映画『ブルーバレンタイン』の口コミ・レビュー

ブルーバレンタイン

[ブルーバレンタイン]
Blue Valentine
2010年上映時間:112分
平均点:6.88 / 10(Review 48人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-04-23)
ドラマロマンス
新規登録(2011-05-08)【8bit】さん
タイトル情報更新(2019-07-15)【Olias】さん
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監督デレク・シアンフランス
キャストライアン・ゴズリング(男優)ディーン
ミシェル・ウィリアムズ(女優)シンディ
マイク・ヴォーゲル(男優)ボビー
ベン・シェンクマン〔男優〕(男優)医師 ファインバーグ
脚本デレク・シアンフランス
挿入曲ライアン・ゴズリング"Unicorn Tears"他
製作総指揮ライアン・ゴズリング
ミシェル・ウィリアムズ
配給クロックワークス
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💬口コミ一覧

48.ネタバレ まずタイトルからして面白いです。Valentine's dayで恋人に贈り物を贈る日や想いを告げる日になりますが、Valentineだけで簡単に表現すれば“恋人”や“告白”だったりするわけです。そこにBlueが付くと“青い恋人”や“爽やかな告白”にもなりますが、その一方で“赤みを失った恋人”や“憂鬱な告白”にもなり、さらには恋人の争い、 けんか、 口論にも読めるのです。なんと多面性を持っているタイトルなのでしょう!しかもどれもが答えであり、答えじゃないんです。もうそれだけでこの映画そのものですから、物語を考え始めたらそりゃもう凄いです。タイトル以上に複雑で豊かな表現の中で、溢れんばかりの感情が手に取るような理解でき、さらには自らの人生に投影し、重ね合わせてしまう。絶対的な主観に閉じ込められているぼくは完全に2人の思いに身を投じ、高揚し、落胆し、まるで自らの事にように思い悩みことができました。久々に最高の映画体験を味わえました。
ボビーさん [映画館(字幕)] 10点(2012-01-12 01:03:05)
47.ネタバレ せめてこのエンドロールだけでも終わらないでくれ、と強く強く願いました。映画、人生、愛…あらゆるものには終わりがあって、その存在は、無常なる世の唯一の絶対だということをダメ推しの如く突きつけられたようです。
2人のすれ違いを傍から見ている者としては、「この時こうすればいいのに…!」「今!今その思ってること言っちゃえばいいのに…!」「ちょっと考えればわかりそうだけどなぁ…」なんてことを何度も思ったりしました。
(言わなきゃ良いこと言っちゃうし、拒否ってるのに強行した結果逆ギレするし、書置きじゃなくて一言でいいから声掛けて行けば良いのに…とか)
しかしながら、家事を一人でこなし、子どもをしつけ、生活費を稼ぎながら夢を追い昇進を目指し…考えなければならないことを沢山抱えたシンディにとっては「そんなことは二の次」扱いになってしまうことが大いに理解できる。また、母の居ない家庭に育ち、高校中退で定職に付いたこともなく「女なんて…」と恋愛にも斜に構えていたディーンが、劣等感を抱き、愛在る家庭に固執して感情的になってしまう様子も痛いほど伝わる。鑑賞直後の今、私自身この映画に対し感情的にしか表現が出来ずにいます。
だからこそこの2人の終わりがとても身近な事のように感じられ、終わってしまうのはわかるけど終わって欲しくない!!と強く願わずには居られませんでした。それと同時に、まだ青く若いこの2人に、どうかこの先幸せになって欲しいと心の底から思いました。
ベッカーさん [DVD(字幕)] 10点(2012-01-04 02:47:20)
👍 1
46.ネタバレ もう最悪です。最悪だけど、最高です。運命的としか思えない出会いをして、キラキラと輝く恋人関係を築き、反対を押し切って結婚。俺たち最高のカップルを止められる奴なんていない!と思ったのに、なんでこんな事になっちゃったんだろう?誰が、何が悪かったんだろう?なんでこんなことをしてしまったんだろう…後悔だらけの結婚生活。最高の形で始まった恋は、最低の形で終わってしまった。そしてエンドクレジットで流れる音楽…これほど痛い恋愛映画は初めてです。見た後に誰かと徹底的に議論したくなります。
カニばさみさん [DVD(字幕)] 9点(2013-08-15 23:36:57)
45.ネタバレ 男女関係が多かったシンディ。一方、旦那のディーンは孤独な環境で自分を映す鏡のよう。純粋な娘が生まれ、ピュナな二人を見るにつけ、自分を嫌いになるシンディ。旦那がもがけばもがくほど、シンディは自分を責めることになる。やがてディーンは途方にくれて、ひとり去っていく。自分はこう解釈しました。これはどっちが悪いというものではない。ロマンチックになれば、さまよう二人が一緒になることだってある。しかもこの二人は真面目だもん。娘が産まれば、家庭を持とうというディーン。子供を堕ろす寸前でそれはできないとひきかえすシンディ。シンディはこの時にもう一人で生きていく決心をしたのだ。この二人は偉いと思う。でもピュアな娘に軽蔑される日がくるのをシンディは覚悟してるのだろうか?このラストは美しく成長した娘が、父親を探し、母親の自分を捨てる日がくるようにも感じられた。自分にはピュアなディーンの後ろ姿がそれほど孤独に見えなかった。むしろ母親のシンディにこそ誰かいてほしい。彼女に罪はないと思う。彼女は勉強の方で生きていくのかなぁ。ちょっと切ないラブストーリー。極上!(自分的にはそう思います・・・)
トントさん [DVD(字幕)] 9点(2012-01-08 22:15:27)
44.普通のハッピーエンドの恋愛映画のその後が観られるような作品。
カップルの幸せだった「昔」と冷え切った「今」を交互に見せるという手法は「(500)日のサマー」でも使われてたけど、こっちの方がうまいし、内容も異常なほどリアルで突き刺さってくる。

