映画『ル・アーヴルの靴みがき』の口コミ・レビュー

ル・アーヴルの靴みがき

[ルーヴルノクツミガキ]
Le Havre
2011年フィンランド上映時間:93分
平均点:7.14 / 10(Review 28人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-04-28)
ドラマコメディ
新規登録(2012-04-22)【ミスター・グレイ】さん
タイトル情報更新(2023-09-25)【イニシャルK】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督アキ・カウリスマキ
キャストアンドレ・ウィルム(男優)マルセル
カティ・オウティネン(女優)アルレッティ
ジャン=ピエール・ダルッサン(男優)モネ警視
エリナ・サロ(女優)クレール
ジャン=ピエール・レオ(男優)密告者
武田幸史(日本語吹き替え版)
脚本アキ・カウリスマキ
撮影ティモ・サルミネン
制作アキ・カウリスマキ
配給ユーロスペース
編集ティモ・リンナサロ
あらすじ
北フランスの港町ル・アーヴル、かつてパリでボヘミアン生活を送っていたマルセルは、靴みがきの仕事をしながら愛する妻アルレッティとつつましく暮らしていた。しかしある日のこと、入院した妻と入れ替わるかのように、彼はアフリカからの密航者で警察に追われる少年イドリッサをかくまうことになってしまう。そして、母がいるロンドンに行きたいというイドリッサの願いを叶えてあげるべく、近所の仲間たちの協力を得ながら密航費の工面に奔走する。
スポンサーリンク

💬口コミ一覧

28.人生を感じるような深みのある場面がたくさんありました。心に残る美しいショットも散りばめられています。素晴らしいラストシーンには監督の揺るがない信念を感じました。カウリスマキ映画の常連役者が次々に登場するところも、良かったです。傑作。
藤堂直己さん [映画館(字幕)] 10点(2012-05-13 10:30:10)
27.ネタバレ 今もヨーロッパに根強く残る移民問題をユーモアを交えて描いた作品。

フランスはのどかな町ル・アーヴルで元気に暮らす人々。
ビンボーで金も無い、でも心は誰よりも豊かという良い人ばかりだ。

住民がアレコレして少年を守ろうとする姿はとても楽しく、とても健気で泣けてくる。

病気を夫に隠す奥さんのセリフはさらに泣ける。

今の世の中、悪い事ばかりだ。でも、たまにはこういう良い人しか出て来ないような映画があっても良いじゃないか。

靴屋の店主が必要悪だと思うとまた泣ける。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-16 22:49:26)
26.ネタバレ 貧しくも善良に暮らす人々が織りなす心温まるストーリー。カウリスマキの作品なので、本作も寡黙な映画でしたがじんわりと心に響くいい映画でした。

