Menu
 > レビュワー
 > S&S さんの口コミ一覧
S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2399
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ジェイド 《ネタバレ》 
脚本が『氷の微笑』『硝子の塔』『ショーガール』のジョー・エスターハスですからね、エロ要素強めなのは予想と言うか期待通りです。でも肝心のストーリーもやはりメロメロで、見事にラジー賞で最低脚本賞にノミネートされました。裏話によると、エスターハスの書いた脚本をフリードキンが勝手にじゃないけどかなり強引に書き換えたそうで、これはちょっとエスターハスがかわいそうですね。 マイケル・ビーンに妖しいフラグが立っていたと指摘する人があるけど、私はチャズ・パルミンテリが出ているというだけでピンと来ましたよ。ラストの結末まで観ると、どう考えてもこのストーリーは破綻してるとしか言いようがないです。要はエスターハスお得意というか馬鹿の一つ覚えの悪女ものというわけですが、それがリンダ・フィオレンティーノじゃちょっと役不足だったんじゃないかな。シャロン・ストーン級の女優を使えよ、と言いたくもなるけど、このフィオレンティーノの役はものすごい数の女優にオファーをかけて拒否されまくっているので、まあしょうがなかったのかもね。フリードキンの力量もすでにズタボロになっている頃なのですが、カーチェイスのシークエンスだけはさすが『フレンチ・コネクション』を撮った人だけはあるこの映画唯一の見どころでした。チャイナタウンのお祭り行列の真っ只中に突っ込んでのチェイスになりますが、人混みを跳ね飛ばしながらののろのろカーチェイスなんて、ちょっと珍しい絵面でした。まあ中国人だから構わないということは毛頭ないんですけど、この映画には妙にアジア人蔑視の様な底意が感じられるところがありました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2024-05-07 10:09:45)
2.  ジョン・ウィック:コンセクエンス 《ネタバレ》 
相変わらずぶっ飛んだ世界線の本シリーズもついに最終章(なのかな?)に突入です。冒頭で主席連合の上位に立つとされる首長がジョンにあっさりと射殺されてしまいますが、このジョンの行動にはちょっと説明がつかない感じがありました。代わって主席連合のトップに立つのがグラモン侯爵なる若造、彼が本作での最凶ラスボスという位置づけなのですが、貴族ぶった言動をするだけで最後まで銃を一発も撃つこともなくて悪役としては拍子抜けさせられます。そしてジョン・ウィックに絡む旧友二人がどちらもアジア人のドニー・イェンと我らが真田広之となります。盲目の暗殺者イェンの能力は超人と言うよりも超能力者というレベルですが、この人の動作やアクションには華というか男の色気の様なものすら感じさせられます。できればこのケインというキャラは真田に演じて欲しかった気もしますが、イェンの方がハリウッドではまだ格上ということなんでしょうね。まあ真田が演じたコウジというキャラも十分にカッコイイんですけど、彼に割り当てられるキャラはパターンが決まっているような気がするのは、自分だけでしょうか? 凱旋門のロータリーでの銃撃戦や200段の階段落ちなど、今作では体を張った見せ場が多かったかなと思います。キアヌ・リーヴスも、ローレンス・フィッシュバーンがプレゼントしてくれた完全にスーツスタイルの防弾着のおかげで、車にはねられても弾を喰らってもダメージが少ないという設定でしたが、いくら何でもこのスーツ無敵でしょ(笑)。キアヌは基本(?)に忠実で必ず相手の頭や顔に何度も弾をぶち込むのに、なんで敵の弾は頭部や顔面に当たらないのかな?すいません、野暮でした(笑)。 最近は『ミッション・インポッシブル』シリーズやジェイソン・ボーン作品群などシリーズになったアクションものが多いけど、その独特な世界線も含めてこの『ジョン・ウィック』シリーズが私には一番のツボでした。ジョン・ウィックよ安らかに眠れ!と哀悼の意を示すところですが、まさかの第五作目製作の噂が…それじゃあ『アウトレイジ』になっちゃうじゃん!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-04-03 22:52:45)
3.  シャンプー 《ネタバレ》 
