映画『クィーン』の口コミ・レビュー

クィーン

[クィーン]
The Queen
2006年上映時間:104分
平均点:6.70 / 10(Review 56人) (点数分布表示)
公開開始日(2007-04-28)
ドラマ政治もの実話もの
新規登録(2007-01-25)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2019-06-12)【Olias】さん
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監督スティーヴン・フリアーズ
キャストヘレン・ミレン(女優)エリザベス2世
マイケル・シーン(男優)トニー・ブレア
ジェームズ・クロムウェル(男優)エディンバラ公 フィリップ
ヘレン・マックロリー(女優)シェリー・ブレア
ロジャー・アラム(男優)サー・ロビン・ジャンヴリン
シルヴィア・シムズ[1934年生](女優)皇太后エリザベス
ティム・マクマラン(男優)チャールズ皇太子の秘書ランポート
脚本ピーター・モーガン〔脚本〕
音楽アレクサンドル・デスプラ
撮影アフォンソ・ビアト
製作総指揮スコット・ルーディン
配給エイベックス・エンタテインメント
特撮フレームストアCFC(視覚効果)
衣装コンソラータ・ボイル
あらすじ
王室の伝統を死守しようとするエリザベス二世のもとに、労働党党首の若いブレアが首相に就任したという知らせが入り、エリザベスは平静ではいられない。世界中の人々が国王である自分を差し置いて、息子チャールズと別れた後も魅力と話題を振りまくダイアナに注目する中、国民と王室との関係に関して親子ほど年の離れた首相の指示を仰なければならないからだ。そしてダイアナ元皇太子妃交通事故死の運命の日が到来。エリザベスはブレアと連携し、王室の体面を保ちながら英国民の心情をなだめるという綱渡りを演じなければならなくなる。
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💬口コミ一覧

