映画『キャロル(2015)』の口コミ・レビュー

キャロル(2015)

[キャロル]
Carol
2015年上映時間:118分
平均点:7.28 / 10(Review 32人) (点数分布表示)
公開開始日(2016-02-11)
ラブストーリー同性愛もの小説の映画化
新規登録(2016-01-15)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2019-12-16)【HRM36】さん
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監督トッド・ヘインズ
キャストケイト・ブランシェット(女優)キャロル・エアード
ルーニー・マーラ(女優)テレーズ・ベリベット
サラ・ポールソン(女優)アビー・ゲーハード
カイル・チャンドラー(男優)ハージ・エアード
ジェイク・レイシー(男優)
原作パトリシア・ハイスミス「ザ・プライス・オブ・ソルト」(のちに「キャロル」と改題)
音楽カーター・バーウェル
編曲カーター・バーウェル
撮影エドワード・ラックマン
製作スティーヴン・ウーリー
製作総指揮ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
ケイト・ブランシェット
配給ファントム・フィルム
衣装サンディ・パウエル
編集アフォンソ・ゴンサウヴェス
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💬口コミ一覧

32.許されない恋に没入していく二人の女性が、強烈に惹かれ合い、惑い、激しく揺れ動く。
惹かれ合うほどに、喪失と決別を繰り返す二人がついに辿り着く真の「恍惚」。
ラスト、大女優の甘美な微笑は、この映画を彩る悦びも哀しみも、美しさも醜さすらも、その総てを呑み込み、支配するようだった。
エンドロールに画面が切り替わった瞬間、思わず「すごい」と、声が漏れた。

1950年代のNYを舞台にしたあまりにも堂々たる恋愛映画だった。
パトリシア・ハイスミスの原作は、1952年に“別名義”で出版され、1990年になって初めて実名義が公にされたらしい。2000年代に入ってようやく映画化の企画が進み始めたことからも、この物語がいかに「時代」に対する苦悩とともに生み出され、翻弄されてきたかが伝わってくる。

そして、紆余曲折を経て今この映画が完成に至ったことに、奇跡的な「運命」を感じずにはいられない。
「時代」そのものが、この映画を受け入れるに相応しい状態にようやく追いついたことは勿論だが、それよりも何よりも、この映画に相応しい「女優」が、この時代に存在したことに奇跡と運命を感じる。
言うまでもなく、“キャロル”を演じたケイト・ブランシェットが物凄いということ。

冒頭に記した通り、この大女優のラストの表情が無ければ、この映画は成立しなかっただろう。
もう一人の主人公“テレーズ”を演じたルーニー・マーラも本当に素晴らしかったが、彼女の存在だけでは今作は「傑作」止まりだっただろう。
ケイト・ブランシェットという現役最強最高の女優が存在したからこそ、この映画は「名作」と呼ぶに相応しい佇まいを得ている。
随分前から名女優ではあったのだけれど、この数年の彼女の女優としての存在感は、文字通り神々しく、他を圧倒している。

マレーネ・ディートリッヒ、キャサリン・ヘプバーン、イングリッド・バーグマンら往年の大女優の存在感は、どれだけ時が経とうとも色褪せないが、将来その系譜に確実に名を連ねるであろう大女優の現在進行系のフィルモグラフィーをタイムリーに追えることに、改めて幸福感を覚える。