女にモテモテの美容師ジョージのキャラは、演じるウォーレン・ベイティ自身のセルフパロディみたいな存在、なんせその頃関係があったジュリー・クリスティーとゴールディ・ホーンを出演させてるんだから、これぞプロデューサーの特権ですね。この映画はクリスティーとゴールディそしてリー・グラントとの三角関係のもつれとその顛末というところですかね。ベイテイはけっきょくボロボロになった挙句にクリスティーが去って行くのを寂しく見届ける結末ですが、まさにLA版『アルフィー』というストーリーなわけです。マイケル・ケインの『アルフィー』と異なり洒落っ気がないしょうもないお話しと言ってしまえば身も蓋も無くなってしまいますけど、そうとしか言いようがありません。ニクソンが大統領に初当選した1968年11月の三日間という設定ですけど、ベイティを取り巻く三人の女とベイティの関係が、美容院の客という以外は説明不足過ぎてほんと判りにくい。おまけにグラントの娘エディ・フィッシャー(これが映画デビュー)にまで手を付けたことが暗示され、ほんとこの映画のキャラたちはどいつもこいつも感情移入できないろくでなしばかりで嫌になっちゃいます。でもいちばんイライラさせられたのはベイティのヘアスタイルで、いくらカネになるからと言っても女の髪ばかりいじってないで自分の髪形を何とかしろって!まさに“紺屋の白袴”です(笑)。そして60年代のお話しなのに他の登場人物たちも70年代の人みたいなのも、違和感アリアリでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-11-24 22:51:46)
4.  市民ケーン 《ネタバレ》 
古い映画だと侮って長年じっくり観たことがなかったけど、今更ながら観直してみるとトンデモない映画だと改めて気づかされました。これが弱冠25歳の演劇青年の初監督作だとは、恐るべしオーソン・ウェルズ! 狂言回し役の新聞記者がチャールズ・フォスター・ケーンの関係者たちを回って彼が発した最期の言葉「ローズバッド…」の意味を探ってゆくというストーリーテリングは、37年のフランス映画『舞踏会の手帖』とよく似ているというか参考にしたに違いないと思います。たしかに舞台演出家だったウェルズらしくセリフには拘っている感はありますが、根本的に本作はあくまで映像でストーリーを繋ぐ映画です。その映像がまた凄いの一語に尽きるのです。ローアングル・パンフォーカス・長回しと目くるめく映像テクニックの玉手箱状態、撮影監督グレッグ・トーランドの力量もあるでしょうが実現させたウェルズのイマジネーションの成せる技であるのは間違いないです。またウェルズやジョセフ・コットンおよびエヴェレット・スローンなどの老け演技がまた見事で、メイクアップ賞をあげたいぐらい(そのころのアカデミー賞にはメイクアップ賞はなかったけど)。チャールズ・フォスター・ケーンは映画史に残る複雑なキャラ、でもこれが数奇な映画人生を歩むことになるオーソン・ウェルズの未来を予言しているような感すらあります。とにもかくにも、一生に一度は観て損はない映画だと思います。 モデルとされた新聞王ランドルフ・ハーストが激怒して潰しにかかったというのは有名なお話し。でも“ローズバッド(バラのつぼみ)”が愛人のマリオン・デイヴィスのアレにハーストがつけた愛称だったとは、そりゃハーストも怒りますよね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-02-16 22:33:00)(良:1票)
5.  知らなすぎた男 《ネタバレ》 
とぼけたキャラを演じさせたら右に出る者がいないビル・マーレイが真骨頂を見せてくれます。この頃のマーレイは、80年代の演技から臭みが抜けてきて、現在の様に枯れきった境地に達する前のいわば全盛期だったような気がします。徹底的におバカな主人公がスパイとして大活躍するというのはMrビーンの原型という感じですけど、ローワンアトキンスの『ビーン』とこの映画が同年の製作だというのは興味深いところです。原題からしてパロっているヒッチコックの『知りすぎていた男』とは、ほとんどどこも被らない内容というところもふざけている。最後までマーレイが勘違いしたままで終わっちゃうところも、ある意味いさぎよいかなと思います。でも冷静になるとシュールなほどバカバカしいストーリーなんですが、やはりビル・マーレイ抜きでは成立し得なかっただろうな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-01-25 22:07:51)
6.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
