映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の口コミ・レビュー

スカイ・クロラ The Sky Crawlers

[スカイクロラ]
The Sky Crawlers
2008年上映時間:121分
平均点:6.12 / 10(Review 92人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-08-02)
アクションドラマSF戦争ものアニメ小説の映画化
新規登録(2008-07-07)【尻軽娘♪】さん
タイトル情報更新(2025-06-29)【イニシャルK】さん
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監督押井守
演出西久保利彦
菊地凛子草薙水素
加瀬亮函南優一
栗山千明三ツ矢碧
谷原章介土岐野尚史
大塚芳忠本田
麦人山極
兵藤まこクスミ
榊原良子笹倉永久
竹中直人マスター
ひし美ゆり子ユリ
平川大輔湯田川亜伊豆・合原
安藤麻吹フーコ
下野紘パイロット
原作森博嗣「スカイ・クロラ」
脚本伊藤ちひろ
行定勲(脚本監修)
音楽川井憲次
作詞絢香「今夜も星に抱かれて」
坂本美雨「sail away」
作曲絢香「今夜も星に抱かれて」
川井憲次「sail away」
編曲川井憲次「sail away」
主題歌絢香「今夜も星に抱かれて」
製作渡辺繁
石川光久(製作プロデューサー)
奥田誠治(製作プロデューサー)
Production I.G(「スカイ・クロラ」製作委員会)
ワーナーブラザースジャパン(「スカイ・クロラ」製作委員会)
バンダイビジュアル(「スカイ・クロラ」製作委員会)
日本テレビ(「スカイ・クロラ」製作委員会)
博報堂DYメディアパートナーズ(「スカイ・クロラ」製作委員会)
読売テレビ(「スカイ・クロラ」製作委員会)
読売新聞社(「スカイ・クロラ」製作委員会)
制作Production I.G
行定勲(GyaOスペシャル予告編制作)
樋口真嗣(GyaOスペシャル予告編制作)
庵野秀明(GyaOスペシャル予告編制作)
配給ワーナーブラザースジャパン
特撮江面久(ビジュアル・エフェクト)
作画林弘幸(CGIスーパーバイザー)
西尾鉄也(総作画監督/キャラクターデザイン)
渡部隆(レイアウト設定)
佐藤雄三(原画)
黄瀬和哉(原画)
井上俊之(原画)
本田雄(原画)
竹内敦志(メカニックデザイン/CGI絵コンテ/原画)
中嶋敦子(原画)
山下高明(原画)
青山浩行(原画)
橋本敬史(エフェクト作画)
美術渡部隆(美術設定)
編集植松淳一
録音若林和弘(音響監督)
井上秀司(整音)
トム・マイヤーズ(録音)(サウンド・デザイナー)
その他日本テレビ(提携)
Production I.G(提携)
庵野秀明(スペシャルサンクス)
北村道子(スペシャルサンクス)
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💬口コミ一覧

92.いやーこれはすごい。原作が良いのもあると思うがとりあえず「イノセンス」同様雰囲気が最高。そして切ない。最高に切ない。これ以上語ると野暮になるのでとにかく一見の価値ありです。
すたーちゃいるどさん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-21 22:32:11)
91.無駄のない展開と強いメッセージ性、そして地上の閉塞感(静)と空の開放感(動)との映像の緩急は見事だ。
音響も素晴しく、スカイウォーカーサウンドの緻密にして繊細なサウンドデザインは、その場の空気を感じさせる。
とくに、日常の些細な物音や環境音などの録音が素晴しく、アニメ空間にリアルを描き出していた。
声優陣も素晴しく、スイトは他を寄せ付けない圧倒的な存在感があり、ユーイチはどこか傍観者的で無垢な感じがうまく出ている。
とくにトキノとミツヤの声はキャラクターとのズレを微塵も感じさせなかった。
川井憲次の音楽も素晴しくハープの調べは観る者の情感を強く刺激し、オルゴールの旋律は無機的で、何ものにも制約を受けない絶対的な摂理のようである―――。

