映画『幕末太陽傳』の口コミ・レビュー(2ページ目)

幕末太陽傳

[バクマツタイヨウデン]
1957年上映時間:110分
平均点:7.73 / 10(Review 78人) (点数分布表示)
公開開始日(1957-07-14)
コメディ時代劇モノクロ映画
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-01-05)【イニシャルK】さん
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監督川島雄三
助監督今村昌平
浦山桐郎(監督助手)
キャストフランキー堺(男優)居残り佐平次
左幸子(女優)女郎おそめ
南田洋子(女優)女郎こはる
石原裕次郎(男優)高杉晋作
芦川いづみ(女優)女中おひさ
小沢昭一(男優)貸本屋金造
岡田真澄(男優)若衆喜助
青木富夫(男優)若衆忠助
高原駿雄(男優)若衆かね次
金子信雄(男優)相模屋楼主伝兵衛
山岡久乃(女優)女房お辰
梅野泰靖(男優)息子徳三郎
西村晃(男優)気病みの新公
武藤章生(男優)大和弥八郎
河野秋武(男優)鬼島又兵衛
熊倉一雄(男優)のみこみの金坊
殿山泰司(男優)仏壇屋倉造
菅井きん(女優)やり手おくま
井上昭文(男優)ガエン者権太
榎木兵衛(男優)ガエン者玄平
宮部昭夫(男優)長嶺内藤太
河上信夫(男優)平六
織田政雄(男優)番頭善八
山田禅二(男優)坊主悠念
植村謙二郎(男優)大工長兵衛
小泉郁之助(男優)呉服屋
高山千草(女優)女郎おさだ
二谷英明(男優)長州藩士志道聞多
小林旭(男優)久坂玄瑞
市村俊幸(男優)杢兵衛大盡
福田トヨ(女優)新造おとら
松本錦四郎(男優)白井小助
上野山功一(男優)相模屋の客
加藤武ナレーション(ノンクレジット)
脚本田中啓一
川島雄三
今村昌平
音楽黛敏郎
撮影高村倉太郎
製作山本武
配給日活
美術中村公彦〔美術〕
千葉一彦
編集中村正(編集)
録音橋本文雄
照明大西美津男
その他橋本文雄(デジタル修復版修復監修)
あらすじ
品川遊郭を舞台に、古典落語「居残り佐平次」を下敷きに描いた、日本映画史に残る傑作。川島雄三監督の代表作にして、日本を代表する一本である。主演であるフランキー堺の、軽快な神がかり的動きが印象的である。
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💬口コミ一覧

