映画『戦火の馬』の口コミ・レビュー

戦火の馬

[センカノウマ]
War Horse
2011年上映時間:146分
平均点:6.87 / 10(Review 60人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-03-02)
ドラマ戦争もの動物もの小説の映画化戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2012-01-05)【ミスター・グレイ】さん
タイトル情報更新(2021-09-26)【envy】さん
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監督スティーヴン・スピルバーグ
キャストジェレミー・アーヴァイン(男優)アルバート・ナラコット
ピーター・ミュラン(男優)テッド・ナラコット
エミリー・ワトソン(女優)ローズ・ナラコット
デヴィッド・シューリス(男優)ライオンズ
ニエル・アレストリュプ(男優)エミリーの祖父
トム・ヒドルストン(男優)ニコルズ大尉
デヴィッド・クロス〔1990年生〕(男優)ドイツ軍兵士 ギュンター・シュレーダー
ベネディクト・カンバーバッチ(男優)ジェイミー・スチュワート少佐
トビー・ケベル(男優)英国軍兵士 コリン
エディ・マーサン(男優)フライ軍曹
リーアム・カニンガム(男優)英国軍 軍医
フィリップ・ナオン(男優)フランスでの馬セリ市場の競売人
デヴィッド・デンシック(男優)ベースキャンプの士官
菅生隆之テッド・ナラコット(日本語吹き替え版)
佐々木優子ローズ・ナラコット(日本語吹き替え版)
小島敏彦エミリーの祖父(日本語吹き替え版)
大塚芳忠ライオンズ(日本語吹き替え版)
田中正彦ジェイミー・スチュワート少佐(日本語吹き替え版)
村治学ニコルズ大尉(日本語吹き替え版)
脚本リチャード・カーティス
音楽ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生]
撮影ヤヌス・カミンスキー
製作スティーヴン・スピルバーグ
キャスリーン・ケネディ
ドリームワークス
製作総指揮フランク・マーシャル
配給ウォルト・ディズニー・ジャパン
特撮フレームストアCFC(視覚効果)
美術リック・カーター(プロダクション・デザイン)
アンドリュー・アックランド=スノウ(美術監督)
衣装ジョアンナ・ジョンストン
編集マイケル・カーン
録音ゲイリー・ライドストロム
アンディ・ネルソン[録音]
スチュアート・ウィルソン[録音]
動物ジョーイ(鹿毛), トップソーン(黒毛)
その他ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生](指揮)
ピーター・ジャクソン(サンクス)
あらすじ
第一次世界大戦は戦車、飛行機、潜水艦、毒ガスなど、近代兵器が登場した戦争として紹介されることがある。また、西部戦線の塹壕(ざんごう)戦は有名だ。騎兵の歴史は機関銃の普及とともに終わったと言われるが、後のWW2でのポーランド軍まで名残を残す。 本作は、イギリスの農場で育った一頭のサラブレッドがたどる数奇な運命を描く。あらゆる生命が危機にさらされる中、本作の主人公のひとり"ジョーイ"が必死に生きようとするストーリーが展開され、彼と絡むさまざまな人間の生き死にの話が本作に彩りを添える。
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💬口コミ一覧