男と女、あるいは個人個人で違った受け取り方ができる、人によっては嫌な思い出を引きずり出される…そんな映画だと思った。この映画をネタに友人たちとの会話も盛り上がるだろう。

ラストのエンドクレジットの演出が素晴らしい。恋愛について描いた映画としてはトップクラスの出来でしょう。 傑作です。
eurekaさん [DVD(字幕)] 9点(2011-12-21 14:20:11)
👍 1
43.ネタバレ 珍しい「恋愛の崩壊」を描いたラブストーリー。幸せな過去と破局寸前の現在の対比が心に響く。

■どちらかが決定的に悪いという感じではなく、「不幸な誤解」でもなく、互いの考え方、価値観が微妙にずれていて、それが徐々にひび割れを大きくしていく感じで愛情が冷めていく。何か事件があったりしたわけでもないこと、それがリアリティと恐怖の源泉でもあろう。

■カットバックの入れ方が一部意図的に時間軸を混乱させるかのような入れ方があったが、あれは不要だと思った。そういうところで勝負してる作品ではないし。
θさん [DVD(字幕)] 9点(2011-12-14 01:04:08)
42.期待しないで観たら、あまりの良さに呆然。アメリカ映画でこんなに叙情的な映画もあるものなんですね。二人のすれ違う様が無言の演技によって心に迫ってきました。また、二人の出会った頃の輝いている映像がカットバックされる演出も心憎い。そして、なんといっても主演二人の演技が素晴らしかったです!おすすめの映画です。
kanekoさん [映画館(字幕)] 9点(2011-11-15 17:03:34)
41.ネタバレ 結婚をして2年。今年の夏に愛娘が生まれ、ちょうど三ヶ月目の夜。一人、ウイスキーを飲みながら、この映画を観た。
「絶対にこのタイミングで観るべき映画ではなかった」とも思うし、「今だからこそまだ観られる映画だ」とも思った。

