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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ゴジラ-1.0 ゴジラ映画というジャンルと、個人的な人間ドラマとの、噛み合わなさ、ってのが元々あって、正直我々もその辺りは「言わない約束でしょ」ということで諦めてたフシがあるのですが。 ついに、そのどちらからも逃げずに、しっかりと噛み合わせてきた山崎貴監督。まずは、ありがとうと言いたいです。シン・ゴジラが完全にゴジラ映画を再構築してしまった後で、あるいはレジェンダリーピクチャーズがいかにも「CG大作」風のイメージを作り上げてしまった後で、それらのハードルをしっかりとクリアしつつ、この分野ではまだ誰も到達したことのないところまで、人間ドラマの領域に踏み込んでみせてくれました。『永遠の0』『アルキメデスの大戦』とも微妙な距離を保ちつつ。 そりゃ、正直言えば、見ながら「もっとセリフを絞ってくれたら!」とは思っちゃうんですけどね。 だけど、ゴジラと神木隆之介、絶対に成立しないと思われたダブル主演が、ここではどちらが折れることなく、その共演をちゃんと成立させている。国を護る、ということのヒロイズムと残酷さをも、両立させながら。 国を護ると言っても、それはもちろん、時の政府を護る、という意味では無くって(そういう意味での「国」に対しては佐々木蔵之介の口を通じ呪詛が並べ立てられる。ちょっとしゃべり過ぎか・・・)。神木隆之介演じる主人公には家庭があり、「妻」と「娘」がいるけれど、この3人には血縁も姻戚関係もない、いわば赤の他人の集まり。そういう仲間の集合体としての国を護りたい、護らねばならない、のだけど、実際に主人公を動かしているのは、かつて仲間を救えなかった罪の意識。自分は生きてていいのか、という後ろめたさ。ヒーローがヒーローとして死地に赴くのではない残酷さが、そこにはあります。マイナス1.0というタイトルのごとく、大戦を通じて負のエネルギーに支配されてしまったこの国、その呪縛から抜け出せるのかどうかが、呪縛を象徴するゴジラとの戦いを通じて描かれます。 戦後まもなくの、警察予備隊すらまだ無い頃。早くも始まった米ソ冷戦の兆しも物語に織り込み、戦後残されたわずかな軍艦(高雄、雪風…)や本土決戦用に温存された戦車でゴジラに立ち向かわざるを得ない、という設定が、作品のリアリティに繋がる以上に、悲壮感を感じさせます。さらに登場する、「あの」秘密兵器(隣の席で見ていた息子は、話の流れから「もしや登場か?」と予感してたらしく、覆いが外されるか外されないかのタイミングで早くもノケ反ってましたが)。 かつて仲間を救えず、ゴジラを見上げるしかなかった主人公は、ここではゴジラと肩を並べ、真っ向から立ち向かっていく。この場面、どこかの山間部みたいなところで、申し訳程度に散在するわずかな民家をゴジラが破壊してて、いかにも着ぐるみ撮影時代の「ゴジラあるある」なシーンになってますが、それも含め、味わいのある場面です。 佐藤直紀の音楽も魅力的ですが、ここぞという場面では定番の伊福部メロディが登場、特に例の「ゴジラ登場のモチーフ」はこれでもかとテンポが落とされて、ゴジラの威容とともに、見る者を圧倒します。 劇中、いくつか違和感を感じたような気もするけれど(銀座のシーンで突風の向きが逆になったような気がしたが、気のせい?あるいは理由あり? すみませんよくわからんかった)、忘れました。ははは。まあ、些細なことです。[映画館(邦画)] 9点(2023-11-04 07:02:36)(良:2票) 《改行有》

2.  この世界の片隅に(2016) 最近も吉村昭の「戦艦武蔵」を読んでたら、この巨大戦艦を建造するという計画が極秘中の極秘なもんで、造船所の方を見てたというだけで一般人が片っ端から連行されてしまった、みたいな話が出てきて、巨大戦艦建造という一大プロジェクトの前には、個々の人間の運命なんて芥子粒みたいなものなんですけれども(そしてその膨大なエネルギーが注がれたプロジェクトの、果敢無い顛末)。 で、本作でもやっぱり、主人公がうっかり港の絵を描いてしまったばかりにどえらく叱られる場面がありますけれども、本作から受ける印象って、真逆なんですよね。戦時下だろうが何だろうが、あくまで市井の人々が中心にいて、その一人であるにすぎない主人公の姿が描かれる。その喜怒哀楽こそが、重大事件な訳で。戦時下には戦時下の暮らしがあって、「たくましく生きている」と単純には言えない、つらさ、恐ろしさとも向き合わなければいけないんだけど、やっぱり生きている以上は、生活していくしかない。そのとめどなく続いていく日常、ってのは、やっぱりこれは「たくましさ」なんだよなあ、と。 でも、かけがえのないものを失う悲しさ。物語の前半に登場する「指さし」の仕草が、印象的で。[DVD(邦画)] 9点(2019-08-01 22:00:28)《改行有》

