映画『藁の楯』の口コミ・レビュー

藁の楯

[ワラノタテ]
2013年上映時間:125分
平均点:5.35 / 10(Review 69人) (点数分布表示)
公開開始日(2013-04-26)
アクションサスペンス犯罪もの刑事もの小説の映画化バイオレンスロードムービー
新規登録(2013-04-28)【ヒナタカ】さん
タイトル情報更新(2025-06-18)【イニシャルK】さん
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監督三池崇史
助監督渡辺武〔監督〕
キャスト大沢たかお(男優)銘苅一基
松嶋菜々子(女優)白岩篤子
藤原竜也(男優)清丸国秀
山崎努(男優)蜷川隆興
岸谷五朗(男優)奥村武
伊武雅刀(男優)関谷賢示
永山絢斗(男優)神箸正樹
余貴美子(女優)由里千賀子
本田博太郎(男優)大木係長
諏訪太朗(男優)タクシー運転手
伊吹新吾(男優)高峰警視正
仁科貴(男優)
並樹史朗(男優)
藤井恒久(男優)
長江健次(男優)
高橋和也(男優)
菅原大吉(男優)
音尾琢真(男優)
坂田雅彦(男優)野坂車掌
本宮泰風(男優)やくざ
山口祥行(男優)やくざ
小沢和義(男優)やくざ
原作木内一裕「藁の楯」(講談社文庫)
脚本林民夫
音楽遠藤浩二
作詞森雪之丞「NORTH OF EDEN」(ワーナー・ミュージック・ジャパン)
作曲氷室京介「NORTH OF EDEN」(ワーナー・ミュージック・ジャパン)
編曲氷室京介「NORTH OF EDEN」(ワーナー・ミュージック・ジャパン)
主題歌氷室京介「NORTH OF EDEN」(ワーナー・ミュージック・ジャパン)
撮影北信康
製作ワーナーブラザースジャパン(製作幹事/「藁の楯」製作委員会)
日本テレビ(製作幹事/「藁の楯」製作委員会)
講談社(「藁の楯」製作委員会)
OLM(「藁の楯」製作委員会)
読売テレビ(「藁の楯」製作委員会)
プロデューサー坂美佐子
奥田誠治(エグゼクティブプロデューサー)
配給ワーナーブラザースジャパン
特撮BIG SHOT(ガンエフェクト)
納富貴久男(ガンエフェクト)
美術林田裕至
編集山下健治
録音柴崎憲治(音響効果)
あらすじ
政財界の大物・蜷川隆興(山崎努)は、自分の愛しい孫娘を殺した清丸国秀(藤原竜也)の首に10億円の懸賞金をかける。身の危険を感じた清丸は逃亡先の福岡で自首する。警視庁は身柄を48時間以内に東京に護送すべく、SPの銘苅一基(大沢たかお)と白岩篤子(松嶋菜々子)ら5人を護衛に付ける。機動隊員350人と共に、彼らは高速道路を東京に向け出発する。
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💬口コミ一覧

