映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の口コミ・レビュー

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

[ペンタゴンペーパーズサイコウキミツブンショ]
The Post
2017年インド上映時間:116分
平均点:7.15 / 10(Review 47人) (点数分布表示)
公開開始日(2018-03-30)
公開終了日(2018-09-05)
ドラマ戦争もの実話もの
新規登録(2018-01-09)【皐月Goro】さん
タイトル情報更新(2023-05-15)【TOSHI】さん
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監督スティーヴン・スピルバーグ
キャストメリル・ストリープ(女優)キャサリン・グラハム
トム・ハンクス(男優)ベン・ブラッドリー
サラ・ポールソン(女優)トニー・ブラッドリー
ボブ・オデンカーク(男優)ベン・バグディキアン
トレイシー・レッツ(男優)フリッツ・ビーブ
ブラッドリー・ウィットフォード(男優)アーサー・パーソンズ
ブルース・グリーンウッド(男優)ロバート・マクナマラ
アリソン・ブリー(女優)ラリー・グラハム
キャリー・クーン(女優)メグ・グリーンフィールド
ジェシー・プレモンス(男優)ロジャー・クラーク
デヴィッド・クロス〔1964年生〕(男優)ハワード・サイモンズ
スターク・サンズ(男優)ドン・グラハム
ジェニファー・ダンダス(女優)リズ・ハイルトン
マイケル・スタールバーグ(男優)エイブ・ローゼンタール
高島雅羅キャサリン・グラハム(日本語吹き替え版)
江原正士ベン・ブラッドリー(日本語吹き替え版)
相沢恵子トニー・ブラッドリー(日本語吹き替え版)
安原義人ベン・バグディキアン(日本語吹き替え版)
花田光ロバート・マクナマラ(日本語吹き替え版)
脚本ジョシュ・シンガー
音楽ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生]
撮影ヤヌス・カミンスキー
製作エイミー・パスカル
スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮ジョシュ・シンガー
美術リック・カーター(プロダクション・デザイン)
編集マイケル・カーン
字幕翻訳松浦美奈
その他ノーラ・エフロン(献辞)
ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生](指揮)(ノンクレジット)
あらすじ
ベトナム戦争末期の1971年、夫亡き後にワシントン・ポスト紙の単独社主となったキャサリン(ケイ)・グラハムは編集主幹のベン・ブラッドリーと協力し、同族経営に反対する社内勢力をなだめながら采配をふるうが、不正に入手されて持ち込まれた政府の軍事機密文書を自ら精査する間になぜかニューヨーク・タイムズ紙にその文書の真髄をすっぱ抜かれる。NYT紙に依拠する反戦世論と政府権力との対立が鮮明化してWポスト紙が忘れられようとした時、更なる関連機密文書がWポスト紙に持ち込まれ、ケイと報道に命をかける男たちには会社の命運をかけた真の国益のための決断の時が迫る。
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💬口コミ一覧

47.ネタバレ 久しぶり感動して心が震えた。特にメリル演じるケイが苦悩の中、決断を下すシーンは涙が止まらなかった。
この作品のベースは、国家権力とジャーナリズムの対立を描いたものだけれど、私はケイという一人の女性が、葛藤し成長していく姿に一番心打たれた。

銀行員、証券所、どこにも彼女の味方はいなかった。社内の役員たちからも軽んじられている。
自分自身、経験も知識もないことは十分わかっている。黒いスーツの集団で戦うために、ひたすら努力を地道に重ねたって、その冷たい視線の中で自信が持てるわけではない。

そんな中で、会社の存続と自分の正義を守りながら、大きな決断をしなければならない。どれほどの勇気が必要なのか。
そのプレッシャーの中での「Do it!」。最高にかっこよかった。どれだけ苦しんで出した言葉だろう。その人間味あふれる苦しさと辛さを見事に表現しながら、その葛藤を乗り越えていくメリルの演技は圧巻。役員を説得する際、読み込んだ資料を初めて自分の言葉で伝えるシーンに、役員の後ろで縮こまっていたケイの姿はもういない。どんなに反対されても、自信がなくても、この道を進むと決めたその覚悟。本当に観る人の心を打ちます。私も自分と重ねて勇気づけられました。