  【最後に】

スカイクロラを系列の違う劇場で三度見たが、とても残念なことがあった。
それは画面(映像)が縦に揺れる(ブレる)のである。原因はフィルム焼付け精度の低さ。
出回っている全てのプリントがこのような粗悪品ではないと思うが、
ブレの強弱を抜きにしても、どのプリントもこの傾向はあるに違いない。
この現状を何より遺憾に思うのは監督を含め、作品に関わった人達であろう。
演出上、カメラをフィックスで長回しが多いこの作品にブレは致命的だ。
このような事からスカイクロラは、ブレの心配の無いDLP上映が望ましいのだったのだが・・・。
クロちゃんさん [映画館(邦画)] 10点(2008-08-03 02:39:08)
90.ネタバレ  これ程作品に込められたメッセージに共感できたのは初めてでした。
 毎日会社に行き、定時に帰り、映画やゲームをして寝てまた明日会社に行く。やっていることは同じだが、乗る電車の車両や映画やゲームの内容も違う、だから『今日』は『昨日』と違う・・・・と言う日常を『戦争』に置き換えることでエンタメ映画として迫力の空中戦と、グロい映像を挿入することでその繰り返しに対する『嫌悪感』を表現していた。
 主人公は上記のような日常で良かった、だがヒロインは違った。その繰り返される日常の中に愛する人の死が含まれていることに耐えられず、でもどうすれば良いか分からず泣き出す。 
 そして主人公は戦う、『確実に負ける』と言う『当たり前』を具現化した敵機に。それで変わる保証はないが、変わるかもしれない、それをただ信じて。
 現実世界でも『大人の事情』やら『常識』、『圧力』といった多くの壁があり、決してそういった繰り返される日常を脱することは容易ではない。そう言った圧倒的な壁を『子供』と『大人』と言う図式で表現されているあたりも非常に分かりやすかった。
 それでも主人公は戦う、諦めたり逃げたりする人が多い中戦った。最後の戦いでスロットルレバーを目一杯押し込むシーンで彼の健気さと決意が伝わり涙が出た。
 結局彼自身は負けるが、間違いなく変化をもたらすきっかけにはなった。ここら辺も人と人との絆を表す意味では良かった。
 かなり分かりにくく書いてしまい、監督の伝えたい内容とは異なるかもしれないが、とにかく自分の感じたことを書きたかったので申し訳ない。
ムランさん [映画館(邦画)] 10点(2008-08-02 23:54:01)
89.現実感のない毎日を送る不安感と、救済の物語。シンプルなストーリーなのに、静謐で、力強い慈愛に満ちていた。名作。

鑑賞後の清々しさと切なさに、何ともいえない気分でした。

そして蛇足だが、劇場の大スクリーンでこの映像美を堪能できなかったという悔しさと、しかしながら自室で煙草を喫りながら鑑賞出来るという贅沢を、同時に噛みしめられた。鑑賞中に、煙草一箱(推定)消費。喫い過ぎに注意しましょう。
aksweetさん [DVD(邦画)] 9点(2009-04-23 10:01:50)
88.ネタバレ 映画館を後にする時、こんなにも切なくなったのは本当に久しぶりである。「切ない」という感想はまるで語彙力の弱い女子高生が連呼してそうな空疎な感想ではあるんだが、これはもう切ないという言葉が的確であろう。そんな切なさに押されて、今夏最大の話題作『崖の上のポニョ』に愛想がつきてしまった自分を肌で感じた。ポニョだっていい映画でしたよ。腐っても鯛ならぬ腐ってもジブリですよ。だがしかし『スカイ・クロラ』のその圧倒的なクオリティと強烈なヘタレっぷりには到底かなわなかった。ジブリはその地位と名声を押井に譲らざるをえないところまできちまったんだろうか。
no_the_warさん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-30 19:24:17)
87.ネタバレ まず驚いたのはこれまでの押井守作品と比べて大変見やすい映画だっとということ。空中戦も圧巻でした。なんとなくこの先が分かってしまっているような希望を持ちずらい人生を送っているキルドレたちは現在の自分たちに通ずるものがあり、世界観は虚無に満ちているようでした。ラスト、函南は現実を打開するため、水素のためにティーチャーを撃墜しにいきます。ここに生きる意味のようなものを感じました。
しっぽりさん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-04 17:56:58)
86.ネタバレ テーマがよかったですね。学生時代に多くの人が抱えるであろう、ずれたルーチンで毎日があっという間に終わってしまう感覚。いつか区切りが来ると分かっているのに、時間が無限にあるんじゃないかという錯覚みたいなもの。

