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プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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41.  ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち ループがどうのこうのと、ややこしい設定を無理にセリフで押し込もうとするのは、正直、いただけません。ま、そんなに複雑の極みというようなオハナシでもないし、それに、何もかも片っ端からセリフで説明しようってんじゃなくって、それなりに気を持たせながら徐々に背景を明らかにしていこうともしているんですけどね。それでも多分、設定を盛り込み過ぎ、欲張り過ぎなんでしょう。設定が多いほど理屈っぽくなり、皮膚感覚として伝わるスリルも減退してしまいます。 それに、世界が切り替わる感覚をはっきり出すために、暗い場面と明るい場面のコントラストをつけたのかも知れませんが、暗い場面がノッペリベッタリした感じで、もうひとつメリハリが無い。まあ、これに関しては、「敵」の姿なり顔なりを闇に紛れさせながらジワジワと見せていく、という効果もあるんですが。 という風に、ちょっともうひとつかな、と思う面もあるが、楽しい映画には違いありません。中盤アレコレとエピソードをとっ散らかしつつ、クライマックスでもさらにハチャメチャやりながら、それでも気がついたらパズルのピースがちゃんとハマるところにハマっている、その破天荒な収束感。ちょっと『ダーク・シャドウ』を思い起こさせます。あと、過去のバートン作品との関係という事で言えば、『シザーハンズ』みたいに刈り込まれた庭木があったり、人形同士が戦う場面がコマ撮りっぽい動きだったり。 そしてこの物語もまた、これまでの彼の作品に見られたように、世間にうまく溶け込めない不器用な主人公が、世間から隔絶された異形の者たちにいざなわれ、2つの世界の間を彷徨うお話、ですが、そういう鬱屈のようなものは比較的薄くって、「奇妙な」ものを次々に映画に登場させては、我々を驚かせたりワクワクさせたりして楽しませてくれる作品になってます(だからこそ、理屈っぽいのがどうも残念)。時にはちょっとシンミリもさせて、主人公が若き日のお爺さんと電話で話す場面なんか、わたしゃ好きですね。 その他その他、『アルゴ探検隊の大冒険』みたいな骸骨軍団が登場したかと思えば、それこそ妖怪ウォッチのふぶき姫ネタみたいなトホホな温度対決もあったり、何でもアリアリ。↓そうそう、クライマックスでは遊園地で遊んでる監督さんご自身のお姿も。まさにホンの一瞬。[映画館(吹替)] 7点(2017-02-05 21:23:34)(良:1票) 《改行有》

42.  ミズーリ大平原 チャールトン・ヘストン演じる主人公が、オレはバッファロー・ビルだと名乗りつつ、やっていることはと言うと、シャーロック・ホームズみたいにちょっとした手がかりからズバズバと相手の素性を見抜いてしまう。なかなかの曲者、きっとニセモノだろうと思ってたら、本物のバッファロー・ビルことウィリアム・コディだったりする。せっかく冒頭で披露したホームズばりの推理の才能も、この後要所要所で見せてくれればよかったんだけど、後が続かない。三角関係でイチャイチャしたり、先住民とタイマン対決したりと、チャールトン・ヘストンらしい肉体系・体育会系路線に。 というこの主人公バッファロー・ビルに加え、彼の友人として、ビル・ヒコックも登場。この当時に二人がホントにすでに知り合いだったのかどうか、わたしゃ知らないし、どうでもいいけど、とりあえず豪華で賑やかで、いいじゃないですか。 で、原題にもあるポニー・エクスプレス、つまり西の最果ての地カリフォルニアへの超特急飛脚便、コレを実現させようというオハナシなのですが、そこに至るまでに陰謀劇めいたエピソードが絡んできたりして、正直、ゴチャゴチャしてます。良く言えば盛り沢山。 でいよいよポニー・エクスプレスが走る、走る。駅伝方式で郵便が次々に受け渡される描写がしつこいほど繰り返されて、これがやけに盛り上がるんですね。もちろんバッファロー・ビルも走ります、盛り上がりは最高潮。 ラストも、ベタだけど余韻があり、結構、おなか一杯になります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-14 21:05:25)《改行有》