56.ネタバレ 一般的に王室というのは、理想的な家庭の模範として存在すべきだ、という暗黙のルールがあるのかもしれません。それだけにそこにギャップが生まれると非難の的になる。善の仮面をかぶったパパラッチはダイアナを追撃し、最後に抹殺した─。しかし一転して今度は亡くなったダイアナを持ち上げ、国民の怒りの対象を王室へと向かわせる。究極の偽善者とはどこの国でもマスコミなのです。このバッシング騒動によってクイーンの価値観は揺らぎ、彼女は「感情を抑圧することがずっと正しいことだと教えられてきた」という台詞を漏らす。つまりこの時期のエリザベス二世は、クイーンとして矜持を保ってきた「品格」すらも、冷淡だというレッテルを貼られ批判されたのでした。面白いのは、エディンバラというエリザベス二世の夫なる人物。いくら彼女が女王といえども、妻なのだから、夫の言動に少なからず影響を受けているのではないかと思いましたが全然そんなことがなかった。女王が寝ている寝室でおどける夫と、女王の命令に、うなだれて従う夫の対比が鮮明に印象に残ります。鹿と対面したエリザベスがその美しさに見惚れるシーンがあります。彼女が鹿に感じた感情は共感でした。夫のいる寝室ですら、妻として涙を見せられない女王が誰もいない水辺でようやく泣く事ができた。そのときにその鹿は現れたのです。しかし「孤独」の境地に共感したのではありません。鹿には気高さと威厳があった。彼女は鹿に孤高の影を感じて共感したのです。孤独と孤高は全然違います。彼女は妻であり、母親という肩書きも持つが、それよりもイギリスの女王として生きてきた。一切の「私」をすべて捨て去った人間でした。孤独になると分かっていながらも、あえて自分でその道を選んで進んできた─。エリザベス二世は孤高の人だったのです。このようにクイーンの本質を、言葉で説明するのではなく、一匹の美しく気高い鹿を見せることによって表現してしまう。まさに映画の持つ素晴らしさを充分生かした作品でした。
花守湖さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-06 19:48:33)
👍 2
55.ネタバレ 有楽町で観たついでに皇居まで足を伸ばしたが、特に見るべきものはなかった。我が国の皇室もこのくらいはちゃけた姿を見せてくれた方が断然面白いのだが、まだまだ先になりそうだ。元々イギリスは市民革命の発祥国であり、王室の存在が、伝統と国民感情の微妙なバランスの上に成り立っているという事実を、改めて思い知らされる。国家と王室の危機を乗り切った、女王と首相の対応は見事と言うべきであろう。逆に保守党の首相であれば、あそこまで世論に迎合した対応はできなかったかもしれない。政治とは摩訶不思議である。この二人に比べて、周囲の人々がボロクソに描かれているのが面白い。女王の孤独と威厳を、あくまでスマートかつハートフルに描いたイギリス映画界(とイギリス人)の心意気は確かに素晴らしい。しかしそれ以上に私としては、毒舌の応酬と、威厳に満ちた野生の鹿を、一転して断頭台の象徴に仕立てあげる、ダークサイド表現に感銘を受けた。最後にレヴューついでに薀蓄を一つ。ラストで女王と首相が歩いているのは、ワデスドン・マナーの庭園で、かつてのロスチャイルド邸である。現在はナショナル・トラストが管理している。
わいえすさん [映画館(字幕)] 9点(2007-07-13 03:26:27)
54.ネタバレ ヘレン・ミレンさんのなりきりぶりは凄い!
女王として良かれと思っていた事が、そうとは受け取られない。
国民との気持ちのすれ違いに苦悩する様が静かに丁寧に語られていきます。
こういう良質の作品に出会えることが、私にとって、映画を観る醍醐味と言えます。
たんぽぽさん [映画館(字幕)] 9点(2007-05-06 22:55:40)
53.ネタバレ もうどこから見ても女王という品格のヘレン・ミレン、コーギーが好きなのね。
劇中「生きていても死んでも厄介者」とは確かマーガレット王女が電話で言っていたということだったと思うけど、実際王室ではそうだったんでしょう。
立場を考えたら言わなくてもいいことまでインタビューで言っちゃう人で、逆にそういうとこが大衆に絶大にウケる理由のひとつだったのかもね。
ダイアナを追いかけまわしたマスコミ、ロンドンの裏通りのような場所で突撃インタビュワーみたいな人の前でワンワン泣き出したダイアナの映像を見たことがあります、通りすがりの一般人が「放っておいてあげなさいよ!!」とダイアナを擁護してたっけ。
あのような事故死をしたとなったら今度は王室批判を書き立てるマスコミなんですね。
しかしこのような映画が制作できてしまう英国と英国王室って大人で懐が深いなと思いますよ、素晴らしい。
王室ものとしてはリアルで重いテーマなんですが、誰かに肩入れするわけでもなく、美化するわけでもなく、
大袈裟にもならず描かれていて、結果的にはエリザベス女王の君主としての偉大さ寛容さがわかるという具合の映画になっていると思います。

