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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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1.  悪童日記 《ネタバレ》 原作のファンですがキャスティングに関してはほぼ完璧な印象です。特にリュカとクラウス(『悪童日記』においては名前がありませんが、主人公二人の名前です)の二人の子役は完璧だと思いました。また短い章が淡々と繋がっている原作の単調さを、色々なエピソードの中で見せ場を映画内に設定しているのも、原作に忠実且つ映画としての完成度を上げようとしている跡が見える様で良かったです。数々の名台詞もしっかり入っています。但し、逆に言うと原作に忠実過ぎるとも言え、それだったら原作を読めばいいじゃないかとも思ってしまったのがやや残念です。[映画館(字幕)] 7点(2015-07-28 23:20:45)

2.  おとなのけんか 《ネタバレ》 おとな4人による会話劇だけで構成されている、本当に舞台をそのままに映画として持ってきたような映画。個人的にはこの手の映画は「じゃあ舞台で観ればいいじゃない」と思ってしまうのですが、それでも面白かったです。どこが映画版として面白かったって、まず見事なキャストの演技ですね。仕事第一で他人の家でも無遠慮にビジネストークを始めるいけ好かないインテリにクリストフ・ヴァルツ、普段は体裁を整えているものの本心はその旦那に非常に腹を立てている妻にケイト・ウィンスレット、人格者を気取ってはいるものの至る所にエゴイスティックなマッチョイズムを滲ませる保守的な男にジョン・C・ライリー、こちらも人格者を気取っているリベラルであるものの自己愛を拗らせている様にしか見えない妻にジョディ・フォスター。それぞれの役柄はある種われわれ観客の代弁者でもあるので、自分が似ていると思われるキャラクターがエゴをむき出しにしてけんかをするのですから、観ていて笑いながら怖い思いもできた映画でした。個人的には自分はジョディ・フォスターみたいだなぁと思ってしまったり。 あと、最初は夫婦vs夫婦で展開していたけんかが、段々と男vs女の構図になっていくのも大変面白いですね。旦那同士は早々にスコッチで打ち解けてしまう単純っぷり。嫁の方はいけ好かないと思いつつも旦那を糾弾するために仕方なく結託するという感じで、男と女でプロセスに違いがある点も面白い。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-07-27 20:26:04)(良:1票) 《改行有》

3.  誰よりも狙われた男 《ネタバレ》 まずジョン・ル・カレが作り出したストーリーに惹きつけられます。スパイ物でよくある(実際にル・カレも良く書いている)米ソ冷戦の対立構造を使用するのではなく、現代の対テロ戦を想定した情報戦はスリリング。テロとは良く“見えない脅威との戦い”と比喩されますが、本作でもそれは同じ。主人公であるバッハマンはどう見ても有能な男ですが、彼は確証がないままに捜査を強引に進めます。イッサが本当に過激な思想を持っているかは分からない段階で(結局持っていなかった)周りの人間を掌握し、アブドゥラ博士が本当に資金援助に協力しているか確証がないままに彼の拘束を決める。テロという言葉の元々の意味は「terror」=「脅(おびや)かす」ということ。安全保障上の彼の行動も一種のテロと言えるのではないのか?と観客に突きつけている様に思えました。しかも最後の彼の叫び「Fuck!!」に現れている通り、彼はどう見ても正義の信念を持ち(世界平和を望んだ)、イッサを結果として助けようと行動し(滞在証を発行した)、アブドゥラ博士も味方に引き込むことで強制的な危害を加える気は無かった。それに対しあのやるせないラスト。そして同僚のイルナから「無茶をし過ぎだ」と警告された上での非難の眼差し。本当の正義とは?と問いかける重厚なスパイサスペンスでした。 しかし作品としては聊か凡庸な部分があったことは否めません。ル・カレの小説の映画化と言えば数年前に『裏切りのサーカス』というトーマス・アルフレッドソン監督による傑作がありまして、それと比べてしまうと、その実力には大きく差があると言わざるを得ません。 本作は静かなトーンで作っているのだから態々無理に“動”のシーンを入れなくても良い気がしました。例えばイッサとアナベルが逃走のシーン。電車と車のチェイスは『フレンチ・コネクション』に代表される定番ですが、ド素人のアナベル達が本職のスパイを巻いてしまうのはあり得ないと思えるし、巻くならそれ相応の演出上の工夫が欲しい。最終的にクラブに紛れ込んでバッハマンの追跡を逃れますが、あれではバッハマンのおなかが人ごみにつっかえて逃げられたようにしか見えない。 但し、名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の演技を観る価値は絶対にあるかと思います。エンドロール前の献呈を観た瞬間、もう彼をスクリーンで見れないことを実感し、本当に惜しい人を亡くしたと思いました。[映画館(字幕)] 7点(2015-01-18 06:54:02)《改行有》

