映画『アバウト・シュミット』の口コミ・レビュー

アバウト・シュミット

[アバウトシュミット]
About Schmidt
2002年上映時間:125分
平均点:6.57 / 10(Review 138人) (点数分布表示)
公開開始日(2003-05-24)
ドラマコメディ
新規登録(2003-06-02)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-06-01)【イニシャルK】さん
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監督アレクサンダー・ペイン
キャストジャック・ニコルソン(男優)ウォーレン・シュミット
ダーモット・マローニー(男優)ランドール・ハーツェル
ハリー・グローナー(男優)ジョン
キャシー・ベイツ(女優)ロバータ・ハーツェル
ホープ・デイヴィス(女優)ジーニー・シュミット
レン・キャリオー(男優)レイ・ニコルス
石田太郎ウォーレン・シュミット(日本語吹き替え版)
一城みゆ希ロバータ・ハーツェル(日本語吹き替え版)
渡辺美佐〔声優〕ジーニー・シュミット(日本語吹き替え版)
内田直哉ランドール・ハーツェル(日本語吹き替え版)
牛山茂ジョン(日本語吹き替え版)
村松康雄ラリー・ハーツェル (日本語吹き替え版)
前田敏子ヘレン・シュミット(日本語吹き替え版)
脚本アレクサンダー・ペイン
ジム・テイラー
音楽ロルフ・ケント
製作レイチェル・ホロヴィッツ
ビル・バダラート
配給ギャガ・コミュニケーションズ
衣装ウェンディ・チャック(デザイン)
編集ケヴィン・テント
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
シュミットは会社を無事に定年退職した。ふとしたことから、本来シュミットがするはずもない慈善団体への寄付をした。寄付をしている少年への手紙に自分の近況を書くうちにシュミットのイライラはつのってくる。そんな中、妻が急死した。妻の過去や娘の結婚とすべてシュミットの思った通りではない。いったい、私の人生は・・・
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💬口コミ一覧