前半部は謎めいた展開で引き込まれますけど、中盤から伏線回収というか謎解きが始まると突っ込みたくなるところがだいぶ出てきます。まず言えることは、諜報員ルイ・ベルナールの行動が謎というか穴だらけなんじゃないでしょうかね。ジェームズ・スチュアート夫妻に接触してくる動機もなんか辻褄が合わないし、あんなに群衆でごった返している広場でスチュアートに出会ってダイイング・メッセージを残すなん偶然が過ぎるでしょ。彼はロンドンの公安部が差し向けた諜報員らしいけど、誰にも漏らしていないはずの息子が誘拐されたという情報がスチュアート夫妻がロンドンに到着する前に公安が把握しているというのはどうしてなの?誘拐犯夫婦がスチュアートたちに接触してきた理由に至っては理解不能。まるでベルナールがスチュアートに死に際に接触するのを予知していたみたいです。 とまあかなり穴が見える脚本ですけど、名匠ヒッチコックの手にかかるとけっこうハラハラドキドキさせてくれるのが憎い。ジェームズ・スチュアートはもちろんマッチョな活躍を見せるヒーローというタイプじゃないので、こういう冷静なようでいて役に立たない行動で右往左往するキャラがイメージ通りです。やはり奥さんのドリス・デイの方が序盤から鋭い観察力を見せる名探偵みたいで、悲鳴で要人暗殺を防ぐし最後は『ケ・セラ・セラ』を歌って息子を救い出すし、もう大活躍ですよ。二階で息子が吹く口笛があんな遠くまで響くってのは、ちょっと盛り過ぎですけどね(笑)。 ところでヒッチコック御大はどこで顔を出してましたかね?判らんかったなぁ…
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-01-22 21:50:11)
7.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》 
オリジナルが“グロい&気持ち悪い”がテイストだったとすると、このリメイクはひたすら“痛い”を追求する映画でした。片腕や手首を自分で切り落としちゃうはチェンソーで足切りされるは、マチェーテで素足がスノコ斬りされるし極めつけは文字通り“釘付け”にされるところ、思い出しただけで背筋がゾワッとします。でも、やっぱオリジナル版に比べると落ちるんだよなあ、それなりにまとまってはいるんだけどね。 もちろんプロットは同じなんだけど、オリジナル版の設定をミラーイメージみたいに再構築するという工夫が感じられました。オリジナル版のシェリル=アッシュの姉がミア=デビッドの妹となるわけです。実は最後にミアがアッシュの役割を果たすというのもサプライズでしたが、彼女が電気ショックで正常に戻るというハチャメチャな展開やまさかのハッピーエンド(?)という幕の閉じ方はちょっと支持できませんね。オリジナル版でアッシュがけっきょく使えなかったチェンソーをリーサル・ウェポンとして使う発想は、時空を超えての伏線回収なのかしら?たしかに兄妹の関係やらドラマ性が加味されていたのは今風ですけど、ラブクラフトのネクロノミコンを引用した前作なのに今度は死霊の正体を単純に悪魔としてしまったのは、個人的にはちょっと許せないです。 それにしてもミアちゃん、悪魔に勝って放心状態なのはいいけど、手首を切り落としたことを忘れちゃってんじゃない?経験したことないけど、すっごく痛いと思うんだけど…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-15 20:54:38)
8.  死霊のはらわた(1981) 《ネタバレ》 
初見のときはすでに成人後だったけど、予備知識もなくレンタルしたビデオを深夜に同僚と観て、自分も含めて全員が震え上がった記憶が鮮明に残っています。私は「こんな気色悪い映画二度と観るもんか!」と固く心に誓ったもんでしたが、『死ぬまでに観たい映画1001本』に選出されるぐらい評価が高いらしくて、再見してみました。ところが『死霊の…』まで記憶していましたがその先の単語が思い出せない、たしかひらがなだったはず。そりゃ無理もないかもしれませんよ、『死霊の…』と邦題が付いた映画は検索すると『…いけにえ』『…たたり』『…したたり』と山ほどあるんですから、まあ『…盆踊り』は別格ですけどね(笑)。 弱冠21歳でこれを撮ったサム・ライミは、やはり天才じゃないでしょうか。それなりに苦労して資金集めの果てに完成にまでこぎつけたんでしょうけど、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『パラノーマル・アクティビティ』などの後年の自主製作映画と比べてその完成度は段違いです。この時代にラブクラフトからネクロノミコンを引用してきたのも、新しい発想だったと思います。ステディカムで撮った映像も斬新と思っていたら、なんとカメラを二本の棒で挟んで全力疾走するという原始的な手法だったそうで、やっぱ低予算ですし苦労してたんですね。登場人物も男女五人だけ、余計な描写は一切なくてひたすら憑りつかれた姉や恋人たちと血まみれ粘液まみれになったアッシュの死闘を見せるだけに徹する潔さ。何故か地下室にあったチェンソーを一度は手にするも結局は使わないところなんかもあの映画へのオマージュというかネタで、こういうコメディすれすれのところは後のサム・ライミが撮るホラーでも見られる特徴なんです。クレジットを見ると、アイヴァンやテッドのサムの兄弟たちなどもゾンビ役で出演しているんですね、さすがにほとんど素人の出演者にあんなグチャグチャのメイクをして演技させるのはムリだったということでしょう。つまり三人の女ゾンビは実は男だったというわけです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-12 21:56:04)
