映画『かぐや姫の物語』の口コミ・レビュー(3ページ目)

かぐや姫の物語

[カグヤヒメノモノガタリ]
The Tale of Princess Kaguya
2013年上映時間:137分
平均点:7.19 / 10(Review 113人) (点数分布表示)
公開開始日(2013-11-23)
ファンタジー時代劇アニメ小説の映画化
新規登録(2013-07-23)【鉄腕麗人】さん
タイトル情報更新(2023-05-24)【イニシャルK】さん
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監督高畑勲
朝倉あきかぐや姫/女官
高良健吾捨丸
地井武男
三宅裕司翁(一部代役)(特別出演)
宮本信子媼/語り
高畑淳子相模
田畑智子女童
立川志の輔斎部秋田
上川隆也石作皇子
伊集院光阿部右大臣
宇崎竜童大伴大納言
中村七之助(二代目)御門
橋爪功車持皇子
朝丘雪路北の方(友情出演)
仲代達矢炭焼きの老人
クロエ・グレース・モレッツかぐや姫(英語吹き替え版)
原作高畑勲(原案)
脚本高畑勲
坂口理子(脚本)
音楽久石譲
東京交響楽団(演奏)
作詞二階堂和美「いのちの記憶」
高畑勲「わらべ唄」/「天女の歌」
坂口理子(脚本)「わらべ唄」/「天女の歌」
作曲二階堂和美「いのちの記憶」
高畑勲「わらべ唄」/「天女の歌」
主題歌二階堂和美「いのちの記憶」
製作氏家齊一郎
奥田誠治(製作担当)
スタジオジブリ(「かぐや姫の物語」製作委員会)
日本テレビ(「かぐや姫の物語」製作委員会)
電通(「かぐや姫の物語」製作委員会)
博報堂DYメディアパートナーズ(「かぐや姫の物語」製作委員会)
三菱商事(「かぐや姫の物語」製作委員会)
東宝(「かぐや姫の物語」製作委員会)
高井英幸(「かぐや姫の物語」製作委員会)
島谷能成(「かぐや姫の物語」製作委員会)
市川南〔製作〕(「かぐや姫の物語」製作委員会)
ウォルト・ディズニー・ジャパン(「かぐや姫の物語」製作委員会)
製作総指揮フランク・マーシャル(英語吹き替え版)
企画鈴木敏夫
プロデューサー西村義明
制作星野康二
スタジオジブリ
配給東宝
作画百瀬義行(特任シーン設計)
安藤雅司
小西賢一(作画監督)
大杉宜弘(原画)
森田宏幸
タツノコプロ(作画協力)
日本アニメーション(作画協力)
古屋勝悟(原画)
美術男鹿和雄
編集小島俊彦
録音東京テレビセンター(音響制作協力)
浅梨なおこ(音響監督)
その他スタジオジブリ(提携)
日本テレビ(提携)
電通(提携)
博報堂DYメディアパートナーズ(提携)
三菱商事(提携)
東宝(提携)
久石譲(指揮・ピアノ)
高畑勲(劇場公開時キャッチコピー【ノンクレジット】)
太田光(DVD・ブルーレイ用キャッチコピー【ノンクレジット】)
IMAGICA(デジタルラボ)
種田陽平(協力)
読売新聞社(特別協力)
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💬口コミ一覧