ハリー王子は母親似なのかしらね。先日ニューヨークへ渡った彼の方もパパラッチの標的になっているようだけど大丈夫かな?
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-12-18 16:09:50)
52.ネタバレ 英国王室を揺るがした世紀の大騒動を赤裸々に映画化ってとこでしょうか、いずれにしても日本では皇室をテーマにした映画自体が想像すらできないのは確かです。 改めて観ての感想は、英国王室は「家」としての要素があまりに濃厚だということです。そこは憲法で「象徴」と定義されて国家システムの一部という感もある天皇家と対比すると、興味深いところです。歴史的に英国は王家の血筋が切れると、薄い血縁関係がある欧州大陸の親戚が家ごと王位を継ぐというシステムでやってきたわけで、ここら辺は複雑な婚姻関係でつながっている欧州王族の強みですね。この映画で描かれるダイアナと英王室の関係も、婚家と嫁の不仲という下々の家庭でも当たり前のように見られることと本質は一緒です。離婚した妻が死んだら葬儀は元妻の実家が取り仕切り、元夫は個人としてはともかくとして婚家が関わらないというのは当然のこと、でもそれでは通らない立場だってことに考えが及ばなかったのがこの時の女王の失敗だったんでしょうね。 ヘレン・ミレンの素晴らしい女王演技もさることながら、感心するのは脚本の出来の良さです。チャールズ皇太子を始めとする王室メンバーの言動は、ここまで赤裸々に描いちゃって大丈夫なの?と心配になるぐらいです。とくに皇太后エリザベスの毒舌にはもう笑うしかないです。チャールズ皇太子も自分に世間の非難が向かないようにすることだけに汲々なずるい感じが良く出ていて、本人からクレームがつけられなかったのかな。中でも、「ダイアナは生きてても死んでも面倒を起こす」というマーガレット王女の言葉はあまりにも辛辣でした。鹿狩りに夢中な自分以外の王族に内心は辟易としている女王の心理はとても共感できますし、あの鹿はダイアナの暗喩に違いないと私には感じます。女王と鹿が出会うシーンはこの映画のクライマックスだと思いますし、「早く逃げなさい」とはまるで死の直前のダイアナに語り掛けているような感じです。けっきょく鹿は隣の民間人住人の客に仕留められてしまうのですが、これはパパラッチに追いかけられて事故死した経緯を戯画化していると思います。これが女王の心境の変化を促すきっかけとなったわけですが、他の王族と較べてあまりに女王のことを良く描きすぎというきらいもあるけど、ヘレン・ミレンの名演に免じて許しましょう。 そう言えば最近ヘンリー王子が揉め事を起こしてまたまた英国王室が揉めていますが、やはりダイアナの血筋は争えないということでしょうか。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-01-30 22:38:19)
51.女王をはじめまだ存命の方々が登場する実話に基づいた作品ですが、王室に対して好意的でない内容も含む映画が当然のように上映されることに日本人として嫉妬しますね。内容も違和感がなく説得力もあって面白かったです。それにしてもジェームズ・クロムウエルは長身ですね。
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-06 20:35:59)
50.ネタバレ 革新派やフェミニストからの強力な支持もあって存命中は持ち上げられもしていましたが、死後15年経った現在から振り返ると、やはりダイアナ妃は魔女だったと思います。英国王室のあり方について国民レベルで賛否が割れることはあっても、少なくとも王室に嫁いだ人間には、その家族が大切にしてきた価値観を共有し、守っていくことが求められます。しかし、彼女はそうしなかった。自分に好意的なマスコミへ王室のスキャンダルを流したり、自ら王室批判を繰り返したり、挙句の果てには二人の息子がいるにも関わらず自由恋愛に明け暮れたりと、名誉と格式を重んじる英国王室が反論できないことにつけ込んで、彼女は好き放題をやっていたのです。。。
「我が家の籍を離れた人間なのだから、葬儀はご実家でやっていただきます」、常識的な感覚から言えば、ダイアナの死に対してエリザベス女王のとった対応は妥当なものでした。しかし、死亡事故にパパラッチが関与していたことへの負い目もあってかマスコミは一斉にダイアナを持ち上げはじめ、国葬をしろと騒ぎ出します。伝統を否定した人間に対して英国王室が最大級の敬意を表するなど前代未聞のことですが、異様な熱狂の中で正論はどんどん掻き消されていきます。まずは、自身の人気取りを優先したいチャールズ皇太子が落ち、次に、マスコミの異常なバッシングに怯えた王室ご意見番が落ちます。ブレアは善人ではあるものの、長く革新政党にいたため伝統というものへの理解は不足しています。「英国王室は400年の歴史を背負っており、現在の国民がどう思うかということとは別次元で生きている」という当たり前のことが理解されない。そんな状況の中でエリザベス女王は孤立無援へと追い込まれ、最終的にはマスコミとダイアナの力に負けてしまうのです。。。