9.  シャドウ・イン・クラウド 《ネタバレ》 
そりゃあね、クロエちゃんは御贔屓にしている女優の一人ですよ、私はね。でもいくらクロエちゃんの活躍が堪能できると言っても、いくら何でもこれはやり過ぎでしょ(笑)。B17爆撃機のボール・ターレットといえば小柄な男しか入れないほど狭かったことで有名、そこに小柄な女性を押しこんでしかも機内戻れなくなる密室状態になるという前半のアイデアはかなり秀逸。グレムリンが徘徊する中で機内のクルーたちとインタホンでしかコミュニケーションが取れないうえに、その間の映像はクロエちゃんだけ追っていてクルーたちは“声の出演”で済ますというのも低予算を逆手にとったような良きアイデア、いっそ最後までこのストーリー・テリングで押し通すというのもアリだったんじゃないかな。“秘密の箱”を運搬する密命を受けてB17に便乗してきた彼女の正体はそして箱の中身はなんなのか?せっかくホラー&ミステリーの雰囲気が盛り上がってきていたのに、その箱の中身が明らかになってからはもう荒唐無稽、究極のぶっ飛びムービーと化してしまいます。ターレットから脱出してからの空中サーカスみたいな絶対にあり得ないアクション(もちろんCG)には思わず「お前は女トム・クルーズかよ!」と絶叫してしまいましたが、ついに空中に放り出されたのに零戦の爆発に噴き上げられてまさかのご生還、ほとんどアニメの世界です。零戦が銃撃してくるのは判るけど、なんでグレムリンが出現してくるのかが意味不明なのがこの映画の最大の問題点でしょうね。要は製作者のオタク趣味をぶち込み過ぎたってのが原因なんでしょう。 ラストでクロエちゃんがグレムリンをボコボコにするところも冷静に考えれば?でしたが、まるで成長したヒット・ガールが暴れているような感じでプラス一点とさせていただきます。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-13 23:02:27)
10.  ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 
公開当時は「なんでまたリュック・ベッソンがジャンヌ・ダルクを?」と違和感がありましたね、ベッソンの奥さんがミラ・ジョヴォヴィッチだったし。しかし製作同年の99年には二人の二年間だけの結婚生活は破綻しているし、この企画は別れる女への惜別かはたまた火あぶりにしたかったぐらいの憎しみの現れだったのか? 手足がもげて首が吹っ飛ぶスプラッター要素が強いドロドロの中世史劇ではありますが、ジャンヌ・ダルクという世界史でも稀な謎に満ちた人物の存在に精神分析学的なアプローチで迫ったところはいかにもベッソンらしい。もっともこの部分はジャンヌが捕縛されて処刑されるまでのラスト三十分で、それまでの二時間続いた中世劇とのストーリーテリング上のアンバランス感は否めませんね。そこで登場するジャンヌの良心の化身という存在をダスティン・ホフマンが演じているというのは違和感が半端ないですけど、斬新なキャスティングだと好意的に受け止めたいです。彼の役柄は、ジャンヌの内心やはたまた神の声と言うのにはちょっと違和感があるし、いわば近代以降の理性が擬人化された存在だと考えた方がしっくりします。そしてこの三十分のミラ・ジョヴォヴィッチの憑き物が取れていった様な表情が良いですね、前半のいつも怒鳴っているような険しい顔つきからなんか可愛いとすら感じてしまうところまで変化してゆく、ミラ・ジョボヴィッチなかなか良い演技です。 けっきょくジャンヌはシャルル七世などの王家にはいいように利用されて見捨てられたわけですが、やっぱイングランドの手先になってジャンヌに火刑を宣告した教会がいちばん醜悪。この映画では教会はいったんジャンヌが改悛したので許したのに、イングランド側が男装させて魔女としてジャンヌを処刑させたと史実とは微妙に異なる責任転嫁をしている。当時のローマ法王が直接関与したわけじゃないだろうけど、ベッソンめローマ教会に忖度して日和ったかな?だいたいからして、二十世紀になってからやっとジャンヌを列聖してるぐらいだから、カトリック教会も後ろ暗いところがあったんだろうな。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2022-09-06 23:06:56)
11.  地獄のモーテル 《ネタバレ》 