73.ネタバレ 期待していなかったので度胆をぬかれました。近年稀にみる素晴らしい作品です。エンターテイメント性はないから本当に「アニメ」という媒体を通して人々に「伝えたい」という情熱だけで制作されたのだろう。「利益の為の映画」が山のように作り出される昨今、奇跡のような作品。これは完全に「大人のアニメーション」。「13歳で結婚、14歳で出産。恋はまだ知らない」という言葉に代表されるような女性差別の世界の現状を実感していたり、ある程度の人生経験がないと胸に迫るものが少ないないかもしれない。少し大人になると知るのです。自分が心が壊れるような悲劇を経験したとしても、空は青く、四季は巡り、桜は咲き、地球は回る。自分の悲劇に共感するように空が赤く染まることはない。変わる事なくそこにあり、私たちを包み込む(故郷のように)だからこそ、また立ち上げれる。「なんてことはない」のだと。かぐや姫の愛した人の情熱とそれを包みこむ自然の美しさを今の人間はどうしているのか?女性の物語、というだけでなく、蕾のまま枯れる桜が出現し、500年以上分解されない毒を作り出して垂れ流す現代に問いかけてみる事が必要かもしれない。 捨丸ですが赤ちゃんが「父ちゃん」と言っているだけで父のいない親戚の子がそう呼んでいるだけかも? かと言って捨丸といっしょになって幸せになれたとは思えない。竹の子は誰のものにもなりたくない筈と思う。月の衣をまとった途端「忘れる」のは原作にも書かれているようで。何百年も前から「忘却」の意味は変わらないのですね。
果月さん [地上波(邦画)] 8点(2015-03-14 01:21:40)
👍 1
72.物語、美術、音楽、演出の足並みの揃い方が、既存のアニメ作品としての常軌から完全に脱している。

高畑勲のアニメ製作に対する至高の情熱に、畏敬の念を感じざるを得ない。
aksweetさん [DVD(邦画)] 8点(2015-02-13 02:32:02)
71.ネタバレ すごく良かったですね~。ラストなんて、うるっときちゃいました。「竹取物語」をアニメ化すると聞いたときは、なんで今頃?とか、長編に出来るの?なんて思ったものですが、アメリカのアカデミー賞にもノミネートされましたし、文化発信の役割を見事に果たしてますね。そして竹取物語を、一人の女性のラブストーリーとして、見事なまでに脚色してある。竹取物語は俗世の愚かさみたいなものを描いた話と感じてたけど、本作は5人の男たちが宝物を探してくるエピソードとか、なんか微笑ましいというか笑えるんですよね。全体的に嫌味がないというのかな、ラストのかぐや姫のセリフを見ても、人は愚かで困った生き物だけど、それも含めて総じて人は素晴らしいのよ、みたいな、そういう賛歌を感じました。姫が疾走するシーンもタッチが変わって印象的。音楽も素晴らしかった。傑作と言ってもいい出来です。
あろえりーなさん [DVD(邦画)] 8点(2015-01-20 23:19:05)
70.ネタバレ 観終わった後、精神的に大変疲れました。

物語終盤にかぐや姫が、「私、捨丸兄ちゃんとならずっといられたかも」という言葉に対して、「それは絶対にあり得ない」と感じたからです。それは、「人生は時間に限りがあり、かつ自分がこうしたいことが必ずしも叶うわけではない」からです。

物語中盤、かぐや姫は貴族的な生活を始めましたが、徐々に疎ましく感じていきます。自分はこうしたい、またはこんなことしたくないのに、「姫様はそういうことをするべきではありません」「姫様はこれぐらいのことができて当たり前です」などと強要され、貴族の姫君としての教育を受けさせられます。最終的には、帝からの求愛に対し、これ以上ない嫌悪感を抱き、「この世になんていたくない」と思ってしまい、そしてそう思ったことが、月へ戻らねばならない、というきっかけになってしまいました。

では、「私、捨丸にいちゃんとならずっといられた」場合だったらどうでしょうか。捨丸一家の暮らしは貧しく、椀を作るための木がなくなれば、新たな生活の場所を探さねばなりません。一度、都でかぐや姫と捨丸が再会した時には、捨丸はその日の糧を得るために、仲間とともに盗みをしなければならないほど困窮した状況でした。

そのような捨丸とともに生活をしていたらどう感じるでしょうか。一生懸命、椀を作りながら生きていこうとしているのにもかかわらず、盗みを働いてしまうほど困窮してしまうこともある。そんな生活で、かぐや姫が「こんなにいいお椀をつくっているのに、なぜこんなに苦しいの?不公平だよ!おかしいよ!」などと感じるかもしれません。そしてもしそう感じたとしたら、「こんな理不尽な世界になんていたくない」と心で叫ぶこともあると思います。

結果として、かぐや姫はどのような生活であっても、「この世にいたくない」と感じてしまい、月に帰らざるを得ない。それに気づかない(気づくことができない)かぐや姫は、哀れとしか言いようがありません。