69.ネタバレ まーまーな評価なのは、わかる。娯楽作品としてそれなりのレベルはあるものの、洋画の「S.W.A.T.」に似た設定だし、突っ込みどころも多いでしょう。現実の日本ではありえない。トラックがパトカーぶっとばして、猛進、宙返り、ドカーン!手当てをする看護師が、警察官が、次々と殺人者と化す、いや、面白いけど、ありえねー。でもね、ドンドン面白くなってしまっている僕がいる。僕はずっと主役の大沢たかおが、あのどーしようもないクズを守り続けることに関して、最初は真面目な奴なんだとしか思わなかった。しかし物語が進むにつれ、ドンドン彼に出される試練は、まるで作者が主役に、次から次へと甘い誘惑を提示してるようにしか思えない展開。警察までもが、もう殺していーよってなるし、犯人はこんなけ追い詰められても、同僚を殺しちゃうし。そして僕も最後には、もういいよ、殺しても、てゆーか、お願いします殺してくださいと、この不条理に対抗できなくなり作者側につく。僕はジョジョの岸辺露伴がどーしてかっこよく思えたのかを思い出した。誰もがこう動くであろうと思う予想に反する行動「だが断る」、あれにはしびれたー。僕は昔から、僕の予想に反する行動ができる人を尊敬してきた。これが出来ない人は、例え総理大臣だろうと、先生だろうと、どんなけ才能があろうと見た目が良くても、自分と同じレベルの人間にしか思えないのだ。僕自身、誘惑や欲望にとても弱い。だから自分の中にある何かのために、それをはねのける人間がものすごくかっこよく思えるのだ。この映画で犯人が言った言葉「スゲー」。僕も同じことをこの主役に感じれた。こんな奴がどこかにいてほしい。いや、無理だろうけど、こんな奴になりたい。僕の憧れがこの映画の中で感じれた。だから、この映画、十分に楽しめた。
なにわ君さん [DVD(邦画)] 10点(2015-07-11 04:16:08)
68.ネタバレ 法律は専門外だが、警察というのは社会の治安を維持するためにある。個の事情は国家体制維持より優先順位が下にあるわけで、それゆえどんな犯罪者でも私刑させるわけにはいかない。「こんなクズを守るのか?」ではなくて、守っているのは国家によって保たれた社会秩序だ。劇中そんな基本的なことすらわかっていないかのような人間が多数登場して驚いた。それから、犯人であるが、これは非常によく描かれていた。本質的に精神異常者なので常識は通用しない。なので、何を言い出しても驚くにはあたらないし、いちいち理屈や常識が多少は通じるなどと考える事自体、知識不足。「そんなもの」として扱うべきだが、最前線の警察官なのにそんなことすら知識として持っていないのかと、そう描かれており現実社会で頑張っている現場の警官に気の毒だった。しかし、設定、展開、映画のテンポ、テーマ、犯人の異常者ぶり、本来美貌の松島菜々子の疲れ、老けぶり。アクション入った日本映画も面白いな、よく作ったものだなあと感心しながら素直に楽しめた。
小鮒さん [映画館(邦画)] 9点(2013-05-23 23:13:20)
67.ネタバレ 三池監督にしては、途中で放り出さずにきっちりラストまで持って行ってます。
それなりに余韻もあるし、心に響くものもあります。
ゴルゴ13のチェックメイト、スティールメイトに似たストーリーです。
命とはなんなんでしょうかと考えてしまいました。結構理不尽に死んでいきます。
三池監督作品だから許せる。原作も未読ですがバトルロワイヤルぽいんでしょう。
突っ込みどころは満載で頭を空っぽにして観るのをお勧めします。
特に気になったのは普通懸賞金10億円で殺人しますかね。
100億円とか1000億円だったらリアリティあるけど。
遺産13億円の紀州のドンファンですら妻の来てもあまりなかったのですから。
それと日本の警察の官僚体質、ああいう組織というのは分かっているけど、
最近の若者・中年では敬遠するのではないでしょうか。まあ入ってもすぐに辞めるでしょうけどね。
現実には仕事、出世というのは人生の順番がかなり低くなっているのではないでしょうか。
大沢、松嶋のような刑事いないとは限りませんが。
リアリティはいつもの三池監督作品での課題でしょう。手あたり次第作りさがすのではなく
1作、1作大切に作って欲しいと思います。
SHOGOさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-16 19:56:24)
66.休日の午後、昼寝明けの映画鑑賞は至福だ。
ただ、そういうタイミングで観るに相応しい作品選びには、なかなかのバランス感覚を要する。
自由になっている残り時間を考慮して、あまり重々しすぎず、期待値もそれほど高くはない映画を気軽に観たい。でもだからといって、折角の休日のひと時を無駄にするようなどうしようもない駄作も避けたい。
動画配信サービスのリストと、録画したままになっているHDDのリストの中から、慎重に作品を吟味し、本作の鑑賞に至った。

存外に面白く、決して揶揄しているわけではなく、このタイミングで観るに相応しい映画だった。こういう一連のプロセスも含めた映画鑑賞における“当たり”は、映画ファンならではの満足感を覚え、多幸感すら感じる。