噂には聴いていたけど、期待に違わずメタメタなトンデモ映画でしたね。“人肉を混ぜて隠し味とした世にも美味な燻製”をウリにして商売繁盛のサイコ兄妹、アメリカB級ホラーでは定番のジャンルである“モーテルもの”でございます。でもこの映画、登場するキャラがみな頭のねじが外れていて善玉を含めて行動がほとんどシュールです。ヒロインといちおう位置付けできる女性にしても、普通に考えれば半ば拉致されたような境遇なのに、危ない目になんども逢いながらも緊張感がまるで欠落している。挙句には弟の保安官からのモーションを振ってサイコな兄貴になぜか惹かれていって、ついにはマジで結婚しようとする。もっと判らんのは食材の“畑”で、声帯を切って呻くことしかできない人間を首だけ出して埋めるって、こりゃなんの意味があるんだい?脚本も酷いけど監督が超怪作『ゴースト・イン・京都』のケヴィン・コナーですからこうなるのは必然だったのかもしれない、ほんと『ゴースト・イン・京都』がまともに感じるほどです。ラストが唯一の見せ場であるチェンソーでのチャンバラですが、ブタの生首を被った兄貴のビジュアルはさすがに強烈でした。インパクトがある絵面でスプラッター映画のアイコンみたいな扱いをされていて自分も知ってはいましたが、まさかこの映画のキャラだったとは… ラストの兄貴の死に際での衝撃の告白、たしかにこれはこの映画をコメディにカテゴライズする唯一の要素かもしれませんね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2022-08-25 22:52:18)
12.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 
物語は木曜日から始まる。リンダは娘たちを学校に送ってから、日常家事のルーティーンに戻る。留守中に出張中の夫・ジムから留守電にメッセージが残されていることを知るが、直後に保安官が訪問して来てジムが昨日に事故死したことを知らせる。 終いまで観て我に返ると、この導入部の木曜日の展開に辻褄が合わないことに気が付かされます。前日に残されたメッセージに気づかなっかったということはまあ現実でも良くあることでツッコむところじゃないですが、その内容はリンダが曜日シャッフルの渦に巻きこまれた状態での火曜日の行動の結果であり、メッセージを残している最中にリンダが電話をかけてきている。でも木曜日の彼女は前日に普通にジムを出張に送り出している冷めた夫婦関係のままだとしか思えない。ということに気づいちゃうと、この映画のプロットがますます理解しがたくなっちゃいます。こんな理不尽な曜日シャッフル現象に“なぜこうなるの?”なんて問いを投げかけても意味ななく、それこそ神様の悪戯ということにでもしておけばいいです。“大混乱の末最後に夫婦の愛が再確認されて新しい生命を授かりました”と言うのが脚本家の意図するところなんでしょうが、 “ジムが事故を免れる”というハッピーエンドや、“ジムの代わりにリンダが事故死する”という疑似ハッピーエンドで閉めなかったところだけは評価したい。 “頑張れば運命は変えることが出来る”というハリウッド映画で定番のテーゼからは逸脱しているけど、たまにはこういうのもイイんじゃないでしょうか。 さすがにサンドラ・ブロックはいい演技を見せてくれるけど、この映画じゃ彼女の無駄遣いなんじゃない?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-06-18 22:22:42)
13.  13日の金曜日(1980) 《ネタバレ》 
『13日の金曜日』シリーズと言えばジェイソンが暴れまわるお話しだと思いきや、この第一作ではジェイソンのおかしくなった母親が殺しまくる犯人だという設定なんですね。最後に登場するジェイソンはこの設定では死者、つまりスピリチュアルな存在だったというわけで、単なるモンスター映画と成り果てた続編群との違いは大きいんじゃないでしょうか。このシリーズは “『13日の金曜日』フランチャイズ”とも称されているそうですが、『ソウ』シリーズなんかと違って毎回の監督・脚本家・製作者が異なっているので“フランチャイズ”とは言い得て妙かと思います。 カーペンターの『ハロウィン』と並んで70年代から80年代にかけてのスラッシャー・ジャンルのパイオニア的な立ち位置ですけど、製作者の発想といいストーリーと言いほぼ『ハロウィン』のパクりみたいなもんです。それも製作者や監督たちの出自もあり、B級映画の域を脱していないのも確かです。尺を稼ぐためか登場人物たちの何気ない意味もない行動を長々と見せたりして、これも監督の力量のなさが成せる技なんでしょう。俳優たちもジェイソンの母親役の他は若手の安い無名俳優ばかり、その中でケヴィン・ベーコンだけがビッグな存在になれたのは目出たい事です。スラッシャー・シーンは若き日のトム・サヴィーニが担当、ちなみにラストのジェイソン登場も実は彼のアイデアだそうで、まあ当時は『キャリー』のパクりだとしか評価されなかったみたいです。 はっきり言えばほんと大したことのないB級映画なんですけど、インデペンデント系としては初めてメジャーが配給したことは、本作の最大の功績なのかもしれません。「映画界にはびこる最も卑劣な生き物」と監督ショーン・S・カニンガムを罵倒した批評家もいたそうですが、いくら何でもそりゃ可哀そうです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-03-22 19:44:43)
