映画『永い言い訳』の口コミ・レビュー

永い言い訳

[ナガイイイワケ]
2016年上映時間:124分
平均点:7.11 / 10(Review 38人) (点数分布表示)
公開開始日(2016-10-14)
ドラマラブストーリー小説の映画化
新規登録(2016-09-04)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-03-11)【イニシャルK】さん
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監督西川美和
キャスト本木雅弘(男優)衣笠幸夫(津村啓)(小説家)
深津絵里(女優)衣笠夏子(幸夫の妻)
竹原ピストル(男優)大宮陽一(トラック運転手)
堀内敬子(女優)大宮ゆき(陽一の妻)
池松壮亮(男優)岸本信介(津村啓のマネージャー)
黒木華(女優)福永智尋(津村啓の編集者)
山田真歩(女優)鏑木優子(こども科学館の学芸員)
戸次重幸(男優)田原尚也(ドキュメンタリー番組ディレクター)
ジジ・ぶぅ(男優)増田耕作(バス会社社長)
康すおん(男優)大下潤之介
木村多江安藤奈緒美
マキタスポーツラジオパーソナリティー
間宮くるみ劇中アニメ「ちゃぷちゃぷローリー」
こおろぎさとみ劇中アニメ「ちゃぷちゃぷローリー」
原作西川美和「永い言い訳」(文藝春秋刊)
脚本西川美和
挿入曲手嶌葵「オンブラ・マイ・ライフ」
撮影山崎裕
製作川城和実
バンダイビジュアル(「永い言い訳」製作委員会)
アスミック・エース(「永い言い訳」製作委員会)
テレビ東京(「永い言い訳」製作委員会)
配給アスミック・エース
美術三ツ松けいこ
編集宮島竜治
録音白取貢
北田雅也(サウンドエフェクト)
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💬口コミ一覧

38.ネタバレ 夫が浮気中に妻が事故で死ぬとゆう設定を聞いて、生き地獄のように苦悩する映画かなって思って鑑賞したら、全然違う展開やん。ビックリしました。育児を手伝うって、しかも、ちょっとホノボノしてるし。でも途中までちょっとドキドキはしてました。主人公が結構、ひねくれてたので、どこかで、もっとひどい事になるんじゃないのかとか、竹原ピストルがどっかで爆発するんじゃないのかとか、したら、主人公は意外に物事がわかってる奴やん。自分のダメなとことか、突然、家族を失った心境の子供とか。そんな子供と主人公の交流を観てると、自然と涙がポロリ。別に悲しいシーンじゃなく、モックンが子供と楽しく交流してても涙がポロポロ。ホノボノしてるのに、なんか泣ける、なんでやろう。そんなこんなで、あっという間に映画を見終えてしましいました。ちなみに、主人公がエゴサーチする時の検索ワードは思わず吹いてしまいました。笑えて泣けたので満足。
なにわ君さん [インターネット(邦画)] 10点(2022-04-07 10:21:01)
👍 1
37.西川美和監督のファンになりました。
いい作品だとすぐに感じた作品は久しぶりでした、余韻にも長く浸れています。
悲しい物語ですが、日常から一気に非日常に移るところなど、むしろそれが現実的でした。

子供たちの演技もすばらしい、胸のひだの奥まで感情がしみて行きます。
本木さんはじめやっぱりいい演者さんたちですね、他の作品やこれからの作品も楽しみです。
HRM36さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-11-16 08:45:28)
👍 1
36.「後悔先に立たず」とは言うけれど、何かが起きて、すぐさま後悔できたのなら、それはまだ健全で幸福なことなのかもしれない。
後悔すらもすぐにできなくて、永い時間と、永い言い訳を要する。人間の人生なんてものは、往々にして無様で、愚かだ。
そんな“愚かさ”を肯定するつもりはないけれど、その有様を、辛辣に、そして優しく描き出したこの映画は、間違いなく傑作だと思えた。