3.  コクリコ坂から 『ゲド戦記』という父殺しの作品を作った宮崎吾朗監督が、今回は父を想う作品を作ってきた。と思いきや、脚本にかかわっているのが当の父親本人だもんで、額面通り受け取ってよいのやら。主人公のウミちゃんが、母から事の真相を聞いて涙する場面。一見、「愛する俊くんと実のきょうだいではなかったことを知り、安堵の涙」とも受け取れるけれど、そうではないのかも知れない。彼女がその前に涙を流したのは、夢で父親と再会した場面であったから。亡き父へ送っていた旗の信号を受け取っていたのが、実は俊くんであったから(そして、彼女も「旗が父の代わりに俊くんを呼んだ」と思っている、あるいは思おうとしている)。そして、この場面の彼女の涙は、母親の「お父さんと彼は似ているのか」という質問にうなずいた直後のものであったから(実際、俊くんの育ての父に言わせても似ているらしい)。そんな訳で、高校生の恋愛という題材を借りてはいるけれど、実際は、セクシャルなものではない、近しい者に対する普遍的で無条件の愛が、ここでは描かれているんだろう、なーんて思うと、実はコレ、『ポニョ』の変奏曲みたいな作品なのかもしれませぬ。[地上波(邦画)] 9点(2015-01-23 00:04:54)

4.  河内山宗俊 音声が聞き取りにくく、観ててもつい耳の方に神経が行きがちになるのですが、それでもとにかく面白いです。登場人物たち、場面、エピソードが、互いに絡み合いつつクルクルと輪を描き続ける感じ、それが何だか無性に面白い。そして、その輪が収束していった先には、劇的で鮮烈なクライマックスが。惜しむらくは、人物の仕草等でカットの繋がりが良くないところが多々あって、少々気になってしまいますね。ただ、それを補って余りある、テンポの良さとスピード感。あと、「ウワッ、加東大介って、若い頃からすでに“加東大介”顔をしていたんだ」とか、妙なところに感心してしまいました。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-10-13 22:44:16)

5.  ゴジラ(1954) モノクロ映像がとんでもない迫力を生み出しています。戦争で焼け野原になってから10年近く経ち、傷跡を残しつつも徐々に復興してきた東京、そこにまた核実験によって生み出されたゴジラが現れ、容赦なく火の海にしていきます。人々はなすすべも無く逃げまどい、ただ「チキショー」とか叫ぶんですね。泣けました。9点(2003-07-13 15:26:35)(笑:1票) (良:1票)

6.  GONIN2 正直、「メンバーを女性に置き換えただけであとは前作と全く同じノリ」みたいな作品だったらどうしよう、なんて思ってたのですが、勿論そんなコトは無くって、なるほど、女性五人組だと、こうなるんですねえ。 前作は破滅の美学、みたいなものがあって、死んでナンボの世界だったのが、これが女性になると、妙なもんで、なかなか死にそうな気がしない。いや、敵は強くてコワそうでヤバそうな男性軍団、それに比べるとどうしても女性の方が弱く、危うげに見えてしまうのですが(そして実際、危機に直面もするのですが)、そうなると逆説的に、彼女たちの、死にざまではなく生きざまが、浮き彫りになってきます。 そこに、任侠映画の悲壮感をプラスさせるかのように絡んでくる緒形拳が、彼女たちの守護神のようでもあり、「死にざま」を持ち込んでくる疫病神のようでもあり。 この緒形拳の存在が物語に幅を持たせつつ、物語は収まるべきところに収まった感があり、前作よりもまとまっているように思えたのですが、どうでしょうか。 「光」や「水」が作品のイメージを支えていますが、あのプールの上をカメラが自由に移動するシーン、どうやって撮影したんですかね。[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-30 17:58:45)《改行有》