このように、人間の逃れられない「定め」というものを、映画で、ここまでありありと見せつける必要があったのか、という事にとらわれてしまい、観終わった後、非常に疲れてしまいました。
たかmk2さん [試写会(邦画)] 8点(2014-04-02 00:06:56)
69.ネタバレ あの「かぐや姫」の物語がこんなにも心を揺さぶる話だったのか・・と
最近涙もろくなった私はボロボロと涙と風邪気味の鼻水を(汚くてスミマセン;)
垂れるにまかせエンドロールを眺めていました。
描きこんでいない?だからこそ良い意味でのザラザラ感が素晴らしい映像。
声優さんじゃないのに翁媼をはじめとするさすがの役者さん達の声の表情が
一体になって画面に引きずり込みます。
最後の場面のみ、月と菩薩?で、あの音楽??と違和感が残りましたが、
観て数日経った後でもあの調べだけが耳に残って・・印象的だったのかも;です。
高畑監督ありがとう!!
AKOさん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-27 11:31:19)
68.ネタバレ かぐや姫が今風の顔立ちだがそれは監督の狙いだとわかる。かごや姫の生活が現代の女性の悩みと同じだと言いたいのだろう。そしてジブリお得意の偽善エコ暮らしのすすめ。
ちょっと「おもいでぽろぽろ」を思い出す。
捨丸兄ちゃんと最後駆け落ちしそうになるが、あんた先「自分はみんなを不幸にした」と落ち込んでいたじゃないか、全然反省してないじゃん。これが罪なの。
確かに映像は凄い、マンガ昔話なら15分で終わってしまう話を2時間以上かけても飽きずに見る事ができた。
ラストはどうなるのだろう、昔見た市川昆監督、沢口靖子主演の「竹取物語」の悪夢が蘇る、迎えに来た仏様の音楽が全く空気を読んでいないのが笑えて怖かった。かごや姫も最後はじけて踊りながら帰って行けばよかった。
かごや姫は宇宙人でなく黄泉の国から来た人なにね。
最後「2001年宇宙の旅」を意識したのか月に浮かぶ赤ん坊の姿に興醒めだ。このカットを見せられたのが罰なのか・・・。
こねこねこさん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-16 22:19:26)
67.ネタバレ あまりにも原作通りで、あの高校の教科書で読んだ竹取物語まんまで。もうちょっとストーリーを少しだけでいいからずらしてほしかったようにも思いました。でも、この原作のストーリーまんまなのに、肉付けだけでここまで面白くできるのはすごいです。キャラクター造形がしっかりしていて。音楽もすばらしくて。最後のエレクトリカルパレードもすごくて。恐怖ですよ仏様が。怖かったなあ。
コダマさん [映画館(邦画)] 8点(2014-01-10 00:39:12)
66.ネタバレ 内田吐夢の原案というのがまず面白い。内田吐夢というとどんな地味な題材もダイナミックかつ面白くしてしまうキング・ヴィダーのような名匠でした。「土」なんか農村の様子を延々と撮るような内容で「誰がどう考えても売れない」題材をヒットさせてしまいました。流石に「かぐや姫」はアイデアが斜め過ぎて没になってしまったようですが、そこに目を付けた高畑監督。
五年の歳月を駆けた作画の動きは流石です。今回の「竹取物語」は何故彼女が竹の中にいたのか?何故彼女は月からやってきた?などなど古典で語られなかったテーマについて新しい視点で描いていきます。
そうテーマは斬新で良かったのですが・・・いかんせんヒロインの性格が面倒くさい。
言いたい事があるならストレートに言えばいいのに・・・物凄く遠し、だけどズケズケとした物言い。解ったからハッキリ言ってくれよ・・・少くとも多くの人間を言葉で振り回す彼女は「罪な女」です。彼女を竹の中に閉じ込めた月の両親も真っ青です。
いやー高畑監督は良い意味でマジの「キチガイ」です。富野由悠季監督でもここまで狂ってません。「トトロ」で盛り上げておいて「火垂る」でハートフルボッコのリバーブロー・・・まともな人間がこんな凄い映画を作れる筈がありません(褒めてます)。
かなり長さを感じましたが、中々の作品でした。
すかあふえいすさん [映画館(邦画)] 8点(2013-12-31 19:57:22)
65.ネタバレ 山の子どもたちが歌っていたわらべ歌は、こういう続きがありました。
「人の情けを育みて、まつとし聞かば、今帰り来む」
「まつとし聞かば今帰り来む」は百人一首にも取られた歌です。
それは「本当に私を待ってくれるのならば、いつでもそこに帰ってきます」という別れの際の名残惜しさをうたったものであり、いなくなった者が戻ってくるよう願うおまじないの歌でもあったそうです。
歌は、月の使者からかぐや姫へのメッセージでもあったのかもしれませんし、
かぐや姫が月の使者へあてたものかもしれませんし、
月に帰還した女性が地球にあてたものだったのかもしれません。
また、姫に求婚をした5人があげた宝物とは、それぞれ「ツバメの子安貝」「龍の首の玉」「火ネズミの皮」「蓬莱の玉の枝」「仏の御石の鉢」でしたが、これがわらべ歌の「鳥、虫、けもの、草木、花」という歌詞と対応しているのです。
「鳥→ツバメ、虫→蛇、転じて龍のこと、けもの→火ネズミ、草木→玉の枝、花→鉢」というように・・・
これも、5人の言った宝物が「ニセモノ」であることの皮肉のように感じます。
「水車よ回れ」という歌詞には、輪廻転生の意味がこめられているのでしょう。

