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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
本作は決して宮崎ジブリのような高い完成度ではない。でも作り手の映画に懸ける熱意や郷土愛が映画の雰囲気からよく伝わってきて、私はとても好きな作品です。本作の物語、魔法やファンタジーがあるわけでもない、奇跡も何も起きないただの若い日々、これは宮崎ジブリに慣れていた私にとっては逆に新鮮に映りました。でも若いときは気づかなかったけど、若さと平凡な日々はもうそれだけで奇跡ですよね。私自身、青春時代を海も山もない都心近郊で過ごしたこともあって、はるか遠い街、海がきこえる故郷は昔から憧れでした。この同窓会の場面を観る度に昔を思い出す。親友、好きだった女の子、受験。みんな元気でやっているだろうか。実はこの映画を最初に観た時はピンとこなかった。気になってたまに観返すようになり、いつの間にか自分にとって大切な映画になった。まるで映画の二人のような関係。この映画、すごく好きです。
[DVD(邦画)] 10点(2016-03-15 23:16:42)(良:1票)
2.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
いきなりどうでもいいようなことだけど、美人秘書をわんさかとはべらすシンドラー (リーアム・ニーソン) がよかった。女たちにタイプを打たせて、それを楽しそうに眺める彼の姿が笑えた。この題材ですら、"娯楽性" にこだわるあたり、とてもスピルバーグらしいな、と。もしかしたら、「ジョーズ」や「インディ・ジョーンズ」すら、本作への試金石だったのかもしれない。そう思えるほど、ユダヤ系の大映画監督がやがてたどり着く、集大成であり到達点のような映画だった。 冒頭、野心のかたまりであったシンドラーは、はっきり言っていけ好かない。しかし、障害者の従業員がナチスに殺られたあたりから、明らかに彼の心に "変化" が生じていく。彼の怒りは単なる一経営者としてか、ナチス上層部への対抗心か、それとも「正義感」が芽生えたのか、ここではまだわからない。やがて、殺りくと死体の山を目の当たりにして、彼が決意したのは、自分が救わなければならない「使命感」だろう。オスカー・シンドラーその人が、人道主義者として覚醒し成長していくという、彼自身の "成長記" としてもよくできた映画だ。 そして、彼が救ったユダヤ人たちに見送られる最後の場面は、私の心に深く突き刺さり、生涯忘れることはあるまい。このとき、リーアム・ニーソンの涙は、確かに演技などではなかった。 数限りなく悲惨な出来事があったホロコーストという歴史について、赤い服の少女と、この涙と、彼を見つめるユダヤ人たちの眼差しが、私に多くのことを教えてくれた。
[DVD(字幕)] 9点(2021-02-22 13:34:40)
3.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り
長い映画史でも、絶対に吹替えで観てはいけない映画がいくつかある。その一つが本作だ。なぜなら、あのアルパチーノの大演説は、その言葉の意味以上に、声そのものの響きが心を打たずにおかないからである。もし吹替えで観たなら、その感動は半減する、と断言しておく。 以下は余談ながら。 盲目という設定、チャーリー、名曲「ラ・ヴィオレテラ」。そう、本作は名作「街の灯」に対する恋文でもある。 もう一つ、チャーリーを演じたC・オドネルについてコメントしておく。彼の抑えた名演技がアルパチーノの良さを余すところなく引き出した、と言っても過言ではない。アルパチーノのアカデミー主演男優賞に対して、C・オドネルは私の心の中ではアカデミー助演男優賞。いつまでも、記憶にとどめておきたい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-06 11:46:42)(良:1票)
4.  トレマーズ 《ネタバレ》 