2013年の劇場公開をスルーして、6年経った今に至るまで未鑑賞だったわけだから、正直なところ期待値は低かった。
「三池崇史」という監督のクレジットを見ても、その期待値が大きく修復されることはなく、なかなか食指が動かない作品の一つだったことは否定できない。
その大きな要因は、キャスティングに対する悪印象によるところが大きい。
大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也、メインビジュアルにも大写しになっているこの3人の人気俳優に対する、個人的な期待値の低さが、作品へのそれにもダイレクトに影響していたことは間違いない。

だがしかし、結果的には、この3人のメインキャストの「熱演」が、映画世界のテンションに合致し、作品の価値を高めていたと思う。
決して彼らの他の出演作に比べて特別に“巧い演技”をしているというわけではなく、映画世界の異常な状況に合致した大仰な演技プランと、彼らの俳優としてのスター性が、映画の空気感に呼応し、観客を引き込むことに成功していたと思う。少なくとも僕は引き込まれた。

映画作品としては、挑戦的で、ある意味独善的でもあるストーリーテリングの豪胆さが、昨今の国産娯楽大作の中では抜けていて、素晴らしかったと思う。

“怨み”や“憎しみ”は、大切な「誰か」のために生じるものではない。
怨みも、憎しみも、それを晴らそうとする行為は、常に「自分」のためだけに存在する。何故なら、死んだ人間は何も喋らず、何も感じないからだ。
怨みを晴らすために敵討ちに大金を投じる老人も、怨みを圧し殺して職務を全うしようとする主人公も、その行為の根本にあるものは、実は同じなのではないかと思う。
詰まるところそれは、自分自身が耐え難き痛みを抱えて生き続けるための、本当にぎりぎりの“手段”だった。
この映画は、終始一貫して、そういう人間の脆さと普遍的な内なる葛藤を情け容赦無く叩きつけてくる。

どんなに真っ当に生きていたとしても、藤原竜也が演じたような理不尽な凶悪は、必ず存在し得る。
もし万が一そういうものに直面してしまったとき、人間として、何ができるのか、そして何ができないのか。
無論、その答えは出ないし、考えたくもない。が、その禁忌を、映画的娯楽の中で問答無用に突きつけてくる本作は、見事なエンターテイメントだと思う。