主人公の男(本木雅弘)は、“自己憐憫”をこじらせ抜いており、ファーストシーンから只々“言い訳がましい”。
その男の髪の毛を、慣れた手付きでカットする美容師の妻(深津絵里)。
彼女の表情は、呆れているようにも、嘆いているようにも、嫌気が差しているようにも見えるし、それでもこの駄目な男のことを愛しているようにも見えなくはない。

妻は手早くカットを済ませ、親友とのバス旅行に出かける。その一方で、夫は不倫相手を家に呼び寄せる。
そして、ふと悲劇が起きる。

冒頭のその一連のシーンを観るにつけ、この映画が良作であろうこと明らかだった。
西川美和の監督作を観るのは、「夢売るふたり」を観て以来7年ぶりだったが、彼女の作品世界が益々成熟していることは明白で、「これは覚悟して観なければ」と姿勢を正した。

とはいえ、描き出されるストーリーラインは有り触れたものであり、主人公をはじめ登場人物たちの造形も、極めて類型的なものだと言えよう。
有り触れたストーリーに、類型的な人物描写、だからこそ紡ぎ出される感情の“容赦無さ”が殊更に突き刺さる。

本木雅弘演じる主人公の「行為」は勿論擁護できないし、妻の死後に訪れた“父子”との出会いによる“輝いているような”日々も、彼の自己憐憫の延長線上の「逃避」であることは否定できない。(池松壮亮演じるマネージャーは尖すぎるぞ……)

けれど、自己憐憫であれ、逃避であれ、その時間が、誰かの救いとなり、何かしらの“気づき”に至らしめたことも明白な事実だ。
ひどく痛々しくて、極めて愚かしいけれど、そういうことも含めて「生きる」ということだということは、この世界の誰しもが否定できないことだろう。



僕自身、主人公の人間性を肯定できないと言いつつも、バッサリと断罪することもできず、どこか彼の心情に寄り添ってしまうのは、他ならぬ自分自身が、弱く、愚かな男の一人であることの証明だ。
そんな一鑑賞者の“男”の心情にまで踏み込み、掻き乱し、より一層に背筋を正させるこの監督の「視線」は、つくづく“厳しい慈愛”に満ち溢れている。

西川美和監督の力量もさることながら、出演する俳優陣が、みな素晴らしい。
主演の本木雅弘は、各シーンにおいて「ああ、これは駄目な男(人間)だ」と観る者に確信させる絶妙な表情を見せつけ、主人公の心の機微を表現しきっている。
主人公と同じく、男やもめとなった父親を演じた竹原ピストルは、独特な風貌とフレッシュな間合いで、主人公と正反対のキャラクターを好演していた。
黒木華、池松壮亮、山田真歩ら脇を固める俳優陣、そしてストーリーの核となる幼い兄妹を演じた子役たちにも、隙が無かった。

そして、夫役である本木雅弘とはほぼワンシーンの共演ながら、その短い出演時間で、全編通して“妻”の存在感を保ち続けた深津絵里も無論素晴らしかった。

命を落とした妻の映像的な描写は、その後のシークエンスにおいて回想シーンすら挟まれず、主人公の想像上のワンシーンとラストの写真のみの登場に留められている。
それでも、彼女は夫の心に居続け、後悔すらもできなかった男の心情に「風穴」を開ける。

すべてを見通していたのだろう妻の“未送信メール”を目の当たりにして、それでも彼女は夫を愛していた………なんて思いたいのはやまやまだけれど、そんなものは情けない男の“エゴ”に過ぎない。

“永い言い訳”を言い終えた夫は、出かける妻に言われたとおり、粛々と「後片付け」をしながら、気がつくのが遅すぎた「愛」を只々悔やむのだ。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-03-07 23:56:16)
👍 2
35.ネタバレ 『永い言い訳』
観た後にストンと落ちた感がある良いタイトルだと思いました。