以上、題材はかなりハードなのですが、あくまでこれをある家庭のドラマとして描いた脚本が秀逸。世間知らずの夫とバカ息子に挟まれ、対応を一手に引き受けねばならなくなったエリザベスの苦悩が非常に分かりやすく描かれています。ただし注意せねばならないのは、本作で描かれるドラマはあくまで脚本家の憶測に過ぎないということです。史実をベースに、その当事者達がどう考えていたのかを推測してドラマを組み立てるこの手法は、倫理的にはギリギリの技術だとも言えます。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 8点(2013-06-26 01:11:39)
49.見る前は「いまだ存命の女王陛下が主人公の映画など、よく作れたな」と思いましたが、作れたのも道理、バッシングされた女王の名誉を回復するような内容でした。しかし単に王室寄りの話ではなく、なんとか騒動を収集しようとする首相側と王室側のやりとりや、各人物の言動は見ごたえがあります。どの程度事実に即しているのかわかりませんが、とりあえず一国の王室と内閣が、一女性の死にさんざん振り回されたことは確かでしょう。ダイアナってなぜそんなに人気があったのか、わかりません。それだけに、女王には同情を禁じ得ませんでした。 個人的には、久々の“当たり”です。
アングロファイルさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-05-15 17:16:06)
48.現実の事件や登場人物を借りつつ、それを見事に物語的構造に落とし込んだ、良質な中篇映画という印象です。ただ、「ここであげて、ここで落として」みたいな構造があまりにストレートなので多少きれいすぎる印象はあります。また女王だけが格好よくて、それ以外はほとんど全て全員引き立て役というのは、ちょっとやりすぎなきらいもありますが、わかりやすく楽しく見られました。
必ずしもイギリス王室を描いたストーリーとしてみなくても、「社会的役割をきちんとまっとうしてきた高齢の女性の、一見厳しく冷たいように見える気高さを、より若い男性が(はじめは対立しつつも)次第に理解し認め、最後には協力者になっていく・・・というストーリーとしてもみることができるのでは?  僕にはそんなふうなお話として、素直に楽しめました。
小原一馬さん [地上波(字幕)] 8点(2009-12-17 22:14:51)
47.ネタバレ イギリスで女王を演じるといえばヘレン・ミレン、ヘレン・ミレンといえば女王、というようなことになっている。先日、エリザベスの一世を演じたTVドラマを見たが、もはや別の女優が女王を演じることはムリであろう、というくらいに1人勝ち。
さてこの作品は、イギリスの大衆や王室の事情について、上っ面やおべっかでなく描いた優れた一品だと思います。
全体を見終わってどういう感じを抱かされるかというと、「ダイアナは厄介だったのだ」という、極めて客観的な事実の再確認、だと思います。
若くして悲劇的な死を遂げたことによって、この「ダイアナは厄介」という事実を誰も指摘しないし認めないということになってしまった。
しかし、どう考えたって、やっぱり「そう」だったのです。そして、作り手は「大衆の絶対的支持」などというものに押されず負けず、「そのこと」をはっきり指摘してみせたというところがすばらしいです。こういうものが出るからイギリスという国はあなどれないと思います。
さて私は個人的にはダイアナのような人間が好きでなく、女王やその夫が「厄介」と苦々しく思う気持ちが分からないでもないのです。一言でいうと、ダイアナのような女性は「肉体派」(セクシーという意味ではなく)なのです。
ダイアナを「肉体派」という場合、その反対は「知性教養」です。
「肉体派」は本を読まず、文を書かず、生涯勉強というものはしません。日本人なら、読書より絵手紙や社交ダンスに走るタイプ。ダイアナはそういう女性でした。
しかし、私や女王一家が眉をひそめるその「なりふり構わず愛を求める」みっともなさが逆にウケてしまいます。本人も「おっ意外にこれでイケるかも」と思います。
「ダイアナは厄介」だったのです。死んでくれてほっとしたけれど、死に方が死に方なだけに、「死んでまで厄介なダイアナ」ということで、女王は国民に嫌われそうになって困ります。
けれどこのとき、女王が自らに嘘をついてまでいちはやく半旗を掲げ、弔意を表明し、ダイアナの死を悼んだとしたら、とってもヘンじゃないでしょうか。それが「女王」でしょうか。
私は、ウソの下手なこの人がとても可愛い気がしてくるし、「女王の陰謀説」が有りえないということも納得できる。
一つ難をいえば、ブレア役の俳優が全く似ていなかったことが気分を下げる。
パブロン中毒さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-21 15:35:09)
👍 1
