映画『暗い日曜日』の口コミ・レビュー

暗い日曜日

[クライニチヨウビ]
Gloomy Sunday
1999年ハンガリー上映時間:110分
平均点:7.75 / 10(Review 57人) (点数分布表示)
公開開始日(2002-05-25)
ドラマサスペンスラブストーリー戦争もの小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-03-08)【イニシャルK】さん
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監督ロルフ・シューベル
キャストエリカ・マロジャーン(女優)イロナ・ヴァルナイ
ステファノ・ディオニジ(男優)アンドラーシュ・アラディ
ヨアヒム・クロール(男優)ラズロ・サボー
石塚運昇(日本語吹き替え版)
井上倫宏(日本語吹き替え版)
脚本ロルフ・シューベル
配給ギャガ・コミュニケーションズ
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💬口コミ一覧

57.『シンドラーのリスト』(1993)のネガともとれる痛烈な批評性。場面省略を駆使した、特にクライマックスにかけてのドラマの緩急制御と幕引きの鮮やかさ。同一構図・同一移動の反復が生み出すズレによって豊かに意味を広げる撮影技法の見事さ。(観客が気付かぬくらい慎ましく微妙な移動撮影によってドラマ効果をあげる手腕など実に巧妙である。)
また、ネックレス・自転車・小瓶・ブルーの髪飾りなど、ドラマの伏線としての豊かな小道具類は人物描写とも的確に連携しており、全体として非常に完成度が高い。充実した細部とともに、画面は見どころに溢れている。とりわけ中盤に訪れる、自転車を扱ぐヒロインの場面から岸辺の場面にかけての高揚感が素晴らしい。回想の序盤から娼婦的なニュアンスで何度も強調されていたヒロイン(エリカ・マロジャーン)の豊かな胸と表情の意味が、ここではっきりと切り替わり聖性を帯びる。岸辺に寝そべり、子供のように縮こまる男たちを両腕に抱く姿はまさに聖母としての彼女を強く印象づけ、浅薄な男女のドラマを越えていく。
ラストのレストランで、オフ空間から彼女の澄んだ歌声を響かせる演出もまた心憎い。
ユーカラさん [DVD(字幕)] 10点(2010-01-27 22:56:14)
56.暗い日曜日が凄い曲。グッきた。内容は不自然が自然。悲しい。自分には合っている映画。酔ったさ、全部に。怨んでてくれて良かった。
ヒロヒロさん 10点(2003-11-26 21:59:14)
55.レンタルビデオで観てドツボにはまりました。その夜は寝れなくてビリーホリデーの暗い日曜日引っ張り出して聞きまくってました。DVD、サントラ買って繰り返し繰り返し。。。ドイツ語の脚本もダウンロード。なんでこんなにはまるのかな?最初は暗い映画だろうなあと心の準備をしてたのですが、意外な程(いい意味で)軽い流れで展開が楽しめました。劇中に流れる映画館での「呪われた曲」のニュースシーンは奇妙&ラストはハリウッド的?(でも爽快な締め)でもいいんです。とにかく。素晴らしい。
jadeさん 10点(2003-07-19 14:04:45)
54.映画を見終わった後にこんなに暗い気分になった映画は無いです。それでもなんで頭にのこってるんだろう。ラズロが尊厳を保てるように生きることができなかったのが非常に悔しいけど、その分最後にじーんと感動がくる。いや、感動じゃないなぁ、この感覚は映画を見ないと分からないかもしれない。個人的にはピアニストのアラン(?)が強烈に印象を受ける。彼が自殺したのはイロナとの関係でちょっとした動揺があったり色々な背後があったと思うんだけどすごいそこら辺の描写がうまい!!とどめに歌が流れて、死んでしまったところが自分は一番胸にギュンときたところです。それは別としてイロナ(エリカマロジャーンだっけ?)綺麗すぎ!あんだけ男が魅了されたのも分かる気がする。
tarachanさん 10点(2003-05-30 01:39:56)
