映画『灼熱の魂』の口コミ・レビュー

灼熱の魂

[シャクネツノタマシイ]
Incendies
2010年カナダ上映時間:131分
平均点:7.21 / 10(Review 34人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-12-17)
ドラマサスペンスミステリー戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2011-12-30)【わんたん】さん
タイトル情報更新(2015-04-26)【+】さん
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監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ
キャストルブナ・アザバル(女優)ナワル・マルワン
脚本ドゥニ・ヴィルヌーヴ
挿入曲レディオヘッド"You and Whose Army?", "Like Spinning Plates"
撮影アンドレ・トュルパン
配給アルバトロス・フィルム
字幕翻訳松浦美奈
その他ニューセレクト(提供)
あらすじ
若き双子のカナダ人姉弟ジャンヌとシモンの母親ナワルが、ある日プールサイドで原因不明の放心状態に陥り、入院後しばらくして亡くなってしまう。さらに姉弟を驚かせたのは、ナワルを長年秘書として雇っていた公証人ルベルが読み上げた遺言の内容だった。それはどこにいるともわからない父親と、存在を初めて知らされた兄を捜しだし、それぞれに宛てた手紙を渡すことだった。
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💬口コミ一覧

34.残酷で無慈悲な物語ではあるが、愛すること、そして許すことの大事さについても、静かに訥々と伝えてくる素晴らしい映画だった。
aksweetさん [DVD(字幕)] 10点(2012-08-13 01:56:46)
33.ネタバレ 冒頭で、男の子が丸刈りにされるシーン。その瞳の力にまず心を鷲掴みされた。
そして話は現代に戻り、母から双子への奇妙な遺言。
約束を果たすまでは、自分に墓碑銘はいらないと。
娘は憎しみと共に父親を探しあて、息子は憐憫と共に兄を見つけ出す。
自分たちの出生の秘密を知れば、確かに憎むべき対象などいなくなる。
母は双子達を通して、手放した息子との約束を果たす。必ず迎えに行くと。
母自身が迎えに行くことはできない。それはお互いにとって不幸過ぎる。
内戦に人生を翻弄された母も、父も、息子も、誰もが被害者だということを強烈に突きつける。
こんな力のある映画はなかなかない。
roadster316さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-19 00:02:58)
32.ネタバレ しんしんと積もった雪がいつしか強固な雪塊となるかのように、一つ一つのシーンが積み重なり、圧倒的なパワーをもって必然的なラストへと流れ込んでいく。とてつもない憎しみと、とてつもない愛情とは、同時に併存しうるという、現在と未来へと向けたメッセージ。そもそも、子供が一人でもストーリーの維持は可能であるのに、なぜあえて双子という設定にしたのか、終わってみるとよく分かる仕掛けになっている。
Oliasさん [映画館(字幕)] 9点(2015-06-10 19:44:04)
31.この映画は魂揺さぶります。彼の地には「平和」という言葉は存在しているのだろうかとずっと考えていました。トラウマになるのでもう見ることはないですが深く心に残ります。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-05-02 13:09:05)
30.ネタバレ 「1+1=2」だよね?と弟が言った少しあと姉が言葉を失う・・・最初なんのことか分からなかったんですが、姉よりちょっと遅くその意味を理解しました。しばらく頭が混乱しましたが、最後すべてつながったときの衝撃はハンパないです。自分がもしこの母親の立場だったら、真実を知ったこの双子と兄は、、それぞれの立場になって考えるとしばらく動けませんでした。物語は静かにたんたんと進みますが、最後まで見て損はない映画です。
はちまろさん [DVD(字幕)] 9点(2013-02-27 20:57:59)
👍 1
29.ネタバレ 最初の方は筋道が見えず、バラバラの物語が投げ出されているように見える。だが、すべてのピースが組み上がると、その意味と悲劇が分かる。

■最初は「なぜこんな謎ときみたいなのを死んだ後に子供たちにさせるのか?」と、これは映画を面白くするための設定なんじゃないか、と思って見ていたが、最後まで来て、なぜ母がそういう行動をとったか、がピシッとはまって、同時にその悲しさが見えてくる。