58.面白いと思った映画でも結構退屈なシーンが幾つかはあるものですが、この映画は本当にだれる箇所が無くラストシーンを迎えます。スピード感のある小気味良いテンポが
素晴らしいです。登場人物のフランキー堺や裕次郎も躍動感があり、まさに活きています。
amickyさん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-21 14:42:51)
57.何と軽快なことか!全体にもの悲しさを感じ、自分は喜劇とは思わない。それにしても落語の映画化として見た場合、他に感じたことのないおそろしいくらいの力を持っているように思う。ただただ凄い。蛇足ながら若い岡田真澄だけはいかがなものか。
monteprinceさん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-13 01:23:14)
56.現場でのスタッフ、キャストの反対により変更されてしまったラストシーンは、
蛇足とも思えるほど、無惨なものになってしまいました。
ただし、ラストに辿り着くまでの本作は、本当に素晴らしい。
戦後日本映画の傑作です。
DONGYAOSさん 9点(2004-06-04 01:51:30)
55.テンポの良さと、粋な台詞、たしかに、落語を立て続けに聞いているような感覚でした。傑作でしょうね。天才川島監督の名は聞いていましたが、初めて観ました。幕末で時代が大きく動いている時でも、庶民の関心は日々の暮らしや色恋事。天下国家を論じても、つまるところ、いかに世渡りを上手くやるかが先決。建前や理屈を言う前に、生き抜いていかねばなりません。佐平次が高杉晋作に言う「武士にしておくには惜しいな」は、維新後、時代に順応できなたった者たちへの、痛烈な皮肉に聞こえました。
パセリセージさん 9点(2004-05-09 21:46:04)
54.ご存知名作古典落語「居残り佐平次」をベースにしたグランドホテル形式の傑作。「居残り・・・」の他にも「三枚起請」「五人廻し」など有名な廓話が散りばめられていて楽しい。当時の日本映画の中では稀に見る湿気の少ない作品。筋金入りの近代人である佐平次が様々な人間模様が繰り広げられる品川遊郭「相模屋」のど真ん中を全てを巻き込みながら疾走する。自らの才覚で如才なく時にはごう胆に立ち回る佐平次の小気味好さに惚れ惚れとする。しかし、持病の薬を自ら調合する彼に一抹のペーソスが漂わぬわけではない。常に抜け目なく快走していた彼もラスト近くで野暮な土着の化身である様な杢兵衛に追及され脅されしどろもどろになってしまう。中途半端で浮き草である様な近代は大地に根をしっかり下ろした土着に脅されて自らの脆弱さを露呈してしまう。きっと川島自身も手強く湿気を多分に含んだ土着が鬱陶しかったのだろう。佐平次はその湿気と鬱陶しさを振り切るように走り去ってゆく。現代を生きる我々も性懲りも無く土着から逃亡を続けている。なんちってー。理屈抜きに楽しめる映画です。
因みに私はあのフランキーの着物の着方を未だマスター出来ずに居ます。
水島寒月さん 9点(2004-04-30 09:37:16)
👍 2
53.ネタバレ 落語の「居残り左平次」を下敷きにした時代劇で、とてもテンポがいいです。短いショットを効果的に挟んで、場面の展開も早いし、台詞も軽快。左平次、こはる、おそめなどはもちろん、全ての登場人物のキャラクターが個性的に描かれているのでみんなちゃんとした存在感があります。人間の中にある強欲とか、思い込み、強がりといったものを喜劇として面白おかしく表現していて、映画を観てる側はそんな人間の弱さが自分の中にもあることを知りつつも、客観的に見せられると思わず笑ってしまう。でも、登場人物の中でこの人間の滑稽な弱さを客観的に見られるのは左平次だけなんですよね。ここが面白いです。しかも、左平次も胸を患っていて、要領よく立ち回るその裏で、時折、自分の死期を悟ったような台詞を吐く。この設定が実に川島監督らしく、笑いの中にこうした暗い影を描き出すことで作品の深みが増しています。