60.ネタバレ めちゃくちゃ泣いた。馬で泣くことがあるなんて、思ってもみなかった。配役が良かった。映像も良かった。音楽も良かった。エイリアンとか出てこなくても、いい作品が作れるスピルバーグを再評価した。よくありがちな戦争映画ではなく、馬にフォーカスを定めた、戦争のアナザーストーリー。そして、短編小説が繋がって行く感覚。ドラゴンクエスト4みたい。こういう観点で作られると、戦争自体に奥行きを感じることができる。エクセレント!
VNTSさん [映画館(字幕)] 10点(2012-03-09 20:20:02)
59.ネタバレ 生涯まれに見る名作に出会ってしまった。途中から涙が止まずに困ったほどだった。馬が美しく健気で全うで、胸がすく思いだった。何も語らぬ馬でも何もかも分かっていて、自分の置かれた立場も分かっていて、それでも運命には逆らえないまま、アドベンチャーが始まる。翻弄されたままイギリス軍からドイツ軍行ってフランスの民家行ってまたドイツ軍行って、ある事きっかけで、初めて逃げた。廃墟となった戦場を走り抜けるサラブレット。イカレた戦車に追い詰められ、「こいつら狂ってるー、やだやだー、おウチ帰るー!」という声が聞こえた気がした。そこで号泣。有刺鉄線で更に号泣。イギリス兵とドイツ兵の若者のシーンは傑作。とにかく最後まで途切れることのないストーリー展開には感心するばかり。父さんの隊旗が巧く繋いでくれたのも良かった。ただ一つ、ドイツ人もフランス人も皆イングリッシュを話していて、それは無いでしょと誰もが突っ込むわけだが、スピルバーグにも考えがあっての事でしょう。不自然ではあるが、そこを減点しても余りある、満点です。
ちゃかさん [映画館(字幕)] 10点(2012-03-04 09:34:01)
58.ネタバレ 冒頭、馬の姿と、馬を見つめる少年の視線とが提示され、やがて馬と少年とを同じショットに収めるシーンが提示されることで、両者の距離が縮まっていくことが表現される。なんてのは、映画の定石なのかも知れないけれど、全編にわたって、登場人物たちが、馬への視線を介して何らかの形でつながっていくというのが、やっぱり感動的なんだな。しかも、馬があくまで生き延びていくのに対し(そりゃ途中で死んじゃったら映画が繋がらないので)、人間たちは戦争下、アッサリと、実にアッサリと命を落としていく、この残酷さ。馬が生き延びていくことが、我々に残された数少ない希望となります。少年もやがて兵士として戦場にやってきて、毒ガスにより目を負傷してしまう。愛馬と距離的には近づいていながら、少年はかつて愛馬に注いだ眼差しを一時的に失っている、というハラハラさせられる場面で、今度は「音」が効果的に使われるのが印象的です。そしてまた、包帯で目隠しされた彼の代わりに、周りの者が、そして我々が、泥まみれになった馬の汚れを落とし、馬への視線を送る役目を担うことになる、というクライマックス。怖い場面はひたすら怖く(『プライベート・ライアン』と同じ撮り方はしない。“同じ”は、怖くないから)、それだけに優しい場面がどこまでも優しい、この素朴な計算高さが、スピルバーグの魅力だなあ、と。このヒトには逆らえん……。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-12-30 06:43:31)
57.
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』以降四半世紀に渡り、いかにして悪趣味描写を娯楽作に持ち込むかという難題に勝手に挑戦し続けてきたスピルバーグですが、本作ではついに悪趣味を卒業し、かつての健全な娯楽映画に回帰した内容としています。同時に製作した『タンタンの冒険』も同様の趣旨でしたが、そちらは初のアニメ作品ということもあってやや失敗した感がありました。しかしスペクタクルの巨匠スピルバーグ、実写では外しません。90年代以降のスピルバーグ監督作品としては間違いなくNo.1の面白さであり、この人は映画を撮るのが世界一うまい人であることを再認識させられました。。。
主人公は馬。ディズニー映画のように人間の言葉を喋ることも、誰かがその気持ちを代弁することもなく、本当にただの馬を主人公とした映画なのですが、この馬のキャラがきちんと立っていることに驚かされます。擬人化の名人スピルバーグが久しぶりにその腕前を披露したわけですが、演技部門でオスカーにノミネートされてもよかったんじゃないかと思うほど馬が素晴らしすぎます。そんな馬を囲む人々も基本的には良い人ばかりで、良いドラマを観たなぁという気持ちを存分に味わわせてくれます。。。
最近仲良くしているピーター・ジャクソン(第一次大戦オタク)に影響されてか、本作の舞台は第一次世界大戦。これが実に独特な戦争で、初期には職業軍人による伝統的な騎馬戦が主流だったものの、後期には大量破壊兵器と大人数の素人兵士がその主役となり、開戦時と終戦時とではまるで違った様相を示すこととなった戦争でした。大量破壊兵器の登場とともに、かつての戦場には確かに存在していた「戦いの美学」というものが失われ、戦争はただの殺し合いとなったわけですが、本作はそんな時代背景をきっちりと内容に反映させています。当初は軍馬として大事に扱われていたジョーイが、後には交換可能な運搬手段としてこき使われることとなるのですが、戦場における人道のあり方と主人公の扱いを丁寧にリンクさせている脚本には感心しました。。。
不満点を挙げるならば、ヨーロッパ人が当然の如く英語を喋る点と、ドイツ帝国が一方的に悪者にされている点でしょうか。ユダヤ人弾圧のあった第二次大戦ならともかく、三国同盟と三国協商のどちらに正義があったのかについて議論の割れている第一次大戦においてこの扱いは無神経であると感じました。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-08-10 17:43:31)
👍 1
56.ネタバレ ジョン・フォードやハワード・ホークス、ラオール・ウォルシュをはじめとした伝説的監督たちは、何もただ傑作・名作を創り続けてきたから偉いのではない。彼らは、“「(アメリカ)映画」はかくあるべし”という《規範》を、その作品によって指し示し“体現”してきた。それゆえに「巨匠」と呼ばれるのである。