138.ネタバレ もう少し評価が高くてもいいのに…と思っています。退職後自分の存在意義を見失う事、配偶者との突然の別れ、子供の独立…といった万国共通のテーマに加え、ルート66の風景、離婚に対する無抵抗感などアメリカの味を加えて一見、ありふれたストーリーのようですが、そこにジャック・ニコルソンとキャッシー・ベイツの役柄になりきった極上の演技に私は感動しました。そして奥底にあったテーマは恵まれない地域の子供に対する援助。おそらくラストの涙は、不幸続きと思っていた自分よりももっとつらい世の中があることを知ったこと、そして、仕事と妻を急に失いながらも病んだ社会の日常の中でそのことを「感じる」ことすら出来なかった状況で、タンザニアの少年の絵が時間を止めてくれ、初めて妻を失ったことを『実感』し悲しく思うことが出来た、ということではないでしょうか。映画評にコメディとあるのは二人の偉大な俳優があまりにリアルな演技をされたから。日常生活の我々も、遠くから見れば本当に滑稽な生活をしているとい思います。数々の奇抜な役柄をこなしてきた二人が、今度はどこにでもいそうな人物をいとも簡単に、そして真摯に演じた名優に乾杯です!
元締・虎さん [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2008-02-17 18:52:35)
👍 1
137.この物語の主人公は米国では一般的なサラリーマン像なのかわかりませんが、彼の境遇を日本に当てはめると非常にしっくりきます。
ひとつの会社に定年まで勤め上げ、その間にささやかな家庭を築き、会社員生活最後の日を静かに終える。
送別会では後任の若手に持ち上げられて「退職後もいつでもおいでください」と言われ、真に受けて訪ねてみれば「何の御用ですか?」と言われてしまう。ゴミ捨て場には彼の書類がうち捨てられ、もはや会社には彼が存在していたことさえ忘れ去られたよう。
家に帰れば所在なく、年老いた妻にも長年積もり積もった小さな不満が一杯、結婚を控えた娘のフィアンセは標準以下の男で気にくわないが、彼の意見など娘は気にとめるでもない。
孤独な男、ウォーレン。自分の人生は何だったのだろう・・・。
この状況、日本のサラリーマンでも共感する人が多いのではないでしょうか。
米国の映画でこんな描写が描かれているというのは新鮮でした。
そんなことで、この映画は劇場では見逃したものの何度もDVDで観ているのですが、今回BSハイビジョンで放送されたので改めて観てみると、ニコルソンの徹底した役作り、歩き方、しゃべり方、仕草、ちょっとした表情まで、非常に計算され尽くされ、表現されていることにあらためて気付きました。
一番の発見は、妻を亡くし、彼女の浮気の手紙を発見して自暴自棄になるウォーレンが生前の妻の言いつけを初めて破ってトイレで小水をまき散らすシーン。当初は単なる復讐心からの行動だと思っていたのですが、ハイビジョンで観ると、彼の目に涙が光っているのがはっきり見えました。唸りました。そしてウォーレンの心情を察して切なくなりました。
今はこうやって分析的に観ていますが、最初はもうニコルソンが真面目な老紳士ウォーレンにしか見えませんでした。あれだけ毒のある役所が多い俳優なのに、それを一切消し去って役になりきっている。
アレキサンダー・ペインがニコルソンを主役に抜擢したのは、やはり彼の俳優としての素質を知っていたからなのでしょう。勿論向こうではニコルソンの実力は周知のことなのでしょうが。。。
今までジャック・ニコルソンという俳優は余り好きではありませんでしたが、本作を見て彼の俳優としての実力の高さを思い知らされました。
ロイ・ニアリーさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2004-07-23 07:39:17)
136.ネタバレ 少なからず誰でも老後には不安感を抱えているはず…。退職と同時に普段私達がひそかに怯えてる将来起こり得る出来事を一気に体験してしまうシュミット。始めの方は現実的で怖すぎて笑えませんでしたよー。新しい人生探しの旅が成功に終わってホッ!“生き甲斐”って心身ともに長生きの為には大事ですね。「普通のオヤジ」の話がこんなにも切なくって面白いなんて皮肉です。この映画のニコルソンは素直に好きです。何度もオスカーにノミネートされるわけがやっと分かりました。だってニコルソンにはこんな老後は待ってないと誰もが知ってるけど、描写がほんとリアルでしたもん。6歳の子供相手に何を書いとんじゃーな手紙には大ウケ。このへんはいつものニコルソン健在でした。
桃子さん 10点(2004-02-06 15:06:01)
135.今年(2003年)公開された映画の中でも、今のところ1、2を争う秀作。生きることの切なさ、やるせなさ、愛しさが、実にひょうひょうと描かれていて、まだ若い監督のくせにもはや名人芸のごとき巧さ。ジャック・ニコルソンはこれまでのキャリアでも最高の名演です。まだまだ脂ぎった彼が、ほとんど笠智衆(!)のように見えてくるなんざ、ビックラこいちまっただ。作品自体も、ほとんど日本映画のような撮り方で、この監督は今後とも要チェックと断言しておこう。 《追記》やはり2003年度公作品では、ぼくのベスト作品になりました。冒頭、主人公シュミット氏の会社がある高層ビルを映すカット割りは、まさしく小津安二郎作品そのもの。それも、単なるモノマネや青臭いオマージュなんかじゃなく、はっきりと自分の「スタイル」にしているところがスゴイです。一見地味だけど、これは本物の“滋味”あふれる秀作だ。
やましんの巻さん 10点(2003-07-16 16:03:15)
👍 1
134.ネタバレ どこにでもいて、どこにでもあるシチュエーション。
夫婦なら必ずその時が来る別れ。といって彼は、落ち込むかというとそうでもない。
束縛されることなく用を足せる…。なんてな些細な楽しみが出来たからだ。
いやいやそれよりも愛娘が、とても好きにはなれそうにないインチキくさい男と結婚。
娘に話を聞いてくれず、相手にもされない。
苛立ち、寂しさ、哀しさ。
式後、そんな彼に届いたンドゥクからの絵。
人が二人。大きい人、小さい人、手をつないでいる。明るい太陽。ただ・ただそれだけ。
お世辞にも上手とはいえない。
一人はシュミットだろう。手をつながれている小さい方は誰だ?
死んだ奥さん?愛娘?それともンドゥク?

それをみて、シュミットも何もセリフはない。
ただ、顔がアップのシーン。涙がボロボロ。笑っている。

この瞬間にわかる。「あっ。彼は今救われたんだ。」と。

この静寂かつ感動のラストシーンを見せたいが為の映画。
これぞ、映画。
また、10年後に観てみたい。そう思った。
湘爆特攻隊長さん [DVD(吹替)] 9点(2012-01-14 14:25:20)
👍 1
133.ネタバレ 何回みても面白い. 決して明るい話ではないのに, ちょっと落ち込んだときなんかに見ると軽くなる ... 軽くしてくれる ... 私にとってはそんな映画.
RTNEE USAさん [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2009-02-20 21:31:41)
132.ネタバレ 社会や家庭における立ち位置が無い帰属の消失によるアイデンティティの喪失という深刻な問題も、ジャック・ニコルソンの怪演のおかげで見事にコミカルな描写となっています。ニコルソンがヤケになってカートいっぱいに冷凍食品を積めこんでいるシーンなんぞ最高に可笑しいです。そして始まる旅。このロードムービーの道中の空っぽの田舎町、はっきりしない天候などがシュミットの心象風景のようで悩みや虚無を感じさせます。さらに花婿の実家はシュミットの家とは180度違った色使いであり、到着早々、近所の裸のオヤジがゴミ出しする姿が何気なく窓からチラリと見えます。これが自身に理解不能な別世界へ突入した合図となっていて面白い。加えて奇妙な食事会の風景、ウォーターベッドでの奮闘ぶり、ジャグジーではニコルソンはパンツ履いているのにキャシー・ベイツは豪快ヌードと、畳みかけるような未知の試練がシュミットに迫ってきて悲しいまでの滑稽さについついシュミットに肩入れしたくなる作りが巧いです。ただ、ラストのオチ…言いたいことは分かるのですが子どもの絵とニコルソンの泣き顔アップで締めるのは少々ズルいかなと。確かに堰を切ったように感情が爆発する場面ではあるのですが、もう一歩引いた演出で見せた方が深かったと思いますし、映画にも一貫性があったのではないかと思います。でもそれ以外はかなり気に入っています。
 私にとって定年退職なんてまだ想像もつかない先の話なのですが、シュミット化の危険性も孕んでおり胸にグッサリ突き刺さってしまいました。自身が同じ年頃で観ていたらもっと痛い思いをしていたでしょう。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-25 18:27:40)
👍 1
131.ネタバレ 人というのは所詮ひとりでは生きられない。いつになっても、いくつになっても自分の役割と居場所を求め、誰かの役に立ちたいと思い、その実誰かに必要とされたいと密かに願う。それをエゴとか依存と決め付けるのは簡単だが、実際買い物だって誰かがお店を開いてなければモノを買うことすら出来ない(まあ、極端な例なんだけども)。知らず知らずのうちに、誰かにすがっている、それが当たり前なのだと思う。振り返ると、家族を愛していたつもりでいても、結局は仕事にしか満足を得られなかった。家族との関係は空疎なものになっており、またこれまで仕えてきた会社は、定年過ぎるともはやお払い箱で自分のことなどどうでもいい(ゴミ捨て場の書類が象徴的だった)ということを思い知らされ、自分を必要としている人がいないことに愕然として最後家にたどり着いた。ラストまでの時間の長さは、そのまま彼が失った時のような気がする。暗く荒れ放題の家の中は、そのまま彼の心象風景だった。頼りたい人に相手にされず、自分自身の無力さを痛感した彼の心中は如何ばかりか。必要とし、必要とされることを今ごろになって気づいた、もう遅かったのか。その絶望感がひしひしと感じられたから、最後のあの絵には涙が止まらなかった。しっかりつながれた手、大きく輝く太陽が、大丈夫だよと語りかけている気がして。気付くのは遅かったけれど、気付くことが出来たのが大切なのだと。神様がいるとすれば、遠いアフリカの天使にそれをたくしてシュミットに伝えたような、そんな気がする。今でも思い出すたび、涙が止まらない。
合言葉は埜波と軍曹/埜波(のなみ)さん 9点(2004-09-17 18:49:38)