7.  交渉人 真下正義 「踊る大捜査線」の本シリーズ2作に続く、スピンオフですが、前作2作では舞台としてお台場が想定されていたのに対し、こちらは東京都心部そのものが舞台。犯人に操られた試験車両が、地下鉄の路線を暴走する(この試験車両の風貌を見てると、なんでラピートがこんなところを走ってるの?とか思っちゃうのですが)。その謎の犯人に立ち向かうは、交渉人サンタマリア。 という訳で、パニック映画の要素を取り込んでいて、よくこんな撮影をやったもんだ、と感心させられます。地下鉄の構内・線路のさまざまな光景が登場し、エキストラもタップリ動員して、圧巻です。 主人公のサンタマリアは犯人との交渉役なもんで、基本的にはコントロール室で犯人とボソボソしゃべるだけですが、代わりに寺島進が街に出て暴走し、笑いとスリルを提供してくれます。 ヒッチコックを模倣したような後半の展開の先には、楽しくもバカバカしい顛末があり、しかしここでようやく主人公も、事件が起きている「現場」へと向かうことになる。少し苦味のある、大団円。 前2作よりも、楽しめました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-08-15 18:38:09)《改行有》

8.  木枯し紋次郎 関わりござんせん 木枯し紋次郎と言えば中村敦夫、中村敦夫と言えば木枯し紋次郎。 と言いたいところなんですけどね・・・映画版なので菅原文太です、ハイ。 で、とうとう作品のサブタイトルにおいてまでも「関わりござんせん」と主張する紋次郎なワケですが、「関わり」から逃れることは決してできないのが、彼の運命。ここでも、2つの大きな関わりを持つことになって、一つは、たまたま命を救った田中邦衛と関わり。そしてもう一つは、生き別れの姉との再会。この姉を演じているのが、市原悦子なんですが、いやもう、これがホントにスゴいキャラなんですね。まずもって、ブサイク(笑)。言動もガサツ。で、それがかえって、これまでの遊女としての幸薄い半生を感じさせるものがあり、哀れを誘うんですね。まあ、付き合いたくないタイプですけどね。 で、そういった関わりに絡めとられるように、紋次郎の運命も、争いの中へと巻き込まれてゆく。長回しを多用した桑畑での死闘。そして、紋次郎にはこの世に安住の地など存在しないことが示唆されて映画は終わりを迎えます。実に虚無的なラストに、ため息が出ます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-02-12 21:05:06)《改行有》

9.  この首一万石 本作のテーマはいわゆる「名ばかり管理職」ってヤツですかね。 ぬくぬくと保身に走る上司のために、詰め腹を切らされるサラリーマンの悲哀と怒りが、前半コミカルであった本作の色調を、クライマックスではスプラッター作品へと豹変させます。 この豹変ぶり、ちょっと「文学部只野教授」などを思い出してしまいました。 もちろん単に残酷描写で煽るだけの作品ではなく、切れ味鋭いカメラが、さらに煽ってるっちゃあ煽ってるんですが、映画を大いに盛り上げます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-04-08 10:58:57)《改行有》

10.  GODZILLA ゴジラ(2014) 思えばエメリッヒ版『ゴジラ』なんて、ずいぶんマトモな作品で、ゴジラを生き物として捉えている。だもんで、生き物が口から熱線吐くワケもないし、生き物が近代兵器で攻撃されりゃひとたまりもないから必然的に足を速くして弾を避けさせることになる。物語だって荒唐無稽でバカバカしいけれど筋は通している。エメリッヒ版のそういったこと一切が、豪快な映像のせっかくのスケール感を損なわせて、映画を小さくまとめてしまい、評判の悪さにもつながっているのでしょう。一方、今回のゴジラ。ストーリーはまとまりが無く、破綻してると言ってもよいでしょう。主人公フォードの、父との関わりと、妻子との関わりとが、物語の中心なんでしょうが、両者の関連はあまり感じられないし、そもそもこういう市民的な家族の物語を背景に一応は入れておきながら、途中からはフォードの軍人としての行動がメインに描かれ、まるで両立していない。でもでもでも。この、圧倒的な、とにかく圧倒的な、怪獣の戦い、これだけでも充分。というか、物語が破綻するほどに、人間はチッポケで、怪獣はデカイのです。主に登場するのは、ムートーという不気味な怪獣。主に暴れるのはコチラであって、ゴジラの雄姿はなかなか存分には拝めない。こういう、出し惜しみというか、ちょっと食い足りないくらいに留めるのって、本家東宝ではできなくなっていたことでもあります。で、この程度かと思っているととんでもない。クライマックスの怪獣対決の物凄さ。鬼神ともいうべきゴジラの怒りの形相、耳をつんざく咆哮。ひや~すごい、これはもう地獄の光景。それを前にした人間という小さな存在は、圧倒されるしかないのです。ゴジラは神か悪魔か、少なくともマトモな生物ではないので口から熱線も出すし、そこには理由づけも不要。熱線を出す前にはちゃんとセビレを光らせてみせるのだけど、その場面だけとっても、ゴジラのデカさがこれでもかと伝わってくる。怪獣の巨大さをこれほど見事に描いたのには、本当に驚かされます。で、長い地獄の一夜が終わって、夜が明けると、戦いの凄惨な爪痕がそこには残されている一方で、再会、そして再生への希望も感じさせる。いやはやスゴイ映画を作ってくれたと思います。 (なお、パラシュート降下のシーンで流れる音楽は、2001年宇宙の旅でも使用されたリゲティのレクイエム。まさに異界への入り口。)[映画館(吹替)] 8点(2014-08-19 23:00:22)(良:1票)