その《規範》とは、言葉にすればとてもシンプルなものだ。それは空に浮かぶ雲、風にそよぐ草原の広がり、柵を取り囲む人々の佇まい、ぬかるむ大地に降りしきる雨、見つめあう眼差し、それがふと伏せられる瞬間の表情・・・そういったものたちを、ただフィルムに写し取り、映し出そうとするだけのことなのである。しかし、その“単純[シンプル]さ”こそが、彼らの作品にあっては奇跡のような美しさを産み出すのだ。いや、端的にそれはひとつの「奇跡」以外の何物でもない。

そしてスピルバーグがここでやろうとしたことは、間違いなく、そんな往年の巨匠たちと“同じように映画を撮る”ことだった。彼らのように、空を、草原を、雨を、丘の一本道を、走る馬たちを、どこまでもシンプルにフィルムに映し出すこと。それは、現代にあってなお映画がひとつの「奇跡」たり得るかという問いであり、挑戦だといっていい。なぜなら、もはやほとんどの「アメリカ映画」が、そういう「単純な美しさ」からはるかに隔たった場所に“在る”からだ。 今日にあってフォードやウォルシュのように映画を撮ろうとすることは、ほとんど困難な「不可能事」なのである。

けれど例えば、フランスの少女が主人公の馬に乗って草原の丘の稜線に消えていく場面や、負傷して目が見えない青年が愛馬と戦場で再会する場面などに、ぼくという観客は「ああ、フォードだ!」と感歎し、思わず涙する。まさしくそれらは、そういった「奇跡」をまのあたりにする瞬間に他ならなかったからだ。スピルバーグはあえてそんな無謀さに挑戦し、すべてに成功しているわけではないけれど(・・・馬にヒロイックな擬人化風の心理描写(!)を施したりもする本作に、往年の『名犬リン・ティン・ティン』シリーズのような「アナクロニズム」を指摘するのは簡単だろう)、 この作品で「(アメリカ)映画」を真に継承してみせた。そう、これが本当の意味での「A級映画」なのである。
やましんの巻さん [映画館(字幕)] 9点(2012-03-29 16:07:02)
👍 3
55.ネタバレ 期待値低かったけど意外に面白くてびっくりしました。スピルバーグにはそもそもこの作品自分の家族のために撮ったみたいで賞とか気にしてなかったみたいですね。そもそも戦争がテーマではないと本人もいってますしそう言う意味ではプライベートライアンが悪く働いちゃった感はあるかな。兄弟のシーンやお爺ちゃんと孫娘のシーン。そしてドイツ兵とイギリス兵のシーンはそれぞれの絆を感じて非常に好きなシーンです。
とまさん [映画館(字幕)] 9点(2012-03-20 21:50:14)
54.ネタバレ 馬を見つめる青年から始まるこの映画は、冒頭から、見ること、を提示している。
そう、まなざしである。まなざしを操ること、それが映画である。

