映画『ナイトクローラー』の口コミ・レビュー

ナイトクローラー

[ナイトクローラー]
Nightcrawler
2014年上映時間:117分
平均点:7.24 / 10(Review 54人) (点数分布表示)
公開開始日(2015-08-22)
ドラマサスペンス
新規登録(2015-07-12)【+】さん
タイトル情報更新(2019-09-19)【Olias】さん
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監督ダン・ギルロイ
助監督マイク・スミス[スタント](第二班監督)
演出マイク・スミス[スタント](スタント・コーディネーター)
キャストジェイク・ギレンホール(男優)ルイス・ブルーム
レネ・ルッソ(女優)ニーナ・ロミナ
リズ・アーメッド(男優)リック
ビル・パクストン(男優)ジョー・ロダー
アン・キューザック(女優)リンダ
マイケル・パパジョン(男優)警備員
脚本ダン・ギルロイ
音楽ジェームズ・ニュートン・ハワード
編曲ピート・アンソニー
撮影ロバート・エルスウィット
製作トニー・ギルロイ
ジェイク・ギレンホール
ジェニファー・フォックス
配給ギャガ
美術ケヴィン・カヴァナー〔美術〕(プロダクション・デザイン)
衣装エイミー・ウェストコット
編集ジョン・ギルロイ
あらすじ
学歴と職歴のないルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)はある夜、自動車事故をカメラに収めるパパラッチを偶然見かけた事に触発され、自らも機材を揃えスクープを狙い始める。ローカル局に映像を売ったルイスは、ディレクターのニーナ(レネ・ルッソ)により刺激的な映像を要求される。ルイスはリック(リズ・アーメッド)という若者を助手として雇い、より積極的な行動を取るようになっていく。
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💬口コミ一覧

54.ネタバレ 久々に純粋に面白いと思える作品だった。
主人公ルーを演じるために12キロの減量をし、昼夜逆転の不摂生な生活をあえて送り、独特の不健康さと狂気を身につけて本作に臨んだジェイク・ジレンホール。彼の役者としての勘の良さ、器の大きさ、その余りある才能を改めて感じさせられる作品である。

本作はサイコパスの話だと聞いてはいたが、彼は本当にサイコパス(異常者)だろうか?
確かにサイコパスかもしれない。
だが、彼が持つ一面は、誰しもが持ちうる面ではなかろうか?
事故や火事などの現場で、興奮を隠せず(いや、隠しもせずが正しいだろう)カメラを高く掲げ、センセーショナルな場面をひたすら撮り続ける。
一般人にもよく見られる行動ではなかろうか?
カメラかスマホかの違いだけである。

ルーは言う。
「人が破滅する瞬間に僕は顔を出す」と。まるで死神だ。
他人の不幸を飯の種にする彼の生き方は、文字通り死神めいている。
しかしそれ以上に、現場でカメラを手にする彼は恐ろしいほど活き活きとしている。獲物を捉えた目は見開き、不敵な笑みで口元を歪ませるその様は、まさに狂気。
さながら不幸や生気を吸い取る死神である。
自らの天職(居場所)を見つけてしまった彼は、もう元には戻れない。

しかしながら、彼の持つ異常性は、果たして本当に先天的なものなのか?私は、彼の生い立ちにも異常性を呼び起こす要因があったのではないかと思えてならない。

作中で彼が家族や友人などの人間関係について言及するのは、ほんの3~4回だ。
最初は、鉄屑工場の社長に自分を売り込む時に「宝くじを当てるにもお金がないと始まらないと母は言っていた」と話す。
次に、ニーナと食事をしている時に「故郷に帰っても誰もいない」と話す。
さらに、ニーナに友達として夜の誘いをかけ、その矛盾をつかれたときに「友達は自分自身へ対する贈り物だろ?」と返す。
また「学生時代は自尊心が高すぎて妥協ができなかった」とも回顧している。