スロウボートさん 9点(2003-10-31 00:06:40)
👍 1
52.石原裕次郎特集の一編としてダメな映画ばかりに挟まれての鑑賞(通算3度目)だったので、余計に面白く見ら れました。と・に・か・く、この時代の日活産のプログラムピクチャーのタグイといったら、脚本からしてどうにもデタラメな映画ばっかりで、今回の特集でも『陽のあたる坂道』と『赤いハンカチ』を除いたら見るんじゃなかったってなものがだいたいだ。そこへいくと同じ日活でも、川島雄三の、いや、日本映画の最高傑作のひとつと言ってもいいこの珍妙な時代劇は、なにより、出てくる俳優がみなイキイキとしていて誰ひとりとして素晴らしい。南田洋子も岡田真澄も芦川いづみも、二谷英明ですら(笑)、それぞれがそれぞれの代表作とも言えるくらいに。裕次郎だっていつものような当たり前のようにあてがわれた主役ではなく、大勢の登場人物のうちのひとりに甘んじている(?)にもかかわらず、すこぶるカッコイイのだ。言うまでもなく、豪奢な二階建旅館を建築した美術班をはじめ、スタッフ陣も揃っていい仕事をしている(黛敏郎の音楽もおっもしろいぞ~)。岡本喜八を“人徳の監督”と評したのは誰あろうぼくだけど(笑)、川島もそんな周りの優れたスタッフや俳優たちに恵まれ、慕われた監督だったのだ。同じ川島作品なら『青べか物語』『女であること』同様、これからも映画館でかかるたびに足を運ぶことになるだろう。なお点数は、有名な逸話→会社側の反対で結末が思惑通りにならなかった、の無念さを考慮して1点マイナス、ということで。
茶蟻さん 9点(2003-07-18 23:27:23)
👍 2
51.今、見ても全然古臭い感じがしない。本当に現代劇のようなノリで元気いっぱいの日本映画黄金時代の作品という感じ。とにかくフランキー堺がその陽気なキャラを目いっぱい生かしている。今はオバアサンになってしまった女優さん達の若く、美しく、可愛いこと。それだけでも一見の価値あり。また同じく、今は貫禄充分の岡田真澄が、吹けば飛ぶようなヒョロヒョロの美青年でチョイ役で出ていたりする。あまりの落差にしばし呆然。とにかく面白いです。
大木眠魚さん 9点(2003-06-06 23:06:51)
50.先ずオープニングから魅せられます。幕末の品川で、時計を拾うシーンから一転、軽快な音楽に乗り現在の品川に切り替わり、クレジット、ナレーション、そしてまた幕末へ。こんなセンスの良い時代物のオープニングは他には思い当たりません。そして川島監督のクールで、どこか人を突き放すような人間描写が次々と展開されていきます。実はフランキー堺演じる主人公=川島雄三ということらしいんですが、そうであるのにあくまで客観的に主人公を描いているという点は流石としか言いようがありません。これを観た北野武監督曰く「水槽の中の魚を観察するように人間を観ている感じだ」上手い例えだと思います。
クロマスさん 9点(2003-02-03 01:44:10)
49.ネタバレ GYAOの無料動画で視聴。これが2度目の鑑賞です。前回は画質や音質が悪くてよく分からなかったけど、今回はデジタルリマスター版とあって内容は理解できました。
たしかにとても良く出来た映画で、これなら国際的な評価にも値するだろうと思ったけど、残念ながら、のめり込むほどの魅力は感じられなかった…。あまりにも緻密に作り込まれた結果、かえって明快さに欠ける気もするし、結末のカタルシスにも乏しく、墓場から去っていくラストシーンもちょっと寂しいですね。スタジオセットから飛び出して現代を走り抜けるラストなら、だいぶ印象は違ったかもしれません。
まいかさん [インターネット(邦画)] 8点(2022-09-27 02:51:59)
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48.ネタバレ 古典落語の「居残り佐平次」をベースに、幕末の品川遊郭に通う男達と女郎らが繰り出す様々なエピソードを描く群像劇です。

フランキー堺が演じる主人公の佐平次は、胸の病に良いからと品川遊郭に繰り出し、金が無いのに派手に遊び、あげく物置部屋に叩き込まれ「居残り」(誰かが金を持ってくるまで遊女屋に軟禁される)の身となります。

ところが佐平次は、持ち前の機転と調子の良さで、遊女屋で次々と起こる揉め事を解決し、いつの間にやら主人や女郎から頼られ、ちゃっかりと祝儀まで貰う存在に。こんなしたたかで図々しい男を、フランキー堺が憎たらしさたっぷりに演じており、それがこの映画の見所だと思います。

高杉晋作を演じる石原裕次郎との絡みもありますが、役者としての格や存在感は、フランキー堺が圧倒しています。

他にも、お歯黒べったり、ニンマリとした笑顔が特徴的な女郎を、左幸子がさすがの存在感で演じています。南田洋子が演じる女郎との取っ組み合いの喧嘩のシーンは、臨場感たっぷりで、砂ぼこりの匂いが画面から漂ってくるかのようです。

この映画は、役者達がみな生き生きとそれぞれの役を演じており、昔の映画とは思えない程、熱気が充満しています。そこが傑作と言われる理由なのでしょう。魅力のある映画だと思います。

残念なのは、昔の日本映画に多いのですが、音声が非常に聞き取りづらいところです。何を言っているか分からないので、ストーリーの細部が掴めません。字幕が欲しいところです。
wayfarerさん [DVD(邦画)] 8点(2020-01-19 19:08:07)
47.古臭くて慌ただしい時代劇コメディですが、面の皮の分厚い主人公、マルチで超ポジティブなフランキー堺が超楽しい。イケメンではないのに思わず見とれてしまいます。共演者も「時代背景や製作者の意図を考慮してそのまま放映された不適切な表現」を吹き飛ばすくらい活き活きしており、嫌みのない中味もユーモアたっぷりです。「主人公が墓場のセットのスタジオを突き抜けて現代の街並みをどこまでも走り去っていく」とかいう幻のラストシーンの方を見てみたかったのですが・・・
ProPaceさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-04-10 23:57:12)
46.フランキー堺の魅力が詰まった傑作。駄作も多い川島雄三の最高傑作にして日本映画史に残るコメディ映画だ。なによりも脚本が優れている。群像劇のお手本にするべき。いくつかの落語から話を持ってきたからか、演出もどこか落語っぽい。名人の演じる落語を聞いている時の脳内映像を映画化したらきっとこんな感じなんだろう。初期の日本映画は落語からの影響が強かったが、もう落語から教わることはないと言わんばかりのクオリティの高さ。幻のラストシーンが実現していたら伝説の一本になったに違いない。
カニばさみさん [DVD(字幕)] 8点(2016-02-25 14:32:39)
👍 2
45.ネタバレ 午前十時の映画祭のおかげで映画館で鑑賞。

いやー普通に映画館で爆笑の連続で、声出して笑いまくってました!!

テンポがとにかく良く、ヘラヘラしてるのにめちゃくちゃ強かな居残りさんのとんちには、ほとんど全てツボってました笑

全てうまくこなしてた居残りさんに、最後何かうまくいかない事が起きるだろうと思ってましたが、
地獄落ちるぞ!と言われた彼は、俺はまだまだ生きるんでぇ~い!! と走り抜けて行きました。

鑑賞後にネットをみてると、監督の本来のイメージでは、開始直後の現代の品川をちょんまげのまま走り抜けて行くラストだったということで、
絶対そっちの方が衝撃的で、それを映画館で観れていたら間違いなく満点級の神作品になっていたと思います!! 残念!!!
TK of the Worldさん [映画館(邦画)] 8点(2014-10-01 22:26:38)
44.遅ればせながらデジタル修復版の存在を知り、初鑑賞。
川島雄三監督も初鑑賞。
軽快な喜劇でありながら、役者も美術も実に豪華。
正直、一度では人物関係が理解しきれなかったのだが、2回目でますます面白く、絵の端っこまで発見があった。舞台は今で言う飲食店でもあるので、食器の小道具や、役者たちの物の食べ方、飲み方、タバコの吸い方を見ていると、江戸時代はこんな生活だったのだろうという、ドキュメンタリー的なリアリティを感じる。
客室、台所、階段、桟橋などこの遊郭の美術空間が実に面白い。
海のそばで、御殿山の近くという地理も面白い。(googlemapで調べたら今はコンビニのあるビルであり、当時の面影もない)
昔の日活といえば、荒唐無稽なアクションや軽薄な青春映画というイメージを勝手に持っていた自分が恥ずかしい。巨匠は黒澤・溝口・小津ばかりではなかったのである。
こんな密度の映画が、山のように作られていた時代が今や信じがたい。
去年、デジタル修復版の上映が終わってからネットでこの映画の存在を知ったのだが、こういうリバイバルはどんどんやるべきだ。
自分は劇場で観られなくて残念だったが、日活の宣伝サイトのカラフルなイメージを観て、ものすごく観たくなった。懐古的ではなくまるで新作であるかのようなうまい宣伝だ。(フランキー堺ではなく、女優を全面に出したイメージもずるいけどうまい)
古い映画には今の映画には失われたものがある。今の時代に無いということは、今の時代に新鮮なものがあるということだ。こういう切り口で昔の傑作をどんどんリバイバルしてほしい。
創立00周年やら、生誕00周年といったイベントではなく、定期的にこういうリバイバルをやっていれば、きっと映画館はもっと面白くなるはずだ。