また、捨丸には奥さんも子どももいるのに、そのことを完全に忘れて姫とともに逃げようとしたことに違和感がありましたが、これが「夢」であれば納得できます。夢は、その人の願望や欲望が現れ、現実の出来事とは断絶されたものなのですから。
ヒナタカさん [映画館(邦画)] 8点(2013-12-16 10:36:35)
64.ネタバレ 溝口健二の「雨月物語」を見た後と同じ気分になった映画です。元々誰もが知っているベタすぎる題材を、徹底的に作り込んだ映画。恥ずかしながら原作は中学の授業で冒頭だけ、あとはあらすじしか知らなかったので、幸か不幸かとても面白かったです(他のサイトでは原作を読んでいる人から「冒涜だ!」とまで批判されていたので・・・)。ストーリー自体は、斬新な設定や奇をてらった展開はなく、とてもストレート。けど、あらすじだけならそれこそ「×分で分かる古典文学あらすじ」的な本で済ませればいいワケで、この映画はあらすじや絵本からは抜け落ちてしまう部分をとても丁寧に描いていたと思います。何から何まで全部説明してくれるワケではないので、まだ消化しきれてない部分もありますが、ただ単に庶民の生活や自然はこそが美しい、貴族の生活は醜いというようなステレオタイプには描かれていないと思います。姫が地球を去っていく時に、地球の人々を俯瞰で見つめるカットには、身分の差こそあれ人々がみな平等に描かれていたと思います。全部ひっくるめて人間です、って感じでしょうか。
ゆうろうさん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-27 10:00:10)
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63.日本人なら誰もが知っている竹取物語。それを高畑勲が作るとどうなるのか興味津々でしたが、今を生きる大切さを改めて伝えられた感じ。生きていればあらゆる困難が待ち受けるが、それに抗って精一杯力いっぱい生きろ!と。小さな頃に読んだり見たりした物語をより深く理解できた気がします。現役僧侶という変わった経歴の二階堂和美さんの作詞作曲の主題歌『いのちの記憶』は優しく強く語りかける歌い方で生きる歓びを歌い上げていて凄く良かったです。歌詞を読んでいると情景が浮かぶし余韻に浸れますね。水彩画や昔から伝わるや絵巻物のような画でそのまま動かしているのは他のアニメとは一線を画しておりインパクト大。登場人物の表情が豊かで優しく力強く、虫や草花、野山の木々など繊細で美しく描かれていて圧倒されるほど素晴らしい。キャストはジブリお得意の俳優メインですが一切の違和感なく物語に入り込めました。この作品に係わった人は作り上げた事を誇っていいと思います。海外にもぜひ持って行って日本のアニメの奥深さを広めて欲しいですね。
ロカホリさん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-26 21:12:26)
62.今は亡き監督と声を担当された、声質にも味のある方々に支えられた作品で、きっと携わった方々も幸せだったのではないかと察します。ジブリの特性か、プニョに出てくる海の女神と同じような呆気にとられた月の菩薩様の登場。物語がそこに収斂されるのを理解できるのはまだまだ時間がかかりそうです。女童の声と絵と声優さんのイメージが合いすぎて、どちらが先に決まったのかさえ気になるほどでした。細かいところにまだまだ細工がたくさんありそうなので、もう一度ゆっくり味わいたいと思います。
HRM36さん [地上波(邦画)] 7点(2018-05-21 09:44:56)
61.金曜ロードSHOW!冒頭の監督インタビューで
「竹取物語をこのようにやったら分かるんじゃないか・・という方向でずっと作ってきた・・・」と言っていましたが、
エンドロール終わって納得です。

特徴的な絵が素敵ですね〜。非常に美しく、色彩豊か!!
物語は、私のなんとなく知っている、”竹取物語“とおんなじ展開で、興味が惹かれる展開はありませんでした。
しかし、エンドロールで、かぐやの成長と別れまでの映像が流れ、久石譲のピアノ、主題歌を聴いていると、涙がでてきました。
約2時間15分。長かったと感じていましたが、エンドロールでその長尺が活きてきたかと思います。
誕生の喜びの後には、別れという悲しみが必ず待っている・・・・。そんな事を考えてました・・・。
エンドロールの余韻と、美しいピアノ、曲に+2点です。
へまちさん [地上波(邦画)] 7点(2018-05-19 20:55:43)
60.ネタバレ このサイトへの6年ぶりのレビューがコレ。

物語終盤でヒメと捨丸が自由自在に空を飛んでいるワケだが、
ワイが見てたのはジブリ作品のはずやのに、
なんでいつの間にディズニー映画みたいになっとんのよ。
それと別れの場面で媼の手から離れる時に
ヒメが両手を垂れながら後ろ向きに進むあたりも、
なんかのホラー映画みたいになっとるし。

月に召される時のあの軽やかで心地いい音楽がまた哀しげで・・・
MIKADOのアゴにびっくりしたので7点献上。
☆Tiffany☆さん [地上波(邦画)] 7点(2018-05-19 00:18:23)
59.ネタバレ 一般論としては“生きるために生まれてきた”というのが重要なように見える。映画を見ていると、なんで登場人物がそんな大事なことを都合よく忘れるのか?と思うわけだが、しかしそれを忘れて生まれるのは姫だけでなく人間全部が同じと思えば、少なくとも若年者に対しては劇中世界を超えた普遍的なメッセージになっている。
姫の犯した罪と罰というのは意味がわからなかったが、生きる苦痛から逃れようとしてこの世を去らねばならなくなり、親を泣かせた上に自分がしたいこと、すべきこともできなくなったのが罰なのだろうとは思う。それにしても逃げに走ったのが一瞬だけだったのに、いきなり召還というのは酷な気もしたが、それは罰というより父親が早く実家に呼び戻そうと待ち構えていた感じだったのではと思ったりする。

ところで最後の迎えが阿弥陀来迎図なら、西方極楽浄土(いわゆる極楽)が月にあるような設定ということになる。現代では天国とか極楽とかいったものがディストピア風に扱われることが多い気がするが、しかし昔は生きること自体が本当に過酷だったからこそ、輪廻を離れて永遠の安穏が保証された世界を願ったという面もあったのではないか。それを安易な逃げとして簡単に否定してしまう今の日本はよほど恵まれた時代なのかも知れない。また歴史的に見れば、実際に平安末期から大流行した浄土信仰を否定して終わったようなのが時代に逆行した感じで変な気もする。
自分としては残念ながらあまり心に染みるものはなかったが、しかしここのレビューを見ていると結構さまざまな見解があってなるほどと思わされる。そのように見た人それぞれの反応を引き出せる深みを持っているのは、この映画が優れた創作物であることの一つの証明かも知れない。

