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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2009
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  ゴッドファーザー
抗争なのに高貴 惨劇なれど静謐。 数多の類似作品が追いつこうとしていまだかなわぬマフィア映画の最高峰。
[DVD(字幕)] 10点(2011-07-04 11:53:26)(良:1票)
2.  告発のとき 《ネタバレ》 
こんなに原題とかけ離れた邦題もないのではないか。これではジョディ・フォスター主演のやつかな、と勘違いしてスルーする人もいるだろうし、第一制作の思いが全然伝わらない。 トミー・リー扮する父親は古いタイプの軍人。かつての自らの軍人としての経験・信条が未だに生きていると信じていたのでしょう、息子二人も軍人になった。父は息子に語るのでした「共に戦線で命を張った仲間を裏切るはずはない」「お前はちょっと神経質になっているだけだ」。 でも現在の戦争は彼の時代と大きく様変わりした。父たるトミー・リーは大きく見誤っていたのです。 かつてエラの谷で英雄になったダビデの物語。(これが原題ですね)幼い子にトミー父が語ったような「勇気をもって戦えば勝利することができるんだ」的理想論はもう通用しない。 戦争はより複雑化して残酷になって人間の心を粉砕してしまうということを、ラストに息子の同僚に聞かされているトミー・リー。彼のひしゃげた顔はむごくて見ていられなかった。 トミー父の傍に地元刑事であるシャーリーズ・セロンを置いてサポート役にしていることが、観ている側の理解を助けます。彼女もまた、職務において自身の判断の誤りで悲劇を回避することができなかったという重荷を負っています。そして幼い息子の「なぜ王様はこどものダビデを行かせたの?」という問いに答えられない。 なぜ国家は若者を殺すのか。敵はゴリアテではなくなっているのに。国旗を逆さに掲げたトミー父の絶望を思うとやり切れない。 誰も勝者のないイラク戦争の一端を、静かに深く掘り下げた作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-23 22:29:44)
3.  心の旅路 《ネタバレ》 
なんとまあクラシカルな品の良さ。記憶喪失恋愛モノの原型ですね。展開も着地も予想できるベタっぷりですが、今どきやろうとしても突っ込みが入りそうなほどの奥ゆかしさ。 人物らが皆品下れず、苦労や困難に耐え忍ぶのです。登場時からずっと観客の「泥棒猫」視線を受けてきたキティ嬢の、まさかの潔い身の引きっぷりには驚きました。彼女の株が爆上がりした瞬間です。 そして構成の洗練されていること。古い映画にありがちな「だらだらして退屈」がありません。チャールズの記憶が戻った後はポーラには全く触れず、突然中盤に秘書として場に戻す。(ちょっとドアの画にタメがあるのが良いです)彼女の数年間の苦労についての描写を避け、さらりと台詞で語らせるのも「ああ苦労したんだねえ(涙)」とこちらの想像をかきたてる効果がありました。 何度も期待させてはポーラ(と鑑賞者)をがっかりさせる、じらし術のあんばいも程良かった。邦題でなんとなく敬遠してたけど、これは今も鑑賞に堪えうる立派な古典です。 それにしても妻の姿はおろか、スーツケースもネックレスも不発だったのにタバコ屋の婆さんが記憶の戻るきっかけって。いやなんでだよっとポーラの立場なら思うだろうなあ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-04-09 23:59:41)(良:1票)
4.  コードネーム U.N.C.L.E. 《ネタバレ》 
ガイ・リッチーならではの小気味良いテンポが快く、とても楽しめました。 CIAとKGBが組んでの諜報作戦ですがストーリーに難解さは無く、わかりやすいのもコメディの必須条件。加えて人物が皆きちんと魅力的なのも良い。若手の新進3人はきちんとスクリーン映えしていて、全員にとっての代表作になるのでは。富豪夫人のエリザベス・デビッキもドがつくくらいのはまりっぷり。いきいきと悪い人を演ってます。 ちょっと前の場面を巻き戻して、脳が忘れないうちにネタバレ披露する演出がいくつかあり、ワタシはその都度驚いて楽しかった。旧ソと米国の対抗心がちっちゃいトコまで小競り合いしてんのが笑いを誘ったりと、ユーモアのセンスも上等です。 少し前の時代を考慮した背景描写もなかなか。前半の東ベルリンの街並の暗さはスパイ映画の導入部としては最適でしょう。物語はどんどん明るく?なるのですが。 H・グラントが脇役で登場なのも興味深い。重鎮クラスの上司のわりに物腰が軽めに感じる(褒めています)のはヒューのキャラクターですね。