14.  白いドレスの女(1981) 《ネタバレ》 
『氷の微笑』と双璧をなす80~90年代悪女映画の金字塔、本作のマティ・ウォーカーのさらなる進化形が『氷の微笑』のキャサリン・トラメルということになるでしょう。この映画の同年には『郵便配達は二度ベルを鳴らす』もリメイクされていますけど、長い間途絶えていたファム・ファタール映画は80年代が始まるや否や復活したって感じです。 舞台がフロリダ近辺みたいですけど、それにしても登場人物がみんな汗かきすぎ。80年代のアメリカなんだから、室内にエアコンぐらい普及してそうですけどねえ。男性の汗じみが拡がったYシャツ姿が苦手なのは、自分だけでしょうかね。ストーリー自体は、今や四十年も経って似たような映画は山ほど撮られましたので新鮮味は薄くなってしまいましたが、当時としては卓抜なストーリーテリングと賞賛してもいいんじゃないでしょうか。でも粗というか、この映画には大きく絞っても難点と言えるところが二つあります。一つはマティとメリー・アンが実際に交流しているところを、弁護士ネッドが見てしまうという展開。これがラストのオチが観客に受け入れやすくなるというのが監督の意図だったのかもしれませんが、かえって深く考えてみるとウソ臭さが目立って逆効果だった感じです。そしてもっと大きい難点は、「なんでネッドは殺しを決意したんだろう?いくらなんでもアホ過ぎない?」ということに尽きます。少なくともマティは劇中では夫殺しを懇願するようなことはしていない、いくら床上手といっても二流とはいえ弁護士の男をあの技だけで操れるもんでしょうかね。でも、この映画の中ではマティの悪女的な行動を観客に一切見せない演出で、これは上手いストーリーテリング思います。舞台経験が豊富だったとはいえ、映画デビュー作でアラサーなのにバンバン脱ぎを見せてくれたキャスリーン・ターナーにも敬意を表しておきましょう。 それにしても、映画の中で完全犯罪に成功するのはなんで女性ばっかりなんでしょうかね?男ってやっぱアホなのかな?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-10 22:55:52)
15.  情婦 《ネタバレ》 
どんなジャンルを手掛けても傑作をモノにしちゃうビリー・ワイルダーがアガサ・クリスティーのミステリーに挑戦。まるでヒッチコックが撮った様な極上の英国法廷劇になったわけですが、意外にもヒッチコック自身はアガサ・クリスティー原作を映画化したことはありません。チャールズ・ロートンを始め英国俳優が顔を揃え、おまけにマレーネ・ディートリッヒまで出てくるととてもハリウッドで製作された作品だとは思えません。唯一のハリウッド・スターと言えるのはタイロン・パワーですが、彼は次作の『ソロモンとシバの女王』を撮影中に急死していますから、本作が実質的に遺作なわけです。しかも死因が心臓発作だったというところは、本作からの因縁を感じてしまいます。彼は単なるイケメン・アクション俳優としてしか認知されていなかったけど、本作で見せた演技は演技開眼と呼べる好演だったので惜しまれるところです。因みに、ヴォールがフレンチ夫人と二度目に邂逅する映画館で上映されていた映画は、タイロン・パワーがジェシー・ジェームズを演じた『地獄への道(39年)』で、いかにもワイルダーらしい楽屋オチです。 そりゃあワイルダー映画ですから脚本は完璧で、チャールズ・ロートンと看護婦エルザ・マンチェスターの掛け合いは実生活でも夫婦だけあって傑作です。マレーネ・ディートリッヒもさすがの貫禄、例のシーンでの彼女の演技は完璧ですっかり騙されてしまいました。まああんまり詳しくは書けませんけど、50年代の作品としてはかなり強烈などんでん返しだったんじゃないでしょうか。 この映画の唯一最大の欠点はやはり『情婦』という邦題で、どこからこのワードを思いついたのか謎でしかありません。自分はこの邦題のおかげで長いこと敬遠してしまいましたが、同じような経験の人も多いんじゃないでしょうか。“内容が伝わらない悪センス邦題ランキング”があるのなら、間違いなくベスト3以内にランクインするでしょう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2021-09-30 23:55:42)
16.  ジーザス・クライスト・スーパースター 《ネタバレ》 