■こんな悲劇に会い、しかもそれを誰にも言わずに半生を送ってきたというのは本当に想像を絶する。いささかやり過ぎな設定だが「報復に報復で応える無意味さ」を引っ張り出す設定ではある気がする。
θさん [DVD(字幕)] 9点(2012-07-11 00:58:25)
28.ネタバレ 凄すぎて評点を付け難いくらいだが、映画館に配給されるという検閲をパスした、「市民化」・ゴラク化されたものなわけなのだ。オイディプスの悲劇の連想がこの暗鬱・苛烈な映画世界を文化的に救出している。ギリシャ悲劇はエライ。
ひと3さん [ビデオ(字幕)] 8点(2025-05-18 13:42:53)
27.ネタバレ 見ごたえもあり、サスペンス的な要素も入って、見始めるとつい目が離せなくなるほど面白かったのですが、キツい話だな~!というのが正直な感想です。宗教や民族問題から生まれる憎しみの連鎖と、父と兄を探すことで知らされる母親の痛切な過去、この二つをうまく絡めて、上質な出来に仕上がっていたと思います。でも悲惨過ぎて、2度と観たくないですが・・・。ただ、プールサイドでの出来事は、展開上ちょっと都合良すぎかな?って感じです。【ネタバレ有】と書いていますが、“オチ”を書いてしまうと、観る面白味が激減するので、1+1=1の意味は伏せておきます。
ramoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-10 10:17:53)
26.ネタバレ ちょうどあるドラマの影響で考えていたところだった。女性は生物学的には10代後半~40代半ばぐらいまで出産が可能だよなー…でも、経済的状況や子育ての負担を考えたら10代や40代はキツいんだろうな…などと。
その、女性は長い年月出産可能という事実を活かした、予想できない展開であった。主人公の母は10代後半か20代になってすぐに、最初の子供を産み、30代後半~40代前半の間に主人公たちを産んだのだろう。理論上はありえるが、あまりにも悲しい。

この作品は出来は良いが重いと聞いていたので、なかなか見ることができず(13年春の身内の不幸も更にそれに拍車をかけ)今回やっと見ることができたが、辛い中にも色々考えさせられることがあった。
多くの内戦で行われているであろう、兵士ではない民間人(当人たちは組織に所属しているというのだろうが)が罪のない民間人を殺害する光景。殺害の理由は、異教徒であるということだけで、そのような虐殺により報復の連鎖が起こり、罪のない人々が殺されていく…
冷戦後に内戦が増加したと学んだが、内戦は、一般の戦争よりも正義や秩序が無いと感じる(一般の戦争を支持するわけではないが)
ここ20年ほどでこのような紛争が増加・継続しているというのは、ただ空しく悲しい。

作中でも1人のムスリム側の人間の暴走(キリスト教徒の虐殺)により、キリスト教徒側が怒り報復をしかけているため、その他大勢のムスリムが逃げているというような描写があった。これは911テロを彷彿とさせる。
この立場は入れ替わる場合もあると思うが、一部の暴走の被害を受けた側が、攻撃してきた側全体を憎むというのはあまりに短絡的すぎやしないか。(日本人の反韓感情にも当てはまる)
色々な思想・文化が存在するこの世界で、一部の行動をその集団全体の総意と思うのはあまりに危険だな、と。