突然妻を亡くした幸夫(=本木雅弘さん)は、いっときから妻との関係も疎遠になっていて、妻の予定や友人関係も亡くなってようやく知るような状態だった。バス事故の遺族会にて、同じくバス事故で亡くなった妻の学生時代からの友人の夫、大宮陽一(=竹原ピストルさん)と知り合う。トラック運転手の大宮には二人の幼い子どもがいて、ふと幸夫は大宮がいない間の子どもたちの面倒を買ってでる。というストーリー。
まさに「罪悪感の払拭」「言い訳」として始めたんであろうこの子育てが、思いがけなく楽しいものになります。最初はぎこちない関係だった幸夫と子どもたちなのですが、とまどいながらも共に時間を過ごしてくれる幸夫にどんどん気持ちを開いていきます。幸夫は幸夫で妻の夏子(=深津絵里さん)との間にはいなかった子どもに対して、子育て経験のなさが逆に良かったのか、不器用にしかししっかり寄り添って接することで彼らとの関係を築いていきました。
そんな幸夫と子どもたちの温かいホームドラマのような空気がストーリー全体を包み込みます。長男の受験、長女の世話、大宮の葛藤・苦しみ、そして幸夫の贖罪や偏屈性がそこに散りばめられていますが、どれも共感できたり改めて自分でも考えさせられるものでした。

自分もあまり人と深く共感できる人間ではありません。周囲の人がみんな興奮していたり泣いていたりするような状況でもどこか他人事のようにしか感じられない自分に戸惑うこともよくあります。その度に自分が人として終わってるんじゃないかと思ってしまったりもしますが、何となくそういうところで幸夫に共感してしまいました。

原作の著者と監督が同じ人、ということを人に教えてもらい興味深いと思いまずは映画から鑑賞させていただきました。
次は借りてきた原作を読んでいこうと思います。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-05-28 10:44:31)
34.ネタバレ 主人公の幸夫が結構クズな描かれ方なのでこのまま追い込まれていくのかと思ったら
贖罪と言わんばかりに献身的に子供の世話を始める。
しかも結構良い事言うし子供の心掴んでるし。
しまいには竹原に説教して立ち直らせてるし。
いつ黒木華が出てきて暴露するのかとドキドキしながら観てた。

結局自分から自白してようやくああ、ドロドロの修羅場にはならんのかと安心したw
しかし黒木華が後半いっさい出てこなかったのが不完全燃焼気味かな。
不倫の代償を支払ってスッキリさせて欲しかったけどかえって嘘くさくなって駄作になってたかも。

いろいろ書いたけどかなりいい作品でした。
今上映中の「すばらしき世界」も興味沸いた。
近所の上映終了してて残念。
Dry-manさん [インターネット(邦画)] 8点(2021-04-18 21:42:50)
33.ネタバレ 見終わった後に、題名がじんわりと響いていく。主人公は子供たちと触れ合う中で、「言い訳」の心を保っていたが、それも未送信のメールによって破壊される。最後は、このメールがきっと回収されると思っていましたが、されないとは・・・いい意味で裏切られました。陽一くんもキレそうでキレなくて、本当に真っすぐな感じが良かった。事故の後、トラックで帰る父子を見送る時、ようやくやめるんです。「言い訳」を。いずれにしても、本木雅弘はすばらしかった。さすがです。
ラグさん [インターネット(邦画)] 8点(2019-05-05 01:34:16)
32.現代の日本映画の真髄、そんな作品。
観ていて辛いというか不快な面もあるが、それは自分自身のそういった部分と向き合っていると感じる。
最後まで観たとして何らかの救いがあるわけではない。ハッピーエンドとも言い難い。でも、これが人生だし、これからも続く人生を感じる。
小品の印象はあるが、素晴らしい。
simpleさん [インターネット(邦画)] 8点(2018-08-18 20:47:11)
31.ネタバレ 突然妻を亡くした作家の物語。
なかなかのクズっぷりを本木さんが好演。
ネチネチ言う男。不倫する男。エゴサーチする男。子供を疎ましく思う男。ひとの関係を詮索する男。
そりゃあ、まーいろいろと。
それに対してのピストルさん。
見事なキャスティング!
その風貌と何を考えてるかわからない感じ、
とにもかくにもどう着地するのか、先がわからない中、
みなさんのたしかな演技で物語にどっぷり。
永い言い訳。
見事なタイトル。
是枝監督の作品のような家族を描く部分。
女性を美しく撮る部分。
見応えのある映像に身を任せられる良作でした。
ろにまささん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-05-13 14:15:23)
30.ネタバレ 主人公のサチオはなかなかのダメ男で、基本はそのダメっぷりを軽く苦笑しながら観る感じなのに、終わってみたら久々に心の奥にズドンと来ました。自分は子どももいるし浮気もしてないけど、なんだか主人公の境遇というか心情には妙にシンクロしてしまう部分があり、笑いながら背筋が寒いというか、ブラックだけどじんわり染みわたるというか、まさに泣き笑って怖がるという、最高の映画体験でした。今回はモチーフ的には是枝裕和監督の作品に近くて、『そして父になる』あたりとは共通部分も多いし、子役が登場するシーンはまるで是枝作品のよう(とくに妹ちゃんは、いかにも是枝映画に出てきそうな感じでした)。個人的には、主人公とお兄ちゃんのちょっとした言葉やしぐさは、本当に自分のなかの「何か」を見ているようでいたたまれない気持ちになるし、2人の「交流」に安易な救いを見出さない突き放した感じも、西川さんらしくていい。ただ、唯一残念だったのは、終わり方かなあ。『ゆれる』のスパっとした切れ味を知っている身としては、終幕が少しダラダラしてしまったのは残念。あの二度目の散髪シーンで終わってもよかったかな。まあ、最後の受賞パーティのシーンのおかげで、いろんな本編中の伏線も回収した上に大宮家のその後をちゃんと見ることができて「安心」して映画を終われたというのはあるし、あそこがなかったら確実に個人的トラウマ映画の仲間入りだったけど(笑)。
ころりさんさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-02-04 14:17:56)
29.ネタバレ 自分を肯定できない男幸夫の物語。
(それにしてもなんて皮肉な名前だろう。)
どんなに他人を愛そうとしても、一定の距離に踏み入ると自分から距離を設けてしまう。

幸夫を置いて行って、
真平くんが父・陽一のトラックに乗り去って行くシーン。
幸夫の後ろ姿を見ていてどうしようもないぐらい虚しくなってしまった。

幸夫が始めて夏子の死と対面する最後のシーンでも、
結局、夏子も幸夫も愛し合っていないことが作品の途中で判明しているから、
何も解決していないのだ。(そもそもこの作品には解決するべき問題自体がないのかもしれない。)
幸夫の明るい未来が全く見えない。