53.今年観た中で1番でした。音楽が頭から離れない。
愛人/ラモスさん 10点(2002-12-18 14:03:29)
52.ナチス侵攻直前のブダペストを舞台にストーリー、俳優たち、音楽、、、全てが良かったです。3人の男性が恋をしてしまうイロナもそれだけ魅力的な女性だったと思います。強制収容所に送られる汽車に乗る場面で、ラズロのハンスを見る表情に涙が出ました。最後には復讐が完結して良かったです。。。
みるちゃんさん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2024-02-03 12:55:15)
51.ネタバレ 名曲「暗い日曜日」まつわるエピソードは聞いたことがありましたが、
その曲をモチーフにした、こんなストーリーがあったとは・・・。
あまりにも美しい1人の女と3人の男。それぞれの人物像と、彼らの心の配置が見事という他に無い。
戦争の時代を描いたドイツの映画特有の重さはあるのですが、
「暗い日曜日」の旋律の如く美しく悲しく、そしてエロティックでサスペンスフルで、何と上品な映画か。
3人の男のうち2人は戦争中に命を落とす。しかし、イロナには新しい命が宿っている。
ラストで作品は冒頭に続く現代に戻る。60年の時を経ての3人目の死。あの店で、あの曲が流れている中で・・・。
店の奥で息子が母の誕生日を祝っている。洪水の後も、彼女は洪水を忘れることなく力強く生き抜いたのであろう。
とても静かですが、重みを感じさせるラスト。そして常に死を感じさせる作品でありながら、
鑑賞後の後味は上質のワインでも味わった後のような余韻が残ります。
とらやさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-11-20 16:36:38)
50.ネタバレ どうでもいいことなんですが、フランダースの犬でネロとパトラッシュをねちねちと執拗にイジメ続けた金物屋のオッサン あれって ハンスさん。 そしてこちらも ハンスさん。というか、ハンスくん。 命拾い。強欲。恩知らず。 ハンスさんという名がかなりのイメージダウン中。
 あと、どうでもいいことではないんですが、手がすべったとか言いながら イロナのたわわな両乳を背後から丹念に揉みくりまわす入浴中のオッサン ラズロ。(撮影当時:42歳? ウソあのシブさで?あの愛くるしさで?) 
まあ、なんにしてもラズロの両手が うらまやしぃ。それに良い役者。 
あと、何だかんだと言ったがハンス役のベン・ベッカー:憎い役どころではあったが良い役者だと思う。シブイ。
DVD特典のインタビュー:実はベン・ベッカーの話が一番興味をソソッタ。
やはり、あのような役を引き受ける事に最初は抵抗があったようですね。ナチスドイツ軍の軍服を着る事にも抵抗があったようです。そして役が終わると同時に その軍服は〝投げ捨てた〟 ふむ、なるほどです。
3737さん [DVD(字幕)] 9点(2010-02-11 13:31:23)
49.ネタバレ そうすれば新しい男と結ばれてしまうことになるのを承知で敢えて彼女に選択肢を与える、その時の寂しそうなラズロを演じるヨアヒム・クロールが最高。ベン・ベッカーの悪役ハンスもなかなかいい味出してる。映画全体も画として非常に綺麗に撮れてます。
teutobochusさん [DVD(字幕)] 9点(2007-11-01 01:32:38)
👍 1
48.ネタバレ 数年活躍しては消えていく程度ではない歌手達が歌いついでいるあの名曲を題材にしているだけあって、お題どおり暗いけど見ごたえのある映画でした。
君が望むなら半分で我慢するよという器の広いレストランオーナーの受け入れられる愛と、君に曲を捧げたいという才能あるピアニストの受け入れる愛を紡いでいく時だけでなく、俺様の為なら手段を選ばないナチ将校の受け入れがたい愛の時ですら美しいイロナちゃんに始終うっとりです。最後のオチも良し。やり手ババアとはああいう事でしょう。
どこまでが事実に基づいているのか気になっていたけど、そういうのも忘れて一気に観終わりました。