[映画館(字幕)] 8点(2015-11-24 00:16:34)
5.  コンテイジョン 《ネタバレ》 
これは恐ろしかった。スターを担いで対ウィルスとの攻防戦をショー仕立てにした“アウトブレイク”とは真逆のかっちりと硬質な現実感、心胆寒からしめるとはこのこと。なんたって、グウィネスもケイトも早々に死んでしまうんだからね。美貌を放棄したグウィネスの死相の表れた顔が冒頭からして恐ろしい。バリバリと活躍していた主演級女優のケイトをすら、あっさりと消去してしまう容赦の無さが心にこたえる。 人間描写も見事。これだけ多数の人数を配してなお、各人の存在の鮮烈なこと。小さな自己中を恥じ、償おうとするフィッシュバーンがいれば、災難に乗じてゆがんだ自己主張と利益を目論み恬として恥じないフリー記者もいる。家族を失いながら、未曾有のサバイバルに巻き込まれ、ゆっくり悲しむことすらできなかったM・デイモン。彼がようやく時間を得て、カメラの中の妻を想って涙を流すシーンは胸が詰まる。 それぞれの場面をてきぱきと切り替え、DAY1をラストに持ってきて、もう一押し「うわあぁ・・」と恐怖感を呼び起こさせる。この手管はいかにもソダーバーグ。ざわざわとまとわりつくような音楽もスタイリッシュ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-04-15 23:45:00)(良:3票)
6.  告発 《ネタバレ》 
この上なく暗くキツイ話でありながら、役者陣が渾身の演技で観る者を最後まで釘付けにする。K・ベーコン、オスカー受賞おめでとう、とすら思ってしまった。え、獲ってないの?凄まじい作りこみ方だったなあ。人格すら破壊するアルカトラズの非道ぶりが彼を一目見れば分かるほどだ。なにしろ副所長がG・オールドマンだ うわー、出たー。公務員の風貌にしたところで、にじみ出る狂気。キレ芸は健在、さすがです。この副所長の出迎えに、自尊心を取り戻したケビンが淡々とながら啖呵を切るシーンには胸が熱くなる。目に光が宿って、背筋もできるだけ伸ばして。負け犬の如く処分されるのを待つのでなく、“勝ち逃げ”を彼は選んだのだなあ、と思った。思いを固めた姿は崇高ですらあった。 ほとんど満点かとは思うのだけど、どことなく画が新しくて30年代のクラシックな雰囲気に乏しい気がする。ちょっぴり残念。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-11 00:00:11)
7.  恋人たちの予感
思い出すのは秋の並木道の美しい風景と、メグの半べそ顔。今みたいに女性が本音をがつがつ発散するドラマが乱発してなかった時代に、独身男性リストをカフェでさくさくとドライに整理したり、「40になってしまうぅ~」と自暴自棄気味に叫ぶ姿がすんごくリアルで笑いました。当時流行りのソバージュだと、メグの形の良い頭が隠れちゃってもったいない。このあとにたくさん出たメグ主演のラブコメではショートカットでキュートですよね。
[映画館(字幕)] 8点(2011-11-19 00:24:47)
8.  恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
酔った、酔った。ミシェル・ファイファーの身体の線に。きらきらした彼女の腕飾りに。そして苦い大人の恋に。陶然となった。これ以前のM・ファイファーの印象は、「研ナオコ顔の女優だなあ」だったのが、突然大輪の花開いた、と言う感じ。パーティの終わった後の風船が散らかったホールの寂しい美しさ、とか音楽に加えて画がしっとりとして素敵。最後に訪れたミシェルが着ているコート、初めに登場したシーンと同じものなのですよね。細部にもセンスを感じる上質な映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2011-09-21 00:16:47)
9.  ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 