これらの発言から私は以下のように想像する。
彼は家族とは疎遠、もしくは既に家族は他界している。
恐らく彼の母親は厳格で、教育にも熱心だったと思われる。それは彼の発言には品と教養が感じ取れるからである。
彼が関わる人々(取材する住人でさえ)のほとんどは、「Fuck」や「Damn」などの汚い言葉を日常的に連呼している。
しかし彼はほとんど口にしない。
それどころか、彼は助手に対してでさえも「Please」や「Can I~?」を使い一定の尊重の念を表している。
そういった点からも、彼の教養の高さ、知性の高さが窺える。
恐らく、こういった行儀の良さがニーナや上役たちに気に入られる点でもあるのだろう。

しかし、彼は母親の期待に反して学業面では頭角を現さなかった。
故に学歴がない。基本的知能は高いだけに、それが彼にとって大きな挫折と劣等感となったのは想像に難くない。
理想と現実の乖離を認めることができなかった彼は、自尊心を高くして妥協しないでいることで、かろうじて自我を保っていたのかもしれない。
だから友達が出来ない。
知能の高さゆえ人を見下す癖のある彼は、周囲と折り合いをつけられず、友達の作り方が本当に解らなかったのだろう。
それを彼は、自身の努力不足、能力不足だと解釈してしまう。
自分の価値を高めて相手より上に立つことができれば、相手が自分を認め、崇めてくれて、友達になることができると考えたのだ。
その結果が「友達は自分自身(の努力や自己研磨)へのご褒美」という発言につながるのだろう。

彼の孤独は生活感や発言から窺えるものの、その奥に潜むのは、周囲(特に母親)に認められなかった劣等感と、彼を見下してきた周囲に対する復讐心のように感じられる。
ニーナほど年上の女性を好むのも、彼女に母親の姿を投影しているからかもしれない。
彼女に認められるために法を犯しても尽力する姿は、まるで母親に認められたい子どものよう。
反して、自分の要求に対して無条件降伏を彼女に促すのは、厳格な母親に向けたある種の復讐のようにも思える。

哀しい人間である。

これらはあくまで私の想像でしかないが、そういった視点で考えると、私はルーの非情で冷酷で下劣な品性を揶揄する気にはなれない。
本作は、ルーを通じて報道側の人間と視聴者に対する強烈なアンチテーゼなのかもしれない。
私たちは、いつだってルーになり得る。
ともすれば、いつだってルーのような人間を作り出してしまうのかもしれない。
それを肝に銘じなければならないと、私は思った。
港のリョーコ横浜横須賀さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-10-11 01:07:45)
53.ネタバレ 「コソ泥は雇わない」と言い放たれたルーがナイトクローラーとして成功してゆく過程が描かれています。目端が利く行動力であっても最初の機材購入資金が自転車コソ泥によるもので卑しい性根は三つ子の魂百までなのでしょう。この男のサイコパスぶりの極めつけであるリックを処分するやり口がえげつない。同類であるプロデューサーと共に業界のみならずどの世界でもこういう人物が存在するのだろうと思わされるもので、片時も目が離せない傑作です。願わくばこういう輩に天が罰を下さん事を!
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 9点(2020-04-17 16:22:12)
52.ネタバレ いや~ 尻上がりに面白くなっていく。主人公は道徳的にはもちろん、黒人の刑事さんが追及してた通り、法的にもアウトなことしてる正真正銘のクズなのに、「この撮影が上手くいってほしい」と願う自分がいて、不思議な感覚を味わった。第一には金になるということだが、「凄いものを撮った」と称賛され、名誉まで伴ってくる快感もあったんだろうな。ユーチューバーでもなんでもないが、気持ちは分かる。クライマックスとなる最後の現場は圧巻で、しかも完璧に撮りきったという点が、そのままこの映画の満足度に繋がっていくのが見事だ。
リーム555さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-30 20:17:21)
👍 1
51.ネタバレ 冒頭、軽犯罪に手を染める主人公のギョロリとした両の目が暗闇の中に爛々と浮かぶ。
その目を見た瞬間に、「ああ、こいつはちょっとフツーじゃないな」と感じ取れ、同時にこの映画自体の特異性を予感せずにはいられなくなる。

食いっぱぐれ、社会の底辺に潜んでいた主人公が、“ナイトクローラー”と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチ業に辿り着くことから、このある種悪夢のような“サクセス・ストーリー”が転がり始める。
こんなにも胸クソ悪いサクセス・ストーリーを未だかつて見たことがない。
と、自分の中の表向きの倫理観は、この主人公の存在そのものを真っ向から否定する。
けれど、それと同時に、外道そのものである彼の成り上がりぶりに対して、一抹の高揚感を感じてしまっていることにふと気づき、とてもじゃないが胸中穏やかでいられなくなる。

果たして、この映画の中で本当に間違っていることは何で、本当に正しいことは何なのか。
この映画は、衝撃的でおぞましいストーリーテリングの中で、その正体が何なのかということを観客に問うてくる。

「勤勉で志も高く粘り強い人間です お役に立てると思います」
“ゲスの極み”である主人公は、終始一貫してそう言って自分自身を売り込む。
自分の成功のためなら、彼はあらゆる罪も犯罪も意に介さない。
しかし、彼のその言葉自体には、微塵の偽りもない。
彼は自分の立てた成功のためのプランに対して努力を惜しまず試行錯誤を繰り返し実現している。
それは、完璧なPDCAサイクルの実行であり、そのプロセスだけを捉えればあまりに有益なビジネスの手本と言えよう。

主人公は、時間を惜しんでインターネットを貪り、この現代社会において「正論」とされているありとあらゆる理と、資本主義のルールを体現しているいに過ぎない。
故に、この映画は、決して主人公を断罪せず、さも当たり前のように“ハッピーエンド”を与えているのだ。

おぞましくも独創的に社会の病理性を“爛々と”描き出したストーリーとキャラクター造形が見事だ。
ただこの映画を成功に導いた最大の要因は一にも二にも主演俳優によるところが大きい。
ジェイク・ギレンホールの言葉通りに「異様」な存在感こそが、この映画の肝であり、テーマそのものだったと思える。

劇中、殆ど瞬きをしない主人公ルイス・ブルームの異様な眼差しが、脳裏にくっきりと焼き付いて離れない。
ただし、“フツーじゃない”のはこの男ではなかった。決して曇らせることなく彼の目を輝かせ続けるこの社会の暗闇こそが、“フツーじゃない”のだ。
鉄腕麗人さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-05-04 08:54:30)
👍 2
50.ネタバレ まぎれもない大傑作ですね。この1年で鑑賞した中では一番素晴らしい作品だったと思う。
ジェイク・ギレンホールは以前から演技派だなぁと思っていたけど、本作もまた見事な怪演を見せつけてくれます。
というか、彼は作品選びも巧いなと思うんですよね。いい脚本、そして自分ならこの役をこなせるぞって吟味してるんでしょうね。
主人公のルイスは、モラルもかなぐり捨てたクズ、というか狂人の域になっていくわけですが、
そんなクズ野郎なのに彼の心情にいつの間にかアイデンティフィケーションしてしまう。それが本作の恐ろしいところ。
最初の頃はその日暮らしをしていた無職で、ひょんなことからパパラッチの現場に出くわし、そこに自分の居場所を見出す。
多少の憐れみもあって最初は見てたけど、そのリアルな人間描写ゆえにグイグイと彼の心情に惹かれてしまうのです。
テレビ局に持って行ったら褒めて使ってもえらたというのも大きいね。承認欲求を満たしてくれた。
ちょっとした踏み外しがどんどん大きくなり、完全に一線を越えることに。でも、自分だったら、、、と思うと怖くなる。
あそこまで踏み外したりはしないと思うけど、多少のいけないことはしてしまいそうな気がする。
ニーチェが言っていた、「 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という言葉を思い出す。
自分の中の黒い部分、モラルって結構儚いものだったりするのだなということに気がつく。
こういう主人公だと因果応報で悲惨な結末になるのが普通だけど、それどころかルイスは会社規模を大きくして終わる。
この結末もまた恐ろしい。単なる映画の枠を超えて、現実のジャーナリズムの戒めになってる。
印象深いシーンは数多くあるけど、個人的には事故に遭わされタンカーで運ばれるジョーを見るルイスの顔が目に焼き付いちゃった。
人間のあまりにダークな部分をむき出しで目撃しちゃったみたいで背筋が寒かった。
あろえりーなさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-04-05 21:59:03)
👍 1
49.ネタバレ ダッジ・チャレンジャーに乗り込み、夜のLAを跋扈する不気味なダークヒーローの物語。これは紛れもない傑作だ。

ナイトクローラーという知られざる職業にフォーカスすることで、退屈さとは無縁のエンターテイメント作品として仕上がっているのが面白い。役者の演技が光るサスペンスフルな展開から、素晴らしい出来のカーチェイスを経て、再三言い続けていたメッセージを突きつける。脚本もよく練られており、全ての要素が高いレベルでまとまっている。

ジェイクが演じるルーは疑う余地のない強烈キャラだが、負けず劣らず、ストーリーやメッセージ性もかなりキツイ。成功、成果、数字のためにどこまでやれるか。要はどこまで倫理から外れられるか。

僕はやはり倫理観という範囲の中で行動しているので、ずれ気味なルーが異様な行動力で成りあがっていく様はどこか痛快に映る。ネットで覚えた受け売りで相手を煙に巻き、ライバルは排除、衝撃映像を捏造するなど八面六臂の大活躍。「勝つためにはチケットを買え」ともっともらしいことを口にしておきながら、そもそも彼の成功のチケット(カメラ)は犯罪で得たものだ。コイツは最初からズレているのだ。

そういった中で描かれる雇用主と労働者の関係もかなりエグく描写されており、この辺は経営者や就活生にはかなり刺さるハズだ。薄給で酷使され、悲惨な最期を迎えたリックも決して他人事ではない。大企業のインターンという名目で無給で働かされ、正規雇用でないゆえ簡単に切られる若者は実際多い。

面白いのはこういった点が非難などもなく、中立の視点で描かれていることだ。これはOPとEDの映像を観れば合点がいく。この映画の主役の一人は街であり、ここで起きる事件も、ナイトクローラーもインターンも、全てが粛々と流れるLAの日常なのだ。

ふとテレビを点けると、ショッキングな「バナー」が踊っていた。生放送中に銃撃事件が起きたというのだ。
その内容はまさに善良な市民を襲うマイノリティの凶弾、大都市に潜む身近な狂気。
この事件にもやはりナイトクローラーやテレビ屋の奔走(または暗躍か)があったのだろうか。
無論、この映画はフィクションであるが、そう思わせるようなリアリティを十分すぎるほど持ち合わせている。膨大な時間をかけた取材と、LAの街を主役とした撮影の賜物である。
サムサッカー・サムさん [映画館(字幕)] 9点(2015-09-29 13:59:44)
👍 3
48.ネタバレ これは傑作。とにもかくにも、ジェイク・ギレンホールの病的に鋭い目つきがいい。この目力がすべてを物語っている感じ。
どうしても実際のニュース番組と比較して見てしまいますが、当たらずとも遠からずではないかなと。ある意味で主人公ほど〝ガッツ〟のある人間は現実には少ないかもしれませんが、モラルのぶっ壊れ具合はよく似ている気がします。むしろ主人公は、多少の演出を加えつつも基本的に現場を追うことにこだわったわけで、薄っぺらなイデオロギーを振りかざしたり、そのために事実を捻じ曲げたり捏造したりはしていません。その意味では、よほどジャーナリストとしての矜持を守っていたと言えなくもありません。
ただし、主人公のモチベーションがカネなのか、名誉なのか、承認欲求なのか、今ひとつ判然とせず。また、主人公にもテレビ局にもいつか〝神の鉄槌〟が下されるだろうと期待していたのですが、それもなし。より過激なニュースをエンタメ感覚で求める視聴者の1人として、こちらまで共犯者になったような後味の悪さを残して終わるわけですが、それもまた一興でしょう。
眉山さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-12-26 02:44:06)
47.基本的に後味の悪い映画は好みではないのですが、映画評論家の有村さんが薦めていたので視聴してみました。
結果として、さすがというか当然というか、凄く良かったです。
これを見て、映画は食べず嫌いをしてはいけないな・・・と心から思った作品。
脚本が素晴らしいのはもちろんですが、それを見事に演じ切るジェイク・ギレンホールの存在が説得力を増していると思いました。
めたもんさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-22 19:38:48)
46.ネタバレ この映画は凄いです。
この映画のために10キロ減量したというジェイク・ギレンホールのギラリと光る目の表情なんか、いかにも夜に生きる男って感じでした。。
人間のクズっぷりを、とても重圧なセリフとシナリオで描いていてリアル感が伝わってきます。
人間を信用できない男がよく描かれていました。
レネ・ルッソが当時60歳。
全然そんなふうに見えません。
そんな若々しく魅力的な彼女が、体を許すことを拒んていた相手に、最後は魅了されるという、その変化に恐ろしさを感じました。
主人公が悪に染まっていく過程は、海外ドラマ「ブレイキングバッド」を思い出させました。
ブレイキングバッドが好きな方にお勧めです。
クロエさん [DVD(字幕)] 8点(2019-09-30 21:12:17)
45.アスペルガー尊大型のような主人公。全く共感できない映画ですが、緊張感と嫌悪感に参りました。
ProPaceさん [地上波(字幕)] 8点(2018-09-25 22:24:49)
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44.表情が一つ一つ無を感じさせるルイス・ブルーム。

映画という形で切り取って切り取って、
非情に感じるものの、
カネカネな世の中にこんな人って実は半数くらいの割合なのでは。

自分自身もそうかもしれない。
だとしたら、カネカネを責められるだろうか。

映画内でも、衝撃度さえあれば映像を買い取るシーンがまま描かれており、
そこに道徳心が少しでも入ろうとするも、すぐに否定される。

さて、それでもキレイに人生を送り、キレイに死を送るだろうか。

鑑賞側の置かれる状況により、偽善も義務もすべてが捉え方が変わりそう。
また、数年後に見てみよう。
元祖さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-04-02 17:39:10)
43.ネタバレ 主人公くらい頭の回転がよく、弁が立ち、悪知恵が働き、行動力があり、リスクをいとわず、いつも冷静で、さらに車の運転がプロレベルであれば、なにもこんなゲスな仕事でなくても全うな分野で十分成功できるだろうに。
と、製作サイドが全く期待しないような感想をいだきました。
さてこの主人公はどんな死に方するんだろう、と期待半分で観ていたので、このラストは意外でした。ですが、よくよく考えてみると「アリかも」と思えるようになりました。こっちのほうがリアルですよね。おそらく、いろんな分野で成功をおさめた人は、この主人公ほどではなくても、ビジネスを立ち上げる時にはいろいろ危ない橋を渡ってきているのでしょうね。世の中甘くはないですね。
と、製作サイドが全く意図していないような人生の教訓を学ばせていただきました。
la_spagnaさん [DVD(吹替)] 8点(2017-11-10 23:07:06)
42.ネタバレ TVにおいては映像こそが力。より臨場感を伴って、刺激的であればあるほど価値が上がる。一応「視聴はご自身の判断で」とか言って流す責任は取らないのもヤラシイ。こんなTV局のディレクターらも相当イっちゃってるんだけども、怪物ギレンホールに比べりゃまだまだ。目ばかりギョロギョロ大きくて薄っぺらな笑みをふりまき、御宣託めいた理屈をまくしたてる。ジャンクワードをつなげてるだけなんだけどな。
こいつの冷やっとする人間性の欠落した感、もうギレンホールが凄い。事故に遭った同業者をカメラに収める時の、その何の情も無い顔、暗い目。悪魔かと思う。この場面、担架で運ばれる負傷者の目線で描かれているので殊更ルイスの非情さを感じる。
一人でTVを見て笑い、繕い物も一人でやる。いつも一人。相棒を募っても本物の仲間になんかなれっこない。こいつは他者に与える情なんか持ち合わせていないから。警官が人間らしい怒りを向けても、女性ディレクターが特ダネに感謝を寄せても、いつもニヤニヤして一人でぬるん、としている。あー気分悪い。ナイトクローラーとは良く言えている。闇に徘徊する暗い生き物、できれば人生で出会いたくないものだ。だけど私も「刺激的な」画を求める視聴者の一人。ルイスばかりを悪く言う資格はない。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-18 00:02:56)
👍 1
41.映画というフィクションでありながら、昨今の文春砲など内容的には金儲けのためならなんでもありというものは、
この業界ではあり得ることだろうと思った。そして、意外にパパラッチって安いのねと。
何れにしても、映画としては、迫力ある映像と演出、脚本がよくできており、非常に面白い。
もともとゴマキの弟のようなコソ泥がのし上がるためには、なんでもするというちょっとダークな主役なだけに、
後味が悪いというところを除けば、この映画が評価が高いのがわかる気がします。
シネマファン55号さん [インターネット(吹替)] 8点(2017-09-06 16:03:03)
40.ネタバレ 大好物。
サイコな主人公が夜な夜な事故現場にスクープを撮りに行く・・・。こんな設定の映画は初めて。
ジェイク・ギレンホールのハマり方がすごい。後味の悪さが最高に気持ちいい。
達成したい目的のためなら何でもする男の真髄。緊張感あり。
カジノ愛さん [インターネット(字幕)] 8点(2017-05-15 21:24:56)
39.ネタバレ 【2020.2.4追記】改めて鑑賞。やっぱりジェイクギレンホールの演技がすごい。彼はブロークバックマウンテンやミッション8ミニッツ、プリズナーズなどそれぞれ全然異なるキャラクターを見事に演じきってます。映画自体の後味は決してよくないけど、良作だと思います6点→8点に変更。【更新前】いやぁ、主人公のジェイクギレンホールのいかれっぷりの演技がすごいですね。なんか流暢に持論をまくしたてる部分も不気味さがすごい。最後のハッピーエンドが後味を更に悪くしますが、あのエンディングだからより忘れられない映画になってもいます。
珈琲時間さん [DVD(字幕)] 8点(2017-02-18 19:03:07)
38.ネタバレ 何の取り柄もない、偏屈な無職の男がひょんな事から事件に出くわして写真を撮り、そのネタをテレビ局に売りつけることが出来た。そこから報道カメラマンの仕事をするようになる。助手を雇い段々とプロっぽくなっていくのだが、次第に特ダネ欲しさに悪に手を染めていく。ネタを創りこんでいくのだが、その悪どさは半端ではない。殺人未遂や不法侵入は当たり前で、最後は人殺しに手を染めるのだが。結局、ズル賢いので足がつくこともなく、ひとり生き残る。テレビ局の女性ディレクターは悪と判りながらも、良いネタを持ってくる彼のネタを今後も買うのだろう。警察の尋問は嘘ばかりで、ヘドが出そうだった。最後に何も知らない新入社員が、こいつの会社に数名入ってたが、ネタにされないうちに気付いて早く逃げだすことを切に願う。何とも後味の悪い作品だ。
SUPISUTAさん [DVD(字幕)] 8点(2017-01-29 00:15:35)
37.ネタバレ 生まれもっての偏屈な性格とプライドの高さから周囲の者とうまく馴染めず、社会の底辺を這いずりまわるような生活を送っていたコソ泥、ルイス・ブルーム。学歴も特殊な技能もなくまともに面接すら受けられなかった彼は、ある日、事故現場の凄惨な映像をカメラに収め、テレビ局に高値で売り捌く報道カメラマンという仕事と出会う。血まみれで横たわる被害者、銃を振り回す犯罪者、嘆き悲しむ家族たち…。人々の歪んだ好奇心を満たすために、瞬く間に消費されてゆくカメラの向こうの赤の他人たち。直感的に自分に向いていると感じた彼は、次の日にはカメラを買い求め、刺激的な〝画〟を撮るために夜の街を彷徨い歩くようになるのだった。持ち前の執念深さと冷徹な性格から着実に実績を上げてゆくルイス。新たに助手も雇い、厳しい視聴率競争に明け暮れるテレビ・ディレクターという顧客も確保した彼は、さらなる飛躍を図るため、人として踏み越えてはいけない一線を易々と越えてしまう――。人の不幸を食い物にして金を稼ぐそんなパパラッチたちの世界を描いているのだが、いやはや、これが実に面白い。ぎょろりとした目で訥々と持論を述べる気持ちの悪い主人公(ジェイク・ギレンホールがまさにはまり役!)に、最初は嫌悪感しか湧いてこない。だが、彼のそのプロに徹した仕事ぶりに、観客である僕たちももっと刺激的な画を求めてしまうようになるのだ。人の不幸は蜜の味とはよく言ったもの。最後など、彼の違法すれすれの計画がうまくいくようにと思わず応援してしまうほどだ。表向きは嫌悪感をあらわにしながらも、それでも本音では刺激を求めてしまう。人間とは罪深い生き物だとつくづく考えさせられてしまう。最後、この主人公に当然のように正義の鉄槌が下されると信じていた観客の期待を軽々と裏切る、後味の悪い展開も巧い。誰もが心に抱えているだろう闇を巧妙に突く、高度に考え抜かれた完成度の高い脚本だ。なかなか刺激的な映画体験をさせてもらった。この監督の次回作も期待して待ちたいと思う。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-21 22:59:14)
👍 1
36.ネタバレ もうほんとイヤなやつ、ルーとニーナ。
ジェイク・ギレンホールの役作りには感心しました、他の方も仰る通りトラビスです。
縫い物とアイロンがけをし、観葉植物に水やりをかかさない孤独な男。どっかで観たなぁ

