映画『生きものの記録』の口コミ・レビュー(2ページ目)

生きものの記録

[イキモノノキロク]
I Live in Fear
1955年上映時間:105分
平均点:6.64 / 10(Review 36人) (点数分布表示)
ドラマモノクロ映画
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-11-26)【イニシャルK】さん
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監督黒澤明
助監督田実泰良
野長瀬三摩地
キャスト三船敏郎(男優)中島喜一
志村喬(男優)原田
佐田豊(男優)中島一郎
東郷晴子(女優)中島よし
青山京子(女優)中島すえ
千秋実(男優)中島二郎
三好栄子(女優)中島とよ
加藤和夫【俳優】(男優)原田進
根岸明美(女優)栗林朝子
太刀川寛(男優)須山良一
上田吉二郎(男優)朝子の父
小川虎之助(男優)
三津田健(男優)荒木
渡辺篤(男優)石田
清水元(男優)中島鋳造所職長
土屋嘉男(男優)中島鋳造所工員
谷晃(男優)留置人
大村千吉(男優)留置人
左卜全(男優)地主
中村伸郎(男優)精神科医
清水将夫(男優)山崎隆雄
千石規子(女優)君江
本間文子(女優)工員の家族
藤原釜足(男優)岡本
東野英治郎(男優)ブラジルの老人
谷洋子(女優)
脚本橋本忍
黒澤明
小国英雄
音楽早坂文雄
佐藤勝(ノンクレジット)
松井八郎(ノンクレジット)
撮影中井朝一
原一民(撮影助手)
斎藤孝雄(撮影助手)
製作本木荘二郎
配給東宝
美術村木与四郎
録音矢野口文雄
照明岸田九一郎
その他野上照代(記録)
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💬口コミ一覧

16.精神病患者となってしまった老人を、家庭裁判所の男と老人の妾が見舞いに訪れるラストがとても素晴らしい。このシーケンスにこの物語の全てが集約されていると言っても過言ではないでしょう。妾の背に抱かれた赤ん坊の寝顔がほんとうに印象的で、「何も知らん赤ん坊を水爆なんぞに殺されてたまるか」と言う老人の台詞に素直に共感させられ、「狂っているのはあの老人なのか、それとも正気でいられる我々なのか」という最後の問いかけには思わず言葉に窮してしまいました。登場人物の中で、老人の理解者として印象づけられるのは、血縁関係にある妻や息子達ではなく、見舞いに訪れた家庭裁判所の男であり、妾という、いわば他人である人物です。実際、彼等の立場は非常に弱く、実に無力な存在として描かれ、黒澤監督は、ここに「正しきもの=無力」という図式を作り出し、社会に対する怒りとも言うべきメッセージを全面に打ち出しています。原水爆反対という社会的な大テーマを家族ドラマの中で訴えようとしたことでかなり無理が生じている部分もありますが、メッセージは徹底的に強く、娯楽は徹底的に面白くというように、作品のコンセプトがはっきりしているところが黒澤監督の魅力。作品の中でとことん突っ走ってしまう黒澤監督は良い意味でとても「不器用」な監督だと思います。これは娯楽大作でも同じだと思うのですが、実にわかりやすく明確なテーマを持って突っ走った本作は、特にその「不器用」さがまともにでている作品と言えるでしょう。原水爆というものに対する知識や理解については、現在では随分変わってきていると言えども、この映画で黒澤監督の発したメッセージはとても重要だと思いますし、強く共感できます。マルチキャメラ方式を採用した最初の作品であり、早坂文雄の遺作となった作品。ちなみに興行成績は黒澤作品中で最低らしく、こんなところもまた良かったりします。
スロウボートさん 7点(2004-02-21 23:55:10)
👍 1
15.かなり狂っているな。三船が主役っていう映画ではない気がするがな、顔力あるし個人的にはもっと荒々しい三船が好きだ。しかし、原水爆の恐怖を狂ったように語るあの老人のおかげで勉強になりました。
たましろさん 7点(2003-10-13 20:53:48)
14.ネタバレ  狂気とエゴとの戦い。
 狂気は、誰もが持っている不安をことさら大げさに考えるもので本当に狂気なのかどうか判らない、むしろ、家族を思う気持ちが強いゆえの狂気。
 エゴも、誰もが持っている現状満足を壊されたくないという些細なエゴで、他人を不幸にしようという意思はない。
 最後は、狂気が負けて本当に狂人になってしまうが、誰も喜んでいない、とても後味の悪い作品。