4.  戦場でワルツを 《ネタバレ》 アニメーションの可能性を広げた画期的な傑作、と言っても過言では無いかと思います。恐ろしくも、素晴らしい。 まず恐ろしいのは、作中で語られるレバノン紛争に関するインタビューにおいて、証言者たちの戦争に参加している“動機”がスッポリと抜け落ちていること。少なくとも劇中では「何故彼らは戦争に参加していたのか?」は語られない。大義なき闘争・戦争、これは怖い。それは主人公も同様です。するとどうなるかというと、主人公はその記憶を失う。証言者たちは淡々と記憶を語るが、その様子はまるで劇中でPTSDの心理学者が語る「カメラのレンズごしに見ている」状況に他ならない。彼らは現実に触れていないのです。 さて、現実に触れていないのは観客も同じです。たとえどんなに臨場感に溢れた戦争映画『プライベート・ライアン』だろうが、『ブラックホーク・ダウン』だろうが、『プラトーン』だろうが、我々はレンズ越しにその戦場を傍観している意識をどこかで持っている。しかしアニメーションというのは不思議なもので、実写ではないアニメという手法で語られることで格段にその戦場の風景は現実味を帯びる様になる。少なくとも私はそう感じました。イメージとしてはノンフィクション・ノベルを読む時に実際の映像を想像してしまう感覚に近いかと思います。 ただ、そうは言ってもアニメーションもレンズ越しに創造した映像であることに変わりはない。……が、最後にアニメーションの映像と実際の映像がオーバーラップする。サブラ・シャティーラの虐殺によって、居場所を失い廃墟の前で泣き叫ぶ女性、道端に山の様に積まれ転がっている死体の数々、そして頭部と手だけ瓦礫から覗かせている少女の遺体。そこで唐突に映画は終わる。正に観客は最後に現実に触れてしまった。これは地獄だ。 普通はFLASHアニメーションというと、最早時代に逆行した手法の様に感じますが、本作の様に淡々と戦場の様子を語ることが必須の作品においては実に効果的であると思いました。[DVD(字幕)] 9点(2014-08-23 07:04:26)(良:1票) 《改行有》

5.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 相変わらずのウェス・アンダーソン。開始10秒で「あ!ウェス・アンダーソンの映画だ!」と思わせる個性は流石です。シンメトリックな画面構成、細かな横パン・クローズアップ・ロングショット、豊かな色彩感覚、何ともシュールな登場人物たち、また今回はスラップ・スティック・コメディであるのでウェス・アンダーソンの気の抜けた様な洒脱なスタイルと相性は良かったと思います。ただ、何時もウェス・アンダーソンの映画で思うことですが、あれだけ多くの登場人物に有名俳優をキャスティングする意味があるのかと考えると正直疑問です。今回もレイフ・ファインズ、ウィレム・デフォーはいいなぁ~と思ったのですが、他は別段記憶に残らない演技でした。というか演技力を存分に発揮するだけの時間が明らかに無い人が一杯いる。でもやっぱり映画を観ている方は「ジュード・ロウだ!エイドリアン・ブロディだ!オーウェン・ウィルソンだ!ビル・マーレイもいる~」とか思う場合もある訳ですよね。そこであれだけ出番が少ないと正直拍子抜けいうか、勿体ないなーという気持ちが強いです。ウェス・アンダーソン映画の常連だからと言えばそれまでなんですけど、なんでこれだけ豪華キャストに拘るのか謎です。[映画館(字幕)] 7点(2014-06-08 23:48:53)