「他に誰もいらない」と結ばれた二人。永遠に変わらない愛を信じる過去と、永遠に変わらない愛なんてないと知った現在が、時間を超えて交錯する。
それは世界中で無数に繰り広げられる誰でもが知っている男女の営みの形であり、だからこそ哀しく、だからこそ精神的に堪えた。

僕はまさかこんなラストだとは想像してなかったので、あまりに美しくあまりに哀しいシーンが、エンドロールの始まりとともに"ラストシーン”となった瞬間に、「そりゃないぜ」と思ってしまった。
その瞬間は、「なんて酷い映画だ」と思わずにはいられなかった。
でも、切ないエンドロールを呆然と観ながら、自分の心が説明のつかない揺さぶられ方をしていることに気づいた。端的に言ってしまうと、“動揺”してしまっていた。

“動揺”の理由は、あまりに哀しいと感じたこのラストシーンが、絶対に自分に訪れないとは、必ずしも言い切れないということを、この映画のすべてが物語っていたからだ。
もちろん今は、自分はあんなことにはならないと信じて疑わないけれど、それはこの映画の中の二人とて同じことだったろう。

人間の気持ちなど変わりゆくものだとそもそも悟って、その都度対応できればそれにこしたことはないのだろうが、そういうわけにもいかないのが、人間の無様な美しさだと思う。

観終わった瞬間に「酷い映画だ」と感じたことに間違いはないけれど、観る者のその時々の感情や環境や価値観によって、様々な映り方をするであろう素晴らしい映画だとも思った。

とても哀しい結末だったけれど、それすらもこの映画の二人にとっては経ていくべきプロセスなのだろうとも思えた。
その後の二人がどういう人生を送っていくのかということもとても気になるので、時間を経て、同じキャストで続編が制作されれば、嬉しいなあと思う。