43.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション このシリーズ、毎回作風を変え趣向を凝らしてくる、トム・クルーズのお遊び映画だと思っておりましたが、今回は、あまり悪乗りしていないというか手堅いというか平凡というか。もちろんトム・クルーズはここでもしっかり遊んでいて、オレ様アクションを繰り広げ、「何しろ一流スパイですから世界を股にかけてます(?)」とばかりに、様々なシチュエーションで様々なアクションシーンを展開するのは、大いに楽しいんですね。ただ後半、セリフの長さにやや失速感も。あるいは、主人公と女性スパイとの関係に緊張感を持たせるため、例えば、カラフ王子とトゥーランドット姫の関係を重ねてくるようなお遊びをやってくるかとか思ったけど、結構、フツーに敵と戦ってオシマイ、という作品でした。 「今までみたことのないアクション」へのこだわりは、さすが、といったところ、幾つになっても頑張れ、トム・クルーズ。しかし一方、実際に彼が飛行機にぶら下がって見せても、逆に「昨今の特撮としてはイマイチだな」くらいにしか思われなかったりするもんで、「特撮じゃないです、実際にぶら下がって撮影しました」と映画外でアピールせざるを得なくなってるのは、皮肉ですが。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-05-05 09:09:44)《改行有》

44.  ミレニアム2 火と戯れる女 今回はオハナシは売春組織の追及。と思いきや、その方面には必ずしも深入りせず、一話完結型どころか、次第に、まさに前作の「続編」となっていきます。その前作とのつながり、ある意味では強引なところもあるかも知れませんが、後から無理に辻褄合わせしたような「前作ファンご機嫌伺い」型のつながりではなく、ちゃんと一連の物語として計算された強引さであるのがお見事。ただ、それでも小さくまとめてしまった印象はあるかな、とも。 前作の、皮膚感覚ともいえるあの生々しさはここでも見られますが、リスベット役のノオミ・ラパスの中性的な魅力と体を張った演技が、そこに大きく貢献しています。しかしあの大男、いちいち詰めが甘いところばかりが目立ち、あまり怪人物という感じがしないのが、ちょっと残念ですが。[DVD(字幕)] 7点(2015-10-31 18:10:13)《改行有》

45.  宮本武蔵完結篇 決闘巌流島 完結篇はもちろん、小次郎との一騎打ち。実際の巌流島、狭い狭い関門海峡にある、ごくごく小さい島です(当然山などありません)。唐戸市場で美味しいものでも買って、行き来するタンカーでも眺めながらのんびり過ごすには悪くないんですけど、ちょっとクライマックスの決闘シーンの舞台にはなりにくいかな、と。だから本作でも、明らかに関門海峡ではないどこかの秘境のような海岸が舞台。真っ赤な朝日を背景にしての決闘、カッチョいいんです。この完結篇ではもはや又八をはじめとするこれまでの様々な登場人物がバッサリ削ぎ落され、武蔵をめぐるお通と朱美の関係にだけ結末をつけた上で、小次郎との決戦へと物語は向かいます。もちろん我々は小次郎が敗れることを知っている訳ですが、武蔵と小次郎に物語を集約し、ともに、そのどちらが負けても惜しいナイスガイとして描かれる、なるほどこういう描き方もあるな、と。それにしても、武蔵を演じる三船敏郎、横顔がカッコいいんだな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-28 17:22:45)