 三船敏郎の老け役を筆頭に、すべての役者の演技も見事、画面作りや、テンポよく見せる手法は、さすが黒澤監督なのだが、問題提起をして、見る者にひたすら考えさせて、ぐっと盛り上げる場面、娯楽的な場面、感動を呼ぶ場面などは全くなく、淡々と話を進めて後は勝手に解釈してくれというようなストーリーは、黒澤作品としては異色かも。
nobo7さん [DVD(邦画)] 6点(2010-09-12 00:50:48)
13.水爆がどうのとか言いながら、実は他に理由があるのか?とか思ってたら、本当にそれだけだったとは・・・。狂って終わりってのは、今となってはありきたりで新鮮味も無いが、過程はそこそこ楽しめたような気がする。
のほほん息子さん 6点(2003-10-31 03:23:35)
12.原爆の恐怖で狂わんばかりに叫び続ける老人を三船が演じた異色作。この老人の気持ちは監督の気持ちでもあったのだろう。晩年の八月のメモワールでも、オムニバス映画の夢の一話でも原爆の恐ろしさを訴えている。黒澤監督は娯楽作以外ではメッセージ性の強い作品も作っている。晩年にその傾向が強いが、この時期には珍しい。第五福竜丸事件がこの頃だったか?それがきっかけかもしれない。
キリコさん 6点(2003-05-31 16:39:37)
11.ネタバレ ちょっと一見すると三船さんとは分からない老人役を演じていて、何か少し違う雰囲気。原水爆の恐怖を描いているが、少し一方通行な主義主張が押し気味で独特。どうしてブラジル?とやっぱり疑問は残る。何かとても割り切ってつくられたような作品でしたね。最後のシーンも何かとても印象的でゴザイマシタ
Kanameさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-06-11 10:19:42)
10.ネタバレ 面白いか、と問われると面白くはない、じゃあ駄作か?と問われるとそんなことはない。
なにか見終わった後にこの作品について考えさせられて、じゃあそれってやっぱり良い作品なんじゃないか、というとよくわからない。
信念を持ってとった行動も、アングルを変えて見るとただの迷惑行為であるという、価値観のすれ違い。
その辺の描き方は見事だなと思いますけど、あまりにも三船が1人過ぎたのかも。