さてそろそろ気持ちが耐えきれないので、愛妻と愛娘が眠る寝室に参ろう。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 9点(2011-10-08 02:09:05)
👍 3
40.ネタバレ 子供とふざけていると「バカバカしいからやめて」、付き合っていた頃には喜んで聞いてくれていた冗談を言うと「うるさい」、ムードを出そうとすると「気持ち悪いから近寄らないで」、我が家で日夜繰り広げられている光景ですが、本作にはこれらに相当する場面がことごとく盛り込まれており、倦怠期に入った夫婦生活の実態が容赦なく描写されています。結婚を経験した人であれば世界中の誰もが「わかる、わかる」と頷ける内容となっており、個々の描写のリアリティで本作は他作品を圧倒しています。
同時に、ストーリーテリングの技の多さや、その洗練度でも本作は驚異的な水準に達しています。説明的なセリフはまったくないものの、小さなエピソードの積み重ねによって登場人物の背景や感情は完璧に伝わって来るし、何気なく眺めていたことの意味が後に明かされるという語り口は、映画全体に対する観客の関心を維持することに繋がっています。『エターナル・サンシャイン』や『(500)日のサマー』等、恋の始まりと終わりを同時に見せる映画は他にもあり、かつ、このジャンルは良作揃いだったりもしますが、映画としての完成度の高さでは、本作が最高ではないかと思います。
偶然の出会いから劇的な結婚まで「私たちは特別なカップル」と思っていた夫婦であっても、お互いへの熱を維持することは難しい。この二人は破局しますが、どちらが悪いわけでもないという点に男女関係の難しさがあります。冒頭、ある朝の一幕がすべてを物語っているのですが、この二人は生活のテンポがまるで噛み合っていません。物事が手順通りに進んでいかないとイライラするシンディに対して、子供の悪ふざけに付き合い、完全に立ち止まることもあるディーン。この差は人生観にも影響を与えていて、何かを成し遂げねばならないと常に目的意識を持つシンディに対して、家族と楽しく生きられることこそが重要であり、仕事なんて食べるための手段に過ぎないんだから一生懸命やる必要はないと考えるディーン。どちらも間違っていないからこそ問題は深刻で、直すべきものが見当たらない中で、時限爆弾のように破局が迫ってきます。そして一線を超えた後は、二人がともに引き返すことを願っても、もう戻れません。ディーンが勢いで結婚指輪を茂みに捨てるものの、すぐ間違いに気づいて指輪を探しに戻るが、もう見つからない。この場面が象徴的でした。
ザ・チャンバラさん [DVD(字幕)] 8点(2015-08-29 00:09:20)
👍 1
39.ネタバレ  これを恋愛映画というカテゴリーに入れていいのか。人生丸ごと考えさせられる。
 デレク・シアンフランス監督は完全に私のお気に入りになってしまった。プレイス・ビヨンド・ザ・バインズがあまりにもよかったので鑑賞。もしよければ私に騙されてこの映画を観る人が増えることを希望。
 主人公がウクレレを弾きながら彼女が踊ったり、列車(バス?)の最後尾で彼女を丸抱えする場面などは、ストーリーにかかわらずそこだけでも独立して魅せるショットとなっている。美しい。しかし内容はあまりにもきつい。主人公の人生や家族の崩壊を、時系列を壊し、見事な編集で対比的に観せる。そして崩壊の過程にうならされる(私も実生活で崩壊を経験しているので、もうどうしようもない感が半端なくて…)。
 嫌いな人やタイミングの悪い人にとっては爆弾映画。どうしようもなくダメになる愛を、どうしてここまでつたない人生経験のキャラクターだけで表現できるのか。いや、人生につたない人間たちだからこその当然の結果なのか。
 主人公は去る。娘は走り寄る。娘を妻に。誰の胸中も計り知れない。選択を求められているのは妻なのだろうか、主人公なのだろうか。
 愛の形はいろいろ。
JFさん [DVD(字幕)] 8点(2015-05-21 09:50:08)
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38.ネタバレ ディーンとシンディは、幼い娘を育てるどこにでも居るような若い夫婦。だが、夫ディーンは毎朝缶ビールをかっ喰らってから仕事に向かうという典型的な駄目男だった。対する妻シンディも看護師としての仕事を最優先に考え、いつも家庭は二の次というキャリア志向の強い女だった。当然、そんな二人の結婚生活はもう破綻寸前にまで冷え切っている。家族の紐帯はもはや、可愛い盛りの娘フランキーのみ。そんな夫婦生活をなんとか立て直そうと、ディーンは子供を義父に預け夫婦水入らずでラブホテルに泊まろうという計画を立てるのだが、もはや価値観の全く違う2人はことあるごとに反発することに。そんな夫婦の脳裏によぎるのは、まだ幸せいっぱいだったころの若き日の2人の思い出だった……。絶望的な袋小路へと陥ってしまったそんな現在の夫婦と、彼らがまだ知り合ったばかりのキラキラと輝やくような楽しい日々を対比させるように交互に描き出してゆく濃厚なラブストーリー。最近観た、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」というクライムサスペンスが思いのほか良かったので、同監督のデビュー作となった今作を鑑賞してみました。感想は……、なんちゅう鬱映画やねん!どんなに深い愛情によって結ばれた夫婦でも一歩間違えばこうしてどん底まで堕ちてしまうという過程がかなりリアルに、そして極めて執拗に描かれておりました。監督、最近なんか大失恋でもしたんかいな(笑)。「プレイス~」でも感じたことですが、この監督の緻密に考え抜かれた編集力は素晴らしいですね。センス溢れる美しい映像や音楽、役者陣の熱演(ゴズリングの見事なまでの駄目男っぷりはさすが!)もこの人の才能をビシバシ感じさせます。それにしても、この物語の根底に貫かれる思想はかなりシニカル。人間は男も女も誰もがみんなロクでもなく自分勝手で、どんな幸せな日々もいつかは崩壊へと向かう、そしてその犠牲となるのは常に子供たちのような弱い存在だ。そんな暗鬱な思想に貫かれた本作、なのに最後、打ち上がる花火の下で背中を向けて立ち去るディーンを追いかける娘の健気な姿に、それでも人間はこの大地で必死に生きてゆくという微かな希望のようなものを受け取ることが出来たように思います。これから結婚しようと考えている幸せ絶頂の全ての若いカップルたちに是非とも観てもらいたい(笑)、良質のリアル鬱恋愛ドラマでありました。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2014-06-18 14:08:46)
37.普通なら映画になりにくそうな2つの年代のドラマが、交互に展開することで反響しながら面白さが増していく、そんな映画でした。

自分にとっては、若いカップルがイチャイチャしつつ愛を深めていくのを見せられても、「エエ、よろしいですねえ」と他人事。
けれど、冷め切った中年時代も同時に描かれるので、まるでサスペンス映画のようなドキドキがありました。物語が進むにつれて2人の状況の全体が次第に明らかになっていくのも巧~い。

自分には彼女も居ないし結婚もしてないし(汗)もちろん子供なんていないけど、後半に行くにつれ、より感情移入させられました。

2人の喧嘩のシーンは、見てるこっちも一緒にイライラ。何度もDVDを一時停止!冷静になるまで画面の前を行ったり来たりして「フンガー」と息を整えました(ゴリラか)。興奮→一時停止→クールダウン→再生→興奮を何度も繰り返し、随分時間をかけて鑑賞することになりました。これ映画館で観てたら絶対 悶え死にします!

最後は壊滅的な状況になってしまいますが、それでもまだ描かれていない「この先の物語」があるはずだから、そこに希望を託したいですね。でないと人生お先真っ暗。たとえ輝いているのが過去の思い出だけでも、それがこの先を明るく照らしてくれるといいんですけどねえ。
ゆうろうさん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-13 03:50:52)
36.ネタバレ  昔「男と女の間には深くて暗い川がある」という歌詞の歌がありましたが、まあ結婚に対する夢も希望も打ち砕くようなリアルなストーリーでしたね。なんと言うか、すれ違いが生じたとき、それをなりふり構わず修復しようとする男とある段階で一気に関係を終わりにしようとする女の姿が非常に痛々しかったですね・・・・・。