130.ネタバレ ジャックニコルソンは、名優なのだと言うことは、良く知っています、演技は、べつに、いつも道理で、構わないのですが、もうすこし、長尺にしても、ゆっくりした映画にしても良いのかな、最近のアメリカ映画の場面設定の短さ、は、こういう映画には、かえって、面白みを、少なくしているかな、とか、感じました。私は、キャンピングカーが、好きなので、彼が乗っている、キャンピングか、おそらく10メートルはあるだろう、素晴らしい、キャンピングカーの場面を、もっと増やして欲しかったです。かれと、キャンピングカーだ、ドウ絡んでくるのかな、とおもっていたら、突然妻の希望で、買ったという、台詞で登場。もっと、選ぶ部分とか、妻が、車のなかで、朝食を作るだけではなく、妻が、車のために、株券を処理する場面など、写しても、いいのかな、と、自分で、帰るのは、せいぜい5メートル、迄のキャンピングカーですが、なんかな、アメリカの道路は幅が広そうに感じました、あの巨体がなんか、普通にはしっていて、あまり、大きく感じないような、キャンプ場で、偶然に、誘われて、乗り込んだ、先で、なにげに、奥様の体に触れてしまった、場面、笑えました。えいがって、本当に素晴らしいです、感動しました。
yasutoさん 9点(2004-07-19 02:12:18)
129.ネタバレ アメリカ社会にも本音と建前が存在しているのだと、改めて認識しました。社会の一員として世の中に貢献してきたと自負していた主人公が、定年退職後、実は自分は何の役にも立たない人間だと感じ始め、ジレンマに悩まされていきます。ジャク・ニコルソンの演技から、そんな悲しさがひしひしと伝わってきました。(自分にとって)納得のいかない娘の結婚をも正してやれない無力感に、壊れてしまいそうな悲しい心をどう癒していくのか、観ていてやりきれない思いでいっぱいになりました。エンディングは多くを語らず、観ているものの想像に任せる形で終わりましたが、優しい余韻にあふれて感動的でした。
ソフィーの洗濯物さん 9点(2004-03-11 01:55:11)
👍 1
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128.自分にはまだまだ先の話、でも、必ずやってくるだろう現実に共感を得ました。主人公とは性別も年も違うのに、彼が思っている孤独感や喪失感がとても身近に感じられ、彼がどういう行動をするのか、とても興味深く見入ってしまいました。娘ってあんなもんなのでしょうか?これまでの親子関係によって違ってくるのだと思いますし、私には子供もいなく、親の気持ちとしてはわからない部分もあるのですが、同じ娘の立場としては、もう少しお父さんの気持ちも考えてあげれば良いのになって気になって仕方ありませんでしたね。最後だけでなく、途中も彼の寂しさなどが伝わってきて、悲しくなってしまいました・・。年を取ったからと言って、何も出来ないし、役にもたてないなどと思わずに生きていって欲しい。
カズレーさん 9点(2004-03-04 05:45:13)
127.くどい演技で辟易させられることの多かったジャックニコルソンが、この映画では実に抑制されたいい演技をしてくれます。こんな普通のおとっつぁんもできる人だったんだと感心。「あんた、やったら出来るがな」と、そのことを突っこみたくなった。ロードムービー好きの僕には嬉しい映画。何もかも上手く行かないんだけど、それでも生きてるのも捨てたもんじゃないよって言われてるようでいいなあ。ラストのジャックの涙には、やはり胸がグッとなった。あの涙が、この映画の言いたいことの全てなんだな・・・・。あんな、ちょっとしたことで、人間なんとか生きていけるんだよ。そうだよな・・・・。
ひろみつさん 9点(2003-12-19 23:42:26)
👍 1
126.ジャック・ニコルソン、昔は若かったのに(あたりまえだ!)年取ったね。でも昔から年取ってたみたいにちっとも違和感ない。人間って、自分と違う環境にいる人に対してやさしくなる事は難しいんだね。だから分かり合うことって大変な事なんだ。ラストのニコルソンの涙。「おじさん、ほんとによかったね」この映画、すべての40歳以上の人に勧めたい。
パキサンさん 9点(2003-08-05 02:32:28)
125.ネタバレ 会社を定年退職し、さらには妻にも先立たれ、自分を管理していたものをすべて失った老人のお話なのですが、これが恐ろしく日本的な内容だったので驚きました。アメリカのホワイトカラーは個人主義でバリバリやっているイメージだったのですが、実際には日本のサラリーマンと同じく、組織への滅私奉公に人生の時間の大半を費やしているようです。。。