話が映画の内容から逸れたが、フランスが製作に携わっているからだと思うが、スローテンポな点や独特の美意識がこの作品に、戦争・ミステリーというテーマ以外の魅力をもたらしていたように思う。
Sugarbetterさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-06 00:01:08)
25.ネタバレ  映像が凄い!どこを見ても隙が無く美しい。力強さもある。印象的なカットも多いです。
 この映画はヴェネツィア上映、サンダンス上映、アカデミー賞外国語部門ノミネートするも大きな賞は取れず。
 前半はなぜ賞を逃したのかという疑問を抱きながらの鑑賞でした。しかし、後半になり物語のテンションが上がるにつれて私のテンションは失速。
 特に、序盤と繋がりを見せる最終盤のプールのシークエンスが残念でした。あまりにも都合のいい展開であり、技巧的な演出がせっかくの作品の品を落としていた印象です。サスペンス的なテクニックは排除し、直球勝負の人間ドラマにしてほしかったです。
エウロパさん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-14 18:04:25)
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24.ネタバレ えぐい結末でしたけど、ちょっと寓話的ですね。デニヴィルヌーブ監督の前作の「渦」も寓話的でした。社会的なメッセージより御伽噺として面白かった。オープニングのレディオヘッドは、少しあざといと思う。
わんたんさん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-06 04:28:43)
23.ネタバレ 民族の違いや宗教の違い、はたまた権力争いか、いろいろな原因で戦争や内戦は起こる。そして多くの人々に様々な形で不幸を呼び寄せる。この映画の主人公ナワルの不幸は、何と言って表現したらよいかわからないほどだ。
彼女は子供たちに遺言を残したが、きわめて奇妙、大きな謎だった。それが映画では、子供たちの謎解きの現在の旅と母親が生きていた時代とが交互に描かれることによって、少しずつ解き明かされる。そしてまたその真実が大変なものだった。
ESPERANZAさん [映画館(字幕)] 8点(2012-04-29 19:12:01)
22.ネタバレ 中東での内戦が生んだ悲劇を背景とした、一人の母親の物語。映画は、主人公が残した遺言(=謎)を受けた双子の姉弟が、母親の故郷を辿るところから始まる。姉弟の旅と同時に、主人公の過去が徐々に明らかになっていく展開はミステリ的要素を含む。けれど、その真実はあまりに過酷だ。憎しみと愛情の入り混じった母親の葛藤は、出生の秘密を知った子供たちに受け継がれることになる。広大な砂地を捉えた美しい映像と練られた物語の中に、歴史が生んだ悲劇を浮かび上がらせる秀作。
カワウソの聞耳さん [映画館(字幕)] 8点(2012-01-30 09:56:18)
👍 1
21.内戦での憎悪の連鎖が生み出す残虐なシーンが満載。更に、テロ行為の報いであっても、これ以上の出来事はこの世には無いと思うあまりにも残酷な真相に言葉がありません。宗派の対立が端を発しているならば神とは一体何なのかとの思いが募りました。ストーリー展開の巧みさが見事な作品でした。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 8点(2012-01-18 21:51:44)
👍 1
20.時代と場所がバラバラのエピソードが語られるのですが、最後に判明するたった1つの謎が語られた瞬間に、それまでバラバラだったジグソーパズルが一瞬にしてできあがり、その鮮明な模様が目の前に現れたかのような鮮やかさがありました。
shoukanさん [映画館(字幕)] 8点(2012-01-13 23:36:56)
19.ネタバレ 「沈黙は破られた、約束は守られた。」
珈琲時間さん [映画館(字幕)] 8点(2011-12-30 22:02:49)
18.ネタバレ この映画、各シーンの切り替わりで、何年の出来事か、テロップつけてくれないだろうか。その時あの人はいくつで、この人はいくつと、理解したい。オチが分かってもスッキリしない。主人公の女性(双子の姉の方ね)がとっても素敵なのでプラス1点
代書屋さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-07-04 21:04:33)
17.ネタバレ 元々、小説でも『人間の証明』は大好きで、で映画でも『飢餓海峡』とか『砂の器』とかってやっぱ凄く面白く観れるのですよね。こーいうのってとにかく「動機」の部分に対する体重の乗り方が(娯楽サスペンスとは)比較にならないってゆーか、だからこそ最後まで=この謎は解かずば今日は眠れない!みたいに成れるのだと思うのですよ。その意味では今作も、まず起こった「事象」そのモノってのが既にド級に(歴史的・政治的に)衝撃的!てヤツだとは思うのです、が、前述のその部分の勘所もまた決して外していない、これ以上無い程にソコにも体重の乗ったヒューマン・サスペンスだったとは思うのですよね⇒即ち、母は何故、あの様な奇妙な遺言を残して、あの様に奇妙に死んでいったのか、という。正直、途中からは完全に観入ってしまってましたよね。