三池崇史の作品に対して、失礼なことだが、想定外に傑作だった。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 8点(2019-10-22 19:03:06)
65.ネタバレ なんだかあっという間でした。気付いたら終わってたって感じ。それくらい、集中して観ちゃいました。極悪非道な犯人を殺してくれたら10億あげますっていう新聞広告から物語は始まります。広告主は犯人に7歳の孫娘を殺された財界の大物。SPや刑事さん達が九州から東京まで彼を護送するんですが日本人1億2千万が彼を狙っている可能性があり、そして守る彼らの中にも裏切り者がいる可能性がありハラハラドキドキしっぱなしです。藤原君の犯人役は当たり役でしたね。彼にこういう役やらせると本当に上手い。デスノートのキラもそうだし、インシテミル、バトルロワイヤル、カイジ。若干、みんな同じに観えちゃうけど、今回の狂った感じは良かったです。そしてもう一人。この子良いなって思ったのが永山ケント君。瑛太の弟だそうですが、ケント君のほうが良い男です。今回は「こんな人間のクズみたいな奴を守る意味があるのか?」と護衛チームは皆誰もが自問自答する中で彼だけは一本筋が通ってて最初から最後まで犯人を憎んでいました。でも最後は藤原君守るために殉職しちゃうんですけどね(涙)松嶋奈々子ちゃんもミタとは違って仕事ができる女刑事役が良かったです。仕事できるのにシングルマザーだから出世街道から取り残されてるってところもまた良かった。結局、彼女も最後は藤原君に殺されちゃうんですが「まだ死ねない・・息子を一人残していけないです」っていうのが最後の言葉で・・WMは辛いですね。この言葉。仕事する意味、自分をどこまで捨てることができるか・・・
働く人ならだれもが思う疑問にぶち当たります。いろいろ考えさせられました。突っ込みどころもない訳じゃないんですよ。優秀なSPのくせになんで簡単にやられちゃうの?とか、銃撃の音が聞こえたはずなのに、なんでご近所さんは誰も見に来ないの?とか。
新幹線の復旧を待ってから行っても良かったんじゃないの?とか。トイレ、ご飯はどうしてたの?とか(笑) でもそれらを差し引いても8点を差し上げたい!久々、日本映画も良いじゃんって思いました!
ゆみっきぃ♪さん [映画館(邦画)] 8点(2013-09-18 02:44:33)
👍 3
64.予告を見た時は「どうせダークナイトの二番煎じでしょ」と思っていましたが、結講見応えがあって良かったです。どちらかというと、昔の西部劇(「決断の3時10分」など)を、現代日本でやるとこうなる、と感じました。それに「ダークナイト」よりも、大衆が襲ってくる動機やプロセスを丁寧に描いているので、一般市民を単なる衆愚として描いてない点はいいと思いました。結局、私刑するにしても止めるにしても、金次第なのかと思うと見終わってゲッソリします。同じところを何度もぐるぐる回る議論も見てて疲れたー。「十三人の刺客」や「悪の教典」でバッサバッサ殺しまくってたのがウソのようです。
最近の三池監督の作品は良い意味で「一般ウケ」する作品が多く、このクオリティの娯楽映画がもっと増えればいいなあ、と思います。主題歌の選曲で大人の事情が露骨に現れてますが、それで予算が下りて本編が充実するなら、少しくらい我慢しまっせ(笑)。むしろ監督、わざと露骨にやってる?
ゆうろうさん [映画館(邦画)] 8点(2013-05-04 03:56:57)
63.迫力ある脚本に固唾を飲んで画面に見入ってしまった。俳優陣も素晴らしい演技で文句のつけようがない。と思っていたのだが話か進むにつれてどんどん現実離れして荒唐無稽になってしまい、なんだかつまらなくなってきた。とりあえずオチはついたように見えるが最後のカタルシスもなく残念な終わり方。三池監督は素晴らしいテクニシャンだと思うがテーマの設定と追及に自分の哲学が無いのが作品を薄っぺらくさせてしまっているように思う。
ブッキングパパさん [インターネット(邦画)] 7点(2024-08-25 17:59:57)