それにポンと焦点が当たっているところが秀逸です。無為に過ごしている学生世代に、インスピレーションを与えたいという熱意のようなものが伝わってきました。他方で、時々何十年も働いているのに周りからみても異様な生き方をしている人がいます。人間社会にいるのに他人にまるで接触せず、東京オリンピックでそこだけ時間が止まっているかのようで、自分の話は相手が聞いていようと聞いていまいとお構いなしな人たち。

そういう人たちへのメッセージであるともとれ、いろいろな年齢がターゲットになっていると感じました。彼らの体が子供ならキルドレという商品にそっくりなのでしょうか。現実の彼らが一歩を踏み出すことはないでしょうが、55歳の押井監督の自分に近い世代や少し下の世代に対するメッセージも含まれていそうな感じです。

物語はキルドレの詳細やティーチャーのこと等謎要素も入っているけれど、そこにフォーカスしないのはテーマ重視なため謎解きとかオチで味わいを帳消しにしてしまわない方法論としてアリでしょう。画像の技術的な部分では他の追随を許さないですね。ゲームのOPムービーのレベルと比べたら失礼な、明らかに一線を画すクオリティ。絵の部分との境目もイノセンスの時よりずっと自然になってます。

ヨーロッパの評論家にはこの話を絵でやる意味があるのか、と言う疑問もあるようですが、絵でやるか実写でやるかはどちらでも良いことだと思います。自国産長編アニメ映画を当たり前に大切にする日本人やアメリカ人にはむしろその疑問、そういう発想あったか的な感覚ではないかと。

全世代向けでしょうけど社会的なテーマに加え高い技術性も有り、基本的には大人向けの作品です。でも、大人なのに無関心な子供のような生き方をしている人には結局意図不明で耐えられないかもしれません。ガサガサと貧乏揺すりを続け、何度もトイレに行っているオジサンが数人いらっしゃいました 自分がすでに知っている心地よさや快感ばかりを娯楽に求めると、意外性の楽しみを見つけられないんだななどと思ったりもします。
黒猫クックさん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-03 19:25:16)
85.ネタバレ 原作未読、予備知識全く無しでの鑑賞ゆえか、展開に一部分かり難い点があったものの、押井監督ならではのテーマと作品のメッセージ、そして時代性が見事に一致した傑作。序盤は(作画やデザインも含めて)のっぺりした印象を持ってしまったキャラクターが、酒を呑み、タバコを喫むなどの細かな描写によって、充分な存在感を持つに至ったのにまずは好印象。そしてその存在感が、鑑賞後のやり切れなさをさらに強くしていることに感心。また、効果音や音楽も素晴らしく、音響設備の整った劇場で観るに値する素晴らしい作品に仕上がった。尚、これから劇場で観る方々へ。エンドロールが終わっても、絶対に席を立ってはならない。その後のエピローグが、さらにやり切れなさを強くしてくれるはずだから。
はあさん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-03 01:08:37)
84.ネタバレ 自分の命懸けの人生、さらには自分の生命そのものも、大人たちの余興に過ぎない。生きる意味が分からないが、とにかく命を懸けて生きる以外にない。

