ジェシカ・タンディもニューマンや他の共演者の素晴らしい演技に見送られる様に逝けて幸せだったのでは。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-04 00:32:30)(良:3票)
12.  トゥルー・ロマンス
タランティーノが書いた脚本では最良ではないでしょうか。トニー・スコットが監督したので脚本が持っている毒気がちょうどよい具合に中和されて傑作となりました。この頃のトニー・スコットは、21世紀になってからの例のチャカチャカしたぶっきらぼうなカットつなぎでは無いので、テンポの良さがラストまで持続していて良かったです。またこれほど絶妙なキャスティングの映画も珍しく、けっこう豪華な出演俳優がみなそれぞれツボにはまったキャラを演じているのが実に楽しい。「バカップルもの」ジャンルではマイフェバリットです。
[DVD(字幕)] 9点(2010-12-15 21:29:19)
13.  ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
このサイトでは意外にも点数辛いですが、私にはツボにど真ん中直球ストレート、と言う感じでした。まずホフマン、明らかに伝説のプロデューサーであるロバート・エヴァンスがモデルで、彼の親友でもあるホフマンが嬉々として演じているのが観てて楽しい。何かと胡散臭くみられがちなプロデューサー業のペーソスが漂っていました。そしてデ・ニーロ、この髭ずらの謎の男は『エンゼルハート』の悪魔ルシファーのセルフコメディではないでしょうか。本作では一応人間なので魔力はみせませんが、CIAの追及をかわすシーンでは「悪魔の様な弁舌」を披露してくれます。 ブラックユーモアと痛烈な皮肉が利きすぎているところもありますが、9.11やイラク戦争のはるか以前に製作されていることは驚きです。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-11-03 21:56:27)(良:2票)
14.  カリートの道
抑えた演技のパチーノと、キャラが立ちまくっているペン。この二人の名優のコンビネーションが絶妙なので、とても良い余韻が残る名作だと思います。特にペンは今まで観た中で最高の演技ではないでしょうか。なんか最近えらそうな役柄が多いのですが、彼は本来変なチンピラみたいなキャラでもとても大きく膨らませることができる役者です。 こうやって観ると、デ・パルマという監督は単に映像フェチなだけでなく、けっこう役者の演技を引き出すのも上手いのかもしれませんね。そしてあの切ないエンディングはデ・パルマ映画の中で最高の出来で、思わずホロりとさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-06 23:23:06)
15.  カラー・オブ・ハート 《ネタバレ》 
「TV番組の世界に入り込んだ姉妹の冒険」と言うアイデアはともかくとして、ベタな展開の学園物コメディ・ファンタジーに落ち着かせない脚本のパワーが秀逸。プレザントヴィルの世界もけっこう凝った設定なので、前半のコメディラインも生き生きしてます。「カラード」と「モノクロ」に町の住民が二分してゆき、それがアメリカらしい人種問題のメタファーになっていくのには、眼からウロコで上手さに感心させられました。でもやっぱりこの作品の成功は、デジタルテクノロジーを駆使したパートカラー映像の美しさに負うところが大きいでしょう。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-10-03 23:31:57)(良:1票)
16.  ワイルド・アット・ハート 《ネタバレ》 
本作あたりから、リンチの映画は凡人の手が届かない次元に昇華していったのです。ニコジーとローラ・ダーンのバカップルぶりは、もうバカバカしいを通り越して神々しく感じられるほどです。でもこれでもかと立て続けに登場する脇を固める役者たちのぶっ飛んだ奇人・変態ぶりがもの凄くて、バカップルが実は一番まともに見えてくるから不思議です。でも自分には、リンチワールドとしてはまだバランスがとれた変態度で、役者の個性の見せ合いとして楽しませていただきました。それにしても、あの天使だけはなんとかして欲しかったですね…。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-06-04 00:51:15)
17.  ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! 《ネタバレ》 
原題は『選挙』、高校の生徒会役員選挙なんですが、シニカルでブラックな視点で描かれていて、ひどい邦題からは想像つかない奥の深さに感心しました。リース・ウィーザースプーンの顔芸にまず苦笑、クリス・クラインの演技とは思えないバカっぷりもおかしかったけれど、マシュー・ブロデリックの小市民根性丸出しの小物ぶりを見て、これは彼しか演じられないキャラだと感心しました。これは意外な拾いものですよ。なんでも、リースの役は最初ソーラ・バーチだったが撮影開始直後に降板しちゃったそうです。きっと変な顔撮られて怒っちゃったんだろうな。
[DVD(字幕)] 9点(2010-04-21 01:33:23)
18.  オルランド 《ネタバレ》 
ヴァージニア・ウルフの小説は一昔まえには「映画化不可能」というのが定説だったのですが、近年映像化され始めてどの作品も秀作ぞろいだと思います。腕に自信があり原作を良く読み込んだ監督しか手を出さないからでしょうが、本作もサリー・ポッターの才能が余すところなくウルフの世界を映像化してくれました。役者の使い方も面白くて、冒頭にエリザベス一世が登場する場面があるのですが、やけに貫禄のあるエリザベス女王だなと思ったら、なんと男優が演じているんですね。男優がエリザベス女王を演じた映画がかつてあったでしょうか! 全編に漂うそこはかとないユーモアが心地良い佳品です。
[DVD(字幕)] 9点(2010-04-18 02:36:13)
19.  マチネー/土曜の午後はキッスで始まる 《ネタバレ》 
この脚本書いた人、凄いなあ。キューバ危機でパニック状態に陥っている街でホラー映画をめぐって繰り広げられるドタバタコメディで、しかも『ギミックの帝王』ウィリアム・キャッスルへのオマージュになっている。こんな重層構造のプロットなのに、本作は違和感なく楽しめる作品として仕上がっています。音楽がいい、ジョン・グッドマンを始め役者がいい、しかも『B級映画愛』に満ち溢れている。こんな良作なのに知名度が低いというのは残念です。間違いなくジョー・ダンテの最高作でしょう。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-12-03 20:14:04)(良:1票)
20.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 
スコセッシという監督は、詩情やロマンのかけらもないマフィア映画を撮る人だなとつくづく感じました。米国では1960年代までマフィアの存在すら公的に認知されていなかったことを考えると、初期のマフィア映画は正面きって組織犯罪をテーマにすることに躊躇があって組織の疑似家族的な側面を強調して描くことが多かったと思います。これはちょっと意味合いが違いますが、日本の任侠映画に通じるところがあるでしょう。ブルックリンのチンピラの青春をテーマにして監督デビューしたスコセッシが、「人間の原罪」というカトリック的な作家性を発揮して、「人間は罪を犯す動物である」というテーゼでマフィア映画を撮ればここまで突き抜けた傑作になるのは当然でしょう。登場人物は男も女もみなろくでもない人間のクズみたいな奴ばかりですが、トミーが粛清されたと知ってジミーがおいおいと声をあげて泣くシーンが、劇中唯一の救いの様なシーンでした。
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-08 23:07:18)(良:1票)
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