晴朗雪月花さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-10 01:17:05)
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47.よかった。映画を見てすぐ、歌の「暗い日曜日」が聞きたくなった。映画と同じような不思議な雰囲気がって、凄い暗いけど凄く綺麗な歌だった。 自殺しそうな気分にもなる感じの曲だった。
太平洋さん 9点(2003-07-03 23:52:59)
46.美貌により誰からも好かれるイロナ、そんな彼女に魅了された男二人、だが憎しみ合うことはない、一時の感情の起伏はあるが、それぞれが自分にとってかけがえのない人と認識している。イロナ演じるエリカ・マロジャーンは本当に美しく、観客さえも魅了する。それと実際に存在する楽曲「暗い日曜日」の旋律の素晴らしいこと。それを作曲し楽曲にまつわる「死」の噂に翻弄され、自ら命を絶ったピアニスト。死の歌として有名だが、この映画を見ると愛の歌のように感じられるから不思議だ。最後はいささか綺麗にまとまり過ぎてはいるが、自然と笑みがこぼれる見事な終わり方だ。
ゆたKINGさん 9点(2003-04-16 17:22:30)
45.この映画ほどヒロインにベタ惚れした作品はない。とにかくエリカ・マロジャーンの美しさにぞっこんで鑑賞中は終始うっとりしながら見入っていた。後にも先にもこういう体験は無かった。何でも彼女はフランスに恋人がいるそうで、ちょっと嫉妬してしまう。それと本作において、ナチスドイスのユダヤ人財産押収の手口が克明に描かれていたのが興味深い。これは監督がドイツ人であることと関係があるのだろうか。大人のカップルがワインでも飲みながら観て欲しい作品である。
カテキン・スカイウォーカーさん 9点(2003-04-15 20:17:08)
44.見る前はあまり期待していなかったんですけど、最後まで見てからすごく満足できた作品。最初のほうはヒロインが嫌な女性に思えてしまうんだけど(相手が二人ともいい人過ぎるからかもしれない)彼女の強さが最後までストーリーを支えていたと思う。最後に出てきた息子が、もしかしたらハンスの子供かもしれないと思うと、怖い。
ユキさん 9点(2003-04-12 23:31:18)
43.ヨーロッパ映画は雰囲気とか大好きなんだけど、チョットわかりにくい、あやふやなラストというイメージを持っていただけにこれは良かった!勿論全体のストーリーの物悲しさも素敵だけど、ラストが爽快でしたね。この手の映画を見る時は精神的に元気な時を選んでたんだど、これはそんな心配いりませんでした。(笑)
はむたもさん 9点(2003-03-21 19:46:15)
42.イロナが美しい。服も素敵。不思議な恋愛関係だけど、こんな女性なら、男の人は何とかしてつながっていようと思うでしょうね。わたし的にはハンスがいい味出している。ヒドイ奴だけど、実際は同じような行動を起こしちゃう人は少なくないんじゃないかな?最後は「そう来るか!」という感じでいい意味で裏切られました。
セインさん 9点(2003-03-01 20:15:58)
👍 1
41.ネタバレ イロナを愛したラズロ、アンドラーシュ、ハンス。唯一愛されなかったハンスが私的にキーパーソンでした。
SS軍人の立場が気弱で純真な青年の心をねじ曲げるのは、あるあるな事。
彼は更にねじ曲がっていて、ナチスへの忠誠心無く、戦後の身の振り方の為に富豪のユダヤ人を逃がして(1000人も!)実際に財を成し大成功したというのには、現実にそういう人間はいたのだろうと気づかされます。
駅のホームにおける余りにも卑劣なやり口をこの男が後年思い出す事は無いのだろうし、60年経ってから受けた罰が何の罪に対してなのかも分からないのだろう。
余韻の深い結末を始めとした、脚本・演出・演技・楽曲、全てが上質な逸品。
お薦めです。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 8点(2025-06-16 20:38:24)
👍 1
40.ネタバレ 途中まではルビッチ『生活の設計』のオドロキの肯定的な成り行きを彷彿とさせるような三角関係映画だが、ナチの話題となったところで『シンドラーのリスト』をネガティブに捉え直したものでもあろうことが判明する。収容所行きの見殺しシーンの理由が説明されないのをなんとなくナチの気まぐれな残酷さということで了解してしまいそうだが、あれは嫉妬なのである。憧れの女性の寵愛を受けている果報者に対する、愛されざる者(卑劣にも交換条件で同衾を手に入れるだけの)の嫉妬。この嫉妬という理解の点でもナチという「巨悪」の「凡庸さ」が説明されうる(ハンナ・アーレントふうに)、つまりナチだけのことではなく、誰のものでもある普遍的な問題であるというように。そんな嫉妬を生むくらいの魅力である、エリカ・マロジャーンというこの女優さん。たくさんの名画に出ていそうだが検索した範囲では意外にそうではないようだ。
ひと3さん [DVD(字幕)] 8点(2025-06-03 21:42:05)
39.ネタバレ ストーリーは違うが「愛と宿命の泉」と通じるものがあるような。因果応報の切ない復讐譚。
毒薬の伏線も効いていて、ラストまで引っ張られる。最後まで見て冒頭の死の意味がようやくわかるサスペンス仕立て。
ハンスは平凡な失恋男だったのに、ナチの手先として権力を握ってからクズ人間の本性を現した。
権力を握ると腐った本性を現わす人間は多いが、まともな検閲機能がなく不正のまかり通る時代や国ならなおさらだろう。
二人の男と付き合う魅惑の美女。男としては当然一人占めしたいところだが、捨てられるのを恐れて半分で我慢している。
良く言えば男にプライドを捨てさせるだけの魅力のある女ということだろうが、天使の顔をした魔性の女だ。
この映画の最大の難点は、人を死にたくさせる魔性の曲を現実には表現しきれないこと。
実際に自殺者が多く出た曲として有名なようだが、それも単に都市伝説っぽく感じられて実感として伝わってはこない。
飛鳥さん [DVD(吹替)] 8点(2017-12-08 00:17:48)
38.ネタバレ いい映画でした。
多数の自殺者を出したとされるいわくつきの「暗い日曜日」という曲のことは知ってたけど
それを元にした本作があることは最近知りました。
やっぱりヨーロッパにとってナチスって避けては通れないのね
結局ハンスはなにをどうしようが自分になびかなかったイロナに復讐したのね
可愛さ余って憎さ百倍。
そしてラズロはどういうつもりであの毒の瓶をイロナに託したのか・・・
イロナは50年間あの瓶入りの毒を持ち続け、待ち続けてたんだ
この瓶が心憎い伏線になっていて良いです。
歌詞の内容とは違うラスト、そしてオープニングに繋がる現在
構成も良いと思います。
ラズロ役の俳優が上手いですねーハンスが去っていくのを目で追いながら
アウシュビッツ行きの列車に乗り込む表情がなんともいえません
ところで現在のレストランの経営者である息子の父親って・・・誰??ハンス?!
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-10 22:31:23)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 57人
平均点数 7.75点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
423.51%
511.75%
6814.04%
7814.04%
82238.60%
91119.30%
1058.77%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review3人
2 ストーリー評価 8.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 7.25点 Review4人
4 音楽評価 8.80点 Review5人
5 感泣評価 7.00点 Review2人

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