今作では、冒頭と終盤に同じシーンが視点を変えて繰り返される。
男から声をかけられる寸前のキャロルの唇の動き。冒頭シーンでは遠目に映し出されて何を発されているかは分からない。
逃れられない恍惚と共に、その言葉の“正体”に辿り着いたとき、テレーズと同様、総ての観客は、彼女の「虜」になっている。
鉄腕麗人さん [DVD(字幕)] 10点(2016-10-10 23:27:07)
👍 2
31.ネタバレ ずっと気になっていた映画でしたが、やっと鑑賞。二人の女優の圧巻の演技力を見せつけられました。誰もが認める大女優のすごいオーラ。それに飲みこまれない若女優もすごい。激しいやりとりがある訳ではないのに「退屈」なんで感じることがまったくない。ギリギリまで削り取ったかのような脚本も、二人の女優の演技力があったればこそでしょう。いや~すごいわ…
男性で「フェロモン垂れ流した」みたいな表現をする事がありますが、キャロルはまさにそれでした。女性であんなに気品あふれる魅力フェロモンムンムンな方初めてみたわ。そりゃ若いテレーズはイチコロでしょう(あんな美しい妻は旦那も手放したくないでしょう)
途中まで「友情か愛情がわからない感じで最後までいくのかな?」と思っていましたが甘かったです。そんな中途半端な映画じゃございませんでした。美術も隙がなく久しぶりにクオリティの高い真の恋愛映画を観た気分です。
果月さん [DVD(字幕)] 9点(2019-09-07 22:04:58)
👍 1
30.ネタバレ こういう奥行きが深い役をケイト・ブランシェットに与えて、出番を存分に与えていれば、あとは当然のようにクオリティが上がっていくわけで、見る側としてはどっぷり浸りながらその演技を堪能していればよいわけなのです。しかししかし、さらにびっくりしたのが、ルーニー・マーラの存在感と表現力で、ブランシェットが次々に投げ込む剛速球や超変化球を、平然と全部ボレーで打ち返すがごとき高感度ラリーを繰り広げているのです。その上で、最小限の言葉で背景を言い尽くす上品な脚本と、慎み深くも職人芸を感じさせる映像や美術の充実が加わったら、もう言うことはないのです。そして、ここぞという箇所に凝縮されているベッドシーンの美しさも、監督の登場人物に対する深い敬意と愛情を感じさせます。
Oliasさん [映画館(字幕)] 9点(2017-10-24 01:02:24)
29.久々に味わう、感動的な恋愛映画でした。ほかの方も仰っていますが、二人の目の演技が素晴らしい。ルーニー・マーラが、『ソーシャル・ネットワーク』や『ドラゴン・タトゥーの女』にも出ていたとは、後から知ってびっくり。女性版ジョニー・デップと言ってもいいくらいのカメレオン女優さんですねー! 次回作は「マグダラのマリア」役とか。ぜひ早く見たいものです。あーそれにしても。元から見たいと思っていたこの作品。たまたま行った大型ショッピングセンターで上映中と知り、入りました。大きな映画館で、平日の昼間でしたので、ガラガラ。そんな中、2列前くらいのはじで、ずーっと身を乗り出して見てたおじさん(と言ってもたぶん私よりは若い人だと思うけど…爆)、1時間くらいたったとき、いなくなってしまいました。トイレかな?…戻ってきませんでした。ハハーン、あなた、ゲスな期待で来ていたのね。残念でしたねー、期待外れの高貴な恋愛映画で。
おばちゃんさん [映画館(字幕)] 9点(2016-04-27 10:12:48)
28.ネタバレ  車の窓越しのルーニー・マーラの表情から始まるこの映画、全編象徴的に世界を隔てるものが登場します。窓、車、家、部屋、扉、そしてカメラのファインダー。その内側の繊細で壊れ易い女達の世界と、外側から無神経に境界を踏み荒らし侵害する男という性と。

 我がケイト・ブランシェット姐さま、瞳の演技だけで堂々の存在感。だけど視線の演技はルーニー・マーラも負けておりません。二人の揺らぐ視線がその儚げな愛を切なく綴ってゆきます。

 ラスト、窓の奥の世界から飛び出したルーニーは男達に囲まれた世界で何も通さず真っ直ぐケイトを見つめます。真っ直ぐ見つめ返すケイト。そこにあるのは全てのフィルターを取り払った真実の愛なのかもしれません。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 9点(2016-04-08 20:05:56)
27.ネタバレ テマティスム的には、色の主題なり、視線劇の充実が語られるのだろう。
デジタル・シャープネスが指向される今時に、この軟調画面の肌理と艶だけとっても「映画」を見た満足感を与えてくれる。
雨滴の乱反射や、窓ガラスの曇り、紫煙などがさらに画面を滲ませて一層味わい深さを増している。