6.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 「天才肌と努力型」、「軽薄さと不器用さ」、「対照的なレーサー同士の戦いと友情」……こう書くと如何にもありきたりな展開に終始し凡庸な作品になりそうなものですが、そこをクリアして堂々たる良作に仕上げてしまう辺りの手腕が、流石はハリウッド派の巨匠、ロン・ハワード。 実際に観終わって考えてみると、なんら奇をてらった展開は無いんですよね。張られた伏線を余すところなく回収し、人物描写の丁寧かつ的確でキャラクターの行動一つ一つに納得がいく。そして観客がアガるレースの場面を適度なテンポで挿入する。しかしこれだけの丁寧な演出、脚本は普通の監督には出来ません。正にお手本の様な映画。その模範解答の様な出来をありきたりと取るか、優秀と取るかは人それぞれですが、私は良い映画だと思います。 また、私は車輪がついているモノには基本的に興味がない男らしくない人間なのですが、そんな私でもレースの場面には結構テンション上がりました。やっぱりアクションの魅せ方が上手いのでしょうね。普段は「全部おんなじやん」と思ってしまうハンス・ジマーの音楽も、F1カーの唸り声を上げるエンジン音と同期している様な感じで、素晴らしかったです。 主人公二人の人生はどちらも恰好いいのですが、やっぱりニッキー・ラウダの生き様に惹かれますね。鑑賞後に調べてみたのですが、ウィペディアに載っている彼のストイック&非名声欲な姿勢からの数々の武勇伝が凄く面白いです。地元のガソリン・スタンドで代金の代わりに優勝トロフィーあげたとかイケメン過ぎる。[映画館(字幕)] 8点(2014-02-07 18:32:12)(良:1票) 《改行有》

7.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 アカデミー賞も受賞したポール・ハギス監督の脚本は見事です。群像劇でありながら無用なキャラクターが一切なく、それぞれが悩みを抱え他人と衝突(クラッシュ)し、悲劇と救いを生み出していく。いくつかの話の中で特に印象に残ったのが、人種差別主義者の警察であるライアンが事故車から奥さんを助け出す場面、それから黒人窃盗団の一人が以前「バスの窓があんなに広いのはオレ達を見下すためだ」と決めつけていたのに、いざバスに乗ってみると車内に座っていたのは自分と何ら違わないマイノリティの人々だったという場面でした。 ただ初監督作品としてどうだったと考えるとやや苦言を呈さない訳にはいきません。素晴らしい脚本に対し、劇的な瞬間をカメラに捉える手際が野暮ったい感は可也あります。例えば、真面目なドア修理人の男に逆恨みしたペルシャ系の親父さんが発砲してしまう場面。ここは状況的には凄く盛り上がるはずだし、監督もそうしようとしているのでしょうが、娘が飛び出してきて発砲を受ける瞬間の捉え方には明らかに素人臭さを感じてしまいます。リックの奥さんが階段で足を踏み外す場面も同様で、足が滑る瞬間をスローモーションで単にアップで映しているのには笑ってしまいました。スローである瞬間を映すのがドラマチックとでも勘違いしているのかな? それから群像劇として脚本が素晴らしいと前述しましたが、物語の核でもある人種差別描写が映画の物語の構成上無理矢理入れたとしか思えないんですよね。ロスと言っても正直登場人物の殆ど全員があからさまな台詞を吐き過ぎだと思います。もっと自然ににじみ出るような人種への憎しみが見たかったです。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 00:29:47)《改行有》

