映画『アヒルと鴨のコインロッカー』の口コミ・レビュー(3ページ目)

アヒルと鴨のコインロッカー

[アヒルトカモノコインロッカー]
The Foreign Duck, the Native Duck and God
2006年上映時間:110分
平均点:7.01 / 10(Review 166人) (点数分布表示)
公開開始日(2007-06-23)
ドラマ犯罪ものミステリー青春もの小説の映画化
新規登録(2007-06-25)【SAEKO】さん
タイトル情報更新(2024-06-30)【イニシャルK】さん
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監督中村義洋
キャスト濱田岳(男優)椎名
瑛太(男優)河崎
関めぐみ(女優)琴美
田村圭生(男優)キンレィ・ドルジ
大塚寧々(女優)ペットショップの店長 麗子
松田龍平(男優)河崎
なぎら健壱(男優)椎名の父
キムラ緑子(女優)椎名の母
眞島秀和(男優)バスの運転手
岡田将生(男優)免許のない学生
野村恵里(女優)犬がほしい女
関暁夫(男優)ペット殺し・江尻
東真彌(女優)ペット殺し・女
平田薫(女優)仙台弁の書店員
寺十吾(男優)警官
猫田直(女優)
土井原菜央(女優)
原作伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社刊)
脚本鈴木謙一
中村義洋
音楽佐々木次彦(音楽プロデューサー)
作詞ボブ・ディラン「風に吹かれて」
作曲ボブ・ディラン「風に吹かれて」
主題歌ボブ・ディラン「風に吹かれて」
撮影小松高志
製作坂上直行(「アヒルと鴨のコインロッカー」製作委員会)
プロデューサー宇田川寧
配給ザナドゥー
特撮橋本満明(視覚効果)
編集大畑英亮
照明松岡泰彦
あらすじ
Blowin' in the Windを口ずさみながら引越しの後片付けをしている椎名に「ディラン?」と声を掛けたのは、黒ずくめで長身の男、河崎だった。河崎が言うには、となりのとなりに住むブータン人のドルジは、最近彼女がいなくなってしまって寂しがっているらしい。そんなドルジが欲しがっている広辞苑を奪いに「一緒に本屋を襲わないか?」と椎名を誘う河崎とドルジと、その彼女琴美。そんな3人にまつわるあるストーリーを描いた第25回吉川英治文学新人賞受賞作である伊坂幸太郎の同名小説の映画化。
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💬口コミ一覧

126.ネタバレ カワサキのカワといえば大抵は三本川の川なのに珍しく、河童の河だと名乗る河崎。30分もかけて本屋を襲撃したのに肝心の広辞苑を広辞林と間違えるそそっかしい河崎。シャロンとマーロンの小噺を「楽勝」で語る河崎。ボイスレコーダーに遺った、失ってしまった者たちのその声を、彼は一体どれだけの回数聞いたのだろう。河崎曰く「可笑しいな」の「しいな」と同じ響きの名前をもつ椎名は、人は好いけれど、隣室の住人が孤独なブータン人だと分かるとそれ以来深入りを避け、バスの乗り方が分からず声をかけてくるインド人の前を逃げるように通過する、典型的な日本人でもある。Bob DylanのBlowin' In The Windを口ずさみながら引っ越しのダンボールを片付ける椎名と、その背後に、奇跡に出会ったような笑顔で立つ「となりのとなり」の河崎。彼らが鴨とアヒルであるならば、「鴨とアヒルは違う」と悪気なく言う鴨の本をアヒルはどんな思いで盗んだのだろうか。それを思うと、どうしようもなく胸が痛む。原作に忠実な映画の宿命として、本作は原作を超えてはいないだろう。ミステリーに付き物である謎解きの答え合わせのような冗長さ、社会的弱者が鬱屈の捌け口として単独で行う場合がほとんどであるだろう動物虐待の犯人像を見るからに素行の悪そうな三人組にあてがうウソ臭さ、あまりに流暢な現在のアヒルの台詞回しなど、小説であれば誤魔化せても映画だからこそ浮き上がってしまうそれらを映画として巧く消化しきれない下手さは、どうしても拭えない。けれどそれでも下手なりに誠実に物語ろうとするこの映画が好きだ。ラスト、「もう一度」犬を救おうと車道に飛び出すアヒル。反復は過去と現在の状況の変化を強調する。彼のしたこと、そして失ったもの。一度目の時のように「犬を助ける俺が殺されるわけがない」という絶対的な法則を、罪を犯した彼はもう、もたない。映画はそんな彼にどんな結末が下されるかを不遜に描いたりはせず、誠実に、省く。彼のしたことが善いか悪いか、そしてアヒルは赦されるのか赦されないのか、その答えは神のみぞ知る。描かれるのはただ、車道に迷わず飛び出し行く彼の、それでも決して失わなかったもの、それだけだ。そして鴨がそうしたように、コインロッカーの中で電池が切れるまでBlowin' In The Windを歌いつづける神様に、映画もまたアヒルのため、ただただ切に祈るのだ。