リビングから玄関ドアに向けたカメラポジションが、奥の空間でやり取りする人物をさらに壁ラインでフレーミングする。
屋外からの望遠による二つの窓と、その間を移動しているだろう人物の見えない動き。
それら人物の見え隠れ具合が、こちらの視線を空間の中に自然と引き込んでいく。
こうした絶妙の構図取りもまた素晴らしい。

数ある視線のドラマの中でも、とりわけ極上というべきラストのケイト・ブランシェットの視線と表情は何と形容すべきだろう。
これはもう一度観に行きたい。
ユーカラさん [映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2016-02-14 20:37:29)
26.ネタバレ 現役女優の中でも最高峰の大女優と、近い将来にその仲間入りをするであろう女優、その二人の奇跡の共演を観てきました。 これは一言、"目は口ほどに物を言う" 映画。ケイト・ブランシェットの魅惑的な視線、ルーニーマーラの羨望や敬慕の視線。二人の目の力によって成立した映画と言ってもよいほど、目の演技に圧倒された映画でした。そして、優雅で完成された美とまだ若々しく完成を心待ちにする美。対象的な二人の "美" をうっとりと見惚れる至福の2時間でもありました。 その対象的な二人の個性を一層華やかに際立たせた衣装、1950年代のニューヨークを完璧に再現した街並み、画面の細部まで拘りが行き届いた美術、本作は衣装や美術スタッフの素晴らしい仕事にも拍手を送りたい。 展開は覚悟をしていた内容でしたが、これはレズビアンや同性愛のたった一言で括れる愛の形ではなく、もっと奥が深い感情だと思いました。人が人を愛すること。それは理屈では決して説明はできません。きっとキャロルとテレーズもこの感情を言葉で説明することはできないでしょう。だから、これは恋愛映画であり、真っ当なミステリー映画。人が人を愛すること、これは解き明かすことのできない深遠なるミステリーであり、そして女は永遠に "謎" なのである。この謎は、今までもこれからも、僕らを永遠に惹きつけてやまないのだ。
タケノコさん [映画館(字幕)] 9点(2016-02-14 19:13:35)
👍 3
25.ネタバレ クリスマスだからクリスマスの出てくる映画をと漁っていたのだが、これも一応クリスマス映画と言えるのだろうか?
冒頭、クリスマス商戦真っ只中のデパートの忙しそうな光景や、家の中にツリーが飾ってあったりと、これはかなりクリスマスっぽい!と思ったけど、内容は全然クリスマス関係ないね。まさかこんなにシリアスで濃厚なラブストーリー(しかも同性もの)とは予測不能だった。それ故、かなり予想外な展開で引き込まれた。

あと、ラストのキャロルの表情はかなり印象的でしたね。私には余裕の表情を浮かべつつも内心では喜びを爆発させているんじゃないかとみた。あの後二人がどうなったのか想像するだけでも無限にストーリーが広がります。
ヴレアさん [インターネット(字幕)] 8点(2018-12-24 21:30:30)
24.様々な切り口で論評できる作品だが、ラストのケイト・ブランシェットの表情が特に印象的だった。
まさに大女優の一世一代の演技だろう。

