映画『耳に残るは君の歌声』の口コミ・レビュー

耳に残るは君の歌声

[ミミニノコルハキミノウタゴエ]
The Man Who Cried
2000年上映時間:97分
平均点:5.05 / 10(Review 105人) (点数分布表示)
ドラマ戦争もの音楽ものロードムービー
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-02-08)【イニシャルK】さん
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監督サリー・ポッター
キャストクリスティーナ・リッチ(女優)スージー(フィゲレ)
ジョニー・デップ(男優)チェーザー
ケイト・ブランシェット(女優)ローラ
ジョン・タトゥーロ(男優)ダンテ
ハリー・ディーン・スタントン(男優)フェリックス
オレグ・ヤンコフスキー(男優)
坂本真綾スージー(フィゲレ)(日本語吹き替え版)
平田広明チェーザー(日本語吹き替え版)
高島雅羅ローラ(日本語吹き替え版)
中村秀利ダンテ(日本語吹き替え版)
佐々木敏フェリックス(日本語吹き替え版)
御友公喜(日本語吹き替え版)
脚本サリー・ポッター
音楽サリー・ポッター(音楽プロデューサー)
作曲ジョルジュ・ビゼー歌劇「真珠採り」より「耳に残るは君の歌声」
ジュゼッペ・ヴェルディ歌劇「トロヴァトーレ」より「見よ、怖ろしい火を」
撮影サッシャ・ヴィエルニー
製作総指揮ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
配給アスミック・エース
美術マギー・グレイ(セット装飾)
衣装リンディ・ヘミング
字幕翻訳戸田奈津子
あらすじ
1927年、ユダヤ人の幼女フィゲレは、父、祖父、祖母とロシアの寒村で暮らしている。父は娘に美しい歌声で、子守唄を歌って聞かせる。しかしユダヤ人迫害が厳しくなり、父は稼ぐために渡米を決意。いずれは娘を呼び寄せるつもりで。しかしその直後、村は暴徒に襲われる。祖母は孫娘をアメリカに向かうという若者に託すが・・・
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💬口コミ一覧

105.意外にも皆さん点数辛いので、あえて満点。ぼくには素晴らしい映画でしたけどねえ…。この20世紀を、たったひとりの少女の「父を訪ねて3千里」というパーソナルなドラマの中に描ききってしまおうという監督の野心は、見事に達成されているのではないですか。いっくらでも重厚に、かつドラマチックに作れるはずのプロットを、「ただ父の前で歌いたい」というシンプルな娘の願いと相対化することで、歴史そのものを内面化してみせたその才気。そう、「歴史」とは、ひとりひとりは無名の人間たちが生きてきたという事実の集積ではないですか。大文字の「歴史」観からは決して見えてこない、「個」としての人間の生の証し。そんな、実に当たり前のことを思い出させてくれる、本当に本当に美しい映画です。誰が何と言おうと!
やましんの巻さん 10点(2003-06-06 15:49:12)
👍 3
104.ネタバレ 切り詰められたセリフ、1時間30分という短さで、断ち切られるような唐突なラストシーン。だが、過剰に感傷を排除するくらいでちょうどいいのだ。歴史を描く一大叙事詩ではなく、あくまでもひとりの女性を押し流していった運命を描いているのだから。
最初のシーンは1927年、ロシアの寒村である。晩秋の底冷えする空気を感じさせるような青みがかった映像。枯れ草も人々の服装も鈍くくすんだ色合いである。だが、父といる限り、この世に不足なことは何もない。少女の笑顔がそれを物語っている。その父が出稼ぎのために、アメリカに旅立っていく。父の手にしがみつく娘。泣き叫ぶでもなく、ただその手にすがっているだけ。祖母がやさしくさとして、娘の手をほどかせる。そして、父もまた、無言で、何度もふりかえりながら歩き去る。もうこのシーンで完全にやられてしまった。
祖母との別れ、イギリスでの養父母との別れのシーンでも、さよならの言葉をかわす様子は描かれない。パリのアパートの大家で、同じユダヤ人だと知って娘をかわいがってくれた老婦人との別れも、車に押し込められて去っていく顔がちらりと映るだけである。
そして、パリから脱出するため、寝ている恋人を起こさないように、そっと支度をして主人公が出て行き、ドアを閉めた音がしたその瞬間、男の目がぱっと開く。もちろん、寝てなどいなかったのだ。ジョニー・デップのエキゾチックな美貌がひきたつラブシーンもいくつもあったが、この場面の表情がいちばん胸に残った。
陽気で現実的な美しいダンサー、主人公の親友を演じたケイト・ブランシェット。ほとんど無表情な、ふきげんなキューピーさん、クリスティーナ・リッチと好対照を成し、ストーリーを動かす狂言回しの役どころでもあった。ふだんは、よくしゃべり、笑う、華やかな表情を見せているが、恋人のオペラ歌手がパリに入城してきたドイツ軍人に、主人公がユダヤ人だとばらしてしまうのを、車の中で固まって聞いているシーンが、圧巻だった。
登場人物の話す英語は、ロシアなまり、イタリアなまり、イギリス風アクセントなどさまざまで、その響きの違いがこの物語の通奏低音になっている。最後にやっと巡り合えた父が娘に語りかける言葉が、故郷で話していたイディッシュではなく、英語だったというところが、なんとも切ない。
yhleeさん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-22 15:08:25)
👍 2
103.ネタバレ 時代に抗うように、懸命に生きた人々の話です。
悲劇もあるし、滑稽さもある。