見ること 見られること 見えなくなること
見えなくとも気付くこと そして見ないこと

見ることを奪われる青年が、見ずともわかること。
ラストのジョーイの視線は、家族を見ていない。
見ていないから良いのだ。
ジョーイは見ないのだ。見なくてもわかることもあるから。

そして、帰ってくる、という意味の重さと尊さ。
帰ってきたよ、という帰還した者のまなざしではなく
帰ってきたのかい、という帰還した者を受け入れるまなざしで描ききること。

アメリカ映画とはこういうことだろと。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 9点(2012-03-07 01:31:41)
53.やっぱり上手いなあ、感動のさせ方が。技巧的ではあると思うけど、この手練れ感はさすが巨匠。ジョーイをめぐる様々な人々のドラマを、細切れではあるけれど目一杯きちんと描きこんで消化不良にさせない。馬が相手だと、イギリス人もドイツ人もフランス人も分けなく愛を持って接する描写が多く、そのたびにああ、ありがとう、とほっとする。馬にあれだけの演技をされては、飼い主とめぐり合う場面すら「どんだけ驚異的な確率だ」と茶々を入れる気も失せる。馬すごいな。これは特撮なのかしら。馬同士の友情にぐっとくるなんて初めてだ。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-04 00:44:17)
52.ネタバレ 私は映画に夢を観たいので、スピルバーグが愛情いっぱいに監督したこの作品の展開と結末大好きですよ。ぜんぜん話違うけど「名犬ラッシー」大好きな方なら共感してもらえるんじゃないかなと。イギリス兵とドイツ兵が有刺鉄線に絡まった馬を共に助けるシーン、ベタかもしれないけど、それでもいいじゃないですか、美しいです。馬の純粋さに人間の愚かさがより際立ったとしても、その愚かさにどこかで嫌悪し、またどこかで共感しながら作品を楽しめる今の世の中がなんだかんだで幸せなんだなって思いました。
まさかずきゅーぶりっくさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-07-09 15:14:08)
51.ネタバレ 泣けちゃった。スピルバーグ印の演出に、心優しい実写を創るディズニー印なら、これはもう即買いでしょ。DVDを買ってしまった。懐かしいこの気持ち。そうか、音楽はジョンウィリアムスだったか。「ET」なんだね。なるほどなぁ、CG使って、どんなことするのかと心配だったけど、見事に残酷な場面のない戦争映画だった。CG使ってるので、動物映画とは言えないが、なるほどこんな場面、あんな場面、そりゃCGじゃなきゃ不可能だね、と思ったもんね。良いよなぁ、やはりスピルバーグって・・・俺らの年代には、神様みたいに若い頃から天才の感性振り回して、あれよあれよって感じで、驚く作品どんどん創っていった見事な人。う~ん、これからもドシドシ創ってくださいね。中年映画ファンに明日への希望をもたらしてくれます、彼は。正直、ちょっと心配だったんだ。え?CG使って、馬さんの映画?馬の映画といえば、レッドフォードの「モンタナ」や「少年の黒い馬(ビデオ持っているが未見)」と名作が多いもんだから、あちゃ~っと心配だったけど、彼らしい作品で、しかもいい映画で、本当に嬉しかったです。次はどんな映画を創ってくれるやら・・。楽しみでもあり、もうそろそろ感性も錆びついて、期待を裏切る作品創るんじゃないかと冷や冷やです。子どもの頃、知性が劣っていたとか、つまんない回顧録語らないで、映画創ってくださいよ♪裏切られても、見続けますばい!
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2012-10-19 04:24:31)
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50.戦争に翻弄され続けるジョーイが、戦車を飛び越え全力疾走する場面は心が打たれる。カタルシスと言っては不謹慎かもしれないけど、気持ちが高ぶった。(スピルバーグは馬以上にあの戦車を出したかったに違いない)。
ゆうろうさん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-13 17:54:31)
49.ネタバレ グリフィス的「再会」に、フォード的「父母」に、ホークス的「動物との共演」等々。

