映画『白ゆき姫殺人事件』の口コミ・レビュー

白ゆき姫殺人事件

[シラユキヒメサツジンジケン]
2014年上映時間:126分
平均点:6.28 / 10(Review 57人) (点数分布表示)
公開開始日(2014-03-29)
ドラマサスペンスミステリー小説の映画化ネットもの
新規登録(2013-11-05)【目隠シスト】さん
タイトル情報更新(2024-03-08)【イニシャルK】さん
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監督中村義洋
キャスト井上真央(女優)城野美姫
綾野剛(男優)赤星雄治
菜々緒(女優)三木典子
蓮佛美沙子(女優)狩野里沙子
谷村美月(女優)前谷みのり
金子ノブアキ(男優)篠山聡史
貫地谷しほり(女優)谷村夕子
染谷将太(男優)長谷川
小野恵令奈(女優)満島栄美
ダンカン(男優)城野光三郎
秋野暢子(女優)城野皐月
宮地真緒(女優)間山
山下容莉枝(女優)八塚絹子
野村佑香(女優)島田彩
朝倉あき(女優)平塚
生瀬勝久(男優)水谷
飯田基祐(男優)テレビ局員
芦川誠(男優)日の出化粧品課長
宮本真希(女優)東山先生
最所美咲(女優)中継レポーター
小室正幸ワイドショーのVTRナレーター
原作湊かなえ「白ゆき姫殺人事件」(集英社文庫)
脚本林民夫
音楽安川午朗
作曲安川午朗
撮影小林元
製作松竹(『白ゆき姫殺人事件』製作委員会)
集英社(『白ゆき姫殺人事件』製作委員会)
博報堂(『白ゆき姫殺人事件』製作委員会)
松竹ブロードキャスティング(『白ゆき姫殺人事件』製作委員会)
深澤宏(『白ゆき姫殺人事件』製作委員会)
配給松竹
編集川瀬功
録音松本昇和
照明加瀬弘行
あらすじ
長野県のしぐれ谷国立公園で、化粧品会社のOL・三木典子(菜々緒)の惨殺死体が発見された。容疑者は同僚の城野美姫(井上真央)。知人の狩野里沙子(蓮佛美沙子)から情報を得たテレビディレクターの赤星雄治(綾野剛)は、取材を開始する。
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💬口コミ一覧

57.ネタバレ この作品はミステリーの部分を楽しむ映画ではない気がします。
車の鍵は慌ててたから開いてたとしても、どうやって車のエンジンかけた?
と突っ込まずには居られません。
人々の証言・記憶は自分の都合の良いようにアウトプットされそれを受け取る側も
自分の都合の良いようにインプットしていく。小さなズレど思い込みと
願望が事実を少しずつ、現実の物と違う物にしていく。
それに加えてマスコミの意図を持った切り口で編成された放送だけを見れば
多くの人が憶測とどこか知りながら、勘違いや思い込みを加速させて行く。
人のずるさ、無責任なマスコミの商業主義を小気味良く皮肉って居て
それが何ともツボでしたね。

また、蝋燭のシーンで終わらず、赤星雄治が城野美姫に車でひかれかけるシーンがあります。
赤星が城野の顔に気がつかない、あるいはしらない?というのをどういう意図で作ったかは分かりませんが
あんな見通しの良い場所で突っ込んで行って「当たってないですよね?」で立ち去ろうとし
呼び止められた答えが「良いことありますよ」って、優しさで言ったようにも見える反面
ある意味、他人事の上から目線で言ってるように取れなくもない。
自分にはあのシーンは、城野を勘違いが重なった可哀想な被害者だけで終わらせない
心の奥底にある黒い部分を見せたかったのではないかと。
赤星は城野の親に謝罪に来てる訳ですから赤星が町に居る事を城野が知って居てもおかしくはない訳で
自分の運転で転倒させてる訳ですから、例え接触が無くとも本当にいい人なら
まず謝罪があってしかるべき。なんですよね。
城野は赤星に対して「こいつのせいで・・・」とわざとギリギリの方法で一発カマしたとも取れなくもない。
殺人に関しては白かもしれませんが、芹沢ブラザーズに関しては、
故意で無かったとしても傷害を負わせた逃げた責任は?
謝罪も責任も負ってないとすると、ちょっとずるくない?
もしかすると、犯人が殺人を犯す事を察知した城野が車のドアわざとロックせず
鍵もおいておき全て見越して誘導した・・・なんて。
さすがにちょっと考え過ぎですかね(笑)

久しぶりに自分的には当たりの作品でしたね。
デミトリさん [DVD(邦画)] 9点(2016-09-30 16:06:38)
👍 1
56.ネタバレ 良かったです。少し長いようなきがしました。最後 ろうそくの場面で終わったほうが良かったかも。車にひかれそうになる場面では、赤星が城野に気がつかない事がなにか意味ありげに描かれていますが(1.顔の判別が出来ないほど意気消沈している?2取材の対象が生身の人間であるという意識が希薄なので実際に取材以外の場所で出会っても顔が判別出来ない?3そもそも自己アピールのみが目的だったので、顔なんて覚えていない?)蛇足のような気がします。
紫電さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2014-12-13 21:38:23)
55.ネタバレ なたね @nata_01 赤星雄治(無関係)って、ワロタ(笑 。うまいよ、原作超えてる。さすが、中村監督。☆4つ半
なたねさん [DVD(邦画)] 9点(2014-10-11 13:04:37)
👍 1
54.ネタバレ 夕子の言葉『みんな自分に都合の良いように言う』は、なにも赤星の取材対象者に限った話ではありません。彼女自身は元より、物語上『謎解き』に該当する城野の回顧文にさえ当てはまります。嘘偽りだけでなく、自身すら気づかない改編もあるでしょう。事実を認定することは出来ても、それが真実とは限りません(だから「真実はいつもひとつ!」と能天気に断言する探偵さんにモヤるんですけど)。斯くもあやふやな『真実』が流通しているのが実態です。こうなると『信じたいものを信じる』のもアリな気がしますが、おめおめ騙されるのも癪な話。少しでも真実を見極めたいのが人情です。この際大切なのは自分の頭で判断すること。権威、宗教、思想等の『ものさし』を機械的に利用するのは要注意です。これらもまた『自分に都合の良いように言う』の例外ではありません。城野父のように『世論』という『ものさし』に踊らされぬために。疑問を持つこと、反省すること、広い世界を知こと。意識して自らに負荷をかけ、健全な心身を保つことが、後悔しない明日に繋がると考えます。人間、楽に慣れるとロクなことがありませんから。おっと、今日も日課のウォーキングに出かけなければ。
SNSと対比されるのが、アンとダイアナによる灯交信でした。情報量、スピード、伝搬力、どれをとっても蝋燭の火と比べるべくもありません。ただ、唯一勝る点があるとすれば、それは「相手を思いやる心」なのでしょう。ここに居る。あなたを気にかけている。それだけのメッセージで救われる命もあります。「昔は良かった」とは思いませんし、進んだ文明の針を戻すことも出来ません。SNSに限らず、包丁だろうが、原子力だろうが、あらゆるテクノロジーの基本は同じ『諸刃の剣』です。私たちに出来るのは『正しい目的』で使用すること。危険性を知ること。トラブルの対処法を身に付けておく事も肝要であります。主人公に降りかかった災難は、今や交通事故と同じ。いつ誰が被害者だけでなく加害者になっても可笑しくありません。ラスト赤星が城野に轢かれかけたのはそういう意味。SNSに規制をかけることも必要ですが、それ以上に使用法の教育が重要なのは言うまでもありません。本事件を『他山の石』としない手はありません。
ネットの声やマスコミにより『世論』が形作られていく過程は、私たちが経験している日常と相違なく、十分なリアリティと恐怖をもって物語に望めました。そんな観客の思いを受け止める当事者・城野美姫を演じたのが井上真央さん。証言者ごとに『城野美姫』は姿を変え、実体を掴ませません。この演じ分けはお見事でしたし、美人女優が平凡・地味女を演じる違和感がまるで無かった事にも驚きました。演技派女優の実力を思い知りました。『八日目の蝉』を越えて、本作を井上真央さんの代表作としても良い気がします。
目隠シストさん [インターネット(邦画)] 8点(2020-10-10 17:23:40)
👍 1
53.ミステリーとしては説得力に欠けるオチだったけど、構成が斬新で面白かった。
嘘の証言に踊らされるマスコミやネットの反応に対する描写が辛辣で良かった。
自分はそっち側の人間じゃないよって優越感に浸れる。
逆に真実の物語は心温まる展開で、ちょっと感動しましたよ。
もとやさん [DVD(邦画)] 8点(2017-03-14 18:36:27)
52.私的には、久々の日本映画の当たりを見たという感じ。非常に良くできており、なおかつ出演陣もなかなかいいメンバーが揃っている。また、ストーリーもさることながら、現代人たち、ネットメディア、マスコミといろいろな物を皮肉っており、情報社会に踊らされる今の世の中に警笛を鳴らしている映画である。
シネマファン55号さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-09-08 13:22:22)
51.よくできた映画。製作者のセンスの良さを感じました。観終わったあとにいやな感じが残りませんでした。
えぴおうさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-20 09:18:15)
50.ネタバレ 井上真央につきます。同世代のアイドル女優たちがイケメン男子を相手に恋愛ラブストーリーをやっているなかで、彼女の選んだ選択 それは今回のこの地味な女の役です。幸薄メイクに哀しい表情、そして冴えない表情、火曜サスペンス劇場でもないのに殺人犯の濡れ衣着せられ惨めな役の部分を一人で背負込んでしまったこんな役。まるで歳相応のかわいらしさをアピール出来なかったこんな役を選び挑む彼女の女優魂に拍手をあげたい。さすが子役上がりの経験値。そして最後、バカちん綾野剛に天罰くだって終わるところは誰もが望んだ事であって こちら観てる側からしたら気持ちよくジ・エンドしてくれる。
3737さん [DVD(邦画)] 8点(2014-11-10 20:20:14)
👍 2
49.ネタバレ とにかく井上真央の百面相爆発の映画 こんなにうまい女優だったっけ 実は主演作は「綱引いちゃった!」しか見た事がなくて、こんなに色々な顔が出来る女優だとは思わなかったので驚いた したたかな殺人者から世間知らずの純情娘までシームレスで表情を変えて行く演技は見事 物語は冒頭からいかにもなクズディレクターの綾野剛がワイドショーのキワモノ情報を求めて事件を取材していく様子がそれなりにリアルで引き込まれる 取材したビデオがミヤネ屋風のワイドショーになって偏った報道にされて行く感じはよく出来ている どうせならまんまミヤネ屋を持ち込めばもっとリアルだったのにって思った 途中途中に差し挟まれるツイッターのコメントが、めまぐるしくていささかウザイが、リアルな現代の情報網を見せる そのツィートは常にいい加減で相手を非難するか、あくまでも自己享楽的でいちいちイラッとさせる ツィートが現代の軽薄さを演出するが、ポスターや予告編がいかにもスマホが鍵な感じのビジュアルなのにさほど意味が無かった ポスターは明らかにステマ これも流行の情報網の活用か 被取材者の言う事が言葉通りではなく、徐々に事実が覆って行く過程は面白いが、主人公の綾野剛が謎にせまるわけではなく、そこだけがヒロインの井上真央の独白に依る所は物語としては非常に弱い 前半に物語に謎を持たせておいて、実は真相はこうだった的な事がヒロインの独白で解決するのはドラマとしてはなんのこっちゃである 推理ドラマの様な展開を期待したら裏切られる 監督の中村義洋はひと捻りしたオチの映画はなかなかうまくて、この映画もその亜流だとおもったが、さらに探偵物のようなひと捻りが欲しかった 途中「ほんとにあった! 呪いのビデオ」の演出家らしいモキュメンタリーホラーのような展開があったり、ヒロインのパートはいきなりのファンタジーな作りで、バリエーション豊富で尚かつバラエティー感があって飽きさせない ラストのドンデン返しはマジシャンが自身でネタをばらすがごとく「あーそうなんだ」って思っただけでカタルシスが無い これは主人公が徐々に真相に迫る話にしたら傑作になったんじゃなかろうか 「アヒルと鴨」のドンデン返しと「ポテチ」の泣ける展開を合わせた良品ではある 菜々緒のお尻が4分の1程度拝めるのも吉(笑)
にょろぞうさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2014-10-10 18:48:33)
48.ネタバレ いつもながら切れ味鋭い中村監督の手腕。観ていて安心できる(?)傑作サスペンス。ただ真犯人の動機の弱さと殺害計画の杜撰さが気になるところ。綾野剛はまるで地でやっているかのようなヌメリ感ある演技で出色の出来。惜しむらくは「地味なOL」という設定ならば、もっと主人公のキャスティングを考えたほうが良かったのでは…。
Q兵衛さん [映画館(邦画)] 8点(2014-04-14 14:17:44)
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47.ネタバレ 本作はネット炎上がテーマだそうですが、実のところネット炎上よりも人間はいかに自分に都合良く記憶をねじ曲げて語るかの方が真のテーマです。さまざまな証言者が登場するが、本当に真実を語っているのは1人だけ。あとはみんな嘘を語っているか、あるいはディティールを改ざんして語っています。それを恣意的に編集すればどんなストーリーもでっち上げが可能だと言う事ですね。中盤の同僚のセリフ「これ、みんなほんとの事言ってるんですかねぇ」が全てと言っても良いです。今も昔もイジメは変わらない、ネットも現実世界もみんな無責任な事しか言わない、そんな中で城野の心に唯一届いたのがロウソクの光と言うのはいささか出来過ぎだとは思うけど、それなりに感動させてもらいました。唯一、難点を上げるとすれば、井上真央はどんな地味化粧をしても美人である事は覆い隠しようもないですね。いい役者さんだけどね、うん。
ぴのづかさん [映画館(邦画)] 8点(2014-03-29 16:36:31)
👍 1
46.ネタバレ  綾野剛演じる赤星の目線から始まる物語。
 TⅤ局に契約社員として勤める赤星。
 勤務態度は不真面目不誠実。テレビ局で得た情報をツイッターにつぶやくコンプライアンス精神皆無の男。絵に描いたようなダメ人間。見ていて辛いです。
 こんな不愉快な人間が主人公で、2時間も見ていられるか不安になったのですが、この人途中から存在感なくなっていきます。
 いるにはいるんですけど、この人が撮っている『インタビューを受ける人たち』が主体になっていきます。この辺のシフトが自然で上手。
 ただ、インタビューを受ける人たちも、おおよそ良識や常識が欠けている人が多く、辟易します。
 極端におかしな証言をしているわけではなく、なんか誰しもが持つ人間の嫌な部分をちょっとずつ見せられている感じ・・・。
 事実に個人の主観が加わりアレンジされていき、そんなちょっとだけずれた供述や証言が集まっていくイヤ~な感じ。こうやって真実が捻じ曲げられていくんですね・・・。誰かが決定的な仕事をしたわけではなく、ちょっとの誇張、ちょっとのうろ覚え、ちょっとの思い込み、ひとつひとつは『ちょっと』なんだけど、積み重なると大きな間違いへと発展していくのがよくわかります。
 こーゆー手法で、『間違った認識』を『われわれ見ている側に自覚させる』のは面白いです。
 精神的に追い詰められた城野美姫が自死しようとした寸前で流れるニュース。真犯人逮捕の報。このどんでん返し感とテンポの良さは好きです。
 それに、自己中心的な殺人犯はつかまり、劇中最も性格の悪い女はめった刺し、ダメ人間赤星もこてんぱんに罰をくらうのは、ちょっとすっきりします。
 ただそれ以外にも嫌なやつはいっぱいいて、そういった人たちに何のペナルティもないってのがちょっとね・・・。
 あと殺人はシロかもしんないけど、事故とはいえバイオリニストを突き落としちゃったのはクロなわけですから、そこは何か決着をつけてほしかったかな。
 あ、それと、大学の時のエピソードとその親友(実際は親友でもなんでもないけど)は正直要らなかったと思います。
 
たきたてさん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2025-05-06 01:02:37)
👍 1
45.ネタバレ 井上真央と菜々緒、普通に井上真央の方がきれいだと思うんですが。。皆さんどうですか? 井上真央→【良】 菜々緒→【笑】をクリック。
珈琲時間さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-09-27 21:59:17)
44.ネタバレ 前半、綾野剛演じるテレビのディレクター目線で話が進むんだけど、ここはちょいしんどかった。殺人事件から始まるのに、ノリが妙に軽いし、ネットリテラシーのなさが浮き彫りにされてウンザリするし、感情移入度はゼロ。ただ、中盤から白石監督風フェイクドキュメンタリータッチの演出になり、そこから徐々に映画にのめり込んでいき、後半は結構、ハマって楽しめました。
なにわ君さん [インターネット(邦画)] 7点(2017-06-14 00:24:17)
👍 1
43.ネタバレ 2時間ドラマのようなタイトルからまったく期待せずに見たのだが、殺人事件そのものよりも事件に対するネットの興味本位の書き込みやそれにまた踊らされるマスコミの報道によってもたらされた情報が何の確証もないまま真実であるかのように広まっていく怖さがリアルに描かれたまさに現代ならではの社会派エンターテイメント映画となっていてなかなか面白かった。構成的にはそんなに目新しさは感じないのだが、ネットとメディアを題材にしたことで、話がとても身近に感じられるのが良いし、それがこの映画のリアルな怖さにつながっているのだろう。だからというわけでもないが、ヒロインの城野美姫(井上真央)には感情移入できる部分もあった。ディレクター赤星(綾野剛)が城野の関係者たちを取材していくシーンはフェイクドキュメンタリーを見ているようで面白い。ワイドショーの取材VTRをそのまま流すシーンが二度もあったのはひょっとしたら映画館で見ていたらチープに感じたかもしれないが、あれがあることによって本作全体をワイドショーのように見せるという意図があったのだろうと思う。城野が犯人ではないと分かった後、今度は赤星が書き込みに批判され、今まで批判されていた城野が一転して書き込みに擁護されるようになるのはネット社会というものを痛烈に表していて思わず笑ってしまう。「告白」の湊かなえ原作であるが、監督が違うせいか「告白」ほどのインパクトはない。でも「告白」よりも分かりやすくとっつきやすい感じであるので、本作のほうが他人には薦めやすいかもしれない。城野がいちばん最後に赤星に言うセリフである「いいことありますよ」がなにか皮肉めいて聞こえるのは気のせいだろうか。その前にある実家に帰ってきた城野と小学生時代の友人・谷村夕子(貫地谷しほり)とのロウソクのくだりは別になくてもいいように思いながらも少しほろっとしてしまった。(原作知らないのだが、こういうところがいかにも松竹だよなあ。)それと、本作ではテレビ局がどこも製作に参加していない。別に珍しいことでもないのだが内容が内容だけについ納得できてしまう。まあ、これも憶測にすぎないけど。
イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2017-04-09 01:21:41)
👍 2
42.僕自身、何かの事件や事故の速報を見聞きした時、真っ先にtwitterでキーワード検索するクセがついてしまっている。
どこかの誰かがツイートしたその情報をそのまま鵜呑みにするつもりは毛頭ないのだけれど、情報伝達の速さ一点において言えば、一般大衆の「口コミ」に勝るものは今の時代無く、実際、緊急性の高い事故や災害などの情報は役に立つことも非常に多い。

醜聞や偏見を大いに孕んだ無責任な情報を仕入れること自体が、浅はかで、愚かであることは、きっと誰しも心の中では分かっている。
だけれども、人間は「知りたい」という欲望には勝てない。そういう生き物だからだ。もし人間にその欲望が無ければ、この社会の発展は無かっただろう。
だからこそ、twitterをはじめとするSNSにより、個々人が全世界に向けて極めてカンタンに情報を発信できるようになってしまったことは、人間の根幹となる欲望を丸裸にし、あまりに無防備な状態を生み出してしまっているのだと思う。

この映画は、一つの惨殺事件を発端として、この時代ならではのメディア批判を表面に描き出しつつ、欲望に裏打ちされた人間の弱さとおぞましさを大衆的に描き出すことに成功している。
特筆すべきはこの「大衆的」ということで、決して完成度は高くなく、高尚な描かれ方もされていないことが重要なのだと思える。
この映画から伝わってくる独特の軽薄な空気感、それは「ワイドショー」そのものだ。
劇中でも、「ミ○ネ屋」を彷彿とさせる(と言うよりもそのものの)ワイドショー番組が描かれるが、そのシーンのみではなく、この映画全体が一つのワイドショーとして、意図的な悪意に満ちた軽薄さで描き出されているように感じた。

配役も実にハマっている。
愚かな狂言回しのごとく立ち回る契約社員のTVディレクターに綾野剛。
この人気俳優は、こういう浅いのか深いのか定かではないという意味で底の見えない人間を演じるが巧い。
映画のファーストカットで惨殺体で登場するのは菜々緒。誰もが認める美人OL役を、類稀な美貌と、骨の髄から漂ってくるような悪女臭を存分に活かして好演している。このモデル出身の女優は、誰もが鼻につく印象を逆に売りにして、このところすっかり悪女役の地位を確立している。コレはコレで大したものだと思う。
また蓮佛美沙子、貫地谷しほりら実力派若手女優の配役も的確だった。

そして何と言っても、井上真央。
物語上で描き出される通りに地味で薄幸な“悲劇のヒロイン”を、大衆の想像上の犯行シーンも含めて見事に演じきっている。
印象的だったのは、この「城野美姫」という主人公が子供の頃から孕み続ける「闇」を、どの登場シーンにおいても表現できていたことだ。
物語上、「城野美姫」は“悲劇のヒロイン”として描き出されているように見える。
ただし、だ。実は事の真相は誰にも分からない。「真相」のようなものも、結局は浅はかなワイドショーで伝えられただけにすぎない。
特にこの主人公の「思惑」については、描き出された顛末以上の屈折した何かが、心の闇として見え隠れして見えた。

ラストシーンで、ヒロインは、打ちひしがれるTVディレクターに対して、「いいことがありますよ」と微笑む。
一見、「救い」のようなこのラストシーンを、額面通りに受け取ることが出来なかった。そこにこの映画が伝える本当のおぞましさが存在するように感じた。

それでも僕らはワイドショーの情報に好奇の眼差しを向け、twitterのつぶやきに踊らされ続けてしまうのだろうか。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-01-29 10:05:43)
41.何となく鑑賞したのですが面白かったです。(あんなに可憐な方なのに)地味で何にも特徴が無いと寄ってたかって言い切られるとそう見えてしまうのは恐ろしい集団心理で、ネットにツイートも相まって現代社会の闇がストレートに描かれていると思います。どちらから見るかで正義にも悪にもなる。人間はそんなに単純なものでありませんね。犯人も意外でした。
気になるのは主人公(城野)の末路。彼女の幸せを切に願ってしまった。
Kの紅茶さん [地上波(邦画)] 7点(2016-04-06 00:16:53)
👍 1
40.ネタバレ 物語の『運び』は面白かったけど、だからどーした?って感じでしょうか。
実社会には凄惨な事件がたくさんあって、ワイドショーやらネットのカキコミやらが反比例(もしくは比例?)してゲスになっていく。
そしてこんなエンターテインメントな作品が作られるまでに至ってます。
きたないもの、こわいものから目をそらし続けてきた現代に、膨大な情報を処理しきる術などないのかもしれません。
だからこそ真犯人については、その存在のみで、とってつけたようなトリックや動機は劇中でかたってほしくなかったなぁ。
ろにまささん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-13 02:30:11)
39.僕は、城野美姫の方が可愛いと思う!!!!子供の頃も現代も どっちも!
ケンジさん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2015-01-26 00:40:02)
38.ネタバレ 私は告白よりこちらの方が面白かったです。私はツイッターをやらないのでこの映画の内容が現実的なのかよく判りませんが、ネットは怖いですね。自分はツイッターもやってなくて良かったなあと思いました。それと意外に犯人も最後まで判りませんでした。被害者が実は嫌な奴だろうって事はすぐに想像できたけど、集団での犯行だと思ってしまいました。映画内のワイドショーのパロディなど笑いどころも結構あって楽しめました。
ぽじっこさん [DVD(邦画)] 7点(2014-09-23 20:24:27)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 57人
平均点数 6.28点
000.00%
100.00%
211.75%
323.51%
423.51%
5712.28%
62238.60%
71221.05%
8814.04%
935.26%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.75点 Review4人
2 ストーリー評価 6.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 5.00点 Review4人
4 音楽評価 5.33点 Review3人
5 感泣評価 4.75点 Review4人

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