62.三池監督、真面目に作られた作品かと思いました。ストーリーにリアリティさを求めなければ、楽しく見れる作品です。藤原竜也だけは
リアリティを感じた。ヤバいなこの人は・・・(蜷川翁の組織、帝愛グループぐらいの規模あるんだから、探し出して、もっと苦しめる復讐できたろうに。体を張った賭博とか)
代書屋さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-06-30 21:50:34)
61.ネタバレ 藤原竜也さんが藤原竜也さんの役を演じています。けなしているわけではなく、彼ほど現時点でクズ役を見事に演じ切る俳優さんは他に思い浮かびません。まさにはまり役でしょう。それにしても命を投げ出して職務を全うする職業に就いている方々はすごいなと思います。自分やったら、間違いなく、「命>>>>>>>>>>>>>仕事」ですし。
いっちぃさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-10-31 19:12:03)
👍 1
60.ネタバレ  「彼にだってこんないいところがある、あるいは事情がある」みたいなドラマなんかによく見られる安っぽさを完全に排除して、清丸を完全な屑として描写している点には好感が持てました。ただ逆に蜷川に落ち度がいくつかあって感情移入しづらくなってるのは残念。「第三者に何らかの害を与えた場合は、無効」くらいの条件をつけてほしかったな。
 映画としては、まあ冷静に考えれば皆さんのおっしゃるような突っ込みどころはありますが、誰が情報をもらしているか等、なかなか先が読みづらい点があって楽しめました。
 ただ、清丸を殺していい理由はいくつもいくつも提示される中、殺していけない理由が少しも提示されなかったのがかえっていいなと思ってたら最後の最後で「死んだ〇○ちゃんも望んでない」なんて手垢がつきまくった恐山のイタコまがいの台詞が出てしまったのは少し残念です
rhforeverさん [地上波(邦画)] 7点(2014-06-17 10:35:42)
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59.ネタバレ 素材が藁ではどんなに束になろうとも、楯の役目は果たせません。ではなぜ精鋭の警官隊が藁に成り下がってしまったのでしょうか。10億円の懸賞金が原因?それも一因。しかし大多数の善良な警官が金に転ぶワケがありません。最大の要因は警護対象者。万人が認める鬼畜。壊れた人間。自分自身の良心に対する言い訳は十分でしょう。そんなクズに命を懸けられる人間は、それだけで尊敬に値します。藁の中の鋼鉄の芯。無念にも、ある者は折られ、ある者は深く傷つきましたが、見事楯の役目を果たして見せました。何という矜持。プロフェッショナルの凄みを見せつけられました。さて、批判集中のリアリティの無さについて。私も正直、監督の正気を疑いました。大沢以外のSPが防弾チョッキを付けていないなんて有り得ませんもの。しかし批判を受けるのは三池監督だって承知のはず。きっと監督はリアリティよりも死に際のドラマを優先させたのだと思います(ヘッドショットだと即死ですからね)。この決断力!流石エンターテイメント馬鹿!娯楽の意味をはき違えている可能性も否定できませんが、いずれにしても徹底しているのは素晴らしいです。私は1周回って、アリだと思いました。個人的には清丸の量刑は無期懲役、いっそ大沢は最期死んで欲しかったと思います。中途半端なカタルシスより、腸が煮えくり返る感情も快感の一種と考えます。
目隠シストさん [地上波(邦画)] 7点(2014-06-06 21:29:06)
58.ネタバレ ディティールが粗い。これは鑑賞した人ほぼ全てが感じる事だろうと思います。そもそも冒頭で一番最初に清丸(=藤原竜也さん)を殺そうとした人からして、雑の一言にすぎる。なんでわざわざ凶器を本人に見せてから襲うのか。不意打ちでいいじゃんね。あの時点ではずいぶん信用されてたみたいだし、食い物に毒でも睡眠薬でも盛ればいい。本気で殺そうとしたんならもっと違うんじゃないかと、結局最後までそういうリアルさに弱い映画だという印象は変わりませんでしたね。