また、少年が父を殺し、父を乗り越えて一人の男になることは、男にとって永遠のテーマ。しかし、成長の止まったキルドレは父を乗り越えることができず、母の庇護の下に勝てるはずのない戦いを父に挑み続ける。

と解釈しました。人それぞれの解釈が可能なつくりですね。
白色レグホンさん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-02 23:52:49)
83.ネタバレ 押井作品に関しては、『天使のたまご』は見ているものの『ビューティフル・ドリーマー』は見ていないという中途半端なフォローしかしていませんので、この作品にコメントをするのもおこがましいとは思うのですが、あくまで「この作品を見た限りにおいて感じたこと」として、レビューをさせてもらいたいと思います。

まず個人的な感想として、「明らかにこれまでの押井作品と比べて、前進しようとする『意志』は強く感じられる」と思いました。誰しも「日々の生活の『ループ感』」と言うのは、程度の大小こそあれ感じることだとは思うのですが、「それを耐えられるようになってこそ大人なんだ」という風にばっさりと切り捨てるのではなく、ドン・キホーテ的な無益さを承知の上で「そうではない」とはっきり言っているところに、押井監督の「真剣さ」といったものを感じました。この点に関しては、僕は何も言うつもりはありませんし、無条件で敬意を表したいと思います。

しかし僕が気になるのは、そういう「ループ感」に捉われている人々の描写と言うのが、あまりにも「その状況に耽溺しすぎている」という風に見えてしまい、それがまた劇中BGMの切なさも相まって何とも甘美に感じられてしまう点です。具体的に言うなら、前~中盤のそういう「状況に捉われた」描写が、「結局は何をやっても負け戦になる」という前提になっているように見えてしまい、それゆえに終盤のあの展開に否応なく「敗者の美学」みたいな、何か危険な「甘さ」のようなものが付いて回るように見えてしまうのです。

ここからは完全に(未経験な若輩者である)僕のわがままになってしまうのですが、せめて映画の中では(と言うより現実をはるかに飛び越える可能性もある映画の中だからこそ)、そういう「甘美さ」を抜きにして、「敗者になること」を前提とした勝ち目の無いものではなく、せめて拮抗しているか、あるいはそういう「勝ち負け」をポンと飛び越した状況を経た上で、「人間性の勝利」みたいなものが垣間見える瞬間を見てみたいのです・・・と言うより、今現在の僕の個人的な嗜好として、製作者自身も「何とかそういう方向を手放さずに格闘する」ような作品をより多く見てみたいと思います。

(とは言え、こういう種類の「甘さ」と言うのは、僕が見てきた数少ない押井作品の数々(とりわけ『天使のたまご』)の中からも感じられた、言ってみれば「押井作品の持ち味」と言っても良いものなのかもしれませんが・・・)

そういう意味では、この作品は僕にとって「決して駄作ではないが、かといって無条件に礼賛するのも危険な作品である」という位置づけになります。

しかしそうは言いながらもこういう「甘美さ」には、個人的に抗いがたい魅力を感じますし、また最後まで見てみれば、この作品が決してそういう風に「耽溺する」つもりで終わっているわけではない事も窺えます。従って僕自身は、この映画に備わる「甘美さ」に関しては、ごくたまに味わう高級なお酒みたいなものとして捉える事にし、ラストに存在する「前進する意志」だけを、極力心に留めておきたいと思いました。