トレマーズ。 これは、怖くて、楽しくて、そしてラストはショーシャンクに匹敵する爽快感 (嘘) 、、。もしかして、もしかすると、これは映画史に残る傑作「B級映画」ではなかろうか。 まず第一に、低予算だ。なんせ、ミミズのモンスターが地中を進む映像なんか、昔のウルトラマンに負けてる。 そして、全体的にかなり "テキトー" だ。 なぜなら「トレマーズ」ってキーワードが出てこない。(確か) 生死 (にかかわる選択) を、何度もジャンケンで決めるなよ。 でも、何事も無かったように、彼女とぶっちゅして空撮で終わるとこなんか最高だ。続くエンディングの歌の、底抜けにノー天気な感じがまた良いんだ。(人たくさん死んでますけど・・) ちなみに、大荒野のド真ん中にポツネンと小さな町があって、そこら中に突然モンスターが現れるあたり、まるでドラクエみたいでワクワクした。 あと、キャスティングについて。男同士のバディものでありながら、白人同士のペアってのは近年のハリウッド映画と比べると珍しいかも。そもそも、黒人の出演者が皆無、そして殺られるのが動物とジジイと中国人という、、これはディズニー製作ではできないなあ (笑) でも、もとから大ヒットとか興行収入にはこだわっていませんね、わかっていますよ。B級映画はこうじゃなきゃ。9点。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-04 01:20:44)
5.  恋愛小説家 《ネタバレ》 
公開当時は、あのJ・ニコルソンがロマンスを? と驚いたものですが、結果はオスカーも納得の好演でした。彼の演技力からすれば好演は当然のことですが、毒舌で皮肉屋、でも実はシャイでロマンチストといった役が実にはまり役。あて書きとしか思えないほどのナイスキャスティングでしたね。 物語はとにかく、主人公メルヴィンの一挙一動から目が離せない。エキセントリックな言動の数々も初めは不快感なんですが、やはり映画って観せ方なんでしょう。物語が進むにつれてだんだん良いヤツに思えてくる、よくできた粋な脚本だと思います。彼は欠点も多いけど、彼自身がそれを充分に自覚していること。もう一つ、恋には一途なこと。だから僕にとって彼は愛すべきヤツでした。 そして、、ラストシーンの美しさ。夜明けの街中に二人、心に残る名台詞、パン屋に灯る明り、、まるでうっとりと古き良き往年の名画を観ているよう。 恋愛映画で主演二人が揃ってオスカーとは、今考えてみれば素晴らしい時代。本当の意味で最後のクラシックな恋愛映画。そして、一度観ただけではわからないが、やはり観れば観るほど名画だと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2013-11-10 19:10:24)(良:1票)
6.  マグノリア
大スター、トム・クルーズ。  トップガンのマーヴェリック、ミッション:インポッシブルのイーサン・ハント、、 君はどっち派か?  私は断然、マグノリアのフランク・T・J・マッキー派 (笑)  「イ○モツを敬え!!」 「お○んを手なずけろ!!」  たった一作、このたった二言で、 マーヴェリックとイーサンの幻影が全て跡形も無く吹っ飛んだ。
[DVD(字幕)] 8点(2024-04-19 22:34:11)
7.  秘密と嘘 《ネタバレ》 
大きなドラマが展開することなく、もどかしい展開が続きますが、全ては、「お誕生日会」のために、と言える脚本でした。あの場面は、言うなれば「七人の怒れる家族たち」じゃないけど、たいへん観応えある舞台劇仕立てのドラマだったように思います。 私は題名について、一生隠し通したら秘密、でも言うべき時がきて隠したらそれは嘘になる、、そういう表裏一体の関係と思ってる。つまり、本作に「嘘」だけはなかったはずで、誰もがお互いに対して誠実な家族であろうとした、、それだけは言えると思えます。 そして、この映画で興味深いのは、各々の家や部屋にスポットを当てているところ。人と人をつなぎ止めているのは「心」ですが、この映画では「家」と言っている気がします。家に人は共に生きて、家に心と心がつなぎ留められ、妥協点を模索しながら、いつしか同じ未来を見据える本当の家族となる・・。 とりわけ、シンシアが物語の軸ではありましたが、モーリスやホーテンスの登場も多く、ある意味では主役が存在しない群像劇であり、つまり全員が物語の主役である、、そういう映画なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2022-03-06 16:20:27)
8.  潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ 《ネタバレ》 