年老いた元ナチとアメリカ人の高校生男子。実に距離のありそうな二人が奇妙な関係性でえぐい心理戦を展開します。手にいやな汗をかきました。この関係は何だろうね。友情とはとうてい呼べない。でも互いに自分の一部を依存しあっているような。 わたしは初めのうち、小僧が年寄りに命令して従わせるのが不快でなんとなくじいさんサイドに寄って鑑賞していたのですが、衝撃のネコエピソードによって監督に超甘な考えを破壊されました。 元収容所副所長ですもんね、十代の子どもなんぞに手玉に取られるタマではなかった。次々と少年より先んじて手を打って出る老獪なこと。只者じゃないそのオーラ、イアン・マッケランの鬼気迫る演技に震えました。 対するブラッド・レンフロも青臭さと若い反骨心で見事に対抗しています。心の奥に性悪説の根っこを抱えているやばい十代。ラストの‶成長”ぶりの鮮やかなどす黒さったら、心胆を寒からしむるに十分すぎました。 主演二人に目を奪われがちだけど、脇のキャスティングもぴったりで話が締まりました。トッドの両親の見るからに凡庸なこと、生活指導教師のとんちんかんな熱血ぶり。皆すごく良い仕事してます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 17:56:00)
10.  コンドル(1975) 《ネタバレ》 
わあ、70年代ぽい。70'sのサスペンスものは何か空気からして重くて渋い。街並みのくすみ具合はフィルムが影響してるのかな。 いい具合に大人(中年顔)のレッドフォードとフェイ・ダナウェイが落ち着いた空気にハマります。後引かない関係がこれまたクール。 静かなれど冴えている演出も好み。罠と知らず救援と待ち合わせた路地の場面や、暗殺者と乗り合わせたエレベーターの緊迫感は一級品です。 暗殺者が拾い上げる手袋、通行人とすれ違いざまに咄嗟に切り替える外国語。一シーンがぴりっと印象的。電話回線を使った仕掛けもこの時代ならでは。 雰囲気、演出、役者陣は素晴らしく魅力的でした。だけどお話はさほど緻密でもなくて、CIAの伏魔殿ぶりを匂わせてざざっと終わります。まあこれも当時の「どうせCIAはヤバイことばっかりやってるに決まってる」という大方の世相を反映してるのかもしれないですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-28 23:02:17)
11.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
オリジナルの「エール!」を観た後なので、どうしても比較になってしまうのだけど。いろんな点で米国版の方がデリカシーがあるというか、細やかさが感じられて観易く感じました。 まず仏版ではやや辟易した露骨な性関連の描写がぐっと控えめで、日本人のわたしにはこの位で丁度良かったな。 ろうの人たちにとっての通常である沈黙の世界についても、描写に織り込まれるさりげなさが米国版の方が秀でていて分かりやすい。ルビーと家族が手話でコミュニケートする時の無音、健常者の日常よりも大きい生活音、食卓でイヤホンは禁止だけどスマホの出会い系画面を皆で見るのはアリ、という独特なルールなど、ロッシ家を理解する助けになる描き方が上手いです。 米国版では「耳の聞こえない家族」のことを周囲の皆が知っている、という境遇のルビー。心無い同級生らの意地悪には胸が痛みました。この辺りのリアルさも作品の深みです。 校内発表会より後の展開はオリジナルとほとんど一緒なので驚きや感動は一割減してしまった。仕方ないことだけど。 漁船員組合のその後が気になるな。ロッシ家は乗船してくれる通訳者を見つけられたのかな。
[地上波(字幕)] 7点(2023-10-23 23:37:17)
12.  心の旅 《ネタバレ》 
善い人の愛のあるお話って皆好きだけど、上手くやんないとクサくなりがち。その点本作はベタではあるけど、心地よいハートウォーミングな出来となっていると思います。 オリジナル脚本を手掛けたJ・J・エイブラムスの力量もあるし、ハリソン・フォードの一本調子な表情が意外にも性格激変後のおっとりヘンリー像にハマった、とも言えます。 ヘンリーの性格変化に伴う人間関係の地殻変動描写がいいとこ突いてんなー、と思うのです。家族、特に娘ちゃんとのやり取りが図書館での小学生レベルのイタズラなど微笑ましくて巧いし、職場では良い味出す秘書のおばさんが好感度高いですし、家政婦さんもなかなかの存在感です。たくさんの周囲の人たちとのエピソードを描ける、これはやっぱりエイブラムスの人間観察力の賜かと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-12-03 23:01:45)
13.  go(1999) 《ネタバレ》 
多視点モノの秀作。傑作とまではいかないのは、一つ一つの話が他愛なさ過ぎるから。サイモンパートなんか馬鹿なうえ品も無い。お前らなんかどうにでもなれ、と突き放したくなる連中だもん。 薬の売買絡みでヤバイことになりそうな女の子がするっと無事に切り抜けたり、車に撥ねられたけどケガで済んだりとか、演出は怖いのだけどオチがユルイというセンスはなかなか絶妙に感じます。 ゲイの役者カップルのパートがユルさMAXで楽しかった。警官夫婦の妙な態度がまさかのマルチ勧誘(笑)。ひょっとしたらコレが銃や麻薬なんかよりコワいかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-03 22:56:46)