観たのは結構前ですが未だにこの作品のことを考えています。
大経師さん [DVD(邦画)] 5点(2014-10-18 14:48:39)
9.米ソ冷戦の時代、両国は広島長崎の数十倍から数百倍の威力をもつ原水爆実験を競い合うように行った。それはもはや地球の全都市を破壊してしまうほどのものであり、死の灰とか黒い雨など放射能汚染の恐怖もさかんに論じられていた。だからこういう映画ができても当然なのだが、いかんせんこの映画ではエゴと狂人に焦点が当てられ、社会派映画にはどうもという感じに思える。三船敏郎の老け役には驚くばかりだが・・・。ところで何でブラジルが安全という理由はないだろう。当時はブラジル移民の数が多かったし、単に新天地開拓と結びつけただけではなかろうか。
ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 5点(2013-07-16 17:21:01)
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8.ネタバレ 今時分に観ると当時の生活模様が観れて新鮮だった。エアコン、クーラーなんて物は無かった。テーマは原水爆に脅かされ続けて逝くだろう人類の今。キャラの設定等がいかにもありそうな風で面白い。しかし原水爆自体が現代では珍しくもなく、事態がより深刻かつ複雑で当たり前になってしまっているからか、老人の不安をリアリティーとして感じ取る事ができなかった。戦後のテーマではあると思う。
warrabitさん [ビデオ(邦画)] 5点(2011-01-07 13:40:23)
7.ネタバレ 本作の前年の第五福竜丸の被爆以降、国内では反核キャンペーンが盛り上がったらしい。映画で最も協力した作品は「ゴジラ」だけど、本作もその気運に連なる作品なのでしょう。原水爆の恐怖に怯える男を、三船が老け役で演じる。その老け演技がなかなか見事です。一族の無事を願ってブラジルへ移住しようとする男と家族の対立がメインストーリー。第五福竜丸の被爆も米国科学者の計算値を越える範囲に死の灰が降ったことが原因だったので、この男の主張をバカバカしいと軽く一蹴できない世相が当時にはあったはず。そんな漠然とした不安を衝くシナリオは、鑑賞者には刺さっただろうと想像する。この男はブラジルへの移住を計画する前には青森あたりに核シェルターも建造していて、テーマや設定を見廻すと、これは黒澤作品唯一のSF映画と言えるのではないかと思います。黒澤らしい力強い映像と割り切れない終わり方の組み合わせは新鮮でもある。前年に「ゴジラ」で水爆への恐怖を語った志村喬が同じような役目を担っていました。ちなみに、なぜブラジルへ行けば死の灰の恐怖から解放されるのかは説明されていません。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-02 21:49:43)
6.危機感がない僕らが異常なのか、危機感持ちすぎるじいさんが異常なのか、答えが出ません。
Yoshiさん [DVD(邦画)] 5点(2008-03-04 23:41:49)
5.ネタバレ 戦後さほど経過していない製作時期等を考えると、一家の大黒柱が核や放射能被害に遭わないように家族ぐるみでブラジルに移住(多分日本の裏側に位置する国だからという意味だと思う)しようと言い出す明確な心情までは分かりませんが、戦争体験をして死と隣り合わせの部分までいくと、ひょっとしたらこういう風になってしまうのではないかなと考えさせられてしまいました(でも地球上どこでも100%安全な場所は無いと誰も家族が言わないのが不思議)。今の時代で言えば、あの国のミサイルに置き換えられると思います。しかしどんなテーマであれ、ある程度スッキリとした結末を見せてくれていた黒澤映画の中でも、後味の悪さはズバ抜けています。主の考えを阻止しようと準禁治産者の申し立てが通った事がきっかけで更に精神は病み、結局は自分の工場に火をつけ刑務所行きとは・・・。しかも彼は刑務所の中を地球以外の星だと思い込むなんて・・・。もしかしたら危険と隣り合わせの中で平気な顔して暮らしているこっちが普通ではないのかなと考えさせれてしまいました。凄く重いテーマなのに「三船先生が頭の中で移住した星は、こりん星?」とかネタを考えてしまった自分が情けないです・・・。
まさかずきゅーぶりっくさん [DVD(邦画)] 5点(2006-08-16 17:01:45)
4.ネタバレ 人災をあれほどまでに気に病む老人に、最後まで違和感を拭いきれなかった。賛成派(?)の志村喬様も、あの後ブラジルへ移住したとは、とても思えず。
水の上のハイウェイさん 5点(2003-08-12 18:49:47)
3.うーむ、あのじいさんにはどうも共感できん、、、。なぜブラジルが唯一安全なの?
あろえりーなさん 5点(2003-02-07 14:28:10)
2.時代背景を勘案して見ないといけないというのは、それだけで駄作だ。
黒澤明はリアリティを追求したというが、このリアリティの欠如はなんだ。
みんな嫌いさん [CS・衛星(邦画)] 3点(2006-08-22 20:27:37)
1.独りよがりが過ぎて狂人の域まで至っている黒澤監督が、同じく独りよがりが過ぎて狂人の域まで至っている男を主人公に描く純粋独りよがり映画。監督の内面をそのまま実体化したような不快なじじいが主役。そして、凶暴なようなそうでもないような彼を近親者が恐れているようなそうでもないような、心理的につじつまのあわないシーンが連続してあきれる。そんなご都合主義の演出は歌舞伎の型で出来ているようなシュールさで、無理矢理な老け役の三船敏郎の力みすぎの熱演と、コントみたいなメークの水戸黄門の登場と相俟って観ているこちらも発狂しそうだ。また大上段に構えすぎる問題意識の表明は、黒澤さんがはずす時の「観客おきざり」というある意味王道ともいうべきパターン。本作はタイトルからしてそうとう恥ずかしいその手の代表作かと。こんな自己満の塊みたいな作品のために、町工場のセットを周辺も含めてまるごと作るのだから、当時の映画産業の持つパワーに思わず感心してしまう。家庭裁判所の廊下のセットは当時新しく出来た体育館みたいなスタジオを斜めに使った長大なものらしいが、画面を圧縮して密度を高める黒澤理論に沿って望遠で撮っているせいで奥行き感はなく、その効果はほぼ感じられない。大塚駅のセットもそれを作る必然性を感じる画は無い。いったい何やってんだ? 我が儘いっぱいの大人子供が作ったような極めて奇怪な作品なので、貴重なその珍奇さをもって10点でも100点でもいいのだが、どう好意的にみてもドラマ的なチープさは否めないうえに、心底恥ずかしい気持ちにさせられたので0点。
皮マンさん [DVD(邦画)] 0点(2016-12-29 16:40:57)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 36人
平均点数 6.64点
012.78%
100.00%
200.00%
312.78%
400.00%
5925.00%
638.33%
7925.00%
8822.22%
9411.11%
1012.78%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 5.25点 Review4人
2 ストーリー評価 4.50点 Review4人
3 鑑賞後の後味 3.50点 Review4人
4 音楽評価 3.00点 Review3人
5 感泣評価 2.66点 Review3人

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