舞台版が極端に演出を現代に寄せているのと較べて、イスラエルの遺跡や荒れ地で撮影されているので、意外と違和感は少ないです。全編でセリフがすべてロック・スコアのミュージカルですが、ラストでユダの二言三言の語りだけが普通のセリフだったというのが印象的です。やはりこの劇の主人公はユダで、イエスは狂言回しだったという結論に落ち着きましょうか。でも本作のイエスの人物像は驚くほど人間的で、自分の影響力があまりに大きくなりすぎて苦しむ心の弱さが感じられて、自分が今まで観たイエスを描いた映画の中でもっともしっくりうるイエス・キリストでした。たぶん実際のイエスも、始めは当時では70年代のヒッピーと大して変わらないような存在だったんじゃないでしょうか。それがここまで世界宗教化できたのは、使徒たちの力が大きかったからには違いないでしょう。他の二つの世界宗教の創始者である釈迦とマホメットとイエスが違うところは、彼らが一応天寿を全うしたのにイエスは処刑されたってことです。たしかにテッド・二―リーが演じるイエスは70年代のヒッピー文化の申し子としか見えない単なる“愛の人”という感じで、この映画が教会から猛反発されたのもむべなるかなって思います。 アンドリュー・ロイド・ウエバーのミュージカル人生はまさにここから始まったというわけです。各スコアは名曲揃いですが、やはりユダ役のカール・アンダーソンの歌唱がいちばんの迫力です。監督がノーマン・ジュイソンだけに演出に特有の臭さやダサさがありますが、彼の熱唱がやっぱり良かったので、プラス一点ということで。
[映画館(字幕)] 7点(2021-07-06 23:23:55)
17.  白と黒のナイフ 《ネタバレ》 
ハリウッド製法廷映画には“外れなし”とまでは言わないけど、水準以上の作品が多いのは確かです。その中でも本作はストーリーテリングや結末などはすでに古典の部類になるんじゃないでしょうか。 そうは言っても自分が先に観たというだけではなく、類似の結末のケヴィン・コスナーの『追いつめられて』と比較するとかなり落ちるというのが正直な感想です。脚本を書いたのは『氷の微笑』や『ショーガール』のジョー・エスターハスですから、ケレン味はともかくとしてけっこう粗っぽい展開のストーリーだなと思います。最大の「?」は、いくら妻と使用人が惨殺されたからといっても、あんな状況証拠だけでジェフ・ブリッジスが起訴できるのか?ってことでしょう。凶器すら発見されていないんですからねえ、でもそれを言っちゃあ物語が始まらないか(笑)。そんな状況で検察側も弁護側も、ブリッジス夫妻のダブル不倫を暴く証人を都合よく見つけてくるところはなんか出来過ぎなんだよな。まあ普通に観ていれば犯人はあの人だってのは判りますし、上映始まってから半分以上の時間が過ぎるまで他に犯人として疑われそうなキャラがいないんですから。グレン・クローズはまだわかい頃とはいえさすがの演技力ですが、簡単に依頼人と寝ちゃう女弁護士にはちょっと引きます、まあこれは彼女の演技のせいじゃないですけどね。本作の方が先に撮られてますけど、結末といい『危険な情事』とは真逆のキャラだったのが面白い。ジェフ・ブリッジスも、単に有能な好人物と見えるけどいろいろとウラがありそうなところを上手く演じています。でもいちばん好感が持てて美味しいところを持って行ったのは、ロバート・ロジアが演じた調査員だったのは間違いないでしょう。 ラストでクローズに返り討ちにあった男が黒覆面をはがされて素顔を見せるところ、前後の思わせぶりな撮り方から実は皆が予想するあの人じゃなくて意外な人物だったという展開、と思いきやごく平凡な結末、ヘンなところでもったいぶるな!
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-15 23:21:49)
18.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 
シリーズも三作目となると大抵は息切れが目立ってくるものですが、さすが『ジョン・ウィック』、予想を裏切るパワー・アップぶりでした。前作のエンド・シーンからほぼ繋がる形で物語がスタート、第一作でジョンが暴れ出してから本作が始まるまでが実は一週間の出来事だったということが明示されますが、いくら何でも一週間で人殺し過ぎでしょ、ジョン・ウィックさん!追われる身の辛さで、アンジェリカ・ヒューストンのもとにたどり着くまでひたすら戦いながら逃げるばかり、でも馬に乗ってバイクとチェイスするなんてこれは斬新すぎます。今回新たに登場するキャラはそれぞれにキャラ立ちが凄くて、その中でもゼロさんが率いる寿司職人軍団がやっぱ最高でした。ホテルでいきなりジョンのわきに座ってきて「ファンです」と告るところなんて、思わずのけ反ってしまいました。ラストの鏡の間みたいなところでの寿司職人軍団との決戦は、やはり『燃えよドラゴン』のオマージュなんでしょうね。ゼロと決着つける前の一番弟子・二番弟子との闘いですが、二番弟子はあのヤヤン・ルヒアンなんですよ、なんと贅沢なことか!この二人もやっとこさでねじ伏せますが、止めを刺さずに「また会おう」と爽やかに去ってゆくジョン・ウィック、シリーズ中で敵を殺さなかった珍しいケースです(一作目のロシアン・マフィアのボス以来かな)。 