だから、私にとっては(まずは)今作はサスペンスである…のですケドも(⇒それをワザワザ明言したのは、一方で今作って十二分に優れた社会派もの・歴史ものだとも思えるからなのですケドね)そーするとどーしたって、結末も含めて全体的に余りにも「無理筋」ではないかな…と思われてしまったってのが、結論的には少~し、ワタシ的に(再び明確に)許容範囲外だったという痛恨事なのですね。。観る前から、戯曲の映画化だとは把握しては居たのですケド、なんつーか然も在りなん…としか言えない…ですし、すると更には、それに依って(今度は)サスペンスのみならず、前述の社会派的な映画の価値すら少なからず毀損されてしまってる気すらするのですよ。もう少し、もう少しダケ、ソコって何とかならんかったんか…と。。(⇒個人的には特に、ニハドが「洗脳された」ってナンやねん!と。。)

結論、個人的には、非常に評価の難しい作品…だとしか言い様が無いのですが、それでも最初に述べたとおり、この手のサスペンスとしての「ヒトの中にある謎」の部分の展開&結末の部分に関しては非常にしっかりと「筋が通っていた」と思えたコト、加えて、重ね重ね事象は衝撃的ながら、全編で非常に落ち着いた抑制的でハイソな演出+それが醸し出す雰囲気と、また映像のハイソぶりも実に見事だったと思えたコトを踏まえて、かなり迷いつつもこれ位の評価にしておこうかと思います。サスペンスとして、端的なラストの「衝撃度」みたいなモノに関しては、確かに最高レベルで高度だって映画だとは思いますね。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-08 22:46:04)
16.ネタバレ 「1+1=2だよね?1+1=1になることなんてある?」
からのひきつけのシーンが一番の見どころと思いました。
とんでもないストーリーの映画を見てしまった。
過去と現代の時系列を行き来するタイプの映画なんだけれど、母親と娘が結構似てるので(親子なんだから当然か)どっちの場面か見失うことがあった。
これは真相明かさずに墓場まで持っていくべきなのではと、私はそう思いましたね。
いや持っていったから明かしたのか?
悲喜こもごもさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-12-19 22:11:14)
15.ネタバレ 結末を知って結構すごい話だなと感動したが、「オイディプス王」を現代の中東に舞台に移した翻案版と言われてみれば、なるほどと。
そう考えると西洋の古典は強いなと感心。だが、話のつくりはよくできていて、翻案版だからと言って貶めるつもりは全然ない。若干娘の探索がご都合主義的にうまくいきすぎているような気もするが、それを超えてこの母親の一生はなんだったんだろうと深く嘆息させるストーリに脱帽。若き日の母親がテロリスト側につく動機となったバスの襲撃シーン。幼い子だけでも助けようと母親の振りをしたが結局女の子は射殺されるという痛ましい場面。これは本当に内戦が続く中東の現実を語る上でリアリティを与える悲惨なシーンであり非常に深甚な場面だったと思う。遠い中東では宗教紛争と難民流入による民族紛争などが絡み合って人々がこのように傷付け合い苦しんでいるだなと改めて身につまされ、平和ボケしている日本人としては色々と考えさせられるいい映画だったと思う。初期にこんな映画を撮っていたヴィルヌーヴはやっぱすごいね。
エリア加算さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-15 18:23:32)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 7.21点
000.00%
112.94%
200.00%
300.00%
412.94%
512.94%
6514.71%
71029.41%
81029.41%
9514.71%
1012.94%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review2人
2 ストーリー評価 7.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 7.50点 Review2人
4 音楽評価 6.50点 Review2人
5 感泣評価 6.50点 Review2人

【アカデミー賞 情報】

2010年 83回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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