私は同時代を背景とした「子の前で芝居をする父親」の映画を思い出しましたが、本作の登場人物たちにはそういう健気さはありません。
エゴイストだったり変人だったり。
ステロタイプでない人物造形が私は好みですが、こういうこわれかけた人たちを好ましく思うかどうかが、この映画を好きになるかどうかの分かれ目かもしれません。

リーフェンシュタールの映像を知らない人はわからないだろうなあ、というシーンがありましたから、ほかに、私が知らないネタで、意味をよくつかみかねているシーンもあるのではないか、と思いました。

キャスティングがよかったです。
子役は、少女のひたむきさがよく出ていたし、主な4人の登場人物がそれぞれ適役でした。
意外だったのは、タトゥーロの伊達男ぶり。
やっぱ役者やのー。
リッチとブランシェットの対比もなかなか見ごたえありました。
2人の演技はほぼ完璧、といってもいい出来だったと思います。
それにひきかえ、(ほかの方もおっしゃっていますが)、ジョニー・デップの役のキャラクターづけはいまいちだったかも。
これは演技ではなく、脚本、演出の問題ですね。
もう少し人間性が具体的にわかるエピソードを入れてくれないと、涙が唐突に感じられてしまいます。
粗野なセックスシーンも、女性監督とは思えないほどの乱暴さ。
彼の不器用さの表現だったのかもしれないけど、ほかのエピソードと、いかにもミスマッチ。惜しいところです。

余韻を拒否するラストに最初はとまどいましたが、最近、予定調和的な終わり方の映画が多すぎ。
これでいいのだ、と思いました。
なぜ作者は余韻を拒否しているのか。
安っぽい感動作にしたくなかったのでしょう、きっと。