人間の胸の一番奥底を抉り出す作品でした。
個人的にはこういう作品が大好きだ。
鈴木さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-12-30 17:26:10)
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28.久しぶりに大人な日本映画を見た気がします。冒頭の事故を除いて大きな事件が起きるわけではないし、派手なスーパーマンも登場しないし、「これでもか」と言わんばかりに有名な役者を揃えているわけでもありません。あくまでも、主人公の微妙な心象の変化を丁寧に描いているだけですが、それが心地いい。それに主人公とは対照的な、竹原ピストルの無骨な存在感が際立っています。私小説的な映画、といったところでしょうか。
しかし公開当時、けっこう宣伝していたと思うのですが、ここのレビュー数が少ないのは意外。
眉山さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-12-29 23:14:48)
27.ネタバレ 面白い。そして良い!最初は、日本版「チョコレートドーナツ」かと思ってた。奥さんを亡くした二人の男が、なんか本木君なんかもうゲイっぽくて疑似家族みたいに見えたから。子役がいいね。かなり異質なおじさんの存在を、軽く自然体で受け入れてる。そのやりとりがもう絶妙で。巧いなぁと感心して観てた。でもラストまで来ると泣けてきてね。これは数々の巨匠たちの名作を超えてるよと思った時に、はたと気がついた。そうか!男の映画監督が創る「空っぽ」人間たちの織りなす数々の名画は、女性から見れば、「永い言い訳」に過ぎないんだと思ったわけ。やられた~って感じを受けたなぁ。西川美和は、「蛇イチゴ」の時から、切れ味のある監督だなぁと思ってた。その後、色々試行錯誤繰り返してたみたいだけど、ここに来て、また初期の切れ味を思い出させるような、名作を創り上げた。大体、男を描くなら女性が創る方が有利なんだけど、それでも見事だよね。もう一度言います。面白い。そして良い!
トントさん [DVD(邦画)] 8点(2017-07-08 04:58:02)
26.久しぶりに"日本映画"を観賞しました。ハリウッドにも流行りの日本アニメにもヨーロッパの監督にもとれない、日本人による日本映画。叙情的な映像や間に頼りすぎることのない画。分かりやすくて観やすい展開と脚本。季節の移り変わりや、髪が伸びていく様で表現されるゆっくりとした時間の流れ。役者さんたちと向き合いながら丁寧に映画を撮っていることが伝わってくる。観終わってからも続く映画の余韻。良い映画ってこういう余韻を残してくれるんだった、と久しぶりに思い出した。
kanekoさん [インターネット(邦画)] 8点(2017-06-12 06:16:14)
25.とても良質な映画。
役者に安定感があり、是枝譲りの子役の自然さもあり
心地いい空気感漂う映画。
結婚している人、子供がいる人によりオススメな映画。
aimihcimuimさん [DVD(邦画)] 8点(2017-05-28 07:22:57)
24.主人公 幸夫 の “ クズ ” っぷりに、怒りを覚えながら、鑑賞.. 幸夫 の言動、精神構造が、まったく理解できない..あり得ない..ほんと、クズ を絵に描いたような、クズ .. 西川美和 監督(脚本)ということで、ダークな問題作連発の監督らしい、そして女性らしい目線で、物語が描かれ..なかなか斬新で楽しませてくれる..繰り広げられる、エピソードも、なにげに 深い.. ただ、ツッコミどころが散見される(そこが減点ポイント)..いくつか挙げてみる、■ 夏子の友人の旦那、陽一 が、お人好しで、かなりアホ..なのに、どうして子供の 真平(長男) は、あんなに頭が良く賢いの? 母親が秀才? そんな風には見えない..言っとくけど、トンビは鷹を産まないからね! 妹は聞き分けがなく気分屋でワガママ..だれに似たんだ? ■ 幸夫 はなぜ急に 真平 に興味を持ち、優しく接するのか..子供嫌いのようにしか見えないのに、唐突すぎる..罪の意識? 家族ごっこ? 真平と気が合う? 自分の境遇と重なる? う~ん 分からん..必然性、説得力に欠ける..残念...
コナンが一番さん [DVD(邦画)] 8点(2017-05-26 22:32:28)
23.ネタバレ 本木雅弘の髪型の変化、季節の移り変わりのショットや子供たちの成長が画面を通して提示され、映画の中での時の流れや人の変化というものを実感させる。
その中で、夏の夕暮れに幼い妹が団地の庭でしゃがみ込み、力尽きていく蝉を見つめているシーンなどがさりげなく不意を衝く。

是枝的?子供たちの素晴らしい表情の捉え方、大人と共演する際のフレーミング・アングル・高さなど、子供の視点に対する配慮の細やかさも伝わる。
冒頭の散髪シーンの鏡、シャボン玉、坂道と自転車など、それぞれドラマに意味を為しつつ、なにより映画の見せ場として落とし込まれているのがいい。
16mmフィルム独特の粒子感覚は夏の海などで特に見事な効果を出している。