古典アメリカ映画を律儀に参照・再現しつつ、その上で自身の視覚的記号(差し出される手、隠される眼など)をしかるべくドラマ各所に活かし自身のフィルムとするしたたかさ。

それでいて馬の側の物語から人間側の物語である塹壕戦の描写に移行した途端、その画面に漲る意気込みが物語の統御を失いそうになる微妙なアンバランス感覚もスピルバーグ作品の魅力ともいえる。

馬を追い詰める威圧的な突撃戦車といった趣味全開の細部に執心しつつ、ギリギリで全体の統覚を保ち大団円にまとめあげるあたりは貫禄である。

黒澤明が嫉妬しそうなほどの「馬の映画」であると共に、第一次世界大戦の塹壕戦を視覚化することもまたやはり戦争の世紀を網羅しつつあるアメリカ時代劇作家としての隠れた主題なのだろう。

ヒューマンドラマを語る一方で、馬軍の突撃と共にサーベルが鋭利に人間を貫いていく殺傷の音響や、塹壕の至近距離への着弾の振動や、砲車を高台へと引き上げる行軍といった容赦無い暴力描写には、スピルバーグ流の分裂的特徴が明快に現れている。

であるからこそ一方でフィクション性をあえて際だたせ、フィルムを現実から隔てようとする。

本作に限らず、スピルバーグ作品の登場人物が一貫して「英語を話す」のは、云うまでもなくかつてのハリウッド映画のコードに忠実であり、それ以上に虚構としての「映画」に自覚的であるからに他ならない。
ユーカラさん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-28 22:10:14)
48.ネタバレ 最近多作になっているスピルバーグですが、今までのいろいろな作品の路線が入り混じっている作品だったと思います。青年のあるものへの固執は「太陽の帝国」、戦争描写は「プライベート・ライアン」、フランスの少女と馬との交流は「E.T.」など。ただこれが交じり合ってて観にくいかというと全くそういうことはなく、結構展開が早い中で一つ一つのエピソードが感動的に演出されています。そのあたりをキッチリしているのが矢張り巨匠なんだなと思います。ややひっかかったのはこういう映画には仕方ないのですが、ドイツ人もフランス人も皆英語を喋っていること。その国単体で出てくるのならいざ知らず、イギリス兵とドイツ兵が英語で話し合っていて、イギリス兵が「お前、英語上手いな」と言う。その直後ドイツ兵が自軍の兵士に英語で話すが設定上ここはドイツ語を話しているという奇妙なことに。あのシーンはすごく感動的で(さっきまで血みどろの殺し合いをしていた兵同士が軽口を言い合う)問題無いんですけどね。それにドイツ訛りやフランス訛りを使わせて頑張って表現しているのは伝わりましたし。
民朗さん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-24 21:27:50)
47.ネタバレ スピルバーグ監督作品ということで期待してみた。やはり期待通りの作品でヒューマンな展開だった。2時間半をどんどん引っ張っていく感じで、いったいどういう結末になるのか最後まで予想がつかなかった。クライマックスはジョーイが逃げ帰ってくる一途さに鉄条網まみれになった場面で、狂気に走ってなにがなんだか分からなくなっていく描き方が傑出していると思った。あまりにも残酷で、痛ましい。にもかかわらず、残虐にならないところが、スピルバーグらしさであり、子どもの観賞にも耐えうるようにむごたらしさが抑えられている。大人がみてもじゅうぶん満足させられ、そして何より子どもに訴える作品になっている。現実にはありえないでしょうと大人には思えても、子どもの世界ではそういうことがあってもいいではないかというファンタジーとして描かれている。そこに、戦争に対するスピルバーグの強いメッセージが感じられた。敵も味方もなくその場で必死に生きる馬を通して戦争の怖さと狂気を存分に描ききる一方で、両者が歩み寄るところにしか救いがない。人間でも怖いんだけれども、馬でさえもそうであるという視点が斬新で、直接的に強く訴えてくる。戦争は嫌だ。もう一つの山場は、戦争が終わってジョーイが競売にかけられたところである。戦争によって何もかも失ってしまったおじいさんの後ろ姿がほんとうに寂しそうである。アルバートの家族にとってはハッピィエンドになったが、単純に喜べないところが戦争というものである。可愛い女の子のチャーミングな乗馬姿が胸を貫く。
観覧車さん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-18 23:03:18)
46.ネタバレ よく出来た作品です。 素直に観て良かったなあと言える作品です。 でも、目の肥えた映画通だと、正直なところ欲求不満を感じえません。 
 