なんせ、ヘミングウェイだし、文学の香りにたじろぎつつ、身構えて鑑賞を始めたが、、その心配は、「すっ裸」のフランクによって、すぐに杞憂に終わりました (笑) 潮風漂う海辺の美しい風景の中、全く違う人生を歩んできた二人の老人の心温まる交流が、とてもよかった。 フランク (リチャード・ハリス) はウォルトから礼節や身だしなみを教わり、次第に紳士らしく変貌してゆく。かたやウォルト (ロバート・デュヴァル) は、奔放なフランクの影響でタガが外れていき、ついには二人そろって「すっ裸」で遊泳してしまう姿が笑えてくる。お互いが「持ち味」を与え合い、少しずつ変わっていく二人の姿は微笑ましいし、この年齢からでも人は変われるんだ、と感じさせてくれる。 フランクの最後は切ないけど、たくさんのよい出会いのおかげで、彼は一片の悔いなく人生を終えることができた、そう思いたい。 二人乗りの自転車、海辺の公園で幼い少女たちと語らう二人の老人の姿、、それは理屈抜きに癒される光景であり、いつまでも心に残りそうだ。 そして、シャーリー・マクレーンはいつまでもキレイだ。彼女がアパートの管理人さんとは、まさに「アパートの鍵貸します」らしくていいじゃないか。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-10 16:30:32)
9.  恋のためらい/フランキー&ジョニー
あのアル・パチーノがロマンチックコメディとは、パチーノ映画史の中でもたいへん「希少価値」の高い映画。そして相手役にミシェル・ファイファーとは、「スカーフェイス」の二人がこんなところで再度相まみえる (笑) という、実に粋なキャスティングだ、もちろん脚本も粋だけど。しかし、二人はどの映画でもケンカばかりしてるな、うん。 また恋愛モノとしてこだわらずとも、これまたいつもと違うアル・パチーノがわんさか堪能できて嬉しい映画。だって、アル・パチーノがダイナーのコックさんですよ? これだけで微笑ましいじゃありませんか。やっぱり、包丁片手に「フーアー!!」ってやってました、厨房で。 特にお気に入りが、友人を祝うダンスパーティーのシーン。酒飲んで、歌って踊って、グルグル回って、、こんなに楽しそうな彼、他ではほとんど見られません。そしてこれだけ大勢いるのに、彼が一番チビなんですよね・・。「輪」になって踊ってると、隠そうとしても隠せない。(ゴメンね、パチーノ) でも本人は全く気にしてない感じだし、うまく言えんがそういうところが私がアル・パチーノを好きな理由の一つなんだ。 って、内容についてのコメントがほとんどないな、、まっいいか。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-19 22:20:14)(良:1票)
10.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 
よく練られた脚本に台本読合せを入念に行ったであろうリハーサル、その努力伝わりました、楽しめました高得点。 いや~~ 実に白熱しましたね。 縁もゆかりもない、この場限りだけの他人同士であること。思えば、この一期一会こそが「議論」することのあるべき理想の姿かもしれませんね。だって、親族集会や会社の会議じゃあ、こうはいかんもの。特に会社の会議なんて、明日からの立場を考えたら、上司に面と向かって「あなたの意見はまちがっています」なんて言えんわい! (笑) ・・・で、結局は被告の女性が登場すらしないあたり、真実うんぬんは本作の焦点ではないように思われました。 そして確かに優しい日本人たちでしたが、あのメガネくんだけは例外。むしろ彼こそ、ストーカー殺人とかやりそうなタイプ。次は彼自身が陪審審理の対象になるかもね~。 最後の解散していくオチは素敵ですよね、あの後味の良さでみなさんの好感度と映画の点数上がります、まちがいなく。
[DVD(邦画)] 8点(2020-08-27 17:58:55)
11.  浮き雲(1996) 《ネタバレ》 
このレストランの名前、「どぶろく」でしょう? (笑) 私はアキ・カウリスマキ監督の、日本をネタにした茶目っ気が好きなんだ。 ストーリーはお馴染みです。平凡な暮らしの中に見つける、ささやかな幸せと人間賛歌。確かに、無職同然の夫婦二人の生活は慎ましい。でも部屋はお花や絵や写真を飾っていてキレイだし、二人とも服装にもこだわっています。そして、タバコも酒も映画も決して止めない。たとえ生活が苦しくとも、人生を楽しむ気概とゆとりは忘れるな。監督の映画からは、いつもこのメッセージを感じます。 最後、レストランの席がうまっていく光景は、まるで見ているこちらの心まで満たされていくようです。この展開、荻上直子監督の「かもめ食堂」を思い出しますね。そう、どちらも舞台はフィンランドのヘルシンキ。どうやら、小津監督と日本文化を敬愛するアキ・カウリスマキ監督のこころに、荻上監督はよいかたちで応えてくれました。 嬉しいかな、フィンランドと日本の関係は、映画を通じてすこぶる良好なようです。
[DVD(字幕)] 8点(2020-02-16 22:12:42)
12.  息子(1991) 《ネタバレ》 