どっぐすさん [インターネット(字幕)] 8点(2013-02-13 00:19:44)
43.登場人物が多く最初の方はごちゃごちゃして落ち着かなくせわしない感じだったが、中盤フランキー堺が活躍し始めて途端におもしろくなった。品川心中、三枚起請など落語の世界が映像化され痛快きわまると言ったところだし、さすがフランキー堺である。長州藩士も入っての大騒動になるかと思いきや、その方は・・・。石原小林の大スターを引っ張り出したのは良かったが、映画にちょっと溶け込んでいないような気がする。 ところで「起請文」といって今の若い人たちにはわかるのだろうか、ちと心配。
ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 8点(2012-12-02 07:05:27)
42.ネタバレ かつての華やかな遊郭を舞台に、グランドホテル形式で、今みても華やかなスターたちがきらびやかに出てくる、人を喰った味のある喜劇。
建物の意匠のおもしろさ(実在した相模屋に忠実だそうで)、遊郭の風俗、女優のきれいさ、男優のスターっぷりなど、まさに娯楽映画感がいっぱい。

監督の初期構想通りに、ラストシーンを現代(昭和32年)につなげていたら、最初の赤線廃止前の北品川の紹介シーンとキレイにつながったのに、とすこし残念に思う。

この映画公開の翌年は、東京タワーができて、皇太子ご成婚があって、などなど、あきらかに日本が変わる年。その前に、すでに滅んだもの、まもなく滅び行くもの、そしてこれからも変わらないもの、をカメラにおさめた監督の感性に、共感をおぼえる。
せいさん [レーザーディスク(邦画)] 8点(2012-06-26 00:30:35)
41.落語に関する知識はほぼ皆無ですが(某連続TV小説も未見)、それでも単純に面白かったです。舞台を品川宿の一箇所に限定し、且つかなり多くの登場人物を次から次へと動かしているのに、決してダレたり単調になったりすることなく最後まで実にいいテンポで駆け抜ける。この問答無用の絶妙なテンポが、落語に疎い自分のような観客でも容易に楽しめる秘密なのかも。名作。
とかげ12号さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-08 22:37:45)
40.ネタバレ 裕次郎もなんのその圧倒的なフランキーの存在感がすごい。騒がしく華やかな女郎屋を縦横無尽に駆け回り、羽織をふわりと背負い、あの手この手で奇策を練る様が見事。こはるを演じる南田洋子の美しさにも驚くし、菅井きんに至っては今とまったく変わっていないのだ。他の俳優陣もすごい人ばかりである。本当に粋な映画だ。
カリプソさん [DVD(邦画)] 8点(2007-01-22 19:12:57)
39.ネタバレ サゲは観る者を虚構から現実へ引き戻す。そして、活き活きと動いていた登場人物たちは一人の噺家へと戻る。彼らは彼となり、高座から消える。語ることを終えた噺家はその場を去るしかない、何かを付け加えることは蛇足だ。この映画のラストで佐平次は「お見立て」のサゲを言い放ったあと、逃走する。監督の考えていた、逃走した佐平次が「現代」の品川へと流れ込んでいくという案は、マクラとしての冒頭のナレーションとセットとして考えれば、現実→虚構→現実という落語の流れをうまく踏襲している。「現代」のシーンをいくつか加えるというのは蛇足だと思えるが、お話が終わった後に「現代」に戻るという案は悪くないと思う。まぁ『幕末太陽傳』はあくまで映画であって、落語ではないので落語のものさしで測れるものではありませんけどね。生きるために逃走した佐平次の背中と、同じく生きるために高座に上がり、そして下りていく噺家の背中が重なる、清々しくて気持ちがよい。
はざま職人さん [DVD(邦画)] 8点(2006-08-12 23:40:25)
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マーク説明
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《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 78人
平均点数 7.73点
000.00%
100.00%
211.28%
311.28%
445.13%
522.56%
678.97%
71721.79%
81721.79%
91519.23%
101417.95%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.75点 Review4人
2 ストーリー評価 8.40点 Review5人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review7人
4 音楽評価 7.00点 Review2人
5 感泣評価 7.00点 Review3人

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