何も語りはしない、しかし妖艶とも悠然とも言えるあの表情の中に、様々な感情やメッセージが込められており、圧巻だった。
皆さまは彼女のあの表情からどのような思いを読み取るだろうか?
nakashiさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-11-23 13:17:29)
23.ネタバレ 私の天使、天から落ちたひと――。1950年代のニューヨーク、まだ同性愛に厳しい保守的な思想が色濃く残っていたこの時代。デパート店員として平凡な日々を過ごしていたテレーズはある日、運命の人と出逢ってしまうのだった。相手の名は、キャロル。愛のない結婚生活に終止符を打ち、かけがえのない一人娘とともに新たな生活に踏み出そうとしていた美しい女性だった。人目を忍んで何度も逢瀬を重ねた二人は、ある夜、重大な決断を下す。「このまま何もかもを捨てて二人で旅に出ましょう。気の赴くまま、どこまでも西へと……」。離婚するなら娘の親権は渡さないと強硬な態度に出る夫、どうせすぐに自分の元へと戻ってくると言い張る横柄な彼氏。面倒なしがらみを一切捨てて、ただ運命の赴くまま西へと逃避行を続けてゆくキャロルとテレーズ。やがて、二人は女同士の友情を遥かに超えた運命の恋という名の美酒に溶けてゆく……。同性愛者でもあった人気ミステリー作家が別名義で発表した恋愛小説を詩情豊かに映像化した大人のラブストーリー。この映画の最大の美点は主役を演じた、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの二人の魅力に尽きると思います。社会の理不尽な仕打ちに抗うためプライドと美意識で必死に武装するキャロル、かたや自分の感情に常に忠実であろうとする若く美しい女性テレーズ。正反対であるがゆえ、またどちらも社会の中で生まれついてのマイノリティであるがゆえに、お互いの魅力に強く惹かれ合ってゆく二人。極めて純粋で情熱的な愛の形をこれほどまでに美しく演じた彼女たちの奇跡の共演に、最大限の賛辞を贈りたい。特に、二人が初めて身体を重ね合わせるシーン、僕がこれまで観たすべての映画の中でも比肩しうるもののない、もっとも官能的で美しいベッドシーンでした。もちろんそんな二人の複雑な心理を繊細に紡いだ、監督の演出力の高さも忘れてはなりません。女と女という狭い枠を超越する普遍的な愛の物語。至高の映画体験をさせてもらいました。8点。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2017-07-11 00:01:37)
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22.ネタバレ これは美のギリギリの攻防を描いている映画だ。飾り物として妻になった美女のキャロルは、ちょっと問題のありそうな旦那から娘を取り上げられそうになったとき、テレーズと出会う。彼女たちの逢瀬には、欲望などではなく、美を守る同志としての絆を感じた。この現場を旦那は盗聴する。それは興味本位のものではなく、裁判資料としてのものであったとこが、この映画の救いだ。最後、キャロルが美を崩しそうなとき(あるいは死に近づいたとき)、テレーズがまた彼女の前に現れる。そこで映画は終わる。何という切なさ。弱いながらも毅然と品位を保とうと立ってるキャロルに、僕はジーナローランズの「グロリア」を思い出した。グロリアは男の創り出した、男のように強い女性のイメージだったのかもしれない。本当の女性は、キャロルのようにギリギリのところで美しさを投げ出すまいと踏ん張っているのかもしれない。品位を失わず生きる。簡単なようで熾烈な戦いだ。これは美を、文化を、平和を守ることにも通ずるものだと思う。
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-25 15:38:44)
👍 1
21.ネタバレ 個人的に、ですが、ケイト・ブランシェットってすごい人だなーって思うんです。数多くいる世界中のアクターの中でも間違いなく。あの表情、仕草、眼、マジでスゲー。ラストは鳥肌がたっちまった。そんな彼女を存分にご堪能あれ★
Kanameさん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-20 19:52:03)
20.ネタバレ 『リプリー』で引っ掛かりを覚えてはいたけれど、原作者がレズビアンだったということに納得。実名で出版できなかった彼女の実体験に基づいた願望を、美しくクラシカルに紡いでいく語り口に引き込まれる。サスペンスを違和感なく挟み込むあたりも作者らしい。他の方が言っている通り、同性愛と決めつけれられない何かがあるのは事実で、そこは強調せず、二人の心の動きを機敏に捉えていた(逆に男性は女性に支配的で愚かに映る)。優雅で儚いが"男性"的でもあるキャロルと、彼女によって大人の"女性"に変貌していくテレーズ。対等の立場になって初めてお互いに見つめ合うアップカットに胸が高まる。その切り上げ方がお見事。同性愛というのは生きるための手段にすぎず、あくまで純粋なラブストーリーであり、腕っ節の強い男からの自立を描いた現代に通じるテーマとも言えよう。
Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 8点(2016-07-26 20:48:55)
19.女性同士の恋愛を描いた作品。この手の映画はどうしても「同性愛者として生きていくことの難しさ」というテーマのもとに制作されて、最終的に社会派ドラマになりがちな印象があるのですが、本作は最後まで純粋なラブストーリーでした。そこが良かった。「同性愛者」という単語も変ですよね、よくよく考えると。まるで同性しか好きにならない生き物、同性しか好きになってはいけない存在だと勝手に決めつけられているみたいで。キャロルには夫がいたし、テレーズにもボーイフレンドがいた。「相手が女だったから好きになった」とか「男だったから好きなった」とかそういうことじゃないですもんね、恋愛って。