仕事にありつくため都会に移り住む息子たち。やがて離散していく田舎の家族。都会では土地も住まいも高値であり、ただ暮らすだけで精一杯。その都会に暮らす息子たちを転々と尋ね歩き、やがて一人田舎に帰っていく照男の姿が寂しい。(このくだりは小津監督の「東京物語」を彷彿させます) あくまで主軸は父と息子をテーマにした物語。しかし、この国がかかえる慢性的な社会問題や、過疎地の高齢化問題にも言及しているように、社会派の一面も色濃い。厳しい暮らしの中にも、ささやかな幸せを探してさまよう哲夫。子どもと思っていた哲夫の結婚に目を見張り、照れ隠しするように喜び歌う照男。山田洋次監督の視線はどこまでもやさしい。経済状況の苦しい息子夫婦の住まいに居座るよりは、息子たちの人生を思って、故郷の孤独を選んだ父の姿。その覚悟は若者にはできない芸当だろう。本作は息子のいない自分にとって、息子から見た「父」の物語でした。いつか自分が父になったとき、また改めて観直したい。自分が息子のために何を思い、何をしてやれるのか。その時まで、三國連太郎が演じた父の姿を一つ一つ、心に強く焼き付けておきます。
[DVD(邦画)] 8点(2017-10-25 15:38:06)(良:1票)
13.  この森で、天使はバスを降りた
うん、なかなかいい映画でした。A・エリオットの透明感と大自然の映像美に癒される一作でした。でも邦題はよくない。このおかしな邦題が観た人たちの神経を逆撫でしてる。もっと原題に忠実な、例えば無難に「スピットファイア・グリル~森に導かれし者たち」あたりがよかった気がします。邦題はね、出しゃばってはいけないんです。(基本、直訳がベストと思ってます)
[DVD(字幕)] 8点(2017-09-24 19:47:34)
14.  八月のクリスマス(1998) 《ネタバレ》 
この映画は、"死"はいつかは誰にでも訪れるものとして、あまりにも淡々と描いている。彼の落ち着いた様子に、死ぬことは怖くない、とあやうく騙されそうになる。だがそれは大きな間違い。"死"が怖くないはずがない。彼だって本当は毎日泣きたいくらい怖いのだ。死への恐怖に立ち向かう勇気を与えてくれたのが彼女であり、そしてその愛の力に他ならない。二人は結ばれなかったけど、これは珠玉のラブストーリー。愛して愛される歓びは死の恐怖にも勝ることを教えてくれたから。きっとこの出会いは、誠実に生きてきた彼のために神様が特別に与えてくれたプレゼントだったと思いたい。もう誕生日を迎えることのない彼の最後の夏の物語、八月のクリスマス。
[DVD(字幕)] 8点(2016-07-21 23:48:48)
15.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 
この映画はやはり主演二人の溌剌さがよい。本当に旅先で出会った恋人たちのように私の目には映りました。二人から溢れだす多くの言葉もほとんど即興のアドリブではないか、と思えるほど自然な感じでしたね。そして二人の別れ方が素敵です。「半年後、またこの場所で逢いましょう」なんて、一生に一度は異性と交わしてみたい言葉。この魔法のことばによって、一晩のロマンスは記憶に残り、未来が恋しくなったわけです。ストーリーは徹底的に現実感を追及しているため、他のロマンス映画とは一線を画す個性的な映画だとは思います。でも現実的にはこのような出会いは海外一人旅を100回もして1回あったらよい方でしょう。これは、恋の成熟よりは"出会い"を愛する人にとって珠玉の映画。勝手な先入観ですが、このシリーズの心酔者はいつまでも独身でいる方が多いのでは?話が逸れましたが、、、どうか多くの旅人たちに素敵な出会いがありますように。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-21 22:05:50)
16.  天使の涙 《ネタバレ》 
無駄なセリフを極力そぎ落とし、その映像とカメラワークで登場人物たちの心情を表現することに成功している。カメラワーク、特に人物の撮り方には強い拘りを感じた。被写体以外はぼかして、そのまわりの風景は時間のように慌ただしく過ぎ去る。ラストシーンは一転してその逆だ。バイクで疾走する二人、それが次第にスローモーションへ変わっていく。そして、間違いなくそこに存在するのは、お互いの息遣いだ。誰にでもある、いつまでもこのままでいたい瞬間。その瞬間を、映像で完璧に表現することに成功した、奇跡的な場面。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-26 23:13:41)
17.  日の名残り 《ネタバレ》 