世知辛い世の中、最近はいいニュースも少ないですが、だからこそせめて映画の中ではこんなことがあってもいいと思う。

最後は奥さんにまつわるちょっとしたどんでん返しがありましたが、(空いたベッドを見せて一瞬えっ!?と思わせておいて…)これも素敵な大人のおとぎ話だと思いますよ。何の説明も医学的根拠もありませんが、奇跡を信じたい時って必ずあるものです。本作のような映画にバッドエンドは似合わない。
とらやさん [DVD(字幕)] 9点(2013-09-06 15:25:15)
25.舞台を観ているような映画。無駄な説明を全て削ぎ落として且つ時代設定も曖昧。監督はファンタジーを撮りたかったのか。結末でちょっと涙。人生、正義を貫き正直に生きるときっといいことがあるものさ、と思わされる良作でした。
kaaazさん [DVD(字幕)] 9点(2013-03-19 23:00:14)
24.世の中の人たちが、みんなこの映画に出てくるような人たちみたいだったら、とっても平和で素敵な世界になってるだろうに、なぁ・・・。黄色いワンピースとほほ紅が素敵♪
longsleeper21さん [映画館(字幕)] 9点(2012-07-08 23:11:18)
23.ネタバレ 今まで、コンテナに代表される寒々しい場所に住む人たちをメインに据えた作品を撮ってたカウリスマキが、場所をフランスに移しそんな寒々しい場所に住む人たちを助ける側の人々を扱った作品とみました。つまり視点を移動させて、そんな行き場のない人たちを見守る人々(フィンランドのときは「いなかった人」たち)が今作の主人公。フィンランドほど過酷ではないけど、ノルマンディはメキシコ湾流のせいでイングランドによく似た天気で、雨が多い上に海沿いだから風も強いので、陽光あふれるってほどじゃないと思いますよ。そうそう、シェルブールはノルマンディ。今回「過去のない男」の警備員に相当するのは、警察に何度も密告電話を掛けるキャラでしょうけど、彼も決定的にヒドイ人ってわけじゃない。警視なんかは結局いい人としてエンディングを迎えますよね。酒場の女主人と、主人公マルセルや警視とのあいだに、それぞれむかしなにかがあったのを暗示させる台詞がうまく埋め込まれてます。いつも通り、余計なことは語らせない作風です。マルセルが最初に帰宅するシーンで、パン屋も八百屋(何でも屋?)も彼に「ツケ、払って」と言ってるのに、話が進むと変わって行くのがいいですよね。なんかすべてが寓話のようで、観終わったのち、温かい気持ちになりました。病気が寛解するのも、それがカティ・オウティネン演ずる妻に起こるのもご都合主義と言えばそれまでなんだけど、素直に「よかった」と感じられます。相変わらず、犬、いい味出してるし、ライブ演奏の使いかたもうまい。ところで、挿入歌のうちミシシッピ・ブルーズなのはBlind Wille McTellだったんですが、音楽の趣味も相変わらず素晴らしいですね。
shintaxさん [映画館(字幕)] 9点(2012-05-25 21:06:30)
22.ネタバレ 見始めたら、いきなり男が拳銃で殺されるシーン・・・。ハードで重苦しい内容かと思ったら、まったく違った雰囲気の映画でした。
警視が、船に隠れる黒人少年を見て見ぬふりをしたり、妻の病気が奇跡的に回復するラストシーンなど、話そのものは少々強引でマンガ的な部分もありますが、主人公を取り囲む人々の心のあたたかさを、余計なものをそぎ落としてシンプルに表現しているところが良かったです。現実の密航・移民・難民等の問題を解決するのは、政治的な理屈や都合ではなく、心の豊かさ・人間らしさ、という作り手のメッセージでしょうか。

何となく昔っぽいような画が古臭く感じなかったのは、音楽の力が大きかったと思います。また、わめいたり叫んだりという喜怒哀楽の過剰表現がなかったおかげで、終始静かな空気感が漂い、最後まで落ち着いて楽しめました。鑑賞後に調べたら、「浮き雲」の監督だったんですね。なるほど、納得。
ramoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-27 19:33:07)
21.ネタバレ 現実の厳しさの中にあるおとぎ話を見ているような映画でした。
小津安二郎が好きなんだなあとリスペクトを感じる映像も多くてほろりとしてにやりとします。
おとぎ話ですから最後は、しあわせにくらしましたで終わるのを確信していましたが、そうなって良かったです。
めでたし、めでたし。
omutさん [インターネット(字幕)] 8点(2017-01-08 16:27:30)
20.ネタバレ 難民問題や密入国といった深刻なテーマを扱いながら、そこまでの重苦しい空気はありません。いやむしろ、年老いたバンドマンに一曲まるっと演奏させたり(笑)、アキ・カウリスマキ監督ならではの遊び心が随所に効いていて、思わずニヤリとさせられる場面も多い。世界には深刻な(人権)問題は山ほどあり、私は映画を通じてそれを伝えたいが、やはり映画は娯楽であり楽しくあるべきである。こういった監督の流儀、映画を撮る上での哲学が本作でもよく伝わってきます。登場人物たちは総じて、人生の成功者ではないが人間味のある描き方をされていて、それはとても好感が持てました。そして淡々と観ているうち、黒人の少年が不意に言い放った「あなたのことは一生忘れません」の言葉には強く心を打たれました。本作に込められた、弱い者同士みなで助け合って生きていこう、というメッセージに私も心から賛同します。
タケノコさん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-20 22:11:26)
19.ネタバレ  なんというか、昭和の日本の人情喜劇映画を思わせるような作品で、人情味あふれる街の人々の姿やラストの桜の花等非常に日本人の心の琴線に触れる要素が満載でしたね。