11.  コールド・フィーバー 白い映画。寒い映画。本作を観ていた年寄りが2,3人凍死したらしい。ってのはウソだけど(吸血ブラッシーじゃないんだから)。この映画、設定の甘さ(ゴルフボールが偶然ぶつかってスイッチオン!がアイスランド行きのキッカケ、だなんて・・・ちょっとハズカシイ)とか、出てくる人物のあまりに戯画的なところなど、気にならなくはないのですが、そこはファンタジーと割り切って。何しろこの真っ白な世界。幻想的、どころじゃありません。こういう光景を観てるだけでもう、この映画をこのままずっと観ていたい気分になります。そして最後に両親を弔うシーン。まったく場違いなハズの日本風の儀式がどうしてこんなに自然に見えるのか。このシーンを支えているのが単なるエキゾチズムではないから。もっともっと普遍的な人間の魂の発現であるから。この寒い世界の中だからこそ、映画の温もりがしっかりと伝わってくるのです。8点(2004-11-12 01:04:31)

12.  GODZILLA ゴジラ(1998) CGの限界を超えた違和感溢れる描写に辟易する部分もありますし、ストーリーにトホホな部分もありますが、やっぱりコレはスゴイ。日本の『ゴジラ』とは比較不可能ですが、少なくとも『ロスト・ワールド』を凌駕しようという意気込みは感じられます。最初に姿を現すシーンは『インデペンデンス・デイ』ばりにカッコいいねえ。8点(2003-07-13 15:16:23)

13.  ごろつき(1968) 健さんがキックボクサーを目指す、という、ちょいと異色の映画。だけど結局は、任侠映画以上に任侠映画らしい展開に。このクライマックスの殴り込みの激しさと言い、健さんが自作の主題歌を歌うシーンと言い、なんだか健さんのヤクザ映画総決算みたいですが、実際はこの作品の後もまだまだヤクザ映画路線は続きます。 弟分の役に、菅原文太。ですが持ち前の眼光の鋭さの割りに、イイ人っぽい役柄で、菅原文太でもいいのだけど、何となく川谷拓ボンで見てみたいタイプの役でもあります。 それにしても、作中でもホメられてますけれど、健さん、実にいいカラダしてます。最初はヘタクソなところから、次第にキックボクシングが上達してくるところまで、小気味よい動きを見せてくれます。が、試合のシーンはさすがにもう少し、スピード感が欲しかった、かな。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-05 22:41:11)《改行有》

14.  高校大パニック(1978) 《ネタバレ》 自主制作の8mm映画のリメイク、と言う事なんだそうで、その元の8mm映画を見たことが無いので比較できないのですが、、、自主制作を元にしたにしては、あまり破綻の無い「真っ当な」作品だなあ、という印象。 いや、自主制作が必ず破綻しているとか破綻すべきだとか、言う積もりは(あまり)無いのですが、それにしても、これが本当に作りたかった作品の姿なのかな、と。 そもそも、高校生が学校に銃を持ち込んで籠城し、警官隊とやり合う、などという設定自体が、実際には起こり得ないとは言い切れ無いながらも、それなりにブッ飛んだ設定には違いない訳で。そのブッ飛び感のまま物語が突き進んでいく(事件発生までの経緯は端折り気味で、事件そのものの経過をこれでもかと描いている)のはいいんですけれども、その割には終盤からラストにかけて、さらにアクセルを踏み込む訳でもなく、普通に終わってしまった印象。 例えば浅野温子の存在は、「この程度」でよかったんだろうか? いや、この作品、面白かったんですけどね。ちょっと、ワガママを言ってみた次第。[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-07 14:03:27)《改行有》