いやいや、久しぶりに見応えのある素晴らしい名作に出会えました。嬉しいです。
最近、10点をつけることに変な抵抗ができてしまっているのか、私の感性が鈍っているのか、定かではありませんが、この作品は文句なしの10点です。
ハリウッドにある「ブラックリスト」の上位を獲得した素晴らしい脚本、スティーブスピルバーグによる監督、俳優はメリルとトムハンクス。
面白いだろうと思いましたが、最近のすべての映画の中でずば抜けています。何度もリピートして観たい作品です。
うらわっこさん [映画館(字幕)] 10点(2018-04-30 21:07:00)
46.これは傑作。もし主役がトム・ハンクス1人なら、勧善懲悪風になってつまらなかったかもしれません。しかし、そこに上場を控えた頼りない経営者としてメリル・ストリープが加わったおかげで、グッと立体的で重厚になった気がします。けっしてハラハラドキドキの展開ではないし、陰謀ドロドロの世界を描いているわけでもありませんが、それぞれ職務を真摯に全うしようとする姿が実に爽やか。仕事とはかくあるべし、と教えられるようでした。
さて、かようなワシントン・ポスト紙もジェフ・ベゾス個人に買われましたが、日本の大手各紙も軒並み部数減に苦しんでいる様子。そういえば最近はスクープ記事というものを滅多に見ないし、それどころかフェイク・ニュースを垂れ流しながら反省も検証もしないケースもあるようで。部数減も、さもありなんという感じです。
眉山さん [インターネット(字幕)] 9点(2019-01-25 02:09:53)
45.かの国は、どの時代も多大な危うさと愚かさを孕み、危機的な状況に陥る。
だがしかし、どんな時代であっても、その過ちにに対して是非を唱えることを躊躇わない国民性と精神が、しぶとく、力強くその存在を主張する。勇気ある個の主張が、次第に大きなムーブメントとなり、国の行く末を変えていく様を、歴史は何度も見ている。愚かで危うい国ではあるけれど、根底に根付くその精神こそが、かの国の本当の強さであり、偉大さなのだと思う。

実際に巻き起こったニクソン政権下における新聞社への政治的弾圧を背景にし、それに抗うジャーナリズム精神、女性の社会進出と権利主張、ベトナム戦争の是非に至るまで、当時のアメリカ社会の病理性がテーマとして複合的に絡み合う構成が、極めて見事だ。
スティーヴン・スピルバーグ監督は、タイトなスケジュールの中に埋め込むようにして、急遽今作の製作を進めたという。
巨匠をそこまでして突き動かした要因は、この映画のテーマ性が、まさに今現在のアメリカ社会が抱える切実な問題意識に直結するからだろう。
前述の通り、アメリカという国は、今この時代においても危うさと愚かさの中を突き進んでいる。
スピルバーグはこの映画を通じて、再び勇気ある主張が、大きなエネルギーとなって国の潮流を変えていくことを願ってやまないのだと思う。

そして、この映画において重要なことは、そういった現代社会に直結する重く堅いテーマ性を扱いながらも、しっかりと映画娯楽として確立されていることだ。
ストーリーの展開力、名優たちによる名演、精巧な美術等々、映画を彩るどの要素を切り取っても「面白い!」という一言に尽きる。