しかし内容は興味深いテーマを扱い、深く考えさせられました。
本当に人間の屑と言っていいような男に対して、そんな人間を守るべきなのか、守る価値はあるのか、殺してもいいんじゃないか、もし自分の家族が同じ目に遭ったら・・・など次々と思考が止まりません。そういう意味では『さまよう刃』と通ずるところがあるかもしれません。
ただやはり、銘苅さん(=大沢たかおさん)も言っていましたが、上記のような理屈は全て、次ぐ言葉にカネが絡んでしまうと途端に弱くなりますね。清丸の屑さは確かに筋金入りの酷いものですが、それが動機だから殺すんですっって言うならじゃあ懸賞金とかの話が出る前に実行しろよ、と。10億って言われてから動き出す人間に大義名分を掲げられても説得力はない。そういう意味では、
「チッ、懸賞金なんてなければここで撃ってやったのに」という白岩さん(=松島菜々子さん)のセリフはグッときますね。

本当に清丸が最低のキャラなので、良い映画ですが後味は最悪の映画の部類に入ります。個人的にこの映画を総評するなら、
『SWAT』+『さまよう刃』+『ファニーゲーム』ってところでしょうか。

あ、あと資産家の蜷川が作った「清丸サイト」の中身が、いいおっさんが何だか中二病みたいなサイトでメッセージ発信してるのが何だか嫌でした。
TANTOさん [DVD(邦画)] 7点(2013-12-26 15:32:17)
57.ネタバレ あと少しのところでエンターテイメント作品になってしまった気がする。でもそんなことは関係ない!いや~、面白かったなぁ!
トントさん [DVD(邦画)] 7点(2013-10-06 01:54:24)
56.ネタバレ  現実の凶悪犯罪事件(特に幼少児に対する犯罪)には、自分とは直接関係がなくとも、激しい憎悪の気持ちがわく。ネットの掲示板などでも、凶悪犯(特に幼少児に対するそれ)には、過激な刑罰を求める書き込みが目立つ。
 一方、人には公正な裁判を受ける権利がある。それによらなければ、いかなる罰をも受けないというのが、法治国家の国民の人権である。当然、それまでの身の安全を確保しなければならない。
 それらが激しく衝突するとどうなるか?という物語。まぁ言ってしまえば、西部劇の昔から連綿と続くテーマ。今回は、その憎しみが一旦お金に変換されて、さらに大勢の人が被疑者を追い詰める。誰も信用出来ない、絶体絶命のサスペンスである。

 見ている者としては、これは犯人を守る仕事ではなくて、日本の法治システムを守る仕事なのだと判ってはいるが、だんだんとこの犯人に憎しみを抱いている自分を発見して、戸惑う。それほど犯人のクズっぷりが見事な演技だったといえるが、それこそが制作側の思う壺という、手強い仕組みになっている。