 しかしながら、移民問題という現代社会が抱えている非常に難しいテーマに対して、カウリスマキがこのようなアプローチで作品を作った意味として、先進国(だけではないですが)各国で不寛容で内向きな考え方が蔓延してきている厳しい現状に対する問題提起も含まれているのかなと感じる部分もあって、いろいろ考えさせられますね。

 まあ、オープニングからいろいろな仕掛けが満載で、カウリスマキファンとしてはストーリー以外の面でも楽しめる作品となっています。

TMさん [DVD(吹替)] 8点(2013-06-24 00:42:25)
スポンサーリンク
18.ネタバレ マンガちっくな展開、演出。それでも今の映画に欠けているものを見つけた気がする。漫画でいえば坂口尚の「12色物語」。こんな映画を観せられたら、アキカウリスマキをチェックせねば気が済まないではないか!?
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2013-02-14 05:32:01)
17.ネタバレ 語り口は静かで最近のハリウッド映画みたいに派手さはない。しかし、その分落ち着いて見てられる。台詞も少ないからそれだけ俳優の演技と表情で見せる映画です。この監督さん、やはり小津映画的な見終わってからの余韻の感じ方、上手さというものがあって好きです。奥さんのもう助からないと思われていた病気がいつの間にか完全に良くなって、夫婦揃ってまた元のような生活へという流れとラストの桜の映像はまるで二人の今後を見ているような気持ちにさせられた。
青観さん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-16 22:35:19)
16.なんでこんな静かで動きの少ない映画なのに、退屈もせず見入ってしまうのだろう。
メインキャストはゲラゲラ笑ったりしないし、泣きわめいたりしないし、怒鳴って喧嘩したりしないし、ベラベラ喋らない。あからさまな感情表現をしない。これがカウリスマキ映画の面白いところで、眉や口角や、目尻のミリ単位の動きで感情を語らせちゃう凄さ。余計なことは一切しない。ずっと眺めていたくなる映像に流れるセクシーな音楽も魅力。小難しいことも言わないし、ちょっとくらい居眠りしても問題なし!嫌いなところが皆無。
めちゃめちゃ面白い!!とか、感動した!!とか、うむむと考えさせられる!!とか、そういうんでなく、ただ「良い!!」とだけ言いたくなるような、そんな感じ。
すべからさん [映画館(字幕)] 8点(2012-07-09 23:19:30)
15.ネタバレ 冒頭、筋に関係ない殺し屋があっけなく始末される。今回のカウリスマキ映画には必要ないから。苦いとか酸っぱいとか悲哀は脇に置いとこうってことだ。そんな殺し屋にも「ちゃんとお金くれたのに。」と優しい台詞が送られる。それからは、優しい人々が優しい表情を見せて、綺麗な瞳の少年を何とかしてあげようとするお話となった。全編溢れる優しさとカティ・オウティネンの爽快な表情の存在、そしてささくれに引っかかるような痛さの不在は確かに今までと違うものを感じる。でも、みんな素直で優しいこの世界もまあいいんじゃないかな、と私は思えた。監督は、北欧の冷たい海と違って、フランスの海の煌めきが撮ってみたかったのではないか。コンテナの中で不安を覚えてじっと座る移民たちの、胸を締め付けるような無言の訴えに、優しい気持ちで手を伸ばしてみたかったのかな、と。最近、もらうのも与えるのも明らかに優しさが足りない私には、最後の桜は滲んで見えた。
のはらさん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-06 16:01:15)
👍 1
14.ネタバレ 密入国少年が家に紛れ込んだところで、「あ、そう」レベルで済ませている(どころか、その後少年をほっといてとっとと外出している)シーンが何とも強力。この超然とした主人公の立ち位置が、その後ラストまでの展開を一気に必然性あるものとするほどのパワーがある。また、密入国の背景とか、警視とカフェのマダムの過去の経緯とか、妻の病気の詳細とか、そういう余計な背景とか感情描写をすべて切り捨てている潔さも良い。
Oliasさん [映画館(字幕)] 7点(2017-11-07 02:34:25)