まあ、馬が主人公の作品なので大目に見るとしても、登場人物が素直すぎます。 ドイツ軍の戦車部隊の隊長(馬を使役道具としか見ていない)こそが、あの時代の本来の軍人の姿でしょう。 あとは、やっぱり出演者全員が英語を話すところの違和感は致命的です。 
 
私にとって、最もガッカリだったのが、音楽。 もう、J・ウイリアムスの音楽は要りません。 どの曲を聴いても「スターウォーズ」か「スーパーマン」のアレンジにしか聞こえません。 エンドロールが流れて余韻に浸るところで、スターウォーズもどきの曲ですから、アッという間に余韻が冷めちゃいました。
ミスプロさん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-17 19:09:49)
45.ネタバレ 原作が児童文学なので、やたらと頭のいいガチョウさんの例を上げるまでもなく、色々とありえない展開で違和感を感じるわけですよ。それにお馬さんも擬人化されている。にもかかわらず、終盤はずっと号泣しっぱなしなんですよ~。困っちゃいますよね。自分の頭では「そんなアホな~」「馬がまるで人間みたいやないかい、、」なんて思うのに、目から汁が止めどなく溢れ出るというね、、。はぁ、自分は本当に動物ものに弱いんだな~ということを再認識。涙腺崩壊シーンは、たとえばジョーイが全速力で戦場を駆け抜けるシーン、ジョーイが殺されそうになるところで、アルバートの口笛に反応し再会、脚と額を拭くと白い毛が現れるシーン、そしてラストの親子の再会のシーンですかねぇ。特にラストの真っ赤な夕陽をバックに、母さん&父さんと抱き合うあのシルエットとジョーイのたたずまいはもの凄く感動的で、いつまでも心に残ります。いやね、戦争を舞台にした児童文学なわけだから、こういう話はバランスが難しいと思うんですよ。残酷描写が激しいと子供は観れないし、童話的すぎると大人が観るに耐えない。そこをどうやってうまくまとめあげるかっていうところに、スピルバーグの巧さを感じるわけです。たとえば残酷描写になりがちなシーンでは、ニコルズ大尉が死ぬシーンは直接見せないし、兄弟の銃殺シーンも風車を使って直接映さないわけです。これがなかなか巧い。そして、童話的なシーン。例えばジョーイが鉄条網に絡まって、イギリス兵とドイツ兵で助けるシーンありますよね。あれなんか、ありえない展開なわけですよ、普通は。そこをどうやって乗り越えてるかというと、「ユーモア」を取り入れるわけです。ジョーイを呼ぶ為に、イギリス兵達が口でチッチチッチやったりするシーンは笑えるし、「カッターがもっと必要だ!」と言うシーンでもの凄い数のカッターがばっと投げこまれたりとか。そういう「ユーモア」でありえなさを乗り越えてるわけですね。実に巧みだなと感じる。ジョン・ウイリアムズも相変わらずいい仕事してましたわ。撮影のカミンスキーも、いつもと違って自然な映像美を見せてくれてるし。そんなわけで、流れ出た涙の量を鑑みて8点を献上したいと思います。
あろえりーなさん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-08 22:22:04)
👍 2
44.ネタバレ スピルバーグは一貫して喪失の映画を撮ってきていて(失われた何かを取り返そうとし、例え取り返せたとしてもその結果はせいぜいゼロに戻るくらいで大抵はマイナス)、この馬の視点で描かれた新作もまた、ひたすら喪失の物語でした。シネスコの横長画面をスピルバーグらしいクレーンショットと横移動主体で捉えたノスタルジックな映像は、延々と戦争がもたらす別れと死を綴ってゆきます。『プライベート・ライアン』のように、あるいは『宇宙戦争』のように直接的な死の匂い、血の匂いを前面に叩きつける事はありませんが、馬の瞳に映るそれは無常感に満ちた世界であると言えます。そんな中に仄かに光る人間という生物への希望、その甘いオプティミスティックさ加減に違和感が残らないとは言い切れないものの、これまで人の世の無常をこれでもかとぶちまけてきたスピルバーグの、これが精一杯の人間賛歌だと捉えたいと思います。まあ、最終的に人よりも馬の印象ばかりが残ってしまう映画ではあるのですが、それもまた一貫したスピルバーグらしさという事で。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-04 14:48:00)
43.最初から「大作」感が漂う映画。