 しかし、良く出来ている作品ではありました。最後の花火の映像は本当に哀しい美しさでした。

 また、男が怒って結婚指輪を投げ捨てた後、我に返って必死に探す姿が印象的でした。

 
TMさん [映画館(字幕)] 8点(2011-08-12 00:21:29)
35.ネタバレ 素晴らしい作品だ。
アメリカでの評価の高さは伊達ではない。
二人の男女の関係を、幸せだった“過去”と、崩壊寸前の“現在”を対比させながら繊細に描き出している。
浮気をしたり、暴力をふるったり、ドラッグをしたりするような特別な問題が彼らにあるわけではない。
特別な問題がないにも関わらず、二人の関係の亀裂が徐々に大きくなり、元に戻すことができない溝へと広がっていくさまが描かれていることは評価したい。
やや抽象的に描くことにより、観客はより共感しやすくなったのではないか。
具体的に描くよりも抽象的に描くことは容易なことではなく、監督にも俳優にももちろん高いレベルが必要であろう。
仕事よりも家族との時間を大切にしたい男と、家族を大切にしながらも仕事で評価されたい女、お互いに愛しているのに、心がすれ違うさまを見事に描き出されている。
パートナーが自己の才能を浪費して自堕落な生活を送っていると感じる女、パートナーが家族よりも仕事を優先していると感じる男、離れていくお互いの心をなんとか戻そうとしているのに、傷つけることでしかお互いに向き合えない二人がいる。
過去に理解し合えたはずなのに、なぜ傷つけあってしまうのか、人間というもの、男女の関係というもののもどかしさを切なく味あわせてくれる良作だ。
ラストに子どもが父親を呼ぶ姿が印象的ともなっている。
心が傷ついた子どもがまた大きくなり、同じような過ちを繰り返さないことを祈るばかりだ。
また、彼が彼女に贈った曲の歌詞や、泊まったホテルの部屋の名前なども未来を暗示させており、いい効果を発揮している。
泊まったホテルで男が掛けた曲に込められた“思い”など、彼の心情を深く感じ取れるということも良い手法だ。
カップルが鑑賞するにはかなり厳しい作品かもしれないが、個人的には逆にカップルに鑑賞して欲しい作品だ。
反面教師的な役割となり、このようにならないために、お互いがお互いのことを考えられるようになるだろう。
愛し合ったカップルが年月を経ることによって徐々に気持ちが離れて、別れることが必然だということが、本作のメッセージだとは思っていない。
多くのカップルの中には、そのようなカップルもいるということを描いているに過ぎない。
どうすればこのようにならないかという“答え”はもちろん存在しないが、お互いがお互いのことを考えるしかない。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 8点(2011-05-14 00:32:09)
👍 1
34.ネタバレ 何とも評価するのが難しい映画。また観たいかと問われると当分いいですということになるが、こんなに上手に男女の感情の機微を描いた映画は観たことがない。ディーンとシンディの愛が生まれ、それが冷めていく様子が現在と過去を交互に映す手法で、淡々と語られるのだが、この過程が痛切だ。心が痛んで、切実なので痛切。この言葉がこれほどしっくりくる映画は他にないだろう。
二人はとてもロマンティックな出会いをする。そして恋に落ちる。ディーンのギターに合わせてシンディが踊るシーンは名シーンだ。彼らはこの上なく自然に結婚する。結婚しない理由が全く無い。しかし、やがて子供が生まれ、時が経ち、二人の結婚生活は少しずつ軋んでいく。
日本の公式サイトで、ディーンとシンディのどっちが悪いかという著名人によるディスカッションの模様が紹介されている。まとめるとディーンは色んなことにあまりにも無頓着すぎるし、シンディは相手に物事をはっきり言わなさすぎる。でも、僕はどちらが悪いかということは決められない。ディーンが不和の芽を作り出し、シンディが育てたのだと思う。どちらかが変われば結果は違ったかもしれない。でも、ある意味でベストカップル(だった)二人はそれができなかった。それはお互いの優しさだった。そしてそれが彼らを終わりへ導いた。
僕はこの映画をカップルには観て欲しくない。この映画は恐ろしくリアルで絶対に身につまされる箇所があるはずだから。僕がこの映画に8点しかつけられない理由もそこにある。誰が観ても色々と考え込んでしまう作品なのだ。彼女がいない僕でもそうだ。カップルで観たら碌なことにはなるまい。その場では自分達に限ってこんなことにはならないと思えるかもしれない。でも、数年後にふとこの映画のワンシーンを思い出してしまうかもしれない。頭から離れなくなってしまうかもしれない。そうなってしまうのはあまりにも気の毒だ。
結婚ってすごく難しいんだなと思う。僕もいつかするのだろうか。でも、この映画のせいであと10年はできない(笑)。
枕流さん [映画館(字幕)] 8点(2011-05-12 23:38:19)
👍 1 😂 1
33.ネタバレ ラブストーリーとしてではなく、リアルな人間ドラマとして観れました。