 最後に刑事が憎しみの主に諭す言葉が、ありきたりで内容的にも納得できず、ガッカリ感が拭えない。というより、それも計算で、後の判決後の犯人の一言で、更に観るものの憎しみを増すように出来ている。
 最後まで消えないこの憎しみの力を前に、立ちはだかるのは「藁の楯」だ。多分、蟷螂の斧と同じような意味の「守る版」だと思うが、非力で虚しい楯である。もちろん守っているのは、我々を守るはずの法治システムでそこを突く憎しみの元も我々であるから、実に矛と盾の話になってくる。
 実に悩ましい話である。
Tolbieさん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-24 18:12:43)
55.ネタバレ 「清丸の様な人間を守る価値はあるのか?」この映画は数ある可能性の1つを示し、明確にその『答え』を出している。銘苅が選ばれた理由、私情や感情に流されず、体を張って職務を全うする男だからだ。凄惨な過去を引きずりながらも、それでも生きていく決意を固め、対象者を守るのは己に課した信念の為。その彼が結局は、「5人の中で一番お前を殺したかったのはこの俺だ!」と本音をブチまけている。賞金が懸かっていなかったら直ぐにでも殺していたであろう白岩、被害者の姿を見ていて、最初から感情が高ぶっていた神箸、一番まともだったのは、最年配の関谷だろうが、はたしてその感情が『まとも』だとも言えるのか?「清丸が出所して、新たな被害者が出たらその子に何と詫びる?」という奥村の台詞が的確、かつ印象的な反面、まだ起こってもいない『可能性』でしかない事を論じるのは言い出したらきりがない。そして銘苅に「言い訳でしかない。」と言われた後の岸谷五朗の、「こいつには何を言っても駄目だ…。」という演技が非常に印象的だった。ラストシーンの清丸の台詞を聞いて、やはり殺しておけばよかったんだ、という人がどれだけいるだろう?中盤、包丁で少女を脅す男を説得する関谷は、少女の命の危険を察して男を射殺してしまう。果たしてこの判断が良いのか悪いのかは、分からない。この一連の騒動の発端は人間が始めたのだ。良くも悪くも人間のする事。こういう人間の心理の一端を観れる映画としては、エンタメも入っていて単純で小難しくないので十分楽しめる内容だと思います。
mikiさん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-09-24 11:39:15)
54.「こんなやつ守る価値あんのか」という問答の多さは辟易もするが、藤原竜也のどうしようもない人間(クズ)っぷりが見事で、感情を逆立てられることこの上なし。エンドまで一貫してクズだったので、ある意味わだかまりなく見終えられた。各緊迫シーンはなかなかのものだが、人の生死はなんだかあっけないように感じた。逆にリアル?でも映画だしなー。
元祖さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-29 00:34:11)
53.ネタバレ 藤原竜也の醜悪な演技にヤラれました。
この映画のストーリーは簡単に要約してしまうと「極悪人であっても法の下に平等に扱うべきかどうか」ということだと思います。この作品は二つの解を提示する。
一つは主人公が選んだ"どんな人間も法を無視して殺されるべきでない"というもの。ましてや賞金を得るために人を殺すなんてとんでもない。
もう一つは劇中の誰もが話すように"更生が絶望的な社会のクズは法に関係なく排除すべし"というもの。この感覚を観客が共有するには清丸が更生不可で社会に害しか及ぼさない完全な悪である必要がありますが、藤原竜也は少々やり過ぎな感もありましたが、その役柄に求められるキャラクターを見事に演じ切っていたと思います。
私も主人公の最後の決断を支持したい一方で、清丸の様な人間なんて問答無用に殺してしまえばいいと思ってしまったので、まんまと三池監督の掌の上で転がされてしまっていたんだと思います。
この清丸のキャラクターの描き方は秀逸で、母親の死を知り泣き崩れる姿を見て、「ああ、やはり生まれついての悪人はいないんだな。だから更生も可能な筈だ」と思わせておいて、松嶋菜々子演じる白岩の殺害(殺した理由がオバさん臭いというのも嫌悪感を増大させる)、死刑判決時の「どうせ死ぬんならもっとやれば良かった」という発言により、観客をとことんアンビヴァレントな状況に追い込んでいく。この辺りの脚本は素晴らしいです。
それから『十三人の刺客』の稲垣五郎、『悪の教典』の伊藤英明に続いて、いつも基本的に良い人しか演じない大沢たかおのイメージを逆手にとったキャスティングも見事でした。
少し気になってしまったのは役者さんがややオーバーアクト気味だったこと。芝居がかり過ぎているというか、Vシネ時代の三池監督の作品を見ているようでした。具体例をあげるなら岸谷五朗の「無い!絶対に無い!断じて無い!!」っていう台詞とかね。まあ気になって程度ですが。
民朗さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-06 23:41:02)
👍 2
52.テーマは面白そうだけど、でも日テレ・・・。どんなもんかなぁと思ってましたが、面白かったです。娯楽映画として、十分に合格点です。
もちろん、トレーラーの炎上シーンなんかは、ハリウッドで作ったほうが迫力はあるのでしょうが、十分に見応えのある(2時間退屈させない)ものでした。
松島奈々子のSP役が、なんかちょっとSPシリーズの真木ようことかぶってみえたところと、華がほしいのはわかるけど、そもそも護送メンバーに女性が入る意味がちょっと弱かったところが減点。
なつこさん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-03 23:02:14)
51.藤原竜也さんの狂気に満ちた演技に戦慄をおぼえた。なかなか良い。ただ、松嶋菜々子さんが演じた役の白岩篤子は油断し過ぎ。
クロさん [地上波(邦画)] 6点(2014-09-01 14:46:59)
👍 1
50.ネタバレ 設定自体はユニークだけど、現実10億で日本人が殺人まで動くかというと少し考えづらいのが難。どことなくコメディなんだよね。最後のオチがもう一ひねりあるとスッキリしたかもしれないんだけど、意外とあっさり終わった。なんか犯人にからんだ人が皆不幸になる展開に哀愁があった。とっぱじめの山崎努は十分つかめた。すんなり映画に入れたしさすが。私刑あだ討ちの件とか多少は考えさせられはしたが。結論的には日本人向きではなかったかな。むしろアメリカ向き。ハリウッドに持ってけばもっと上手く料理してくれるかも。というか、似たようなのもうあるか。
タッチッチさん [地上波(邦画)] 6点(2014-08-28 15:03:25)
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【点数情報】

Review人数 69人
平均点数 5.35点
011.45%
100.00%
268.70%
345.80%
4913.04%
51217.39%
61927.54%
71217.39%
845.80%
911.45%
1011.45%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.00点 Review3人
2 ストーリー評価 6.00点 Review6人
3 鑑賞後の後味 5.50点 Review4人
4 音楽評価 4.66点 Review3人
5 感泣評価 5.00点 Review3人

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