ほか余談としては姫の屋敷がそれらしい感じの寝殿造りで、東に中門があって西に釣殿があり、実在した「東三条殿」を模したような構造だったのが興味深い。こういう建物が出て来るからには劇中年代は平安時代ということになる。また富士山から煙が上がっていたのは芸が細かい。
登場人物では「車持皇子」の一人芝居に笑った(これはやりすぎだ)。「御門」の顎はハプスブルク家の真似ではないか。また、ひときわ雑な顔をしている「女童」は、最初は不気味に思ったが、結構愛嬌があって可笑しいキャラクターなので和んだ。これはこれで有能な人物なのだろうが何歳の想定なのか。なんで田畑智子さんがこんな役をやっているのかもわからない。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 7点(2018-05-19 00:00:09)
👍 1
58.まずは脇を固める声優陣の演技が素晴らしいと思う。唐突で分かりにくいところがある古典が、現代人の我々にも感情移入できるように表現できているのは、声優陣の力が大きいのかなと。ただ脚本がちょっと理屈っぽいかなあと。屋敷から走り出るところとか、月に帰るところとか、アニメーションとして息を呑むような美しいシーンもいくつかあり見応えがあった。
すらりんさん [地上波(邦画)] 7点(2017-08-05 14:24:05)
👍 1
57.ネタバレ 竹取物語の基本ストーリーを一歩も離れずに、137分の長い上映時間を飽きずに見せる演出は見事 これだけ長いのだから翁が突然貴族に目覚める所とか、貴族達がかぐやを求める理由を描いて欲しかった おとぎ話なのだから美しい姫が欲しいの一言なのだろうが2時間を越える映画なのだからそこは設定して欲しい 映画全体から漂う居心地の悪さというか、はっきりと気持ち悪さが漂う 途中唐突に逃げ出したかぐやが屋敷に戻るとか、捨丸との邂逅シーンとか、作り過ぎな所もちょっとチグハグな様にも思えた 捨丸が家族を捨ててまでかぐやと逃げようとした所などはちょっと狙い過ぎであざとい感じがしてしまう 屋敷から逃げ出したかぐやのシーンのインパクトが強くて映画のイメージのほとんどをあのシーンに持って行かれたのは良かったのか悪かったのか しかしまぁ、名シーンだとは思うが エンディングも思い切り作為が有りすぎてあの舐めた音楽といい、狙い過ぎ しかし初めて見るイメージのアニメであることに間違いない キャッチコピーのかぐや姫の罪と罰とは、かぐやが言い出した無理難題のために求婚者達に降り掛かった不幸の事を言ってるのだろうが、テーマとしては非常に浅い感が拭えない 捨丸やその家族まで不幸にしてしまう存在がかぐや姫ということなのだろうが、その罰が羽衣を着て地球での事をすべて忘れて月に帰るというならばやっぱりなんか浅い 本来神様ってそういう残酷な存在でもあるが、この辺は違う解釈で話を終わらせても良かったんじゃなかろうか
にょろぞうさん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2015-07-05 13:43:14)
56. 誰でも知っている話をアニメ作品としてよく表現しています。特に後半、引き込まれました。
海牛大夫さん [地上波(邦画)] 7点(2015-03-26 22:59:57)
55.とにかく映像が素晴らしかった。着物や自然の色彩の美しさ。動物たちの可愛さ。かぐや姫の可憐さ。物語はともかくとして、日本のアニメとしての奥ゆかしい映像の素晴らしさを感じることのできる作品でした。
ギニュー隊長★さん [地上波(吹替)] 7点(2015-03-20 23:46:32)
54.ネタバレ 強欲なおじいさんと対照的な変わらないおばあさんが救いだった
osamuraiさん [地上波(邦画)] 7点(2015-03-16 13:58:10)
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 113人
平均点数 7.19点
000.00%
100.00%
210.88%
310.88%
497.96%
597.96%
61815.93%
72421.24%
82017.70%
91916.81%
101210.62%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.22点 Review9人
2 ストーリー評価 7.85点 Review14人
3 鑑賞後の後味 7.37点 Review16人
4 音楽評価 7.86点 Review15人
5 感泣評価 7.42点 Review14人

【アカデミー賞 情報】

2014年 87回
長編アニメーション賞 候補(ノミネート) 

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