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46.ネタバレ エリザベス2世は英国王室の伝統としきたりを守ってきた、そうすることが自分の使命だと幼い頃より育てられてきた。しかし、国民はそれを望んではいなかった。その狭間で苦悩する女王をヘレン・ミレンはが見事に演じています。女王そのものと思えるくらいに。ダイアナを憎んでいたわけではなく、使命を全うしようとしただけ。国民に非難されながらも宮殿で少女から花を受けとるシーンは感動します。
茶畑さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-07 23:52:08)
45.父王ジョージ6世の乱れた髪を演説前に整える少女エリザベス・ウィンザー。 忘れられない光景だが、あの頃からこの女性は「自分がしっかりしなきゃ」という使命感のようなものが無意識のうちにあったかもしれない。 レディ・ダイアナ存命中の一時的・爆発的な人気とは違い、即位50年をこえるエリザベス2世への信頼と愛着は英国に深く根ざすものであるが、その信頼が失われかけた危機的状況にあった日々を外からではあるが描いて興味深い。 細身で容貌も似ているわけではないヘレン・ミレンは違和感なく女王の佇まいや言動を体現し、本人の心情もここで描かれているのとそれほどかけ離れてはいないのではないかという思いを観客に抱かせることに成功している。 女王がご覧になられたら笑みをもらされるだろうか? 逃げ出さないこと、あるいは持ちこたえることの価値を静かに示す。
レインさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-12 13:22:39)
👍 1
44.ネタバレ ダイアナ妃の事故死をめぐっての話と聞いていたので、もっと深刻で辛気くさい話かと思っていたのですが、全編、皮肉混じりの会話に思わず失笑することも多く、なかなか面白かったです。これぞ英国流のユーモアなんでしょう。エリザベス女王役のヘレン・ミレンとフィリップ殿下役のジェイムズ・クロムウェルはルックス的にもイメージ通りの適役、ブレア首相もちょっと軽すぎる感はありますが、まあ、これはこれで良し。ただ、チャールズ皇太子だけは違和感がありすぎで、これがこの映画の最大の欠点でしょう。
ストーリー自体は淡々と進んでそれほど盛り上がりはないですが、しっかりとした脚本、出演者達の確実な演技、絶妙な英国流ユーモア感覚に支えられて、少しもだれることなく最後まで見ることができました。最後の方で女王が首相に言う言葉も、ここのところのブレア首相の状況(すでに退陣を表明しちゃいましたが)を見るにつけ、ブラックな香りが引き立ってます。
それにしても、女王も首相もすべて現役のときにこのような映画が作られたことが、同じく皇族を戴く日本人としては少し驚きです。日本で皇族、とくに民間から嫁いだお妃の方々に焦点を当てれば、この作品以上にドラマチックな映画になりそうですが、おそらくそれは今の時代が時代劇の世界になるまでは無理なことでしょうね。
はやぶささん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-11 22:17:55)
43.ネタバレ 英国王室のことって良く知らないんですけど、とっても楽しめました。
なんていうか、壮大な嫁姑問題かな?
最後になると女王に同情しちゃってる自分がいました。
だって、相手は結婚当時も離婚後も色々ぶっちゃけてるけれど
女王の方は威厳とかしきたりとかあって反論することも出来ず
反論したらしたでまた面倒だろうしさ。
じゃあ放っておくしかないじゃないですか。
黙っている=認めているじゃないんだよなぁ~。ばかばかしくて相手に出来ないことだってあるでしょうし。
そうなると片一方の話だけ聞いて判断しちゃうわけで・・・。
普通の家だったら離婚した元奥さんの葬式に出るのだってねぇ~。
しかも自分の息子に落ち度もあるわけだし。
・・・ってちょっと女王に同情しちゃいました。
それにしてもじいぃちゃん!狩りばっかりしちゃって。
他になにかすることないんかい!!
あずきさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-09 16:10:43)
42.ヘレン・ミレンはもちろんのこと、脚本がすごいと思いました。批判的になるのでなく、王室と国民双方が納得できそうなストーリーです。もちろん事実はかなり違っているのでしょうが、映画としては素晴らしい出来です。
shoukanさん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-07 15:34:28)
41.ネタバレ “The Queen ”と書いて『エリザベス女王』と言って良いでしょう。本来女性の王を指していますが、エリザベス女王は昨年秋に亡くなり、いまご存命なのはデンマークの女王のみ。ただ今後ヨーロッパ各国の王位継承者である“王女”が“女王”に在位してくるそうな。
ダイアナ元妃が亡くなってから10年後に創られたこの映画。イギリス王室の内部をかなり赤裸々に、人間味ある人物として描いています。エディンバラ公とエリザベス王太后はダイアナを嫌っているし、チャールズ皇太子は自己中。この辺、自虐的とも言える、王室を綺麗に描きすぎないさじ加減が、とても上手いなぁって思いました。