15.  GONIN サーガ これを、第1作の設定を上手く活かしていると見るか、それとも第1作に寄りかかり過ぎていると見るか。 第1作が、登場人物の行く末を様々に描いてみせ、その中にはホラーテイストまであったりして、欲張りな分、雑多な印象もありましたが、本作は割とまとまっていて、それが逆に物足りなくもあります。 竹中直人の存在だけは、今回もホラーでしたけれども。 終盤、やや弛緩したような感じもする上、カタルシスもやや乏しいのですが、それは映画がある方向に向かって進んでいくからで、その「方向」とは、「第1作に向けて時間を巻き戻していく感じ」なんですね。だから、やっぱりラストはそうなるよなあ、と。そして例のテーマ曲を背景に、夜の東京が写しだされて、映画は幕を閉じます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-11 22:02:16)《改行有》

16.  GONIN 《ネタバレ》 取柄があまり無いか、あるいはまったく無いか、という5人が、とにもかくにも集まれば、物語は転がり始める。よりにもよって、ヤクザから大金を強奪しよう、などという無茶な計画。こんな計画、うまくいったが最後、後に待つのは破滅でしかない。 という訳でこの作品も、フィクションであるが故に、登場人物たちにとって「いかに死んでみせるか」こそが自分達の存在意義であり、大きな見せ場となります。誰が、いつ、どうやって死ぬか。死に様こそが、彼らの生き様。 物語の中心にいると思われた佐藤浩市、だからといって、彼が最後に死ぬとは限らない。物語に束縛されることなく死んでみせる、その自由さ。 となれば、やはりこれも、最後まで生き残ってしまうのは一種の罰となりうるのだけど、その意味では、敵の殺し屋たちまで含めてすべての者たちに死を演じさせるのは、一種の優しさであるのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-01 20:59:32)(良:1票) 《改行有》

17.  極道大戦争 吸血鬼に血を吸われた人間は吸血鬼となるよう、極道に血を吸われた堅気は、極道になってしまう、という、考えようによってとても真っ当な内容の映画。 と持ち上げようと思ったけど、途中からはもう、極道映画でも吸血鬼映画でもなくなって、ナゾのキャラ達が果てしのないバトルを繰り広げる格闘映画と化す。 とことんバカバカしく、かなり寒いギャグも挿入されるけど、もうここまでくると、ちょっとやそっとの寒さは気にならなくなります。 それよりも、この小汚い街角を舞台にしたニラミ合いや激しいバトルが、見てるうちに何だか妙にカッコよく見えてきて、『用心棒』でも見てるような気分になってくる。 と、何の義理だかよくわからんけど、この映画を持ち上げておきます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-03-30 22:36:31)《改行有》

18.  ゴジラ FINAL WARS 84年ゴジラよりも前の一連のゴジラ作品総まとめ。といった感じで、怪獣出るわ出るわ、戦うわ戦うわ。 かなりオフザケモードなので、拒絶反応もあろうかと思いますが、そうは言ったって、同じく「総まとめ」作品である『宇宙怪獣ガメラ』と比べりゃ、はるかにマシでしょうに。え、あんなのと比べるようになったらオシマイですか・・・。 オフザケではあるけれど、はたまた今の目で見ると(いや当時の目でも)物足りないCGなんかもあるけれど、この、バトルに次ぐバトル、相当な数のミニチュアセットも準備して、ひたすら戦う、ひたすら壊す、バトルの物量作戦。怪獣同士が戦ってナンボでしょう、という昭和ゴジラ魂はしっかり感じることができます。これを「退行だ」といわれりゃ、そうかもしれないけれど、まあ、ファイナルと銘打ったお祭りですから。 でも最後と銘打ったのに、結局「新(シン)~」というタイトルでまた作っちゃうってのは、どうなんでしょうね。この分で行くと、この後またシリーズ再開して、タイトルも「ゴジラは生きていた」とか「ゴジラNYへ行く」とか「ゴジラの命日」とかになっちゃうんでしょうかね。 それはともかく、私は結構楽しませてもらったんですけど、一方で色々と、つまらぬことではあるのですが思うところもあって。その昔、ショー・コスギがニンジャ映画でブレークした頃にインタビューで「息子のケインにはアクション・スターとして英才教育をしている。だから誰もケインにかなう訳がないんです」みたいなコトを言ってたんですけど、で、本作などでもその身体能力を伺うことはできるんですけど、その能力をフルに発揮するには、相応のアクションができる相手役がいないとやっぱり難しいなあ、と。松岡クンも頑張ってはいるんですけど、ねえ。 一方で船木誠勝は、妙に強そうというか、少なくともあのヒクソン戦の時よりは強そうに見えるけど(それにしても、もしあそこでスタンディングで様子を伺わずにグラウンド戦に飛び込んでいたら・・・)。 あと、この映画、せっかく「格闘枠」みたいなのがあってソチラ方面のヒトたちが何人も出てるのに・・・本来ならここで呼ばれるのは、佐竹雅明こそが適任者のハズだったんですけどねえ。不幸というか、色んな意味で残念ですよねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-05-25 13:27:57)《改行有》