仕事をしている間にはそれなりにやることもあったし、家族と向き合わないことを正当化する言い訳もあった。プライベートで気に入らないことがあれば、妻のせいにしてればいいし。しかし、仕事を離れてそれらの制約条件がとっぱらわれた時に、それまでの人生への評価が冷酷な形で下される。以上、本作のテーマは普遍的なのですが、一方でその語り口は非常に型破りです。主人公は妻を失ってもさほど悲しまないし、疎遠になっていた娘との劇的な和解もない。娘の旦那は相変わらず好きになれないし、長旅に出ても感動的な出会いなどない。そして、主人公の偏屈な性格も一向に治らない。この手のドラマにありがちな展開は全て外してきているのです。。。
ハリウッド的な感動ストーリーに代わって描かれるのは、ひたすらに非力な老人の姿。その生き方のツケから家族にも友人にも恵まれず、その状況を変えるだけの力も度胸もない。ただ目の前にある孤独な余生を受け入れるしかない主人公の姿が、情け容赦なく描かれます。コメディとして作られているので直感的な衝撃度は低いものの、よくよく考えれば相当に欝な話です。。。
そして、オチの付け方も底意地の悪いものでした。アフリカの子供が描いた絵を受け取って涙する主人公。これを、主人公が人間性を回復した瞬間だと解釈する向きもあるようですが、私はそうは思いません。添付の手紙には、この子は英語が分からないという説明がありました。つまり、子供は主人公からの手紙の内容を分かっておらず、当然主人公の人となりも理解しておらず、恐らくは保護者から促される形でとりあえず描いた絵があれだったのです。主人公の涙は、こんなものにすがり付くしかない自分のみっともなさを嘆いたものでしょう。たまに小銭を寄付し、そのお礼に絵や手紙が送られてくるだけの関係。しかし、主人公が誰かから求められていると実感できる瞬間は、これしかないのです。本作では、家族を大事にしないと大変なことになるという重要な教訓が提示されています。
ザ・チャンバラさん [DVD(吹替)] 8点(2013-07-06 00:14:47)
124.ネタバレ ラスト数十秒のジャック・ニコルソンの泣き笑いの表情にすべてを語らせる映画。そこまで観てやっと、今までの約2時間がそのシーンに至るための壮大な前フリだった事に気付く。内容は一応コメディなのだが、引退したサラリーマンの悲哀がこれでもかと無様に描かれるので、微妙に暗かったり痛々しかったりして笑えない場面の方が多い。しかし、少々退屈に感じたとしても、最後まで投げ出さずに観るべきである。晩年に差し掛かっても何者にもなれず、何事も成し遂げられなかった平凡な男に訪れる、ほんのささやかな救いを。「自分の人生に意味などあるのか?」、一度でもそんな自問をした事がある人なら、人生観を変えてくれる1本にもなり得るはず。ただし、終盤に出てくるキャシー・ベイツの裸体には人生観を狂わされるくらいのインパクトがあるので要注意。
オルタナ野郎さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-12-15 00:46:06)
123.ネタバレ 哀れな中年を描いたらピカイチのアレキサンダー・ペインですが、個人的には彼のフィルモグラフィーの中で最も好きな作品です。とにかく哀愁漂う可哀そうな主人公を観ているだけで笑えるし、また泣ける。そしてそう思えるのはジャック・ニコルソンの高い演技力によるとことが大きいと思います。なんだかんだ言って大御所は凄いですね。この主人公は所謂孤独というレッテルを張られた良くあるキャラクターなのですが、それゆえに非常に感情移入してしまう。だって誰だって自分は結局孤独だとか思ってしまう時ってあるじゃないですか(無いって人もいるのかな?)。だからこの映画は"アバウト・シュミット"であり"アバウト・アス"でもあるのでしょう。終わった後に自分が所謂独り者であることに戦慄を覚えましたわ。
民朗さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-09 13:40:45)
122.ニコルソンのおとなしい役って久しぶりというか初めてじゃないか?という感じでいろいろな感情を含んだ表情がなんだかケッサクで笑ってしまった。キャンパーのとことか。
kagrikさん [地上波(字幕)] 8点(2011-10-08 22:01:28)
121.ネタバレ この映画にある現実味。それは自分にとっても遠くない将来にあり得る姿であり、目を背けられない人生の厳しさでした。
どこかに救いを、夢を・・・と望む私の願望はことごとく跳ね返されます。