どうせ良い映画なんでしょ。と、思いつつ、実際観てみると、やっぱり、というよりも想像以上に良い映画だったことに舌を巻いた。
相変わらず世界最強の映画監督による、世界最高峰の映画娯楽を心ゆくまで堪能できる。もはや「流石」としか言いようがない。
鉄腕麗人さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-11-25 08:10:12)
44.プロダクション・クレジットには気付きましたが、監督クレジットを見逃しました。今になって、ああスピルバーグだったのかと。
保身を図る圧力に抗して権力犯罪を暴く覚悟と気迫を見事に描いた傑作です。但し、お嬢様育ちとして描かれたオーナーが保身ではなく対決の決断を下す根拠や過程が十分描かれていない点が不十分だったと思います。まあ、些細な欠点です。「兄がベトナムにいる」とエールを送る政府側弁護士事務所職員のエピソードを加える手腕が秀逸です(まさか、ここは実話ではないでしょう?)。でもベトナムの人々への思いが微塵もないな、なんてことをスピルバーグに言ってもしょうがありません。マイケル・ムーアでは、こんな感動作にはならなかっただろうしなあ。ポストの記者を排除せよとの大統領の電話やウォーターゲートのくだりは余計なサービス(蛇足)でした。
本作を見て、現在の日本のマスコミはどうなのかということにも思いを馳せて欲しいです。
傲霜さん [映画館(吹替)] 9点(2018-05-06 09:43:53)
👍 1
43.ネタバレ スピルバーグが「映画化まで2年も3年も待てるような作品ではない。すぐに映画化しなければならない」と語ったというが、71年の実話でありながら、確かに現代的で、考えさせられる作品となっている。
ベトナム戦争について的確な分析が行われており、負け戦と分かっていても、その分析を隠蔽していた当時のアメリカ。「フェイク・ニュース」だと叫び、自分の都合のよう事実だけをつなぎ合わせる者が現在の権力者である危機感が伝わってくる。そして、真実を曲げることはできないという、信念が感じられる。
権力者の都合で公文書がざくざく改竄され、権力者のお友だちや後ろ盾となっている大企業が好き放題をやっている、我が国の映画人に危機感はあるのだろうか?
こんさん99さん [映画館(字幕)] 9点(2018-04-08 19:34:54)
👍 1
42.ネタバレ 今の日本の状況を考えると、なんともタイムリーな公開。トム・ハンクスとメリル・ストリープの演技は秀逸。ワシントン・ポストが家族経営だったのは驚きです。
kaaazさん [映画館(字幕)] 9点(2018-04-07 19:36:26)
41.ネタバレ  人多い~。情報多い~。相関図わからん~。今何が起こってんの~。
 これが冒頭30分の感想。
 正直難しすぎて、見るのやめようかと迷うレベルです。
 ですが見続けて正解。あれよあれよという間に話が整理され始めて、急に見やすく、そして面白くなっていきます。
 具体的にはNYT紙に機密文書が掲載されはじめたあたりから。
 最初は『NYT紙 VS Wポスト紙』の構図。そして大統領側がNYT紙を告発したあたりから、『メディアVS国家権力』へと対立構図が変化していきます。
 もし国が裁判に勝っちゃったらどーなるのか。まずWポスト紙と株主、投資家たちとの契約事項『緊急事態』に該当し、投資家たちはWポストから手を引いてしまう=会社経営破綻→会社の消滅。更に掲載に携わった経営陣及び現場責任者は、法廷侮辱罪に問われ投獄されてしまうらしい・・・。ひゃあー、人生終わりじゃないですか~。命がけじゃないですか~。
 今まで何かと主義主張を異にしてきたベンとケイ、ここに来て初めて手を取り合います。そして、遂に決断。
 いったい、ど~なっちゃうの~。
 って、現在NYTもWポストも健在ですから。結果は火を見るより明らかなわけで・・・。
 それでも最後までハラハラドキドキ。目が離せません。
 国民の利益を第一に考えて情報を発信するって、命がけだったんですねぇ・・・。
 昨今のSNSとかYahooニュースとか、ほんと良くないですよねぇ。
 全部が全部とは言いませんが・・。結局見ちゃうし・・・。
たきたてさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-05-30 02:25:39)
40.劇場で見そびれて気になっていた映画。DVDでやっと見られました
スピルバーグは社会的、政治的なテーマをそつなくまとめてるなと思いました
地味なテーマもちゃんとエンタメにする手腕はさすがです。
ただ政府側からの圧力をもっとジワジワサスペンスたっぷりに描いてほしいと
個人的には思いました。
良心的な映画であるのは確かだし、ここで描かれている報道の良心、アメリカの良心は
素直に感動します

特定野党と結託して検証も裏付けもせず芸能ゴシップ以下のフェイクニュースの垂れ流しで
政権を倒すことしか頭にない日本のマスコミやマスメディアは爪の垢を煎じて飲むべし
マスコミ、報道機関もまた「権力」であることを忘れないでいただきたい
ひろみつさん [DVD(字幕)] 8点(2019-12-08 11:15:20)
39.典型的な真面目映画サイドのスピルバーグ作品といった感じの安定感あふれる完成度の高い映画。
これ同時期にエンタメサイドのレディプレイヤー1を撮ってたという事実がとにかくすごいわけで、スピルバーグってほんとにすごいんだなぁ、とあらためて実感させてくれまする。
あばれて万歳さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-01-02 21:52:08)
38.ネタバレ 面白い!骨太な傑作だ!
最後は自由の国アメリカ万歳で締めくくるから、気持ちがいい!