13.ネタバレ ストーリーが絶望的な状況から、どんどん良い方向へ進んで行く不思議な映画。登場人物が粋でみんないい奴なのだが、行動がとても奇怪に感じました。あれだけ外に出ないように釘をさされていたにもかかわらず、すぐに家を抜け出し靴みがきまで行う黒人少年。警察も家宅捜索で少年を匿っているのが分かっているのに何故か引き返してしまう。あげく、船で密航しようとしている黒人少年を発見したのに見逃してしまう始末。みんな、組織や人の忠告に従うことなく、己の意思の赴くままに行動をとるので結構観ていて爽快。「自分を信じ行動することこそ明るい未来は開けるのだ」と言わんばかりのカウリスマキ監督の演出には、人命に関わるような事象でさえマニュアルが存在し、機械的な行動しかとれない世の中に対する痛烈な批判を感じます。
スノーモンキーさん [DVD(字幕)] 7点(2014-12-16 00:17:13)
12.ル・アーヴルは南のマルセイユとは反対側の北の港町。 当地在住の歌手リトル・ボブを使いたくてここにしたという「初めに歌手ありき」の土地選びとか。 初老の靴みがきマルセルが少年イドリッサを救おうとするのが、情が移ったというより使命感だけで動いているように見え、その方が立派かもしれないですがイドリッサとの間にもう少し何か見たかった気はし、そこがメインではないのだろうけど。 不治の病の妻アルレッティが口紅を頬紅がわりに夫に血色よく見せようとする気遣いや、近所のお店の人たちがマルセルの心意気に賛同して商品を気前よくふるまうもよし。 主演のアンドレ・ウィルムは「仕立て屋の恋」では刑事役でしたが、ここでの刑事はジャン=ピエール・ダルッサン。 黒づくめでマフィアのよう、できるだけコワモテに見せてるので最初はちがう人かと。 アル中の失業者とか国鉄あがりの庭師などとはずいぶんちがうので「この役どうなの?」でしたが、なるほど。 黄色いバラにそそぐ涙かと思いきや、白い桜は善行への報いの象徴でもあるのでしょうか。
レインさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-07 07:00:00)
11.密告者はいても、マルセルと彼の周りの人たちは皆いい人たちばかりだ。最後には意外な人物まで人情味あふれるというか、おとぎ話の中の人物にさえ見える。これこそカウリスマキと言えるだろう。
ESPERANZAさん [映画館(字幕)] 7点(2012-07-24 16:19:00)
10.ネタバレ 密入国者の少年を助けようと奮闘するマルセル。考えると義は密告者にあるのですが、奥さん、ベトナム人、パン屋さん、八百屋さん、パブの主人、犬のライカといった損得抜きの思いやりに満ちた面々との関わり合いを見ると、密告者の何とも寂しい姿が強烈な印象を残します。警視の胸中にも同じような寂しさがあったのかと想像します。結末はお伽噺のようでした。毎年季節が来れば桜は咲き、毎年二人で眺めるのでしょう。心地良いラストショットです。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 7点(2012-05-13 23:03:09)
9.昔の話かと思ったら、意外にも現代が舞台で驚いた。
ル・アーヴルがそういう街なのか、そういう作風なのかよくわからないけど。
ストーリーとしてはよくある人情噺ということで、そんなに驚くほどではなかったけど、細部の演出が斬新。
とりあえず友人の店で万引きする神経とか全く理解できない。
パン買うくらいのお金は持ってそうなのに。
あと、アルビノの黒人と言い張る発想は無かったわ。
もとやさん [DVD(字幕)] 6点(2017-02-24 15:54:37)
スポンサーリンク
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 28人
平均点数 7.14点
000.00%
100.00%
200.00%
313.57%
400.00%
5517.86%
6310.71%
7517.86%
8828.57%
9517.86%
1013.57%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.66点 Review3人
2 ストーリー評価 7.66点 Review3人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review3人
4 音楽評価 8.25点 Review4人
5 感泣評価 7.66点 Review3人

■ ヘルプ