14.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
‶巨大なもの”って人をわくわくさせる特性がありますよね。ダムとか空母とか戦艦大和とか鉱物採掘現場の巨大重機とか。巨大物好きにとって堪らないのが本作。コングもゴジラもその巨体を余すところなく画面に躍動させていて、胸が躍ります。 「大きさ」を伝える演出が随所で光ります。ビル群と比較させるのは定番ですが、ワタシが今作シビレたのは海でのバトル。コングの頭上から鼻先をかすめて降下したと思ったら、ゴジラの喉元をせりあがるカメラワークが素晴らしい。大海原にそそり立ち、ゴジラの横っ面をコングが張り倒せば、返す尾をしならせてゴジラが反撃。木っ端のような艦艇、周囲を旋回する戦闘機をひっつかんでゴジラに投げつけるコング(パイロットが脱出する人道的配慮アリ)と、デカい怪獣が大暴れする様は近年の怪獣映画の中でも屈指の爽快感に溢れています。 コングが顔つき性格ともにやけに「男前」なのは、そこはやはりアメリカ製だからでしょうか。ラストにコングを一瞥して「あばよ」的に海へ帰るゴジラもキャラ的に悪くはないですが、造形としてはわたしはやっぱりハンサムな「シン・ゴジラ」の方が好きかなあ。 惜しむらくは人間ドラマのパートがつまらな過ぎることです。観てるのが苦痛なくらいです。早くゴジラ出せよ、とずーっと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2021-07-05 23:51:28)(良:1票)
15.  こわれゆく女 《ネタバレ》 
G・ローランズの神経症演技が鬼気迫るコワさなので世間は大いにどよめいたわけですが。わたしはメイベルを見ている間、既視感でいっぱいでした。この手の女の人は50年前に限らず、いつでもどこにでもけっこう居ますよね。ざっと思い出してみても、法事の場で突然小学生レベルの発言をして場を冷やす親戚のオバサン、役員会で反対意見を出されたら忽ち興奮して絶叫調になる園ママ、スーパーでカートを押しながらずっと自らの信条を大きめの声で独り言ちている中年女性、等々平均からズレている人にはけっこう遭遇してきました。だからメイベルは普遍的な社会の1ピース。そんなに特殊ではないと思うけれど、まあ周囲を困惑はさせますよね。 P・フォーク演じる夫は一般的あるいはそれ以上の「嫁には普通であってほしい」という願望の強い性格であったので、この二人ベストマッチではないと思います。もっと彼女に心を寄せて物事を見ていれば、子どもが裸で走っているのを見てもカッとならずに事態を正しく把握することもできたのです。実際子どもらは扮装ごっこの最中で楽しそうでしたよね?相手の親御さんはメイベルのノリについてゆけず迷惑してましたけど・・。 「なんでそんなに尻が大きいの?」などと言って人間社会を困惑させる人格。でも子どもらはママが好き。メイベルは生き辛さを抱えていても虐待親じゃないし、反社会的でもない。ゆるりと一息つけるラストが象徴するのは、メイベル「たち」のことを生暖かく見守る社会であれかし、という監督のメッセージにも思えました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-21 23:50:37)
16.  コンスタンティン 《ネタバレ》 
美しき霊媒師K・リーヴスの冥界バトル絵巻。もうとにかくキアヌを堪能するための映画です。タバコを吸うキアヌ、金の十字銃を構えるキアヌ、片膝ついて霊会と通じるキアヌ。彼の脚長小顔という8頭身スタイル、地獄の王もご執心の端正な美貌が画面の隅々まで映えまくりです。年をとっても器量が落ちない、ほんとキレイな男です。 毎度のことながら一本調子の表情も今作の「死にかけつつ悪魔祓いを余儀なくされる男」にハマっており、演技力の乏しさもカバーできております。 あと一息でフィンチャークラスのダークな美術も良いです。キリスト教義の解釈をすごく自由に広げたストーリーも意外なオチを見せてくれました。 勝手なコトをやってくれた息子や部下を大ボスらがシメたわけですが、神に怒られて翼をもがれたガブリエルが複雑な性格で笑いを誘います。本物かと思うほど人外の雰囲気を出すT・スウィントンとルシファー役のP・ストーメアが巧い。主人公よりも。でもこの映画といえば絶対的にキアヌ・リーヴスなのです。スターというのはそういうものなのよね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-04 23:10:44)