最大に納得いかないのはタイトルです。
いくら印象的に使われている音楽だといっても、その「原題」をもってくるなんて、私には単なる思い付きにしか思えません。
こういう映画が好きな「硬派」の人の心に届かないタイトルです。これは、いけません。
おばちゃんさん 9点(2003-11-26 14:47:29)
👍 1
102.皆さんの意外と低い評価に愕然。娘を持つ私には娘役の2人の(少)女の愛らしさといじらしさ、それだけで感動です。ローラ役の女優も素晴らしい。父親の抑えた感情にジーンときました。セリフが少なくても表情で充分。ラストが素っ気無い、同感ですが、それが、”この話は大げさなドラマではなく、60年前に普通の市民に起こった、当時良くあったドキュメンタリ-を伝えたい”という女性監督の強い表現の意志を感じます。ただ面白いだけが映画の醍醐味では無いのでは。タイトルはクラシックファンならよく御存知の”真珠採り”の仏語原題の邦訳。映画の英語原題よりも素晴らしい。劇中歌の中では、スージーが歌うパーセルのアリアに胸が締め付けられました。映像も60年前にタイムスリップしたよう。近年では出色の映画です。
ハナレイさん 9点(2003-09-25 23:12:56)
👍 2
101.小さな少女が父を探す物語に託された、あの暗く重い時代を語るスペクタルロマンです。全体に抑えたトーンの中に、時折きらめく色(例えば花火、ジプシーの焚火、ケイトの真紅のくちべに)に、女性監督ならではの繊細な感性が伺えます。多くを語り過ぎず、短い時間の中で、あえて少女の将来を決定しない余韻を持たせたラストも好きです(いつか彼女がチェイザーと再会出来ることを、勝手に想像)。またそういった分析を排除して、音楽を楽しみながら、環境映画の様に、ただ眺めるという見方も出来るでしょう。それなりにアラもあり、傑作とはいえないかもしれませんが、私はこの映画を手に取って良かったと思えました。
ともともさん 9点(2003-04-17 10:07:17)
👍 1
100.あっら~。ちょい辛めの評価。私にとってはすごく良い映画だった。音楽がすごく心地よくて、映画もすごく心地良かったんだけど。ジョニーも物静かな感じで。なぜか白馬に乗って登場したときには「おいおい」とは、思ったけどね。
さらさん 8点(2005-03-28 17:24:58)
99.歌声の流れに乗って、静かに沈むような…それは、大きな川の氾濫に惑わされた1人の少女の歩んだ道程。昂揚はない、ただ流れる。それは時代<河>の一部、少女はその奔流の一筋に過ぎないのだ。
流れ着く場所が、劇的でなくとも。華やかでなくとも、少女の歩んだ道程は確かで、語られる事全てが早足であっても、其れは時代の一片を切り取って観せたもの。彼女の感じたものを、流れながら共に感じ、過ぎて行く。彼女が求めていたものへ辿りついた…歌声が物語るもの…。
私には其れで十分。説明的でなくて...叙情的な流れに身を任せられる美しい作品だった。
MAZEさん 8点(2004-12-24 02:27:33)
👍 1
98.ネタバレ ナチスドイツ時代を流されるままに生き、翻弄される少女を淡々と演じるクリスティーナ・リッチ。少女に影響を与えた様々な人々との出会い、そして別れ。戦時中を生きた一般の市民が、自分ではどうすることもできない“時代”というものをあるがままに受け入れざるを得なかった悲しさを描いている。愛することも、自らを証明することも、家族と居ることすらも自由にならず、それでも家族を想いその時代を生き抜いていく。彼女が背負った人生の重みは、体験し得ない私たちの環境では計り知れない思いだ。病床に就く父との再会で言葉よりも歌に思いを馳せる二人の涙は、少女から大人に、ポーランド人からイギリス人に変わり生きてきた彼女が、幼い自分を愛してくれた父との関係を再び思い起こさせる感動のシーンとなっている。それぞれのシーンには見応えがあり、クリスティーナ・リッチを中心とした、ストーリーを確実に伝える淡々と描かれた展開はその行く末を常に案じてしまう。戦後(エンディング後)ジョニー・デップを探しに行くことになるかもしれないがそこまでは描かない潔い切り方のエンディングは、そもそも映画の主題が、時代に翻弄される父と娘の姿を描く映画だったということを再認識させる。オープニングからエンディングまで、父を想う娘の一貫した愛の描かれ方はただの恋愛映画として終始せず、ジョニー・デップ演じるジプシーの家族愛と呼応するかのように父の元へ誘っていく。最後に、クリスティーナ・リッチさん、ジムに通って体を作り直してください。
もたさん 8点(2004-01-12 04:11:18)
97.ネタバレ うー、ほんとは10点にしたいです。良かったです。とにかくよかった。目的や方向性がはっきりしないのは、成長をドキュメンタリーとして撮ってるからだと思います。ジョニーデップが白馬にまたがってるのを見て、「絵に描いたような白馬の王子様だな。」と思いました。金髪でも清潔でもないけど。ケイトブランシェットのプールでのシーンがやりきれなかったです(船が沈む前)。惜しむらくは、歌声をもっと聞かせてほしかったです。
cock succer blues leeさん 8点(2003-11-10 19:25:46)
96.C. リッチの科白の少なさは、却って役柄の内面の強靱さを引き立てていて、私はよかった.表情や仕草で多くを語れる例だと思う.C. ブランシェットはどんな役を演っても、自分のものにしてしまうし、J. デップも寡黙でいながら、多くを表現出来る役者であることを再確認.そして、監督が拘ったであろう“音楽”抜きには語れない.繊細にテンポを落とす“真珠採り”にセンスの良さを、ジプシー・バンドの本物の音に、高い見識を感じた.そして、監督の少数民族を見る目の温かさにも共感した.
シャリファさん 8点(2002-10-05 16:28:24)
👍 1
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95.セリフが少ないのに、語らなくても気持ちがちゃんと伝わっているジョニーの見せ方に拍手!静かに涙を流すシーンは、とてもキレイだった。ここまでジョニーが泣いた映画ってないと思うんだけど・・。よくしゃべりながらも、自分自身のことは話さないケイトが演じたローラ、見事でした!全編で流れる音楽が好ポイント!オペラもたまに聞くといいですねぇ。 クリスティーナ、すごいやせましたね!これまたびっくり。
ダナエさん 8点(2002-08-27 02:09:41)
94.純粋に良い映画でしたです。人間関係がいきなりで分かりづらい感もありましたが、淡々とした画面のなかに色んな人の色んな愛の形というか、想いが交錯してて。最近、ジョニー・デップは何人いるんだ?ぐらい映画でまくってますが(笑)やっぱり格好良いなぁ。悟られない様涙するとこなんかもう!あぁちゃんと想ってたんだ、と感動しました。あとやはり音楽が大きな役割を果たしていると思います。
seeさん 8点(2002-01-18 02:06:35)
93.確かに全体的に暗くて重いんだけど、個人的には当時の状況をうまく描いていたと思うしこういう重い雰囲気が好き。出演者たちも皆抑えた表情や演技で作品にマッチしていた。特にリッチのどこか影のある表情が自分の過去や自分の未来を暗示しているようで素晴らしかった。リッチはハマリ役では。ひとつ残念なのは時間かも。どなたか仰っていたがもう少し時間を長くすればもっと内容が濃い作品になり感情移入できたはず。この作品は時間が短くて損してますね。
ゆきむらさん 7点(2004-10-08 16:49:14)
92.評価が低めなのはしょうがないかもしれないですね。たしかに説明不足でわかりにくい部分があるのは否めない。けれど劇場で見たことも手伝ってか、私はこれ好きです。無表情なクリスティーナ・リッチからは芯の強さ、静かな怒りが感じとれました。白馬と花火のシーンは美しい。あの当時のヨーロッパではフィゲレのような境遇は「あなたもそうなの」という類のさして珍しくもない身の上ばなしだったと思う。その中のひとりであるフィゲレに焦点をあて、遠くから見つめているようでした。フィゲレの将来がどのようにも想像できるラストもいい。事実、見終わってからあのあとこうなって、ああなってとしばらく考え込んでいた。俳優の顔を思い浮かべながら映画では描かれなかったことをあれこれ創作するのもまた楽しい。ジョニーはいつもより凛々しくセクシー。ジョン・タトゥーロとケイト・ブランシェットの器用さと上手さにあらためて感心いたしました。これはいい映画です。
envyさん 7点(2004-09-02 16:12:49)
91.鑑賞中、何度も、早くお父さんを探しに行って!とイライラした。そして、ラストのあっさりな再会にがっかりした。 しかし映像は繊細で美しく、脇を固める俳優がいいので、そう悪くはない。
rexrexさん 7点(2004-06-27 01:13:39)
90.ひとりの少女を主人公に、混迷し混沌とする社会を印象的に描く。主演のクリスティーナ・リッチの暗い世の中を見据えた眼差しがとても印象的。脇を固めるケイト・ブランシェット、ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロらの演技もそれぞれ良かった。しかしドラマティックで濃厚な大河ドラマだっただけに、もっと映画の尺を長くすればさらに濃密な映画に仕上がったはずである。
鉄腕麗人さん 7点(2004-01-26 18:17:43)
89.割とさっぱりとしているデップとの別れのシーン。ユダヤ人を背景とした映画には別れ、虐待が付物だが、今作は裏を返して再開を強調して制作したある種異質な映画。
ノマドさん 7点(2003-11-09 18:25:26)
88.非常に良く出来ている映画でこのままでも充分ドラマティックではあったのだけど、ストーリーが重厚な分もっと長い尺で撮ってほしかったと思う。演出も演技もとても濃密なものを見せているのに全体の尺が短く展開があまりに早いので主人公らに充分に感情移入させることができなかった。
スマイル・ペコさん 7点(2003-06-07 21:49:23)
87.うん。音楽よかった。役者大満足だった。でもストーリーが…。再会して、涙して終わりって!!おいおい。
マサムネさん 7点(2002-05-20 22:36:27)
86.何を置いてもまずは音楽。全篇に溢れる歌と楽曲はじつに良い。それに引っ張られて良い印象を持つが、ストーリー自体はさほど面白くない。特にナチ侵攻以降は展開が早すぎて「あれ?あれ?」と思ってるうちにラストへなだれ込んでしまう。もうちょっとゆっくり長尺でやってくれればいいのに。劇中のタトゥーロの台詞ではないが「歌を聴きに行く」映画かも。
山岳蘭人さん 7点(2002-01-19 21:37:08)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 105人
平均点数 5.05点
000.00%
121.90%
287.62%
31211.43%
41716.19%
52826.67%
61615.24%
7109.52%
876.67%
943.81%
1010.95%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.33点 Review9人
2 ストーリー評価 4.37点 Review8人
3 鑑賞後の後味 4.50点 Review8人
4 音楽評価 7.75点 Review8人
5 感泣評価 3.50点 Review4人

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