宵の列車のシーンにかかる『オンブラ・マイ・フ』も技あり、である。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 8点(2016-10-18 23:59:35)
22.ネタバレ 子供(育児)は免罪符になりえるか?がテーマだが、その答えは明確には描かれない。主人公が言うように子供を持つ事はリスクであり、幸福にも不幸にもなりえる。統計的には不幸になる事が明らかになってはいるので主人公のように「合理的」な人は子供を持たないが、世間には竹原のように子供がいて幸福を感じる(と思いたい?)人もいるだろう。ただし、人は子のある人生と子のない人生のどちらかしか選べない。主人公は子のある人生を疑似体験する事になるわけだが、果たして免罪符になりえたのか否か。子供のある種の「魔力」というものが男にとってどう作用するのかという興味深い視点ではあるが、あくまでも女性作家・監督のからの視点ということは留意する必要はあるだろう。ラストは救いのある終わり方にも思えたが、全体的には男性批判のテイストが感じられる作品ではある。
東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-04-06 13:38:59)
21.ネタバレ 主人公は、妻がバス事故で亡くなった時に浮気をしており、妻との関係を放棄してきた罪滅ぼしとして?
一緒に亡くなった妻の友人の家族と親睦を深める。最初から終わりまで、引き込まめる人間ドラマに仕上がっている。
竹原ピストルがピッタリの役どころで好演、二人の子役もいい、もちろんモッくんも。
西原美和は、原作、脚本、監督といい仕事をしている。是枝監督とこの人はいつも新作が気になる監督さんです。
とれびやんさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-03-04 23:29:49)
👍 1
20.ネタバレ 人生の古傷をえぐられる様な映画。
本木雅弘は魂のこもった演技をする凄い役者だ。
黒木華の悪女っぷりが記憶に残るレベル!
にじばぶさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-01-31 01:42:09)
19.ネタバレ 大人の前では子供だが、子供の前だと大人に為れる男の話。とは言え、子供を持つと大人に為れるという事自体は結構普遍的なことかも知れない(子供に絶対的に頼られることで、人として成長できるから)。そもそも大人に為るとは、大人としての常識・能力を身に付けることの他に、大人でない子供(本当に「子供」とは限らない)に対し優越感を持って接することが出来るようになることではないかと思う。その意味では、子供(これはホントの自分の子供)をつくり、その子供に対する絶対的な優越感を得ることで自分が大人になったと「錯覚」するのは、それはそれで大きな勘違いであるのかも知れない。池松壮亮の言ってることは中々に深いと思う(やや意識高い系な感じだが)。

だが主人公は、(成り行きでそうなったのだが)大人として子供(他者)と関わることで、人生で真に価値が有るのは「他者を所有する(代わりに自分を他者と共有する)こと」だと悟る。悟るというか、薄々自覚してはいたのだろう。愛してないのに、愛されないと気が済まない自分が、人として極めて未熟であることに。だから本能的に自分から他者に介入したのではないかと思う。

テーマは普遍的で実は単純であるようにも思うが、いわゆる文芸映画であり映画の中身・質感自体は至極文学的。にも関わらず、(私見ではあるが)比較的明解で分かり易い映画に仕上がったのは、原作者がそのまま監督なのも要因だろうが、一重に本木雅弘の良質な演技がキモなのは言うを待たない。あと、見た目ヤバそうなんだけど、その実非常に「いい奴」な竹原ピストルの醸し出す雰囲気も面白い(彼が本木雅弘よりも実は「大人」であることが(そういう雰囲気をここぞの場面で醸せることが)、本作においては非常に重要なのだ)。
Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 7点(2019-11-27 22:46:46)
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【点数情報】

Review人数 38人
平均点数 7.11点
000.00%
100.00%
200.00%
312.63%
400.00%
525.26%
6821.05%
71128.95%
81334.21%
925.26%
1012.63%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 Review0人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 8.00点 Review1人

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