そういう「前進する意志」という意味において、ラストでスイトが煙草を吸わなかったシーンが大変力強く印象に残ります。それまでの「日々のルーティン」から意識的に抜け出し「煙草を吸わなくなった」上司として、この後新たにカンナミの後任に就いた人物に対して、彼女が一体何を言おうとするのか、想像したくなります。
マーチェンカさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2010-08-17 00:30:53)
👍 3
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82.ネタバレ 映画を観終わって、・・・と切ない気持ちになったのは久しぶりです。「攻殻機動隊」も魅力的な主人公を無残な姿にさせちゃうし、この映画も感じのいい主人公の青年に、こんなラストを迎えさせるし。押井さんは登場人物に愛情もたないの?と思っちゃう。でも、いい映画だと思います。ただティーチャーに向っていく時、あの静かな主人公の表情を絵でどう表現したか、観たかった。マンガみたいに「うおおおお!」って感じじゃないことは確かだろうけど。きっと眠そうな表情で、どっかしらけた気分で突っ込んでったんじゃないか?それにしても何と寂しい世界であることか・・・他に若者はいないのかな?ボーリング場はガラガラだし。ミートパイの美味いアメリカのファミレスみたいな店も年寄りばっかりだし。
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2009-05-22 21:13:29)
81.この時代に、この映画を観れたことを感謝します。そんな映画なんでしょうね。さぁ、この映画、100年後まで残るのでしょうか。わたしゃ、あと30年くらいしか、確認できないでしょうが、もしかしたら、この映画、願わくば、このカキコ、100年残って欲しい。
オドリー南の島さん [DVD(邦画)] 8点(2009-04-07 22:39:10)
80.いっさい食べているシーンはないが、無性にミートパイを食べたくなった。
さん [DVD(邦画)] 8点(2009-04-02 16:35:46)
79.ネタバレ SFながらも現代の若者を描写した名作だと思う。無気力で生命力が感じられない。
惰性感。
ところが、それでも生きていかなければならないという。
なにかがおかしい、どうにかしなくてはならない。人によっては「ソレ」
に気付くものもいる。いるがどうしようもできない。待ってるのはまた同じ日常の
繰り返し。表面はのんびりしてるが彼らは相当ストレスを受けもがき苦しんでる。
それすら気付かない、いや、気付いても気付かないふりをしてるのだ。
意識してしまえば、おかしくなってしまうから。
通り魔事件やらなにやら、あの種の犯人たちは気付いてしまった人たちなのかもしれない。
しかし、気付かなくても、気付かないふりをしても、
その反動は必ずひとそれぞれなにか形を持ってあらわれる。
この作品、日本禁煙学会から抗議されてるようだが(笑)
なぜあんなに煙草を吸うのか。輪廻転生の伏線だけではない。
それがわからない人はこの作品のせつなさなんか理解できないかもしれない。
自分はもう若者とはいえないが、彼らの思いが痛いほどわかる。ものすごくせつない映画だ。
「キルドレには戦死によってしか死ぬことができない。」それはある意味残酷なウソだった。
戦死でも「自分という存在は」転生していく。
最後主人公はなにかを買えようと、いわば特攻していくが・・・
帰らぬ主人公にちょっとはみんな悲しむが・・・・
やはりなにも変わらない。世の中も。そして「自分も」なにもかも!
これは地獄のようなもんです。
ところが。押井監督の手法は・・・肝心の若者には伝わらないんじゃないだろうかと危惧しています。ストレートな手法じゃないゆえに。
むしろ中年以降の人がみるとぐっとくるかもしれないです。
うさぎさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2009-03-06 10:14:39)
👍 1
78.ネタバレ 「アニメーションには表情が欠けている。」とは小栗康平監督の卓抜な指摘である。実写映画にある「人間の表情の深み・多義性」が、アニメ映画においては決定的に欠けている。通常は欠点とされるべきこのアニメ映画の特性を、逆に利点とする方法があるとすれば、それは「表情のない人間」を描くことだろう。押井監督は、このアクロバットな手段を使いこなし、物語を紡ごうとする。繰り返される日常の退屈を紛らわせるために行われる娯楽としての戦争、成長しないキルドレ、すべてのモチーフが「表情の欠如」とリンクしている。もちろんそれぞれのキャラクターには声色があり、物語における役割も与えられている。しかし、そこにやはり表情はない。もしも、現代がだんだんと表情を失っていく時代であるとすれば、この映画は、表情を失うというある種の絶望のあとに開ける、わずかな希望を表明しているとも言えるかもしれない。
wunderlichさん [映画館(邦画)] 8点(2008-10-17 18:01:47)
77.ネタバレ  空の表現と音がきれいなぁ、というのが第1印象でした。さすがスカイウォーカー!
 戦闘シーンの描写もよくできているとは思いますが、機体が何となく浮いてしまっている感じに見えたのですが、私だけかな・・。
 声についてはいろんな見方があると思いますが、こども・無機質という表現を考えるならあれでもいいかな、と思いました。(よくいわれる「侮辱するな!」の部分はあれ?と思いましたけど。)
 映像・音響のことを考えれば、この映画はやはり映画館で見るべき作品でしょうね。あとは・・・やはり、エンドロールが終わって上映が完全に終わるまでは席を立たないこと、ですかね。最後のあのシーンを見ると見ないとでは、作品に対する印象が変わってしまいます。
雷電為五郎さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-29 00:56:06)
76.ネタバレ それほどいつもみたいなマニアックなつくりになってなかったので、押井信者としてはちょっと物足りない感じがするが、これはこれで良し。
ただパト1とかのような、万人にお勧めできるほどのバランスのよさってほどでもなかったが。