19.  国士無双(1932) もともと84分ほどの作品、とされるうちの、一部しか映像が残っていないもんで、冒頭の「だいたいこれで登場人物出揃ったのかな」という、いよいよこれから、ってタイミングで終わってしまいます。ただ、この現存部だけでも、大いに笑わせてくれます。意外にシュールなギャグが楽しめます。 剣豪・伊勢伊勢守がこの近くにいるとの噂を聞いた二人の浪人が、その辺の田舎者をニセ伊勢伊勢守としてデッチ上げ、従者と名乗ってオイシイ思いをしようと企む。白羽の矢が立てられた通りすがりのボーっとした男、これが千恵蔵。若い! 痩せてる! で、その千恵蔵が、たまたまある娘さんを助けるのだけど、その父親が当の伊勢伊勢守本人。娘の恩人である千恵蔵が、今度は不届きなニセモノということになり、本物と偽物が対決することに。なぜか千恵蔵、ボーっとしてる割には滅法強くって、本物を打ち負かしてしまう。ショックを受けた本物の方、仙人のもとで修業することになるが、この仙人というのがさらにポンコツで。 ってな所で、終わっちゃう。オハナシだけ聞いたら何とも他愛ないですが、バカバカしい笑いに彩られており、続きが見たくなること請け合い。こんなナンセンスギャグが、こんなに昔にも、あったんですねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-10-24 14:15:59)《改行有》

20.  ゴジラVSキングギドラ ちょっと曖昧な記憶ですが…当時、某テレビ番組(NHK BS?)で、ゲストパネリスト達が本作に言いたい放題、「ストーリーがサッパリわからん」「グレムリンだって続編ではいっぱい出てきたんだから(エイリアンの言い間違い?)ゴジラを沢山出すくらいの事はしないと」。そこで司会者が無情の一言、「では大森監督にご登場いただきます」。監督が来ることを本当に事前に知らされていなかったらしいパネリスト達は顔面蒼白、怒りの表情を隠そうとしない大森監督は登場するなり「本当にストーリーわかりませんか。ウチの子供は面白いと言って観てましたよ」「ゴジラが沢山出てくる映画なんて、アナタ本当に観たいんですか」等々。痛快ですなあ…。どっちもどっち、という話もありますが。さて、お馴染み怪獣のキングギドラを復活させ、リアリティよりファンタジーという昭和路線も復活させてなかなかぶっ飛んだ内容になっている本作。内容へのツッコミに加え、外タレ大集合、ケントギルバートとダニエルカールの会話を見て、ああ二人は英語しゃべれるんだ、とか、チャックウィルソンのセリフはどうも聞き取りにくいなあ、とか、ツッコミを入れて楽しむ方法もありますが、細かいことはどうでもよろしい(細かくないけど…)。時代を行き来し、舞台をアチコチ移動し(いつのまにこんなに移動を…)、目まぐるしい展開を見せた末に、最後は怪獣たちよりも大きい、巨大高層ビル群を舞台にした対決へとなだれ込む、これが実に壮観なのです。内容的にはぶっ飛んでいて、クライマックスでは大いに盛り上がる。これもゴジラ映画における一つの理想かと。え、いや大森監督にいつ出くわすかわからないので(笑)、気を使っているという訳ではありません。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-03-15 09:17:53)(笑:2票)

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