どんな根拠があるのかしらないけど人を見下してる、ナルシストなんでしょうね
そして屁理屈のオンパレード、やってることは下衆の極み。
ニーナもイタい人です、あのメイクがそれを物語ってる
「人の不幸は蜜の味」悲惨な映像を安全な場所から高みの見物をしてる視聴者
下衆の勘繰り、下衆ワールドな映画でした。裏街道サクセスストーリー。
これをどう捉えるかも映画を観た人に委ねるというラストでした。
。。。私は、、、いつまでも続かないぞと。「スカーフェイス」のトニーもそうだったもんね。
裏街道、薄暗い部屋からは一生出られない人生、レオンもそうだった
でもルーはそれを気にしない人だろうな

映像はすばらしく、闇と光のくっきりとしたコントラストが美しい
下衆な内容だけど映画としては一級品だと思う
ギルロイ、アートな兄弟ですね。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-12 09:58:55)
👍 1
35.いい映画。
ぐいぐい引き込まれるストーリーに、主役の怪演。
タクシードラーバーと比較して語られるところも嫌いじゃない。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 8点(2016-04-24 22:11:58)
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 54人
平均点数 7.24点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
411.85%
523.70%
6814.81%
72138.89%
81629.63%
9611.11%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review3人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review3人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 2.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

2014年 87回
脚本賞ダン・ギルロイ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2014年 72回
主演男優賞(ドラマ部門)ジェイク・ギレンホール候補(ノミネート) 

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