映像は相変わらずすばらしい。特にOPの空港への着陸シーンなどは、鳥肌物である。戦闘シーンも最高。文句のつけようが無い。ただ、CGと2Dの融合した場面では、やや不満。もうちょっとがんばってほしいかな。

音楽は相変わらず良い。今回のメインテーマは押井作品の中でのメインテーマ曲の中では一番好きかも。

声優は・・・まああれもあり、なのかなぁ。

過去に似たような話があった、戦争論を語るシーンで思わずニヤけたのは俺だけやないはずw。
話は微妙に退屈なところもあり。全体的にゆる~いテンポで進むから。
なので、今回も万人にはお勧めできません。

ちなみに原作既読ですが、覚えてない。雰囲気はこんな感じだったような気がする。
みーちゃんさん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-13 13:34:04)
75.ネタバレ ヴェネチアで記者から何故実写で撮らないのかという批判めいた質問があったようだが、それは全てのアニメ作家に投げかけるべき質問であり、私は押井アニメこそ比較的アニメであることに価値があるアニメだと思う。本作の映画全体で描かれる青空や雲は登場人物の心情などという単純な言葉では表せない静かで陰鬱な精神世界をストーリーと一体になって表現している。私の美的センスを批判されても知ったこっちゃないが、あれは本当に美しいと思う。/監督は根本的には人間ドラマを描くのが苦手なのかもしれない。しかし、人間的になれない人間を描き、せいいっぱいの人間性の表出をすくい取ろうとしているような姿勢には誠実さがある。本作ではあがくように空を這うキルドレたちの姿を冷酷に描きながら優しい視線で見つめている。殺したい、殺されたいと相手に自らの生死を委ねる程の愛は観念的だが、いつも同じ道を通るだけの生に耐えられない者ならそんな愛を望むかもしれない。そういう思考実験的シチュエーションの中、幼くて危うい2人によるラブシーンは痛いくらいの狂おしさがあった。いつも通る同じ道も景色は同じじゃないという主人公だが、彼は愛する人のため新しい道を切り開こうとする。立ちはだかる障害は社会全体で仕組まれたシステムにより倒せないことになっている敵だ。その不条理に無自覚に挑んでいく主人公は残念ながら愚かとしかいえないのが切なくてたまらない。/平和を実感するためのショーとしての戦争という設定自体個人的に変だと思うし、他に不満もあるし、別に押井監督が好きなわけでもないが、本作には好感が持てる。ポニョよりこちらが上だと思う。ただ、空(3D)と地上の描き分けに対する視覚的な違和感はやはりどうしてもぬぐえず、そこはどうにかならないものか?と思った。
しったか偽善者さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-04 21:51:48)
74.ネタバレ ビジュアルは文句なく、ストーリーも良く、しかも何かを考えさせるようになっており、非常に満足できる作品に仕上がっている。
世界や海外を意識したためか、自分の追求するスタイルを少々捨ててはいるが、自分のコアな部分はきちんと投影されている点は素晴らしい。
自分の世界観を分かりやすく伝えるのもプロの監督の仕事だ。
あまり彼の作品は観たことはないが、やはり押井監督はプロフェッショナルな監督だと感じさせる。
チカラを相当に注いだと思われるビジュアル面では他の追随を許さない圧倒的な美しさには驚かされる。
単に美しいだけではなく、空や雲の空気感・飛んでいるような感覚までをも描きこもうとしている。
ある意味では“芸術”ともいえる領域だ。
キルドレについては、現代の若者をイメージしているのだろうか。