舞台であるダーリントン・ホールと、その英国式庭園の格調高き美しさのなかにおいても、アンソニー・ホプキンス演じるスティーブンスの佇まい、その生真面目さとか、恋愛に対する奥ゆかしさとか、、日本人の気質に近いものを観た気がしました。彼の執事としての寸分狂わぬ完璧な仕事ぶりは、わが国が誇る職人のこだわりに近いものを感じたし、その一つ一つの手作業に見惚れるばかりの130分でした。 全体的に張りつめた雰囲気に終始しますが、唯一、ヒュー・グラント演じるカーディナルが見せるトボけた味わい、そして彼と執事の交流は、緊張感あるこの作品に良いアクセントを加えているように思う。 どうやら、本作はカズオ・イシグロ氏の原作を読まれた方には不評のようだが、個人的には、晩年のミス・ケントンと歩く夕暮れ時の美しさ、おそらく二人にとって最初で最後の握手になるであろう、バス停の別れは心に残るものであり、これだけでも映像化したことの価値を見い出すことができた。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-22 23:29:54)(良:1票)
18.  ベティ・ブルー/インテグラル<完全版> 《ネタバレ》 
これは激情の愛、とでも言おうか。お互いの体を求めて激しく、そして時には牧歌的な大草原で愛し合う。若さという最大の武器と、怖いものなど知らない彼らの深い情愛に、私は少なからず嫉妬した。ベティというキャラクターは強烈だった。物を投げる、車にペンキをぶちまける、家に火をつける、人を傷つける。この破天荒なベティという女をどうしても心底から憎めないのは、良識の範囲が人とずれているだけで、その行動に一切の損得勘定は感じられないからだろう。本能のおもむくまま、考えるより先に行動するベティ。その行動力と生き様を私は内心羨望の眼差しで観ていた。ゾルグが最後にベティに下した決断。ゾルグを行動に駆り立てたのは、「この世には、死よりも苦しいものがあるの」というベティの魂の叫びが聴こえたからと思いたい。この行為は決して許されるものではないが、ベティを世界で最も理解し、愛していた彼には、広い世界でただ一人それを行う手形を委ねられていたと思う。この行為に良いとか悪いとかの一言で審判をすることは、私には到底できない。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-07 23:33:23)(良:1票)
19.  ヒート
ヴィンセント (パチーノ) とニール (デニーロ) 。 成り行きで正義と悪の道に進んでしまったような二人だが、仕事 (ヤマ) に取り憑かれて、凄まじく「生き急いでいる」という点で彼らは同種族である。そんな彼らにとって、お互いに最高の「好敵手」の出現に、二人の血沸き肉躍る心境がビシビシと伝わってきた。 対象的に、ヴィンセントの冷え切った家族関係とか、ニールが住む家の空虚さと夜景の儚い美しさとか、、およそ家庭が似合わない男たちの「孤独」を感じさせる描写が秀逸で、彼らのキャラに深みを与えているように思う。きっと、彼らにとって仕事 (ヤマ) は生きがいではなく精神安定剤であり、「セラピー」かもしれない、、そう思わせる男たちであった。 また本作では、ヴァル・キルマーやトム・サイズモアも魅力的であったが、彼らですらデニーロと凄んで歩くことによって「男増し」することは否定できない。 個人的には、パチーノとデニーロが若くも年寄りでもなく、成熟した大人の男として最もカッコイイ時期がこの頃 (80年代後半~90年代の半ば) 、と思っている。まさに、ギリギリだった。この絶好の期を逃さずに、希代の名優二人が共演し、マイケル・マンという最も相応しい監督が、重要な「記録」として映画史に刻んでくれたことに感謝する。
[DVD(字幕)] 8点(2013-10-23 22:28:40)(良:1票)
20.  陽のあたる教室 《ネタバレ》 
名門校の音楽教師の半生を綴った話です。ホランド先生のような教師に出会えたら生徒は幸せでしょうね。感動的なエピソードが多い中で、個人的には校長先生との別れの場面がお気に入りです。それと、Beautiful Boyを息子に歌う場面、泣けます。→2013/12/9追記。DVDにて再鑑賞。 ロウィーナのエピソードが、やや蛇足というか冗長ぎみに感じましたが、ホランドの良心や誠実さを強調するためにはやはりこのエピソードは必要なのでしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2013-07-21 13:44:33)(良:1票)
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