ジャックニコルソンが大好きな私には、たとえ映画でもこんな淋しい役を演じているのを見るのさえ悲しい。
けれど、このシュミットという男のとことん孤独な生活。それをここまでリアルに私たちに見せられるのはやっぱり彼しかいないと思う。

「最高の人生の見つけ方」といい、晩年の人生を想う作品を
ニコルソンはやはり意図的に選んでいるのでしょうか。
次作はガツン!とまた、違ったテイストの役柄を選んでくれることを一ファンとして切に願います。まだまだニコルソンという俳優の
存在感に圧倒されたいから。

nackyさん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-13 17:28:29)
120.ネタバレ ラストシーンの、ジャックの顔がアップになるところで号泣してしまいました。数秒間ずっとジャックの顔だけなのに、思わず涙が込み上げてしまったような演技には心打たれました。あの絵一枚で、今までの長い人生が報われたような、あるいは許されたような…そんな思いで男泣きをする表情。あのシャイニングのジャックと同一人物とは思えないほど見事に役になりきっていました。ストーリーは次の展開が想像のつくノーマルなものでしたが、作品としての完成度は高いと思います。
ClocheRoseさん [DVD(字幕)] 8点(2008-05-15 03:50:06)
👍 2
119.ネタバレ ジャック・ニコルソンの映画を立て続けに見てしまった。どっちもちょっとこだわりの強いおかしなおじいちゃん役。「シュミット」の方はさほど、こだわりが強いキャラではないが、朝のトーストの話とかキャンピングカーの話とか棺の話とか・・・ちょっとずつちりばめられている。そして途中で知り合った奥さんに・・・というシーンは何だか分けわかんないんだけど、一応伏線になっているのかなと思おう。「シュミット」の最後の涙は何だろうと考えた。ほんの気まぐれで普段しないような寄付をしてみた。特に何か見返りを望んだ訳ではない独り言を書くためだったのかもしれない。定年前の彼だったらしなかっただろう。それは無駄なお金にすぎないから。でも、彼は寄付をし、手紙を送った。そんな相手に自分の弱さや絶望感を救ってもらったのである。わずか6歳の子にである。太陽の下で「父」と慕うシュミットと自分の手をつないでいる何でもない絵である。しかし、自分の無力感を感じていた彼にとっては新たな希望を生み出すともに、家族への愛情を注げる相手を再び見つけた喜びでもあったのだ。何も期待していなかった相手に小さな子供に彼は感謝の気持ちで溢れたのである。と、そう思ったんだがなあ。どうです?
蝉丸さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-06-25 23:34:59)
👍 1
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【点数情報】

Review人数 138人
平均点数 6.57点
000.00%
100.00%
210.72%
353.62%
475.07%
51712.32%
62820.29%
74935.51%
81813.04%
996.52%
1042.90%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.14点 Review7人
2 ストーリー評価 7.07点 Review13人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review16人
4 音楽評価 7.37点 Review8人
5 感泣評価 6.40点 Review15人

【アカデミー賞 情報】

2002年 75回
主演男優賞ジャック・ニコルソン候補(ノミネート) 
助演女優賞キャシー・ベイツ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2002年 60回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ジャック・ニコルソン受賞 
助演女優賞キャシー・ベイツ候補(ノミネート) 
監督賞アレクサンダー・ペイン候補(ノミネート) 
脚本賞アレクサンダー・ペイン受賞 
脚本賞ジム・テイラー受賞 

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