空の多彩な表情とは変わって、能面のような表情が実にいいコントラストになっている。
感情的にならないドライな若者たちを非難しているようには感じない。
現代の若者を上手く捉えており、彼らに非常に分かりやすくメッセージを伝えたと思う。
本作ではキルドレの代わりがいくらでもいるという設定になっているが、現代の若者たちに対して「それでいいのか?」と問うているのではないか。
「オマエらは人形じゃない」「代わりなんていない」「この世界はゲームじゃない」ということを監督は伝えたがっているように感じた。
また、描くことが難解な微妙な部分を上手く演出している点を評価したい。
冷めているようで、ほんの少し熱い部分もある。
感情を表に出さないが、内面には秘めたる部分もある。
諦めているようで、何かを変えようともがいている部分もある。
逃げているようで、立ち向かおうとしている部分もある。
このような微妙な感覚を上手く演出しているのはプロの仕事だ。
菊地凛子の起用の成否の判断は難しいが、恐らく押井監督はギャンブルに出たのではないか。
彼女よりも上手い声優はいくらでもいたと思うが、彼女の下手くそさ(しっくりこない違和感)が良い意味で個性的な味わいが出たような気がした。
栗山千明のように悪くなくても印象の残らないよりも、冒険を犯して印象に残すということに主眼を置いて勝負したと思われる。
菊地凛子は好きではないが、そういう意味においては彼女の起用は当たった。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 8点(2008-09-04 00:32:56)
73.山之辺マサトは孤独な神となり、リューズには永遠の苦しみをもたらした「不老不死」も考えて見れば「忘れる」ことさえ出来ればどうってことのない「日常」なのかもしれない、私自身40年以上生きているが、実感があるのは「今」だけで、昨日も去年も10年前も「記憶」という「知識」でしかない(私だけかも知れませんが・・・)そして「忘れることが出来なかった」のが草薙であり、そこにはやはり手塚治虫やら松本零士がかつて描いたのと同様の「悲劇」が存在した、って解釈で正しいのかな?(ちょっと自信が無いw)まぁそのあたりはいいとしてこの作品の欠点を上げるとしたらそれはズバリ「絵」だと思う、「宮さんを凌ぐ」と豪語した空中戦も超リアルなプラモデルにしか見えず、浮遊感やらスピード感を全く感じさせない、ナウシカや豚やらの足元にも及ばない、それどころか押井本人の演出であるマッハ軒のハリアーにも及んでいないと思うのだが・・・
るねさん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-31 00:15:31)
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【点数情報】

Review人数 92人
平均点数 6.12点
000.00%
100.00%
233.26%
399.78%
41415.22%
599.78%
688.70%
72325.00%
81718.48%
966.52%
1033.26%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.16点 Review6人
2 ストーリー評価 6.50点 Review16人
3 鑑賞後の後味 6.26点 Review15人
4 音楽評価 8.13点 Review15人
5 感泣評価 5.08点 Review12人

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