8.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 いやー、良い意味で裏切られました。舞台は政治的に保守的なカラーが根強いとされるテキサス。中盤まではカウボーイ風の男が記者二人を付け狙い、死刑制度反対派のゲイルは制度賛成派の右翼団体に嵌められた可能性を示唆する。この中盤まで「また豪く一方的に偏った内容だなぁ」と思ってました。いかにもゲイルが何らかの陰謀に巻き込まれた様にミスディレクションしていますからね。 しかし最後に明らかになるのは全く別方向の真相でした。この映画は死刑制度について「こっちが正しい!こっちは間違ってる!」と結論づけてはいない。ただ"冤罪の人間が死刑になる可能性もありうる"という当たり前の事実を示しているだけです。但し、観客への問題提起にもキチンとなっている。そういうバランス感覚も魅力の一つかと思います。 因みに私は最後までしっかり騙されました。観客の心情はともかくゲイル自身は納得してあの最期を受け入れた訳で、個人的には爽快感のある良いラストだと思いました。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-23 14:14:52)(良:1票) 《改行有》

9.  ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式 《ネタバレ》 名バイプレイヤーを集めて作られた感じの悲喜劇。特にアラン・テュディックの芸達者振りは見事で、ヤクでキメキメ状態になった演技には大いに笑わせて頂きました。アメリカの良くあるお下劣コメディと異なり、劇中では誰ひとり死なず、態々見せる必要のない下品なシーンも見せない点に好感が持てます。昨今のアメリカのコメディなら件の写真なぞ間違いなく大写しにしてしまうでしょう。一応葬儀という舞台にあった上品(?)な作りでした。 但し、登場人物が多く一人一人の葛藤などは特に掘り下げられないので、「主人公が挫折から立ち直り成長する」そういうアメリカの伝統的な物語を求めている人にはややモヤっとくる話かも知れませんが。[DVD(字幕)] 7点(2013-11-16 16:13:08)《改行有》

10.  es[エス](2001) 《ネタバレ》 私がドイツ映画に詳しくないからかも知れませんが、知っている俳優が皆無だったのが良かった。見ている間は当時者になりきり没頭することで人間の残酷な内面を見せられた気がします。やっぱり知っている俳優が出ているとどうしても「あの○○という俳優が大変な目に遭っている」と思っちゃって完全に感情移入できないんですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-10 21:59:12)《改行有》

11.  ソハの地下水道 《ネタバレ》 いわゆる「シンドラーのリスト」系。ナチ占領下のポーランドでユダヤ人を命懸けで守った実在のポーランド人ソハの物語。地下水道での不衛生極まりない状況での暮らし、そこでユダヤ人に起こる生々しい人間関係の悪化、そんな敵兵に見つかる恐れもあり音も立てられない極限状態における出産シーン等は、実際に当事者であったユダヤ人の少女による手記を基にしているためか、大変リアリティのある描写の数々となっています。 しかもこの映画が「シンドラーのリスト」系の映画と大きく異なる点は主人公ソハが物語の最初は本当に人間的にクズなこと。ユダヤ人を金づるとしか見なしていなかったり、無人のユダヤ人ゲットーから金目のものを盗み出すという最低な人間でした。そんな彼がユダヤ人を匿っていく内にナチの凶行にNO!と言う様になる。その姿にはありきたりとはいえ感動してしまいました。 普通の戦争映画ではただの可哀そうな民族として描かれがちなユダヤ人にも、人間的に最低な奴(特に嫁さんの横で違う女の子に手を出す奴!しかも女の子が妊娠した途端逃げる。なんちゅう奴だ)がいたりしているのも人間ドラマに深みを与えていると思いました。[映画館(字幕)] 8点(2012-12-31 19:56:32)《改行有》