BOWWOWさん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-21 15:21:00)
👍 2
125.ネタバレ  「脚本重視で評価している」というレビュアーがいらっしゃって、騙されたと思って借りてみたんです。
 このタイトルじゃ、またいつもの「クソ煮込みうどん映画」ではないかと不安も感じたのですが、その不安を見事に裏切ってくれた良作です。
 小道具や伏線、留守電にボーリング場の音が聞こえただけで現場を特定してしまうところなど、仙台という地域を上手く使ってあると思います。
 時間軸をずらす手法は散々使われてきていますが、本作が他の作品と違うところは、時間軸を変える度に主人公、つまり感情移入する人間を変えていくところにあるのです。
 1時間50分でキレイに収めた編集は私にとって、ちょうどいい長さです。
 これ以上長くなるとダレる。
 時代が今だからこそ、こういう結末がOKなのでしょう。
 理不尽な犯罪が多い中、それを悲しんでいる人たちも多く存在することを表現してくれた素晴らしい映画です。
 内田けんじ監督のテイストが感じられますが、他のレビューを読むと原作が素晴らしいようですね。
 今度読んでみます。
クロエさん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-25 15:24:53)
124.ネタバレ 原作を見てからこの映画を見たのですが、忠実な淡々としたカットに、そこはかとない静けさを持つ作品になっていた。映像にするとなるほどこういう繋げ方もできるわけかと感心してしまった。
後半はただただ寂しすぎる、切なすぎる…それだけに最後の椎名の提案に大きな優しさと希望を感じた。
SAKURAさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-08-23 22:04:22)
123.原作未読ですが、「あ、叙述トリックだったんだ」と分かってからは、映像化できたことが凄いと思うようになりました。
推理小説が好きで、かなりの量を読んできましたが、基本的に叙述トリックが原作の場合、映像化は無理な場合がほとんどです。
すなわち、文章だから成り立つトリック、ギミックが使われるからです。
そういう意味で、この作品は多少の無理や、強引な部分もありましたが、許容できる範囲内にうまく収めていたと思います。
また、推理ものというよりも、椎名とドルジ、ドルジと河崎の友情を描いた青春ものとして見れば、高い評価を与えても良い作品だと思います。
なおてぃーさん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-01 18:25:54)
122.原作未読で大正解。ややテンポの悪い序盤だが、主人公のキャラがそうなのだからと納得して気長に構えて観ていたら、淡々とした描写なのに話はどんどん怪しい方向へ。後半はどっぷり作品世界に引き込まれ、急展開にもどこか哀しい予感があったような切ない納得感があり、この痛キモチよさは癖になる。今作品での瑛太の演技は素晴らしい。鈍臭い田舎者が本人の地道な努力で男前になるという人物像はちょっと「篤姫」の小松帯刀にも通じるものがあったが、帯刀以上に俳優としての力を感じられた。濱田岳はこの映画で初めて認識したが、若い頃のマーティン・ショートのようなあまりの不器用さに激イライラさせられるんだけど憎めない、という役にはまる俳優として今後の活躍が楽しみ。
lady wolfさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-14 22:51:13)
👍 1
121.ネタバレ 伊坂作品の映画化としては、キャストや仙台の雰囲気も含めて、個人的にはほぼ完璧だったと思います。あの小説のユーモアと切なさが奇妙に融合した雰囲気を、とてもうまく再現しています。中盤では、前半に登場した回想シーンが違ったキャストで再現されますが、それが悲しいトーンを帯びて、全く異なった話に感じてしまうあたりは見事です。このへんは映画という表現媒体のアドバンテージをうまく生かした展開だったと思いますし、その難役をさらりと演じた瑛太もよかったと思います。ひとつだけ気になったのは、ディランのCDが「ベスト盤」だったこと・・・。「神」ですから、レコード盤とまでは言わなくても、せめてオリジナル・アルバムで持っていてほしかったなあと思ってしまいました。
ころりさんさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-02-16 10:49:30)
😂 1
120.見事な脚本、見事なキャスティング。『ソウデスネ』
フッと猿死体さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-23 23:52:10)
119.ネタバレ 前半は、変人が出てくるだけで「大丈夫か?この映画」と思いますが、ちゃんとマトモに全て繋がりました。細かいあら捜しはどうでもいいじゃん・・・ふれこみ通り優しく切なかったです。
よりさん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-11 23:40:20)
118.ネタバレ 原作を読んで、どういうふうに映像化されているのか興味があったのでDVDを借りて見た。あのトリックを映像化っていうのは難しいんじゃないのかなぁと、もともとあまり期待していなかったのも良かったようで、映画の出来にはかなり満足。
最初はちょっと退屈だったけど、松田兄が出てきたあたりから俄然おもしろくなる。濱田、瑛太、松田兄は役にぴったりで素晴らしい。特に瑛太が良かった。あんなに良い俳優だったとは。両人格演じ切れていたし、派手すぎず地味すぎず、ちょうど良いさじ加減の演技だったと思う。原作を読んでいるときから琴美があまり好きじゃなかったけど、映画の琴美にも魅力を感じなかった。これは個人的な好みなので仕方ないのでしょう。
原作を読んでいると、瑛太の流暢な日本語も、本屋が事件後すぐに本屋で働いてたわけじゃないことも、麗子さんの関わり方も、ちゃんと時系列や背景のことがわかるので違和感なく受け入れられるけど、原作を読んでいないと「どうして?」と感じることもあるかと思います。
めずらしく原作ファンを裏切らない良作。見て良かった。
CRFさん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-06 21:59:17)
👍 1
117.おもしろかった。ラストの「鳥葬」のあたりからいろんな伏線が組み合わさり始めてカチッといって、何で河崎があんなヘンな人なのかわかる。よく組み立てられていると思った。東北の人間は東京に出たがるが、この映画の主人公は東京から北にやって来る。そこが東北人の僕には感慨深かった。「ここにも首都圏の人間をよびよせるものがある!」ちょっとふるさとに誇りを持てた感じ。 しかし、劇中、「こりゃ、なまりが大げさだ」とか思ったりも、した。標準語で一向に自然なのに。御近所ではないが、割と知っている場所が映画に登場したので、心の中で密かにはしゃいだ。そういう点でも、見応えのある映画だった。あと、「ボブ・ディランは神様」は・・・うなずきながら苦笑い。
ジェイムズ・ギャッツさん [DVD(邦画)] 8点(2008-08-08 15:16:24)
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116.ネタバレ 虐待みかけたらすぐ警察に電話するだろ、とか、日本に留学するのに(しかも何故仙台?)もうちょっとしゃべれるだろ、とか、文句を言いながら観てました。それと、神様を閉じ込める、っていうのがイマイチわかったようなわからんような。でもこういう映画にありがちな、ややこしさもなく、役者さん達も皆良かった。松田龍平が特に良かった。キャストとか知らんと観たんで、出てきたときは、おっ!と思った。河崎にピッタリだったんで。
SAS30さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-19 10:42:25)
115.ネタバレ 原作を先に読んでいたので、大まかななぞはわかっていたし、どうやって過去と現在を映像化するのだろうと興味を持ってみた。過去のシーンは基本的に回想であり、ちょっとずるいなと思ったりもしたが、原作の淡々とした文章の積み重ねの中にある思い雰囲気が映画によくあらわされていて、期待していたよりよかった。ペットショップの店長は原作中にはもっと出番があったような気もするし抜けているエピソードもいくつかあって意外にあっさり終わった印象だが、同じ時間に中身を詰め込みすぎると全体の雰囲気は壊れてしまうのだろう。もう一度原作を読んでみようかなという気になった。
HKさん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-14 00:13:39)
114. 伊坂ワールドを完全に体現しているという意見には賛同しかねるけど、雰囲気は出せていたと思います。この映画ほど「先に原作を読んでなければ…」と後悔した作品はありません。