戦争に巻き込まれる「奇跡の馬」の物語であり、観ているうちにとても愛しい存在になっていく。
特に印象に残るのは最後の風景(シーン)で、凄く美しい。
simpleさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-16 20:58:24)
42.ネタバレ 馬を通して神話的に詩情豊かに描かれるのは
戦争の悲惨さや無意味さ、
またそこに監督が抱いてるであろう騎士道であったり憧憬的なものであったりだと思います。
戦争に憧憬やロマンを抱いても、結局は人からすべてを奪う状況でしかないのだと思う。
そういった状況に放り出された若者たちの悲惨さだとか戦争の怖さや残酷さが伝わってくる場面があった。
リアルな戦場の場面があってその状況をちゃんと伝えてたと思う。
スケールの大きな話なのに状況が分かり易かったり、
馬の表情がよく撮れていたりと、
やっぱスピルバーグはプロだなぁと思った。
大作主義の中に親しみやすさとエンターテイメント性も含まれていたと思う。
ゴシックヘッドさん [DVD(吹替)] 7点(2014-02-13 21:51:02)
41.ネタバレ 私、映画も好きなんですが、競馬も好きなんです。競馬を見始めてかれこれ20年以上。その関係でリアルな馬に接した事も何度もあります。意外と知られてませんが、馬って犬とか猫くらいには頭いいんです。この映画に出てくる馬は「サラブレッド」という競走に特化した品種の馬です。脚の速さは馬の中でもピカ1ですが、脚が弱く気性が激しいので農耕にも向いてないし軍馬にもまったく向いてません。(まぁ豚に羊の面倒みさせるよりは向いてるかもしれませんが)そのあたり劇中でも台詞等で説明がありますが、やはり知識として頭に入っている方が、これがどれくらい馬にとって酷な話なのか理解しやすいかな、と思います。この映画で馬を好きになった方は、ぜひ府中(東京)競馬場にお越しください。府中競馬場ではタダで体験乗馬とかやっていて気軽に馬と接する事ができます。それに改装されて設備もきれいですし。馬券を買う事だけが競馬場の楽しみではないのです。
あと、戦車好きとしては劇中に登場するリアルなⅣ型オス戦車にもドキドキで…(Ⅳ型戦車のオスは6ポンド砲。メスは機関銃を積んでるので見分けられるのです…ってもうマニアしかわからないw)
あばれて万歳さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-24 16:05:40)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 60人
平均点数 6.87点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
423.33%
558.33%
61830.00%
71830.00%
81016.67%
958.33%
1023.33%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.33点 Review3人
2 ストーリー評価 6.33点 Review6人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review5人
4 音楽評価 6.66点 Review3人
5 感泣評価 7.25点 Review4人

【アカデミー賞 情報】

2011年 84回
作品賞 候補(ノミネート) 
撮影賞ヤヌス・カミンスキー候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生]候補(ノミネート) 
音響効果賞ゲイリー・ライドストロム候補(ノミネート) 
音響賞ゲイリー・ライドストロム候補(ノミネート) 
音響賞アンディ・ネルソン[録音]候補(ノミネート) 
音響賞スチュアート・ウィルソン[録音]候補(ノミネート) 
美術賞リック・カーター候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2011年 69回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
作曲賞ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生]候補(ノミネート) 

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