12.  ソウル・キッチン 《ネタバレ》 劇中の登場人物たちは一見個性的で魅力的に見える。登場人物は椎間板ヘルニアに罹りひょこひょこ歩く主人公、料理に厳しく直ぐに手(と言うか包丁)が出るコック、妙にサバサバして可愛いウェイトレス、仮出所した本質的にはダメーな主人公の兄、そしてソウル・キッチンに家賃未払でしょっちゅう店の料理を勝手に食ってる偏屈な爺さんと実にウイットに富んでいる。そこまでキャラクターの魅力で押し切るべき作品であるのに、個人的には個々のキャラクターの掘り下げが余り感じられず、後半はそんな彼らに困難が次々と襲いかかる展開になるのですが、「まあ彼らがどうなろうとどーでもいいや」といった気分になってしまったのが残念です。 最後は各キャラクターにそれなりの着地点を与えてはくれるのですが、それも何か取ってつけたような扱いになっておりゲンナリ。 下馬評の通りカッコイイ音楽をガンガンかけてくれるので、それなりに全体は良く写ってますが。[DVD(字幕)] 4点(2012-12-12 00:46:17)《改行有》

13.  危険なメソッド 《ネタバレ》 三角関係が面白い。しかも三角関係が心理医療の医師と患者の関係を基にして進んでいくのが面白かったです。父親に打たれた記憶に興奮するザビーナに、ユングが既に妻がいる身なのにズブズブと溺れていく展開には「わー、やっちゃった!」って昼ドラの濡れ場見ている感じで笑っちゃいました、内容はものすごいお堅い心理学の権威2人の話なのにね。「どんなに偉い学者さんでも上っ面剥がせばこんなもんだよ」とクローネンバーグがほくそ笑んでいるのが目に浮かびます。そういう意味では劇中でユングを誘惑していくオットー・グロスは所謂単なるメフィストフェレスでありながら、徹底的にユングを客観視するクローネンバーグ自身ではないかとも思いました。 ただクローネンバーグは今までの映画ですとエログロを丹念に描いていたのに、今回の描写はやけにあっさりしていて少し物足りなかったです。患者に激しく打ってとせがまれていく医者なんて変態的な話はクローネンバーグにピッタリ(?)の筈なのに、ちょっとお尻をペチペチとスパンキングするだけってどーなのよ?もっと扇情的で変態的な映画が観たかったなあ、俺だけか。 役者の演技はヴィゴ・モーテンセンとキーラ・ナイトレイの二人が頭一つ抜けている感じ。特にキーラ・ナイトレイの序盤の馬面演技には笑っちゃいけないのですけど、これ笑いますよ!それから痙攣の仕草は物凄くリアルで、痙攣演技でこれだけ驚いたのは「レナードの朝」のロバート・デ・ニーロ以来です。今後の女優人生のステップとなるのか落とし穴になるのかは分かりませんがとにかく凄かった。[映画館(字幕)] 7点(2012-11-11 22:47:22)《改行有》

14.  ズーランダー 《ネタバレ》 モデル界を徹底的に茶化したバカコメディ。数々のギャグが本当に下らなさ、モデルたちの頭空っぽさにはついつい笑ってしまいます。特にガソリンスタンドでの異常な規模の爆死シーンと世界一くだらない「2001年宇宙の旅」のパロディには腹抱えて笑いました。主演のズーランダーことベン・スティラーとハンセルことオーウェン・ウィルソンの演技のアンサンブルが実に絶妙で、現在のコメディ映画界を彼らが牽引していることを考えると実に豪華な組み合わせですね。そしてヒロインのクリスティーン・テイラーが可愛い!ベン・スティラーも良くこんだけ可愛く嫁さんを写したもんだ。それにしても本職のモデルさん達がこの映画を観たらどう思うのだろう?とも思いましたが、たまにモデルさんのインタビューとか見ると本当にファッションにしか興味ないような人もいるので(誰とは言わないけど「2chのまとめサイト見て政治を知りました!」とかもうね)、それほど現実と乖離した内容でも無いのかなって思ってみたり。[DVD(字幕)] 8点(2012-10-20 16:00:46)