 しかし純粋によく映像化できたなーと感心します。なかなか見せ方も上手かったし、回想シーンの最後が冒頭につながる所もすごく好きです。松田龍平や瑛太、濱田岳、良かったです。関めぐみには全く魅力を感じなかった。もっと期待していたのですが…。この映画での琴美の人物造形に問題があるのかも知れない。のっぺりとした印象を受けました。
 とても良い映画だと思います。
Balrogさん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-27 14:16:55)
113.ネタバレ 前半と後半では全く違う見方になって、こんな風に繋がってるんだ~と感心しちゃいました!まんまと騙された(笑)濱田岳と瑛太がとってもいい味出してます♪せつないストーリーですが、ラストに神様をコインロッカーにいれた時はジーンとしました。原作やネタバレなどなにも情報ないほうが絶対お奨めです!!!!

うさぎ大福さん [DVD(邦画)] 8点(2008-04-02 23:36:11)
112.ネタバレ オチを知った上での二度目の鑑賞。最初に観た時には分からなかった(意味不明すぎて苛々した前半)部分の本当の意味が手に取るように分かり、切なさが倍増する。しばらくボブ・ディランの曲が頭から離れません。
フライボーイさん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-31 07:12:17)
111.面白かった!!引き込まれた!!でもドルジ日本語上達しすぎでは?タイトルは最後になるほどと思える。いろんなジャンルが詰まってて新しい感じで良い。鳥葬こわい。
Michael.Kさん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-24 15:18:28)
110.レンタル屋の挿絵(?)が気になって借りてしまいました。最初はできの悪いコメディかと思いましたが、気がついたらがっつりはまっていました。瑛太っていい役者ですね。面白かったです。
あるまじろさん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-10 19:33:45)
109.伊坂幸太郎ファンとしては、できれば映像化してもらいたくないんだけどナー…というのが本音なんですが、いやぁ、杞憂だったみたいです。想像以上にキッチリ丁寧に作られていて、好印象。及第以上の面白さでした。原作のクオリティも損なっていないし、ダメ邦画に見られがちな「珍妙な媚び」「稚拙な抵抗」「タイアップのアンバランスさ」が希薄、というのもイイ。
aksweetさん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-27 23:53:32)
108.文章でしか通用しないようなトリックを見事に映像化していた。拍手。
悲しくておかしくてどこまでも優しい。
のえるあいさん [映画館(邦画)] 8点(2008-01-15 20:07:11)
107.ネタバレ 原作→映画の順でこの物語を堪能。ラストシーンは、原作では伏線ありの状態で迎えるので泣けるのですが、映画での描かれ方だと「後は想像して」ってことになっちゃってますね。ちょっと残念。でも琴美の河崎に対する台詞などは、一つ一つが(原作にあるものも、ないものも)伊坂節炸裂の雰囲気を出しており、映画スタッフの原作への愛情が感じられた。本当に裏切らない良い映画になっています。
こんたさん [映画館(邦画)] 8点(2008-01-13 18:41:29)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 166人
平均点数 7.01点
000.00%
100.00%
221.20%
331.81%
463.61%
5169.64%
62816.87%
74828.92%
83420.48%
91911.45%
10106.02%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.33点 Review12人
2 ストーリー評価 8.18点 Review22人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review21人
4 音楽評価 7.94点 Review19人
5 感泣評価 6.68点 Review16人

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