本作公開の前年にロンドン五輪開催が決まり、イギリスが一丸となって盛り上げていきたい時。王室始まって以来の大スキャンダルだったダイアナ元妃の事故死に、映画としてメスを入れる行為。それも主役はダイアナではなく女王とブレア首相(当時は現職)にして。イギリス人がこの映画を観て『キレイゴトじゃん』って思っては、シラケムードになっていたところ。※余談ですが私は『フクシマ50』にそれを感じてしまいました。

伝統に縛られ頑なな王室と、国民感情に沿うように歩み寄らせるブレア。印象的な鹿の最後。自らも鹿狩りに参加する一方で、偶然目にした美しい雄鹿が仕留められたことにショックを受け、お忍びで鹿と対面し、仕留めた客人に“おめでとう”と伝えるように言い残す。そんな“公”の一面しか見ることの出来ない女王にも“私人”としての感情もある事を、改めて国民に観せている。
バッキンガム宮殿の前の、花束の少女とのやり取り。ブレアとキャンベルとのやり取りで、国民の女王に対する気持を見事に一体化してきました。

『裸の銃…』なんかでも笑いのネタ扱いだった女王。国民感情と乖離した古いイギリスの象徴だった女王を、愛すべき国民の女王まで昇格させたキッカケとして、この映画は大成功だったと思います。
国民に愛され、国民を愛する女王像の再構築。その映画的アプローチはまさにこの映画から始まり、ロンドン五輪開会式でのボンドとの共演に繋がっていく。見事です。
K&Kさん [映画館(字幕)] 7点(2023-03-26 14:37:27)
40.ダイアナ妃事故死事件の際の実話を元に英国立憲君主制における君主、政治、マスコミ、国民の関係性を描いた社会派作品。と文字にしたらいかにもお堅そうな映画だが、冒頭いきなり寝室で普通に眠る女王の生活感あふれるシーンがあることからも分かるように、王室の「人間」性(「人間性」ではなく)という視点がよく描かれていることがこの映画の魅力だ。確かに英国王室も女王も首相もダイアナも、我々が知ってるのは人物ではなく「像」である。一面では虚像でもあるそれを、王室の生活の描写というある意味タブーを犯して1人の人間(人物)単位で描いた愉しい映画である。
Arufuさん [DVD(字幕)] 7点(2011-06-06 23:07:38)
39.こういう、淡々と進むイギリス映画が好きです。女王に極めて同情的な映画だとは思いますが、色々な小さな描写がぐっとくる。例えば旧いレンジローバーが愛車だったり、バーブァーのジャケットやエルメスのスカーフを頬被りにしたりとか。
leoさん [地上波(字幕)] 7点(2011-05-02 17:00:26)
38.ヘレン・ミレンの存在感がすばらしい。少し白々しいところがあったので、7点。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-06 12:43:11)
37.ネタバレ イギリス王室の内情を描いた(と思われる)この映画ですが、ダイアナ妃に関する事(スキャンダラスなことも含め)は当時あまり関心がなく、背景にこんな事情があったとは知りませんでした。一国の君主としてのクイーンがブレア首相の提案を受け入れる決断の姿に、国民に生涯を捧げた女王の国民を想う気持ちを強く感じました。  1000年の歴史と伝統を誇る王室のクイーン=女王 と いち人間・祖母としての葛藤・苦しさを高貴な鹿の生と死を通して描くこの作品で、クイーンとしての品格を見事にヘレン・ミレンが演じています。正直ホントに本物に見えてきてしまうぐらいに素晴らしい…賞受賞も納得デス
Kanameさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-24 11:34:39)
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【点数情報】

Review人数 56人
平均点数 6.70点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
423.57%
5610.71%
61730.36%
71628.57%
81221.43%
935.36%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review2人
2 ストーリー評価 6.75点 Review4人
3 鑑賞後の後味 7.66点 Review3人
4 音楽評価 4.66点 Review3人
5 感泣評価 5.33点 Review3人

【アカデミー賞 情報】

2006年 79回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演女優賞ヘレン・ミレン受賞 
監督賞スティーヴン・フリアーズ候補(ノミネート) 
脚本賞ピーター・モーガン〔脚本〕候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞コンソラータ・ボイル候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2006年 64回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ドラマ部門)ヘレン・ミレン受賞 
監督賞スティーヴン・フリアーズ候補(ノミネート) 
脚本賞ピーター・モーガン〔脚本〕受賞 

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