15.  アイアン・スカイ 《ネタバレ》 「月に70年間潜んでいたナチが地球を侵略しに来た」話なんて誰が聞いてもバカ映画に違いないと思う。いや、実際に観てもバカ映画だったのですが。只のおふざけ映画ではなく面白い点は、非常に政治的な暗喩が山ほど出てくることです。攻めてきたナチの兵器を「我が総帥の発明品だ」と言い張る北朝鮮、廃棄したと言っておきながら大量破壊兵器を隠し持っていた世界各国、月で見つかる新エネルギー"ヘリウム3"を自国のものと主張し取り合う各国首脳陣、他国のロケットの横腹にカミカゼ特攻しかける日本など政治的にデリケートな話をバカ映画に上手く落としこんでおり劇場内は大爆笑でした。もっともコケにされているのは世界一の大国アメリカ、特にその共和党で、2018年には共和党議員サラ・ペイリンそっくり(ご丁寧に殆ど同じ様な眼鏡までかけている)な女大統領がナチとの戦争をプロパガンダとして自分の次期大統領選挙に利用しようとする。このブッシュの思想そっくりな女が「戦争を起こした大統領は必ず二期目を迎えるのよ!」とか「ナチはアメリカが唯一勝利した相手だから大丈夫だわ!」とか言いまくり、とにかく政治的に戦争を起こしているアメリカをバカにしまくっており、控えている大統領選のネガキャンになるんじゃないの?とも思いましたが面白かったからどうでもいいです 笑。この女大統領がいっつもルームランナー(?)で運動していたり政治よりもファッションに気を遣っているところも政治的な手腕より見た目の華やかさを第一とする共和党のバカさ加減を笑いものにしています。音楽ネタもキメキメで劇中で流れる曲はワグナー(ドイツのナチ信奉者の作曲家)で「ワルキューレの騎行」や「タンホイザー」と実に笑える選曲。特にアメリカが宣戦布告も無しにナチの月面基地に核をぶち込むシーンでワルキューレが流れるんですから、「お前らいきなりアフガンやイラクに攻め込んでまるでナチみたいだな」ってことですね。第三世界のネタが少なかったのはやや残念。「チャップリンの独裁者」を見ただけで改心するヒロインや黒人ジェームズとレナーテとのとってつけたようなロマンスなどヌルい部分も多いですが、それでも現在の世界情勢を丸ごとコケにしている映画として実に面白かったです。[映画館(字幕)] 8点(2012-10-07 07:49:19)(良:2票)

16.  レ・ミゼラブル(1998) 《ネタバレ》 ヴィクトル・ユゴーの原作は私の生涯ベスト(そんなに長く人生生きてませんが)の小説ですので完全に公正な評価は出来ていないでしょうが、なるべく偏りのない感想を述べたいと思います。まず良かった点、1.とにかくテンポ良く話が進む。映画化に余計なエピソードはまるごと削除して長大な大河小説を2時間強に見事に纏めています。2.ハリウッド映画ならではの豪華なセット。ハリウッドで無ければあれだけの街のセットやエキストラは使えなかったと思わせるものでした。ここはダメだと思った点、1."絶望"が足りない。レ・ミゼラブルの登場人物は題名の「哀れな人々」の通り誰もが悲しさを抱えている。特にジャン・ヴァルジャン、ファンティーヌ、コゼット、ジャヴェールはそれぞれ人生の悲しみを体現しているキャラクターであるが、劇中ではとにかく描写が生ぬるい。ダーレン・アロノフスキー監督やデヴィッド・クローネンバーグ監督みたいに絶望感を与える演出を得意とした監督だったら作品の印象は大きく変わっていたと感じます。2.ハイライトとなっている六月暴動の描写がショボい。ABC友の会が参加する六月暴動がこの映画のクライマックスへと繋がる重要なシーンとなっているが、エキストラはのろのろと動き全体的にやる気あんの?って感じて撮影されている。監督やる気あんの?3.これは原作好きの戯言ですが個人的に好きなエポニーヌのエピソードがまるごと無い。エポニーヌはコゼットの里親だった小悪党テナルディエの娘でなんとマリユスに惚れてしまう。しかしマリユスはコゼットを愛しており自分は全く意識すらされていないことを知るが、それでも彼の為に尽くし彼の為に死んでいく。報われない愛・無償の愛を貫いたエポニーヌは「あゝ無情」を体現したキャラクターの一人です。彼女のエピソードが無かったのは非常に残念でした。[DVD(字幕)] 6点(2012-09-18 00:01:23)