46.  ミニオンズ 中身スッカラカンとでも言うのか、まー実にバカバカしいのですけれども、意外に満足度の高い作品でした。要するに、とことん、スラップスティックなんですね。ミニオンとは何モノなのか(UMAの一種ですかね)、最初の方では一応ナレーションで語られるものの、およそマトモな説明にはなっておらず、とにかく全てどうでもいいんですね。画面の上ではひたすら、同じ見せるんならこう見せりゃオモシロかろう、と、アイデアの凝らされたドタバタが展開されていきます。ミニオンたちには、悩みだの迷いだの深刻さだといったものは無く、やってることはただバカバカしく、でも、間違いなく一生懸命生きている、だからこそ彼らから目が離せないのです。一方で、彼らの今回の主人というのか敵役というのか、悪党界の女王ともいうべきスカーレット、彼女がミニオンたちに負けず劣らずのバイタリティを持っている(はっきり言って不死身)のも、楽しくって。ミニオンたちが、サン・ジェルマン伯爵もかなわぬくらい、歴史の方々に顔を出す、というのもパロディ色豊かでなかなかに楽しい(何しろ恐竜時代からエリザベスⅡ世時代まで)のですが、さすがにビートルズネタは、子どもたちには通じませんけどね、これもご愛敬。理屈抜きで楽しめる、理屈を抜かなきゃ楽しめない、一種の怪作であり、快作です。[映画館(吹替)] 7点(2015-09-23 20:39:09)

47.  ミッドナイト・ラン 派手さもなく、深刻ぶることもなく、起用なのか不器用なのかよくわからん二人の珍道中を、アクションを絡めて描く。最初観たときは、何だかとりとめのない話だなあ、と思わんでもなかったけれど、二人の珍妙なやりとりはやっぱり楽しいし、そこに何かとちょっかいをかけてくる連中のオジャマ虫ぶりもまた楽しく、久しぶりにまた観たくなっちゃう作品なんですね。デ・ニーロも何だか楽しそうで、鍵を投げ捨てる仕草なんかにもそれが表れているように思えて……。こういう楽しさって、『ジーリ』にもつながるものがあると思うのですが、こちらは高評価、あちらは低評価。いやはや世間は厳しい。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-03-15 10:18:48)

48.  ミネソタ大強盗団 ざらついた映像に、細かいカット、そういう野心的な表現の先に待ち受ける激しいクライマックス(雨、執拗に鳴り響くオルガン、銃撃)と虚無的なラスト、といったところは、ニューシネマな感じもするんですけど、でも何となく違う。主人公をどこか突き放していて、等身大の人間としての主人公のあがきみたいなもは、ここにはありません。『ロング・ライダーズ』でも取り上げられた、ジェシー・ジェームズ一味が主人公ですけれども、何というか、単なるゴロツキみたいな描かれ方。義賊のような一面をチラと見せても、北部に対する鬱屈が先に出てしまうし、と言って陰に籠る訳ではなく、開けっぴろげで野蛮。黎明期のベースボールの(今見れば)トンチンカンな描写を、空中の球を銃で粉砕することで断ち切ってしまうのが、さらにそれを上回るトンチンカンさ。一方で彼ら一味を追う連中もなんだか垢抜けない。新しい時代の訪れの中で古い時代のギャングが消えていく姿、なんだろうけれど、それ以上に「辺境」の雰囲気が支配的に色濃くって、国の歴史というものの大半は、こうやって「辺境」で人知れず繰り広げられてきたことなんだなあ、と。いずれにせよ一風変わったユニークな映画でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-15 22:06:52)

49.  花笠道中 美空ひばりがひとり二役をこなすミュージカル時代劇。女役と男役の両方で登場するもんで、歌に殺陣、彼女のあらゆる魅力が詰め込まれてます。え、自分は美空ひばりのファンじゃないからパス、ですって。今ファンじゃなくっても大丈夫、観ればファンになりますから。と言いたくなるくらいの芸達者、ただし、男役がいくらサマになっていても、歩く姿はやっぱり男になり切れて無くって、こういうところがまた男装マニアの心をくすぐったりする訳ですが。一方の里見浩太郎も異常に男前。そして意外にも意外な展開(水戸黄門ではなく実は遠山の金さんだった?)もあったりして、実に楽しめる作品です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-13 08:22:28)

50.  宮本武蔵 巌流島の決斗 《ネタバレ》 吉岡一門との対決を制し、「後悔せず!」と叫んでみせた武蔵、しかしどうみても後悔しまくりなんですね。身寄りの無い少年の面倒を見るあたりは、罪滅ぼしといったところでしょうか。しかし、これまでの戦いで武蔵が得たものは、何だったのか。剣豪としての名は広まり、細川家指南役という話も舞い込むが、それではまるで、吉岡一門をギタギタにし子供の命まで奪ったのは、就職活動のためだったみたいではないか。と言う訳で、武蔵はスタコラサッサと旅立ってしまうのだけど、いくら逃げても肩書の方が追いかけてくるのが、有名人のツラいところ。一乗寺下り松の石仏、過去の妄執もまた武蔵を追いつめる。ついでにオババも武蔵を追いかけてきちゃったりして、最後の対決の場に武蔵を待ち受けるは、小次郎か、オババか。さあここから先は、ネタバレもヘッタクレもありゃしない、誰もがお馴染みの名セリフに名対決(小次郎が「卑怯」と罵る通り、武蔵は最後まで心理攻撃の手を緩めない。いやあ、卑怯だなあ)。剣の道に対する武蔵の疑念が、一種の諦念の形で確信に昇華されて5部作は幕を閉じます。シリーズ中、特に見所が多い作品でもないかも知れませんが、さすがにこの最終作を見ないことには、落ち着いて眠れませんからね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-09-29 11:58:04)

51.  M:i:III 毎度、趣向を変えてくるシリーズ、今回は何だか画面も内容もゴチャゴチャですが。あと、「CG使えばスパイ映画だって、こんな怪獣映画みたいなスペクタクルにできちゃうぜ」みたいなノリ(はいはいわかってますよ)がある一方で、変に生々しくて下世話なところがあるのもヤなんですが(いくら毎回趣向を変えるとは言え・基本的には浮世離れしたシリーズであり続けて欲しい・主人公はひたすら超人で良い。人間らしく苦しんだり苦しめられるのは似合わず鬱陶しい・すみませんこの辺りは好みの問題かも知れませんが)。ただこの作品。派手な戦闘シーンの一方で、主人公が走るシーンが良く出てきますが、私、この走るシーンってのが(特にオッサンが走るのが)昔から好きでして、すみませんこれも好みの問題でしたね、で、本作、細切れのカットがもったいない。せっかく走るシーンなんだからもっとトム・クルーズをたっぷり走らせればいいのに!と思いながら観てると、ラスト近くになってちゃんと、長いワンカットで走ってみせてくれる(だよね?途中でワイプでこっそり切って無いよね?と心配になる昨今の撮影技術)。その直前の屋根を走るシーンでは。チャップリンの『キッド』を思いだしたりもするし。走るって、素晴らしい。[地上波(吹替)] 7点(2012-04-13 04:19:40)(良:1票)

52.  南から来た用心棒 まずそもそも、「南から来た~」などという、どうでもいいタイトルを思いつくセンスが、正直うらやましい。別に「寒い国から来た用心棒」とかでも一向に構わないんですよ、主題歌でも「一体どこからやってきたのか~」とか歌ってるしなあ。南から来るどころか、とんでもないイカサマ野郎で、冒頭、監獄に入れられてます。演じるのは当然ながら、ミスター・マカロニストこと、ジュリアーノ・ジェンマ。物語は、悪党どもが監獄を襲撃するところから始まります。脱獄する囚人たち、悪党が仲間を助け出しに来たのか?と思いきや、さにあらず、なんと手下をスカウトするための監獄襲撃なのでした。仲間入りを拒めば、死の制裁。いやこの映画、ムヤミに死人が出るんです。しかしジェンマはこれを拒む。と言う訳で、悪党団vsジェンマの戦いと相成ります。彼の正体は、カードのイカサマ師にして、命知らずの賞金稼ぎ。悪党一味のひとりに身内を殺された家族から復讐を依頼され、その報酬金が足りないとなると、「それでは娘のミサオをいただくとしよう」って、眠狂四郎かよ。しかし娘の方も、なんやかんやとジェンマをののしりつつも、結局は彼に心惹かれていくあたりは、まさにジェンマの人徳。そんなもん無いっての。で、悪党どもとの戦いへ。先にも書きましたように、この映画、ドンパチしまくり、人死にまくりで、さらにいい味出しまくりのウィスキー親父のウィスキー爆弾(?)まで炸裂し、なかなかに楽しめます。で、観終わった感想としては、「こういう映画、多いよね」という、まあその程度のものなのですが・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-05 22:10:27)

53.  身代金 《ネタバレ》 観てて気持ちがイイほど、とにかく“ヤなヤツ”ばかりが出てくる映画です。強いて好感が持てる人物を探せば、犯人グループの中の「子供を殺すことに反対する暢気な男」ぐらいですね(勿論こういうヒトは長生きできない)。犯人グループは基本的にポンコツ。ムダに人数が多くて、こんな犯行、成功する訳がない。ゲイリー・シニーズ演じる主犯格の男の焦りが観てて伝わってくる。要するにコレ、子供を誘拐された両親の焦燥を描いた映画と思わせて、実はひたすら犯人が追いつめられていくのを描いた映画と言えそう。前半、犯人の動機は怨恨かと父親が疑うカマシがあるけれど、実際の狙いはお金。極めて素朴に、単純にお金。で、そのお金の力でもって、後半、父親の反撃をくらう。すべてはお金。仲間よりもお金。狡猾に立ちまわり、身代金の代わりに懸賞金としてついにお金を手にする、と思いきや、当然にその野望も挫折する。大体、父親が真犯人と知らずに懸賞金を渡しそうになる、要するにダマされそうになるシーンであるのに、ここでのメル・ギブソンの表情、まるでダマされる気のなさそうな非常にイジワルな表情をしてるんですね。もうあとは、犯人の焦りと犯行の頓挫あるのみ。何から何まで裏目に出た挙句、最期は血まみれで立ち尽くし、しかもわざわざ「射殺してください」と言わんばかりに隠し持った拳銃に手を伸ばして見せる。まるで同情を伴わない哀れさばかりが残ります。お金って怖いんですよ、という映画。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-19 00:05:30)(良:1票)

54.  ミッドウェイ(1976) オールスターキャストで描く戦争スペクタクル! と言いたいところだけど、ムダに豪華なキャストにしたのが裏目に出て、前半はおよそ緊迫感もなく気分の乗らないムダなドラマが展開(中でも明らかにムダ登場なのがロバート・ミッチャム)。さんざん待たされて、いよいよ戦闘開始! 場面場面でテロップを出してドキュメンタリーの感じを出そうとし(実際には出ていない)、さらには映画冒頭でも断っている通り、当時の実写映像が混ざる。この辺りはテレビ番組の“九死になんとやら”とかでよく見かける、「再現VTR」「実際の映像」と同じ仕組み。こういうことするから、かえってウソっぽくなっちゃうのです(この部分は実際の映像ではありません、とわざわざ宣言するようなもの)。しかし、改めて思い返すとこの物語、終盤の「戦闘機が空母への着艦に失敗した実写映像」“だけ”から、でっち上げたようなもんで、スゴイと言えばスゴイ。うーむ。あの映像の中では誰かが実際に命を落しているだろうに・・・。というわけで、ま、確かに変な映画なんですけども、何というかその、「戦争当時の作戦の混乱」と、「映画の企画の混乱」という、両者の混乱ぶりが時代を超えてリンクするような、不思議な感覚があり、そこに妙な説得力を感じてしまったりもします。そういう意味では稀有な映画。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-03-14 17:59:18)