今回で主席連合なるものの実態がまた明確になってきましたが、この組織のトップはあのベドウィン族の首長みたいな人物でいいのかな?でも「主席のうえにいる人」というジョンのセリフもあるし、謎が深まるばかりです。ジョンがエンコ詰めまでして再び主席連合への忠誠を誓うという展開には「へ?」となりましたが、ウィンストンに迫られて誓いを反故にしちゃう展開にもびっくり。そしてそのウィンストンまでもが最後に主席連合に寝返ってジョンを裏切るとは、これぞ二転三転のジェット・コースター状態です。こうなってくると、主席連合に最後まで突っ張ってなめし斬りにされてもへこたれなかったバワリー・キング=ローレンス・フィッシュバーンがじつはいちばんカッコいいキャラだったってことになりますね(笑)。 一目瞭然ですが、このシリーズはまだまだ続くみたいです。次回作は、あの中途半端な退場からするとハル・ベリーの大暴れが期待できそうです、ジョン・ウィックと愛犬を殺された同志でね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-13 01:24:49)
19.  ジョン・ウィック:チャプター2 《ネタバレ》 
前作の異世界の出来事のような不思議な世界観は後退してNYやローマと言った具体的な舞台設定が明確にされてますけど、ジョン・ウィックが属する世界的な犯罪ネットワークについてはさらにスケールアップした描かれ方になりました。どうもこのネットワークは“コンチネンタル”と呼ばれているみたいで、NYにある不思議なホテルはローマやたぶん世界各国に存在して、そこには銃のコンシェルジュや防弾スーツのテーラーなどが稼業のお手伝いをしてくれるみたいです。ジョンはそのネットワークの有力者と誓印という恐ろしい誓いを交わしてとりあえず引退することができた。まあだいたい以上のような事が判ってきました。 今作の敵はマフィアより凶暴なカモッラでございます。今回のジョン・ウィックはいきなり愛車をスクラップにされ(まあ自分でやったんですけどね)家は焼かれてホームレス状態。でも、あいかわらず殺しにかけてはブギーマンで、前作で語られていた伝説の“鉛筆殺法”まで披露してくれます。キアヌ・リーヴスのガンアクションにはマーシャル・アーツ的なスタイルが盛り込まれていて、監督がスタント・コーディネーター出身ということが活かされています。随所でセリフのキーワードだけがテロップで表示されるスタイルは面白かったですね。キアヌのアクションは相変わらず満身創痍になるガメラ・スタイルで、だいたい上映時間の三分の二は血糊が付いた顔で通したってのは、ある意味で凄い。キーパーソンとなるキャラはみなあっさりとした最期でしたが、ジアナやカシアンの死にざまにはちょっと意表を突かれてしまいました。でも唖者の女性ボディガードのキャラだけは、『ザ・レイド GOKUDO』のハンマー・ガールをパクったんじゃないの(笑)。 いい意味で型にはまらず予想を外してくるストーリー展開は、次作『パラベラム』にも期待が持てちゃいます、私このシリーズに嵌ってしまったみたいです。やっぱジョン・ウィックは21世紀最強のガンファイターですね(今のところは)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-03-21 23:28:45)
20.  シャッター(2008) 《ネタバレ》 
すみません、大変不謹慎なのかもしれませんが、アメリカ人夫婦がビジネスで日本に来て霊に憑りつかれるというプロットが、私にはどうしても『ゴースト・イン・京都』という製作者たちは真剣に怖がらせるつもりで撮ったのに出来上がりは抱腹絶倒だったという珍品ホラーが思い出されてしまうんです。これはスーザン・ジョージや服部真湖という東西セクシー女優をフューチャーしたお色気路線も濃厚なホラーでしたが、本作とはストーリーや雰囲気は全然違っていて、一緒にされたら怒られそうです。ぶっちゃけて言えば、『ゴースト・イン・京都』というよりかは『ロスト・イン・トランスレーション』のホラー版というのが正解です。 感想は一言で済ますと標準的なJホラーという感じですかね。主演女優も『ザ・リング』のナオミ・ワッツの劣化版というルックスで、これはヘアメイクなんかから見ても明らかに狙ってますね。でも幽霊役に奥菜恵を持ってきたのは大正解だった感じがします。これほど幽霊が似合う女優だったとは意外でした。体重計の数値を見て首を傾げるナースという伏線はラストで回収されますが、それにしても二人合わせて120キロとは、男の体格から導き出される目方からすると奥菜恵の体重は推定○○キロ、ていうか、なんで幽霊に体重があるんだよ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-02-08 12:15:01)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS