映画『羅生門(1950)』の口コミ・レビュー(5ページ目)

羅生門(1950)

[ラショウモン]
Rashomon
1950年上映時間:88分
平均点:7.33 / 10(Review 184人) (点数分布表示)
ドラマ法廷もの時代劇モノクロ映画犯罪ものミステリー小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2025-01-26)【イニシャルK】さん
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監督黒澤明
助監督加藤泰
田中徳三
若杉光夫
キャスト三船敏郎(男優)多襄丸
京マチ子(女優)真砂
森雅之(男優)金沢武弘
志村喬(男優)杣売
加東大介(男優)旅免
千秋実(男優)旅法師
上田吉二郎(男優)下人
本間文子(女優)巫女
原作芥川龍之介「藪の中」/「羅生門」
脚本黒澤明
橋本忍
音楽早坂文雄
撮影宮川一夫
企画本木荘二郎
配給大映
美術松山崇
太田誠一(美術助手)
衣装花井りつ(結髪)
編集西田重雄
録音大谷巖
林土太郎(録音助手)
照明岡本健一[照明]
中岡源権(照明助手)
その他野上照代(記録)
あらすじ
モノクロ映画の時代に今でさえ「現代的」と感じられるテーマを採り上げ、日本よりも欧米に衝撃を与えた作品。カンヌ映画祭グランプリ受賞。朽ちかけた羅生門の下で雨が止むのを待つ木こりと旅僧が殺人と強姦という陰惨な事件についてつれづれなるままに語り合い、第一発見者、殺された夫の妻で強姦の被害にあった女、犯人として捕らえられた盗賊の三人の各々の供述の違い、そして検非違使に召喚されたその他の証人の証言について論じる。時代を中世に設定し人間の普遍的な本質に迫る。
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💬口コミ一覧

104.「七人の侍」から黒澤映画にハマりだし比較的最近観た日本の古典的代表映画です。人間の業を深く掘り下げた本作は、テンポ・迫力においてはやや欠けますが作品から受ける印象というか問題提起は考えさせられてしまう面白さがあります。ハリウッド映画に慣れきっている世代にも一見の価値あると思います。物事都合のいいように作り変えて嘘をつくのが人間か?そもそも事実は人間の目を通る時脚色される物なのか?最後の最後で救いのある結末には「ホッ」っとするのではないでしょうか。
たにっちさん [DVD(字幕)] 8点(2003-11-21 15:42:47)
103.ファーストシーンのあの雨!凄い雨だ!これぞ日本の雨だ。カメラワークが圧巻。影の主役は鏡。その鏡を使った光と影の絶妙。眠ってる多襄丸の顔に木の葉の影が映っている。その影がユラユラと揺れる。たったそれだけで風が吹いてきたのがわかる、その巧み。封切り当初から「わけがわからない」「難解」と酷評された。確かに黒澤作品中かなり前衛的な作品ではある。しかし、何ら難しくはない。一つの殺人をめぐって目撃者の証言が食い違う。人間は、いつも自分に都合のいい理屈を持ってきて人を責め自分を正当化する。そのエゴを抉って見せた映画。ラストで樵が捨てられてた赤ん坊を「一人育てるのも二人育てるのも同じ苦労だ」と抱いて帰ることを「甘い」と断じた批判は当時からあった。ここにもそういうコメントが見られるが、それに対しては黒澤監督が、まっこうから反論している。当時の日本の映画ジャーナリズムも、同じことを言って、この映画を酷評したがベネチアで賞を獲った途端、手の平返して誉めそやした。ラストに希望=甘いという子供っぽい視点は、いまだに変わってないのだと実感。僕はラストはあれでいい、いやああでなくてはいけないと断じて言う。僕の好みの黒澤映画ではないが名作であるのは間違いない。ところで、森田義光の「模倣犯」のラストって、「羅生門」のラストの真似じゃないの?
ひろみつさん 8点(2003-11-07 22:33:16)
👍 1
102.おどろおどろしいものは精神的に怖くて苦手だけど,これは例外。三船敏郎がこんなに素敵だとは!雨の音・朴訥としたしゃべり方・白黒の映像が妙にマッチしているように感じた。長く心に残る映画。
ロウルさん 8点(2003-11-07 14:47:19)
101.ひたすらカメラに向かって喋り続ける登場人物達、三船の呆けた顔、何を考えているのか掴み所の無い京マチ子、あげくの果てには巫女まで登場、亡霊を呼び出し証言させる。恐ろしいというか、ギャグでやってるとしか思えません。が、それがなんだかこの映画の妙な味となっているような気がします。
のほほん息子さん 8点(2003-10-31 04:10:02)
100.物事の解釈は、各人によって異なってしまう。しかし、各人にとってはそれが真実である。人間の本質を鋭く描いた原作を、黒澤流解釈で映像化した名作。冒頭からの激しい雨がやみ、希望の光と共に映画は終わる。
クロマスさん 8点(2003-02-10 20:30:15)
99.芥川原作の「藪の中」が人間のネガティブな面を語っていたのに対し黒澤映画ではラストに希望を見出すと言う点がなかなかだと思った。三船敏郎、京マチコの顔はがいわゆる「のっぺり顔」ではないので外国人が見てもあまり違和感がないのではないでしょうか。実にりっぱな顔です。
Jadeさん 8点(2003-01-27 18:45:48)
98.結構複雑な構成でしかも少し眠いですが、我慢してみればどんどん引き込まれます。
プリンさん 8点(2001-03-08 17:30:18)
97.ネタバレ 『藪の中』は、芥川作品の中でも最高傑作だと思っています。
証言から明かされていく被害者の背景。捕まった多襄丸の白状。それとは異なる女の懺悔…さぁどっちの言い分が正しいのか?
ここに来てまさかの“巫女の口を借りたる死霊の物語”と来たから驚いた(当時本当に驚きました。こんな時代にこんな追跡方法もあるのか!って)。しかも多襄丸と真砂の、どっちの意見とも違う話が出てきたから更に驚いた。三つの証言のうち、真相はどれなんだろう?高校生の頃、面白くて何度も読み返した短編です。とても大正十一年の作品とは思えない完成度でした。

日本映画の海外進出に大いに貢献したといわれる本作『羅生門』。半壊した巨大な羅生門と、滝のような大雨が、寒々しさを感じさせる一方、回想の場面では照り付ける太陽の焼けるような暑さの対比を感じさせます。…この両日、ほんの三日程しか違わないんですが。
多襄丸を殺人に走らせた“風”の表現が恐ろしく見事でした。「そうだ、あの風さえ吹かなければあの男も、俺に殺されずに済んだものを…」“風が吹いて牟子(日除けの布)がめくれて、真砂の美しい顔が見えたんだな…”なんて凡人の浅知恵でした。まさか映画で風が観えるなんて。光と陰で風を表現するなんて。更に一瞬観える真砂の横顔も、映像表現に負けじと美しいこと。つま先から映す撮り方も巧いのひと言。
基本的に日本人は表情に乏しいと思うんですが、主演の三船敏郎と京マチ子は、感情がとっても伝わりやすい表情の演技をしますね。二人とも、証言毎に性格の異なる人物像を良く表現しています。森雅之演じる日本人らしい無表情な金沢との対比がまた、良い比較表現になっています。映画の舞台・俳優共に、当時の日本映画の質の高さを感じさせます。海外での高い評価も頷けます。でもね、話に関しては原作『藪の中』が面白過ぎるんです。

本作の海外の評価に、私は押井監督の『攻殻機動隊』が海外で高く評価されたのと同じ匂いを感じました。小説と漫画のちがいはあれど、どちらも“原作から既に凄い作品”というのが共通点です。
同じ時間の同じ場面を、違う証言ごとに三度(映画では四度)観せる。ここが独創的な表現方法「ラショーモン・アプローチ」として評価されたそうですが、きっと当時の多くの日本人は短編小説『藪の中』を読んで、脳内で映像化して楽しんでいたことでしょう。恐らく海外では、芥川の発想の素晴らしさも含め「黒澤明って日本人監督が凄い発想の映画を創ったわ」って、のっぺりした評価になったように思います。
題名を『藪の中』でなく別作品の『羅生門』としたのも、芥川作品なんて知らない海外を狙い、更に原作に辿り着かせない為の大仕掛けだったのかもしれません。死体から髪の毛を奪う老婆から、衣服を剝ぎ取って盗人として生きていく決心をした下人の話が、黒澤監督の手によって、こんな不思議な殺人事件になってるんですから…(そう考えるとちょっと姑息)。

映画独自の展開が“杣売の証言”です。当時四十歳くらいの黒澤さんが考えた『実はこれが答えなんだよ。』という、とても面白い解釈でした。ですが、原作が完璧なだけに、蛇足にも思えました。
そもそも“巫女による死者の話”は、この事件の正解になる筈なのに、余計にややこしくしてしまうところ。誰かが嘘を言っている訳でもないところに物語の面白さがあり、原題でもある“(真相は)藪の中”を象徴する見事な“落ち”になっていました。
そこを一歩進めて“藪の中を内側から見ていた第三者の話”としてしまっては、そもそも、最初に杣売が正直に証言したら終わってしまい、多襄丸も真砂も証言(言い訳)の必要が無い話になってしまいます。
そこから続く、最後の赤子登場から原作『羅生門』に寄せる話も、杣売の改心も、どこか浮いて観えてしまいます。取って付けたような『羅生門』部分を抜きにしても、充分に面白く、斬新に出来ていたように思えてしまいます。

※決して黒澤監督や押井監督が凄くないという考えではありません。どちらも原作有りの映画の中で、今までに無い斬新な映像表現を使って、後世に残る名作を残した、素晴らしい監督だと考えています。こと本作の映像表現は、今の目で観ても素晴らしく、この作品の歴史的価値は揺るぎないものと考えています。
K&Kさん [DVD(邦画)] 7点(2025-06-02 22:30:01)
96.個人的に初黒澤。三船の豪快さと京マチ子の品の良さが光る。人間のエゴや自己都合の良さ、業というのをさらけ出す。鑑賞終了後一気に芥川の羅生門も読破。根底は一緒。黒澤はちゃんと咀嚼している。このテーマ性は現代作品でも応用できそう。
タッチッチさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-06-21 20:14:32)
👍 1
95.ネタバレ どいつもこいつも皆嘘つき。
でも人を信用したいという坊さんまで人を疑ってしまう始末。
でも子供を育てようと改心するオヤジに、最後は救いのある結末でした。
クロエさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-06 23:00:58)
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94.ネタバレ 女は犯され、男は死んだ。それだけが事実。だが誰の視点で詳細が語られようが、自分の有利なように繰り広げられる"物語"がそこにあった。真相が醜悪で泥臭いものだとしても、受け取る側は好みの情報を事実として広めていく。まさに現代社会のマウンティングとファクトチェックそのものだ。最低限のセットだけで中世と感じさせる黒澤明の力量は言うまでもない。京マチ子の多重人格にも似た怪演が、男の所有物として踏み躙られてきた女という生き物が、如何に時代をしたたかに生きてきたことを印象付ける。人間の愚かさに直面しながらもそれでも世は捨てたものではないと思わせる重厚なヒューマニズムが、モノクロ画面に鮮やかに焼き付けるラストが心に残る。たとえその意見が個人から見た美談だとしても・・・
Cinecdockeさん [地上波(邦画)] 7点(2020-04-16 00:45:47)
93.はじめて見た黒沢映画でした。
芥川龍之介の『羅生門』と『藪の中』がミックスされている。
舞台を見ているような作品。
三船敏郎は強烈にパワフルです。
めたもんさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-05-05 21:31:41)
92.初見、原作未読。真相はまさ藪の中。文明や科学が進化しても人の心は1000年前と大差ない事を思わされます。美しい画の中で躍動する役者達に豪華な額縁の名画を鑑賞しているようでした。赤ん坊の件はとってつけた感がありますが、今も昔も変わらぬ、この世は捨てたものではない事を見せてくれます。
The Grey Heronさん [映画館(邦画)] 7点(2014-06-08 05:37:37)
91.小難しい内容にもかかわらず3人の証言による表現の仕方は見事と思います。
1950年にしてこのような手法で作られていたことも驚きだし、ほとんど古めかしさを感じませんでした。
エピソード自体はこじんまりしていたものの、それはそれで短編小説的な面白さはありました。
午の若丸さん [DVD(邦画)] 7点(2013-12-31 00:23:14)
90.ネタバレ ストーリーとしては、原作にかなわないですね。これはやはり、真相がわからないから面白いのであって、目撃者がいたのでは興ざめ。しかもそこから、なにやら教訓めいた結論を出しているのもよくなかった。原作にないため、付け足しという感じが強いです。監督としてはこれが言いたかったのでしょうが、どうも俗っぽいという気がします。
逆に映像の方は、すばらしかったと思います。どちらかというと、映像を鑑賞する映画ではないでしょうか。海外で高く評価されたのもうなずけます。早坂文雄もあいかわらずいい仕事をしています。それだけに、強引に(と思える)「いいお話」に持っていったのが残念でした。
アングロファイルさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-17 20:33:46)
89.芥川龍之介の原作。つまんなそうだなと思ったら、物の見事に引っ張られた。
黒沢監督って、昔からこんな手法を使っていたのか。
あくまで実験的作品といったような作りだが、「市民ケーン」を鑑賞した時のような、
当時としての斬新さは確かに感じた。ラストはていよくまとめられてしまった感があるけど、
終盤までは大変面白く、役者陣に関しても安心して見ていられた。
MAHITOさん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-25 08:35:44)
88.ネタバレ 黒澤を「世界のクロサワ」に押し上げた記念碑的作品。尺も90分以下というコンパクトさ。印象としては、音の聞き取りにくさはあるものの、画は現在でも十分に勝負できるものだと思った。

■カメラワーク、構図の取り方がうまい。そして実は細かな工夫をいろいろしている。例えば雨が見えるようにするために、あの雨には実は色が付けてある(墨を溶かしたと聞いた)とか。

■ストーリーは、各人のエゴによって真実が「藪の中」にされていく過程が描き出される。各人が何を守りたく、そのためにどういう物語を語るかというのは、きちんと考えてみるとなかなか面白い。各人の話の中では、皆語り手が「(仕方なく)殺した」と、殺人の役は引き受けているところがまた興味深い。

■個人的には、最後に真実らしいものを志村が語ってしまうところと、最後に希望を見出してしまうところとが若干残念。こういう流れなら最後の最後まで真相は「藪の中」にするような構図にしてほしかったし、志村が短刀を盗んだとはいえ善人、というポジションはなんか息詰まる展開をラストで抜いてしまっている。志村を最後で超悪人のようにしてしまってもいいし、そうでないなら三人の言い争いをもっと引っ張ってもいいと思った。
θさん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-05 00:24:40)
👍 1
87.ネタバレ  黒澤監督の技量がいかんなく発揮された歴史的名作。場面展開やカメラアングル、映像にグイグイ引き込まれていく。

 ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞が物語るとおり「映画」としてすごい、というのは素人の私でもなんとなくわかる。

 黒澤監督の技量で一気に見てしまったが、後で考えると、脚本を強引にまとめてしまった感が否めない。「わからない、わからない」から始まって一貫して「わからない」と言っているけど、よくよく考えると、何がそんなに「わからない」のかわからない。私自身が劇中の下人みたいに俗物だからか?(^^;



 また、人間の身勝手さ、嘘、欲深さに対する問題提起を、黒澤監督映像マジックで一気に見せているのが斬新といえば斬新なのだが、最後に若干の救いを与えたのは個人的には生ぬるく思う。志村喬がやっぱり悪人でしたという終わり方でも良かったかも。

 黒澤監督の凄さを感じ、色々考えさせられる映画ではあるのだが、「娯楽」がほしい人向きではないかもしれない。
nobo7さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-18 18:19:59)
86.やはり88分でも面白い映画は撮れる。
Balrogさん [DVD(邦画)] 7点(2010-11-15 23:31:26)
85.ネタバレ 男が死んでいるという事実から様々な人間の嘘や事実が暴かれていく展開が面白かった。誇張した嘘の殺陣には迫力のある音楽が流れ、事実にはあえて音楽を流さない等演出も素晴らしかった。
osamuraiさん [DVD(邦画)] 7点(2010-03-08 23:45:48)
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マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 184人
平均点数 7.33点
000.00%
110.54%
221.09%
321.09%
442.17%
5126.52%
63016.30%
74625.00%
84222.83%
92714.67%
10189.78%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.83点 Review12人
2 ストーリー評価 6.87点 Review16人
3 鑑賞後の後味 5.87点 Review16人
4 音楽評価 6.18点 Review11人
5 感泣評価 4.85点 Review7人

【アカデミー賞 情報】

1952年 25回
美術賞(白黒)松山崇候補(ノミネート) 
外国語映画賞 受賞名誉賞

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