現在の状況(倦怠期気味で二人とも表情が冴えない)と過去の状況(お互いに恋が芽生え、とても明るい表情)が、うまく交差されて進む展開もよかったです。冷え切った二人の現在を観た後に、キラキラした二人の過去のシーンを観ると本当に切なくなってしまいます。エンドクレジットの映像がとても素晴らしく、感動しました。恋愛は儚くも美しいです。
バナナシェイクさん [映画館(字幕)] 8点(2011-05-12 19:41:36)
👍 1
32.ネタバレ 現在の倦怠感っぷりと、結婚前のラブラブぶりの対比が切なさをより一層強くさせます。
内容、脚本的にはそんなインパクトないけど、なにか心に残ります。
男としてはディーンに共感出来るな~。
女性から見るとシンディに共感出来るんでしょうか??
kontikiさん [DVD(字幕)] 7点(2017-10-15 21:48:59)
31.ネタバレ 二組の男女のストーリーが平行して語られていると思ってたら、片方は5年前の話だった!恥ずかしい話だが正直言って中盤まで、いや終盤近くまで気づかなかったよ。わかってみるといろんなことがぱぁっと繋がってくる。出会ったばかりの頃のディーンと現在のディーンの対比が際立っていてその不器用さに切なくなる。しかし、最後にモーテルに持ってきていたCDが若い頃のあの曲だと分かったときに、本質的には変わっていないんだと思えた。好み30/50、演出10/15、脚本11/15、演技8/10、技術6/10、合計65/100→7/10点
chachaboneさん [DVD(字幕)] 7点(2017-03-15 23:01:06)
30.ネタバレ あるカップルの結婚までの話と、その後の倦怠期の話を同時並行で生々しく描いた映画。生々しいので観る人によっては、かなりくる感じで、僕も後半は胸がぎゅーっときたです。男は家族で仲良く暮らせればそれでよく、上昇志向が全くなく、ちょっと生活がダラダラしてる。この感じ、僕も同じなのでよくわかります。で、女は上昇志向が強いため、最初は楽しい旦那って思っていますが、ドンドンだらしないって思ってしまい、最終的には生理的に無理になってしまいます。こーなると、女性は子供の事とか過去の楽しい思い出より、冷酷に自分優先になってしまいます。よく男性はロマンチスト、女性は現実的と言いますが、結婚式の誓いである「病める時も」ってゆーやつ、女性は簡単にやぶってしまえる。でも、僕は女性の人生はすごく大変だと思えます。生理はあるし、子供を産むときは大変だし。だから現実的でもしょーがないって感じちゃいます。だからこの映画の女性が生理的に無理って感じて、本当にごめんって涙をながしていうくだりも、なんか同情しちゃって、ってゆーか夫婦じゃないけど、こーゆう事、僕も経験してるから、男と女どちらにも共感しちゃって、さらに子供の視点も加わるから、余計、胸がぎゅーってなりました。とにかく色々語りたくなる映画であります。
なにわ君さん [DVD(字幕)] 7点(2016-11-01 09:21:38)
29.ネタバレ 出会いから結婚までの燃え上がった恋愛期と別離に至るまでの倦怠期を並行して描いていて、そのギャップが激しいのでどちらも引き立つ演出。
女の気持ちが離れていく様子が生々しく、焦る男の行為が逆効果でそれに拍車をかける。
自分の子でもないのに一緒に育てる決断をしてかわいがってくれた夫を、結果として捨てる形。
なので妻の身勝手と見られるかもしれないが、夫は見限られるようなことをしていて、しかもそれに無自覚であることが痛い。
男女の隙間風がどんどん悪化して壊れてしまうときはこんなものなのだろうと感じさせるとてもリアルな描写。
やり直せない関係に至るまでの心理が伝わってきて、冷めきった愛の狭間でいたいけな子供がたまらなく切ない。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 7点(2013-08-17 19:45:50)
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【点数情報】

Review人数 48人
平均点数 6.88点
000.00%
100.00%
212.08%
324.17%
400.00%
536.25%
61327.08%
71327.08%
8816.67%
9612.50%
1024.17%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review3人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 8.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

2010年 83回
主演女優賞ミシェル・ウィリアムズ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2010年 68回
主演女優賞(ドラマ部門)ミシェル・ウィリアムズ候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ライアン・ゴズリング候補(ノミネート) 

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