スピルバーグの計算がかなりあるのだろう、これを今、世に出したのは・・
報道の自由の危機の予感、女性の時代の到来等々。
相変わらずの演出の巧さで、地味な内容の映画を最後まで引っ張ってくる。
彼の映画で言えば「リンカーン」に近い。

自分にとってスピルバーグの楽しみは演出の巧さである。
個々の部屋での電話会談、機密登場の緊迫場面でレモンを売る娘、「ニクソン」側の役員への印象づけ、
各人各人のセリフの面白さ・・

最初はちょっと難しいよ、スピルバーグさんと思って観ていた。
字幕のセリフを読んでるうちに、広い新聞社のオフィスの空気で眠くなってしまった。
これは前も経験したなぁ・・
あぁそうだ。「大統領の陰謀」や「ネットワーク」(これはTV局だけど)でもそうだった。
とにかくマスコミの方々の説明口調は映画と相性悪い。
でもそれを最後まで引っ張るスピルバーグ御大の演出には、職人の味がある。
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2018-12-07 22:33:52)
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37.ネタバレ アメリカで実際にあった話なんですね。政府の圧迫を受けながらもジャーナリズムの本道を貫く行動に感動します。
そして、公文書を改竄した官僚が罰されず、それに異を唱えないメディアが少なからず存在する日本の現状を考えると、うらやましいと言う他ありません。
次郎丸三郎さん [DVD(吹替)] 8点(2018-10-20 22:50:52)
36.いや~ 素直に 感動しました~ 最後はシビれましたね~ 序盤から中盤にかけて淡々と進む展開に、どうなることかと思いましたが、ちゃんとラストは見事に着地! さすが スピルバーグ監督、お見事! う~ん 限りなく9点に近い 8点! 秀作です!
コナンが一番さん [DVD(字幕)] 8点(2018-09-12 21:13:02)
35.2018.04/24 映画館鑑賞。マスメディアの役割りとは? 最近の山かけ問題、公務員の文書改竄問題の日本のスメディアと比較すると・・・。
今日はスピルバーグ2作品を劇場で観る。もう1本はレディ・プレイヤー1 。
ご自由さんさん [映画館(字幕)] 8点(2018-04-25 22:48:39)
34.ネタバレ このまま突き進むと株式公開に失敗し経営が行き詰まるリスク、最悪ケースでは投獄もあり得るという状況下で、真実・あるべき論とどう向き合うかという葛藤をテーマにした内容。経営に疎かった社長がなぜあの決断をしたのかは今一つ明確ではなかったが、正義感を持って対応することの重要性を改めて感じさせられた。社長が輪転機を回せという場面はたしかdo it と言っていたと思うが、そのせりふが格好いい。今だからこそこの映画をつくるべきという正義感とも重なる良作だと思う。原題"THE POST"には、社長ポストという意味もかけられていると思うが邦題ではその妙は感じられないのが残念。
jcross18さん [映画館(字幕)] 8点(2018-04-22 13:01:53)
33.ネタバレ  昔からスピルバーグが大好きだった訳ですが、最近のスピルバーグはちょっとピンと来なくて『戦火の馬』とか『ブリッジ・オブ・スパイ』とか『BFG』とか、いいのだけれども、でもスピルバーグならばもっとできたんじゃ?って思う事しきり、って感じでした。

 この作品も冒頭から続く説明的なモンタージュとか、場面転換時の音楽の繋がり方とか、やたら古めかしいスタイルで、スピルバーグももうトシだしねぇ、なんて思いながら見ておりました。ですが、見ているうちにどんどん面白くなってぐいぐい映画に惹きこまれて。下手に重厚なドラマって形にせず、簡潔にどんどんと話を進めてゆくスタイルが良かったと思います。スピルバーグは人間ドラマ系を撮ると途端に歯切れが悪くなって上映時間が長くなるって印象ですが、これは当てはまりませんでした。早撮りの相棒ヤヌス・カミンスキーの(雑な)カメラも今回はプラスに働いたって感じですか。

 トム・ハンクスとメリル・ストリープって人によっては地雷ですよね。でも私はそんなに悪いイメージを持っていないので、この作品での2人の役作りを楽しみました。いつもの善人然としたトムとは違うトム、いつもの個性的なメリルとは違うメリル。

 過去の実話を元に娯楽映画に仕立て上げ、なおかつ今の時代に直結するテーマに、まだまだスピルバーグが現役である事を実感しました。今の日本の状況にも符合しまくりな内容、政治家もマスコミも役人も、そして有権者もこの映画が示す道に真面目に向き合う必要がありますね。
あにやん‍🌈さん [映画館(字幕)] 8点(2018-04-10 20:21:40)
32.ネタバレ 重厚感と緊張感のハンパない久々に観応えのある秀作。スピルバーグの演出は解りやすい上に説得力があり、最早云うことはない。更にストリープ・ハンクスの演技、美術、音楽等全てが高いレベルで維持されている。国と新聞社の表現の自由をめぐる抗争を軸に、仕事へのプライド・家族愛などを絡めたかなりの感動作。ちなみにここまでアカデミー作品賞候補作4作を観たが、この作品がダントツである。
ふじもさん [映画館(字幕)] 8点(2018-04-01 22:54:17)
👍 1
31.ジャーナリズム対国家権力を描いた重厚かつ見応えのある作品。
ベトナム戦争の背景やアメリカの歴史にそんなに詳しくない私でも分かりやすかったし、なかなか引き込まれた。
トム・ハンクスとメリル・ストリープの演技が素晴らしかったという誰でも書きそうな事しか書けないが、政府に対する不信感というのは何処の国でもあるもの。日本でも森友学園問題で公文書書き換えという事件があったばかり。決して他所の国の出来事と安心してはいられないだろう。そういう意味ではタイムリーだし、今観たい作品。

個人的にはもうちょっとサスペンス色が強い方が楽しめたかな〜とは思ったが、それは実話なので仕方のない所か。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 8点(2018-03-30 13:36:59)
30.ネタバレ 機密文書の内容は「3政権に渡って国民は騙されていた」というだけで最後まで詳しく明かされないません。地味な作りの作品という印象でした。というか、真面目に歴史を勉強したアメリカ人なら機密文書の内容は言われなくて知っているので必要ないのでしょう。表現や出版の自由は英語圏の国々では国家体制の根幹をなすもので、その意味では政府 v.s.ニューヨーク・タイムズ紙と政府 v.s.ワシントン・ポスト紙の法廷での争いも最初から結果は見えていました。でも同じ訴訟が日本で起きたらどうなるのか、あるいは法廷が支持率の高い政権や蝋燭デモの主張を忖度するような国でははどうなのか、考えさせられます。日本では本作のケイ・グラハムやベン・ブラッドリー、反戦主義者たちや終わり近くで登場する兄を戦場に送った若い女性のように人が死なないことが国益だということが明々白々すぎてこんな訴訟は今のところ起きそうにありませんが、日本政府がこのまま軍事装備を増強していけば遅かれ早かれ仮想敵国には絶対秘密の軍備の内容などを巡って機密漏えいが国益に反するか国民の知る権利のほうが大切だとかの議論は起きるでしょう。それにしても権力の奢りというものは怖いです。それから、ニューヨーク・タイムズ紙のすっぱ抜きのエピソードはワシントン・ポスト紙から見ると「なぜか」ですが映画の視聴者から見れば経緯は明らかで記者クラブ制のない国ではこんなことも行われるのだと驚きました。メリル・ストリープは年を重ねても色っぽくて相変わらず理知的だし、仕事人間の役では右に出る者のないトム・ハンクスが演じる編集主幹のベン・ブラッドリーが自宅の一室にこもって部下と仕事をしている時に「一杯25セントです。」と言ってレモネードを差し入れた小学生の娘に「50セント払うぞ!」と言うシーンが微笑ましかったです。
かわまりさん [映画館(字幕)] 8点(2018-02-01 11:45:02)
👍 1
29.ネタバレ 最近のハリウッドで#MeToo運動やらカトリック聖職者問題やらでの内部告発ものを題材としたお話しが流行っているけど、巨匠スピルバーグとドリームワークスが選んだのは50年も前のペンタゴン・ペーパー事件。7000ページもの紙文書を一人で手焼きコピーしたなんて、デジタル化が進みSNS全盛の現代では想像を超えるものがあります。この米国史を変えた大事件をメリル・ストリープとトム・ハンクスを使ってスピルバーグが映像化してるんだから、そりゃ見応えがあるってもんです。その特ダネを巡ってワシントン・ポストとNYタイムズのライバル紙同士がが凌ぎを削る展開をテンポよく見せてくれるのは、スピルバーグの力量にすれば余裕です。メリル・ストリープはスピルバーグ作品には初出演ですけど、夫の死後ワシントン・ポスト社主を継いだキャサリン・グラハムを余裕の好演で、今やお約束のオスカーおよびゴールデン・グローブの主演女優賞ノミネート。ふてぶてしささえ感じさせるポスト紙の編集長はトム・ハンクスですけど、さすがのハンクスも今回はメリルに喰われてしまった感がありました。この映画でのスピルバーグの視点は『リンカーン』に通じるところがあり、米国の民主主義の原点を真正面から見据えていこうとしています。ジャーナリズムが政治を正した世界史でも稀有な事例ですから、こういう風に感動作になるのは必然でしょう。まあこれがオリヴァー・ストーンなら『スノーデン』を撮っているぐらいだから、もっと捻った後味の悪い映画となったでしょうね。 それにしてもこういうテーマの作品を観るたびに実感させられるのは、“報道しない自由”を乱用する我が国のマスコミのだらしなさですね。そりゃ米国だってジャーナリズムはビジネスですけど、なんかその根幹があまりに違うんじゃないでしょうか。まあ記者クラブなんて組織がある時点で、もう問題外ですけどね。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-08-15 22:59:34)
28.昨今、日本では、マスコミならぬ「マスゴミ」なんて言われたりして、ジャーナリズムというものに対してどこか軽く見る風潮があるけれど(単に興味が無いだけかもしれない。興味が無いものを軽んずる悪いクセが出ているだけかもしれない)、ジャーナリズムとマスコミとは、いったん分けて考えた方がいいんでしょうなあ。
この作品見てると、アメリカではまだ、マスコミというものに信頼、期待が持たれているんでしょうか。そしてそういう信頼、期待にちゃんと応えているんでしょうか。羨ましい気もするし、少し面倒臭い気もしてしまう。いかん、めっきりスポイルされてしまっているらしい。
いわば、マスコミと国との対決が描かれていて、正直、たいして大きな事件は起きません。いや、たぶん大事件なんですけど、危機一髪みたいな展開はありません。スピルバーグがなぜ殊更にこの題材を選んだのか? 反・トランプ大統領がキッカケであるように言われているし、実際そうなのかもしれない。しかし、かつて「マスコミ」は国家権力を相対化させてきたとは言え、今やソーシャルメディアの普及により、「マスコミ」自身が相対化されてしまった訳で。権力自身も(そしてその対抗勢力も)ソーシャルメディアを活用し、それはトランプ氏の専売特許でも何でもなく、いまや怪しい情報が錯綜しまくって。今のウクライナ情勢などに至っては、もはや何を信じてよいのかわからない・・・。
この映画の物語は、今となっては一種のお伽噺なのかもしれないけれど、それでも歴史の1ページ。スピルバーグ版の『大統領の陰謀』。派手に煽ることなく、物語は着々と進められていく。そういう作品の中で、メリル・ストリープの派手な演技、ってのは、ちょっと際どいものもあります。際どいんですが、何とか踏みとどまったかな、と。映画は彼女色に染まることなく、我々に歴史を突きつけます。
でもあのラスト近くの、新聞社のシーン。いかにも、「我々はこの印刷機で、戦ってます」といった感じの、秘密基地のような描写。やっぱり何か、ロマンを感じている、いや、感じたい、んでしょうか。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-28 18:51:28)
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【点数情報】

Review人数 47人
平均点数 7.15点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5510.64%
6817.02%
71634.04%
81225.53%
9510.64%
1012.13%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.50点 Review2人
2 ストーリー評価 7.50点 Review4人
3 鑑賞後の後味 7.75点 Review4人
4 音楽評価 8.00点 Review2人
5 感泣評価 8.50点 Review2人

【アカデミー賞 情報】

2017年 90回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演女優賞メリル・ストリープ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2017年 75回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ドラマ部門)メリル・ストリープ候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)トム・ハンクス候補(ノミネート) 
監督賞スティーヴン・スピルバーグ候補(ノミネート) 
脚本賞ジョシュ・シンガー候補(ノミネート) 
作曲賞ジョン・ウィリアムズ[音楽・1932年生]候補(ノミネート) 

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