17.  コンプライアンス 服従の心理 《ネタバレ》 
これ、かなり怖いです。自分も素直なタチですからこの店長の立場になったらどうしたやら色々考えてしまったけど、少なくとも「裸の女の子の見張りに男をつける」ことには抵抗していると思いたい・・。 人間がいかに権威に弱いか、この話は有名なドイツの実験とかでなく実社会で起こった実話であるということが恐怖を増します。 実事件の防犯カメラに記録されたことを下敷きに、各人物のキャラの肉付けや置かれた立場の説明が簡潔になされていてすんなり入り込めます。ダントツに上手いのが店長役のおばさん。初めこそ突然の警察からの指示に戸惑い、ターゲットの女の子に気遣いを見せていますが、犯人の口車にどんどん乗せられすっかり丸め込まれてゆく様子はこちらの絶望を増幅させます。気の利かないバイトを使う苦労への共感を示されたり、リーダーとしての資質をほめられたりするたび相好を崩すその表情、ああーすっかりニセ警官に心を開いちゃってるよ・・。外野から見てる分には引きますけど果たして自分ならあんな顔にならずに済むかどうか。  「不服従の男」が現われ、騒ぎはあっという間に収束するけれど、それまでの長いこと。2時間も無かったのか・・。雑なホラーなんかよりオソロシイと思いましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-10-14 00:51:19)(良:2票)
18.  殺したい女
いやーこれおっかしいですよね。アメリカのコメディって下ネタだけでしつこく騒いだりとか、あちらの旬ネタが伝わらなくて笑いのツボがずれたりで、作品を選ぶんですけどこれはほんと良くできてます。 コメディだけど伏線張りも丁寧に、騒動が拡散してゆく展開もリズミカル。「違う状況を話しているのに話がかみ合っちゃう」このコント、どれもぴしーっと決まって爽快です。あっぱれ。 署長、気の毒だったなあ笑。家電ショップでビデオ再生すんなやー。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-16 23:04:24)
19.  殺し屋チャーリーと6人の悪党
人物ごとに描く時間をずらして、時系列を行ったり来たりするタイプのやつです。(正確にはなんという名称なのかなすいません)話が進むにつれて関係性が分かってきて、ああなるほどとなるアレ。今作の脚本も破綻無く、すべての案件を回収して締めていて上手いです。この手のプロットはすでにたくさん世に出ているので、またこれかと思うか面白いと思うかは人それぞれ。私は楽しめました。 かなり容赦なく人が死ぬけど、そこはコメディなので暗くも痛くもならない。一因としてはなんと言っても殺し屋をS・ペッグが演ったのが大きいです。非情なキャラクターなのに、彼独特のすっとぼけた面相と、培ったコメディアン演技の賜物で”ライトなたくさん死ぬ映画”となっています。 それと、オーストラリアのロケーションが内容に反して大変明るく綺麗なので、これまた人を食った印象を残します。なんでそんなに観られてないんだろ。おすすめですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-18 17:52:32)
20.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
美しく、完璧な妻が実はサイコパスすれすれの異常者である、というネタは中盤くらいから早々と明かされるのだけど、そこに至るまでの演出が巧み。B・アフレックに不誠実男という印象を客に持たせるので、妻と夫どちらについて観るべきか、まんまと翻弄されました。かろうじて妹のマーゴにすがりつきましたが 私は。 ”切れ者”とされる妻エイミーだけど、コテージであんな頭の悪そうなチンピラにカツアゲされてたり、ちゃんとアリバイを潰さないまま元彼を突然誘拐犯に仕立てたりと、やってることはけっこう穴が多くて米国犯罪史上に名を残す知能犯の面々と肩を並べる、といったレベルではないような気もする。 むしろエイミーの喜びそうな台詞を吐いて彼女をみごと引っ張り出した夫にも、まだまだ分がありますよ。ショックを受けてるマーゴのためにも、もう一幕がんばってほしい。 それにしても、この監督の映像はしっとりとして美しい。下手するとB級に落ちる題材を、画の格調高さで一枚も二枚も引き上げてる感じです。
[映画館(字幕)] 7点(2015-10-23 23:42:39)(良:1票)
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