55.  宮本武蔵(1944) 不思議な感じのする『宮本武蔵』映画、であります。美しい風景のショットであったり、奥行きのある構図であったり、武蔵の静かな佇まいであったりと、ズバリズバリと配置されていく印象的な光景に目を奪われ、「そういやこれって戦時中の作品なんだっけ?」と改めて驚かされます。が、一方でその“余裕”のようなものが必ずしも隅々にまで行き渡っていないような気も・・・。1時間に満たない短尺、本来展開されるべき殺陣(吉岡一門との対決)なども省略されて描かれた、切り詰められた本作では、他の映画なら「ま、いいか」と見逃すような点も何かと気になってしまう。例えば、スィスィ~と滑っていくべきハズの移動カメラ、これがガタついて揺れてしまうのが、いかにももどかしく残念。また、ひとつの見せ場である、野々宮姉弟襲撃シーンの長回し。カメラの前で舞台劇風に展開されるのが、ここではどーも段取りクサく見えてしまってしょうがない。あたかも、「実験的」と称する作品が単なる「実験」になってしまい薬品臭が感じられてしまうかのような後味の悪さ・・・。クライマックスの巌流島の対決(武蔵到着の場面ではナゼか越天楽が流れる)、これは割と正攻法の描き方、と思いきや、武蔵と小次郎の距離感が異常に短い!ナゼなんだ~。ここまでくると、恐らく意図的に対決のダイナミックさを削ったんじゃないか、とも思えてくるが、違和感は拭えない。というわけで、何と言いますか、全体的に、「作為」が「作為」として成功している部分と、「作為」が「ケチ臭さ」に感じられる部分が交じり合った、いささか奇妙な作品になっているように思えました。それがこの映画独特の存在感であり、一種前向きな「物足りなさ」、なのかもしれませんが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-07 11:43:04)

56.  乱れ雲 いかにもメロドラマらしいメロドラマで、確かに引き込まれはするのですが・・・なんとなく物足りない! 成瀬作品って(まだ大した数観たワケでもないんだけど)、刻一刻、次のカットが予想できないような、何か屈折した感覚があるように思ってたのですが、どうもこの作品、流れがスムーズすぎて・・・(でもやはり、ところどころは「アレッ」と思うカットが挿入されて、何だかウレしくなる)。まあ、作品がカラーである時点で、雰囲気がモノクロよりも日常に近づく分、場合によっては、映画の「神秘性」が薄らぐ原因となったりもするのでしょうが。それにしても加山雄三の笑顔がインチキ臭い。メロドラマなのに、二人が結ばれることを期待するどころか、「ああ、こんな胡散臭い男にだまされるなぁ」「くそーまた偶然を装ってバッタリ出会いやがる。ストーカーの手口だ」「熱出たくらいで甘えやがって。母親の話と違うではないか」「あっ今のは絶対セクハラだっ」こういう邪念が湧いてしまうのは、私が悪いのか、映画が悪いのか。←こういう事ばかり書いているのは、結構気に入ってる証拠だったりするわけですけどね、ははは(随所に流れる武満サウンドがグー)。でも、ラストはもう少しなんとかならなかったんですかね。この断ち切るような終わり方、鋭いようでいて実は無難なラスト、これは少々日寄っている気がしました。この重いテーマに相応しい処理の仕方だったどうか・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-23 22:55:55)(良:1票)

57.  M:I-2 ミッション:インポッシブルというタイトルをつけておきながら一体どこまで「スパイ大作戦」とは無関係の映画を白々しく作ることができるか、というこの挑戦、これこそが真の「ミッション・インポッシブル」と言えましょう。まさに堂々たる白々しさ。唯一のキーワードは「トム・クルーズであそぼ」、コレだけであります。が、その意味ではイジリ方が甘く、ちとカッコつけすぎなのが、恥ずかしいやらうれしいやら。ジョン・ウーのなんとなく胡散臭い美学が、例によって例のごとく展開してますが、バイクのアクションなどは良いとしても(良いのか?)、クライマックスの格闘シーンは、こりゃどうなんでしょうね。あはは。ところで話は変わりますが、プロレスラー・SUWA選手の必殺技に、「ジョンウー」というワザがあります。これは言わば一種のドロップ・キックみたいな感じなんですが、このワザは、相手の懐に足元から思いっきり飛び込み、キックの瞬間に、足を思い切り伸ばして相手選手を両足で突き飛ばすことで、相手選手が某映画のワンシーンのように空中を弾き飛ばされて行く、そんな強烈なワザなのです。本作のトム・クルーズも、あんなキザな格闘シーンをやるくらいなら、是非この「ジョンウー」をやって欲しかったなあ、と思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-12 23:31:42)

58.  ミッション:インポッシブル 「スパイ大作戦」のテーマ曲、カッチョいいですね。この曲、5拍子なんですね。音楽史上最初に5拍子の曲書いたの誰だろうね、ショパンかな??よう知らんけど、とにかく、このテーマ曲ほど違和感のない「5拍子」の曲なんて、滅多にないよね。だから、「リズムを変えたしょうもない編曲なんか、要らないんだ!」と叫んでおこう。それはさておきこの映画、(1)TV版のファン「だけ」をダマそうという実にスケールの小さいドンデン返し、(2)トム・クルーズを吊るすわハジキ飛ばすわとオモチャにした点、この2点だけをとっても、実にスバラしい映画だと言えましょう。((2)に関しては、いやまだまだ手緩い、もっともっと恥ずかしい目にあわせてやってもよかったかんじゃないか、という気もするが)。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-12 00:08:08)

59.  ミクロキッズ 人間をミクロにするということは、質量保存の法則はどうなるのか? 体を構成する分子ごと小さくするのなら、呼吸や代謝は可能なのか? その他さまざまな疑問が浮かぶのだが、まったく言い訳がましいことを説明しないこの映画。いやあ、実にすがすがしい。荒唐無稽だけど、観ててシラケる程のバカバカしさじゃなくて、笑いのツボを押さえつつも楽しい冒険映画になっているのが、好感持てます。しかし、ブライアン・ユズナやらスチュアート・ゴードンがこの映画に関係しているというのは、なかなか衝撃的でありました・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-11 23:42:41)

60.  未完成交響楽(1933) シューベルトのロ短調交響曲(現在与えられてる番号は第7番)が何故未完成に終わったか、の謎をキッカケとして作ったフィクションです。シューベルトは他にも未完成作品が幾つもあり(他には「四重奏断章」等が有名)、実際には大した意味は無いと思われます(一般に言われているのは、第1、第2楽章を3拍子系のテーマで書いてしまい、第3楽章も3拍子のスケルツォなので、書き進めにくくなったんじゃないか、という説)。が、この曲、未完成ゆえに完成された、と言うのはいささか言いすぎでも、とてつもない異彩を放つ個性的な曲で、確かに何か想像力をかき立てるような要素を持ち合わせています(当時はベートーヴェンもまだ第九の作曲途中というから、かなり斬新な音楽です)。本作は、ユーモアも交えながら、未完成の謎にロマンチックな解答を与えており、なかなか音楽にもマッチしています。多分実際のシューベルトよりはかなり美化されてるんでしょうけどね(後に墓を移動する際の調査で身長がかなり低かった事が確認されているようです。また肥満で内向的というから、今生きてれば「オタク」と呼ばれかねない)。7点(2003-10-12 01:38:13)(良:1票)

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