本作は衣装やヘアメイクも含めてプロダクション・デザインがたいへん良かった!1950年代のニューヨークが舞台らしいですが、平成生まれのジャパニーズな自分にとって何の縁もない時代と場所なはずなのに、観ていてノスタルジックな良い気分になれた。
Y-300さん [映画館(字幕)] 8点(2016-02-22 00:09:13)
18.ネタバレ キャロルは、夫とはそりが合わず離婚したいが、子供は何よりも大切。

一方夫は、妻を手放したくなくて、子供を人質にして彼女を繋ぎとめようとしている。

そんな矢先に出逢った、自分を慕ってくれる若い女性テレーズ。

自然と惹かれ合うが、しかし彼女と付き合っていることで、親権が不利になる。

子供か、テレーズか。

子供を選んだ彼女は、テレーズを手放す。


この時点で、私は胸がとても苦しくなった…。
だって、もう完全に夫とは切れてる。紙切れ一枚の問題で、子供とテレーズどっちを取るかを迫られるなんて…こんなつらいことはない。

キャロルもつらいし、捨てられたテレーズだってつらい。


特に若いテレーズにとって、自分の趣味(カメラ)を理解してくれ、とてもセンスが高くて美しく、そして初めて知ってしまった甘い官能の世界を教えてくれた相手…

そう簡単に「お子さんのために身を引こう」なんて思えるわけがない。

つらい、苦しい…
こんな終わり方の作品なら見なければよかった…。


ところがキャロルはこれで幕を引く女ではなかった。

「子供もテレーズも、どっちも取ったるで!!!」

まるで男みたいにめちゃカッコイイ!!!

同性愛って、ホモにしてもレズにしても、やはりどちらかが男役、女役になってるそうだ。

(余談ですが、たぶん、エルトン・ジョンは男役。)

キャロルもたぶん男役なんだと感じた。


かくして、キャロルは親権は放棄しつつ面会権だけは死守して、同時にテレーズと同居できる環境を整える…。

”恋も仕事も大事”っていうフレーズはよくあるが”恋も子供も大事”っていうのは、夫とうまくいってない状況の妻が新しい恋に出逢った時に必ず感じるものであって、この心境が分かる女性は、同性愛が理解できなくても、テレーズを男性に置き換えることで、その時の辛さや葛藤をリアルに感じてこの映画に没入しやすいかもしれない。

(とはいえ、現実世界では、キャロルみたいに、ぱっぱと決断して、愛する相手と暮らすなんてなかなか可能性が低い。
それゆえ、この映画のように、とんとん拍子で物事がうまくいく展開に心揺さぶられるのだろう…)



ひさびさの再会で、テレーズはキャロルからの同居案を断るが、その後別のパーティーに行ったテレーズがキャロルのいるパーティーに戻ってきた時の表情は、いずれ同居もしそうという予感を感じさせる。

そして、ラストのキャロルの

「ふふふ…やっぱり、私のもとに帰ってきてくれたのね…いいわよ、さぁ来て」

的な魔性の微笑みが、グっときた。


困った時は元カノを頼って甘えん坊な一面も見せ、そしてラストでのこういうイケメンな余裕しゃくしゃくな表情…そのギャップ。


盗撮された時にピストルをふりまわす直情的な一面も含め、とにかくキャロルは、愛する相手と子供に全力で愛情を傾ける人間として生々しく、そしてとても愛おしく感じた。
フィンセントさん [DVD(字幕)] 7点(2020-09-06 09:22:58)
17.ネタバレ 私=男にとっては、不思議な感じになる映画。肯定も否定もない。美術よし。女優陣よし。
にけさん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-27 22:49:53)
16.二人の女優の演技がとても印象的です。特ににケイト・ブランシェットじゃなかったらこの役は成り立っていなかったと思います。ルーニーマーラももちろん魅力的ですが。この二人のシーンを見ているだけで娯楽としての映画を堪能できました。
珈琲時間さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-30 09:02:43)
15.ネタバレ オスカー女優とカンヌ女優賞、二人の競演はとても見ごたえがありました。そしてなんと番狂わせなことに、ケイトを抑えてルーニー・マーラに軍配が上がりました、ワタシの中では。ケイトが押されている・・?とびっくりしました。
だって、テレーズはもう完全にキャロルに惚れている。彼女を追う時の目線の熱っぽさや、頬が自然と上がるときめき、恋する人間の発する独特の甘い空気。ルーニー・マーラすげえ。
一方、ケイトはルーニーよりハンデがありまして、なにしろ忙しいのです役が。我が子を思う母親であり、愛の冷えた夫とその家族に疲弊する妻でもあり、元カノに弱みをさらす一人の女性でもあって、ケイト・ブランシェットだからこそこんなに沢山のタスクをこなせたとも思うのですが、恋に身を焦がすほどの想いをばんばん放出してきたルーニーの方が印象強かったです、はい。
tottokoさん [映画館(字幕)] 7点(2017-09-15 00:19:51)
👍 1
14.まるでヨーロッパ映画のような、独特な雰囲気を持った作品。クリスマスに向けて、丁度寒くなり始める今くらいの季節に観るのにぴったりな映画ではないか。しかしルーニー・マーラが「ドラゴンタトゥーの女」のリスベットだったとはなぁ、全然気づかなかった。このルーニーの50s'ファッションもとても可愛い。作品の世界観にぴったりハマっていて、その魅力を増幅させる事に成功しているカーター・バーウェルのスコアが素晴らしい。さて、「キャロル」のサントラを聴きながらコーヒーでもいれよう。
rain on meさん [DVD(字幕)] 7点(2016-10-15 10:09:09)
13.神々しい写真でした。テレーズの目を通してみたキャロルはまさに女神のよう。演技がすばらしい女優ふたり、とくにルーニーの今後が楽しみです。ドラゴン・・と同じ人と思えない!
HRM36さん [インターネット(字幕)] 7点(2016-03-29 15:00:35)
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【点数情報】

Review人数 32人
平均点数 7.28点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5412.50%
6515.62%
7928.12%
8721.88%
9618.75%
1013.12%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review2人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 3.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

2015年 88回
主演女優賞ケイト・ブランシェット候補(ノミネート) 
助演女優賞ルーニー・マーラ候補(ノミネート) 
撮影賞エドワード・ラックマン候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)カーター・バーウェル候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞サンディ・パウエル候補(ノミネート) 
脚色賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2015年 73回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット候補(ノミネート) 
主演女優賞(ドラマ部門)ルーニー・マーラ候補(ノミネート) 
監督賞トッド・ヘインズ候補(ノミネート) 
作曲賞カーター・バーウェル候補(ノミネート) 

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