17.  あの日 あの時 愛の記憶 《ネタバレ》 ユダヤ人収容所もの。収容所内で深い関係になってしまい彼女を妊娠させてしまった為に収容所からの脱出を試みるシークエンスは展開がスピーディーで緊張感があるものの、現代パートでは特にこれと言った面白さが無く残念でした。ハンナのかつて愛した人と会わなければ最早自分は生きていけない、人生を歩き出せないという感情表現をもっと上手く見せてほしかったと思います。どうも過去パートに比べて現代パートが淡泊に感じてしまいました。[映画館(字幕)] 7点(2012-09-17 19:25:37)

18.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 致命的な重病を患った二人の若者のちょっとオフビートな逃避行。彼らは天国に行く前に海を一度見てみたいと海を目指す。海は数々の映画で絶望の象徴や終着点の暗喩として登場する。最も有名な例はトリュフォーの「大人は判ってくれない」だろうし、北野武の「HANABI」も長年連れ添った夫婦は人生の終わりに海を目指す。恐らく全ての大陸において歩き続けた先に広大な海という終点が広がっているからだろう。本作はその様な象徴として描かれることが多い海を天国への切符、ある意味希望の象徴として描いている点が面白い。主人公二人は海を目指していなければあの病院で自身の望みも果たせぬまま死んでいただろう。海と言う絶望・終着点が皮肉にも彼らを希望へと導いたのだ。ルディは最後にマーチンに「(死ぬのは)怖くないさ」と言う。最後に海を見ることで天国への扉を開けた彼らは雲の上で仲良く駄弁っていることだろう。[DVD(字幕)] 7点(2012-07-29 18:38:54)(良:1票)

19.  ル・アーヴルの靴みがき 《ネタバレ》 アキ・カウリスマキ監督の作風にやや変化が観られ驚きました。今までの氏の作品では何も持ってないダメ主人公がダメながらも苦しみ抗い希望を手にする映画が多かったように思うのですが今作は少し違う。主人公は最初から嫁さんがいるし友達もいる。ただ心がどうも子どもなだけ。そしてイギリスへの不法入国を試みる黒人少年を守りきることで父性、大人として生まれ変わるという今までの作品のその先をやってるのは面白かった。でも演出面では普通に後退してるんじゃないでしょうか?モネ警視とかいう無能刑事が黒スーツに黒手袋というアホ丸出しの恰好なのはいつもの外しのギャグだとしても、外に出るのは危ないとか言われてた黒人少年が一場面では普通に主人公と外歩いてたり、隣人が警察に黒人少年の居場所を密告するシーンではご丁寧に新聞の記事まで画面に入れて電話させたり、終盤では何故か警察が船の居所を突き止めたり、今までの画面で語り登場人物に言葉で語らせない氏の作風からはかけ離れているし、脚本にもはっきりと穴があり過ぎると思いました。[映画館(字幕)] 6点(2012-05-06 00:22:18)

20.  過去のない男 《ネタバレ》 記憶喪失になった男が人生の再出発を切る、ただそれだけの映画。アキ・カウリスマキ監督の作品らしくそれ程大きな出来事は起きず、淡々と過去を無くした男の人生を描いていく。いつだって人生はやり直せるし別に過去に拘らなくって良いじゃないか!というのが監督の言いたいメッセージだと解釈しました。今までの作品を観るにそういう話をとる監督だしね。[DVD(字幕)] 6点(2012-05-06 00:09:37)

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