1. SF核戦争後の未来・スレッズ<TVM>
《ネタバレ》 SFではなく、各分野の世界的権威者の監修によるというBBC制作シミュレーション作品。政治家は一切登場せず、英国シェフィールド市民が核を被弾してから辿る十数年間。他国の援助はないのか疑問ですが、核の応酬という事なので他国も同様なのだと考えます。最後の最後まで1ミクロンの希望もない世界は、現在においてもボタンを押せばこのようになり得る現実味を感じ身の毛がよだちました。二度と見たくないけれど1度は観ていただきたい傑作です。 [DVD(字幕)] 10点(2020-10-29 16:31:55)(良:2票) |
2. エレファント・マン
《ネタバレ》 若きアンソニー・ホプキンスが当時から端整な佇まいでベテラン俳優の中に混じって抜群の存在感を放っています。余りにも特異な外見に接した際の人々の反応が丹念に描かれています。ギョッとするだけの者、金儲けの道具と思う者、慈悲をかける者、人となりに触れて気持ちを通わせる者。見世物小屋の仲間達がメリックを檻から逃がしてあげるシーンに、真の醜い怪物はボイラーマンやバイツなのだと痛感させられます。メリックが誰にもサヨナラを言わず母のもとへ旅立ってゆく結末は残念でなりません。「もう、十分に生きた」「もう、生きる事に疲れた」どちらなのでしょうか。 [DVD(字幕)] 9点(2017-09-17 15:27:53) |
3. L.A. ギャング ストーリー
《ネタバレ》 なかなかに豪華なキャストに惹かれてのレンタル。ギャング VS ギャングまがいの警察官チーム。各キャラ人となり部分の描き込みが浅く、残虐で派手な立ちまわりにも今一つな感が。死亡フラグたちまくりなカップルの最後にちょっぴり白けたり。 脚本もう少し頑張ってくれてたら。 ただ、父を亡くした子と「我慢しなくていい」と抱きしめるジョンのシーンには涙腺崩壊 +1点 そしてエマ・ストーンの赤いドレス姿のウットリ見惚れる美しさときたら、ローレン・バコール、リタ・ヘイワース再来のよう +1点 まずまず楽しめた作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-16 15:17:54)(良:1票) |
4. エクソシスト2
《ネタバレ》 「映画を作る狂人」フリードキンの手による前作に比べると硬直する怖さはありませんが、そこそこに見応えある展開でした。もっとも最後の対決がベッド上でマウントからのパンチ、チョーク、仕事人のような心臓掴みという神も仏もあったもんじゃないのはいけませんが。52歳リチャード・バートンを相手にする18歳リンダ・ブレアーにはキツイシーンだったと想像します。ポール・ヘンリード出演が「へぇ」「何で?」であり嬉しい。そして特筆すべきがルイーズ・フレッチャー。看護師役でも medication time に殺意が湧いた傑作に於ける婦長役とはまるで別人の洗練された美しさに釘付けでした。諸々引っくるめて7点です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-16 23:29:30) |
5. エアポート’77/バミューダからの脱出
《ネタバレ》 手際良すぎる乗っ取り、海面不時着しての損傷具合、海底の浅さ、バルーンで機体が持ち上がるなんて、一切合切スルーして観るぶんには見応えあった救出劇でした。たまたま29歳、50歳、69歳のジェームズ・スチュアートを続けての鑑賞でその息の長い活躍に感じ入ります。オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットン、クリストファー・リー、リー・グラントの顔ぶれで生死は予感通りで後者2人に大泣きさせられるとは思いもよりませんでした。ジャック・レモンも併せて大スター華のある存在感が楽しめた良作です。余談ながら「水難の名女優」シェリー・ウィンタースもキャスティングして欲しかったところです。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 01:55:09) |
6. エアポート2018
ロサンゼルス発ニューヨーク行きUS57便内で繰り広げられる幽霊による復讐劇。西川きよし師匠以上の大きな目玉を見開くだけの、幽霊及び霊に乗り移られた乗客に笑ってしまって怖さを感じないのがいけませんが、起承転結はしっかりしており、恨みを買っている人物の意外さに100へぇです。客室乗務員、機長、副操縦士、連邦航空保安局員、軍人のパニック時での言動に感心しきり。最後まで飽きる事無く楽しめた嬉しい誤算の一品。 [DVD(字幕)] 7点(2019-08-29 14:10:54) |
7. エクソシスト ディレクターズカット版
《ネタバレ》 初見。憑き物に苦しめられる少女の描写は単に気持ち悪いだけ。心底怖かったのは娘を目の当たりにする若かりしエレン・バースティンが熱演する母親の絶望感。信仰心をかなぐり捨てたカラス神父の最後の姿が物悲しい。オカルトものの金字塔と呼ばれるのが納得の単なるグロではない神にすがる事について考えさせられる作品。 当時国交の無かったイラクで撮影する、少女の部屋の室温を氷点下にする、俳優の傍で発砲し驚く表情を捉える、俳優に内緒でピアノ線で引きずり倒して負傷させる、ビンタを食らわせ動揺する姿を捉える、諸々のエピソードに映画を作る狂人フリードキンに悪魔が乗り移っていたのだと思わされる。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-12-03 00:43:47) |
8. エイリアン
《ネタバレ》 このジャンルは苦手なのですが、ジョン・ハート目当てで初めての鑑賞。あんなのが顔に貼り付いたら顔が見えないよ(怒)ご愁傷様と思ったら取れていて普通に食事している。やれやれと思ったら・・・ 「う、う、う、うわ~っ!!! 何じゃお前は~」 キャリア50年超で40回死んだ(デビュー作で破滅に追いやった聖人の呪いなのか?)中でも屈指の死に様を見せて早々のご退場に放心状態。 その後はお決まりの展開と結末でしたが、本作がその「お決まり」の元祖という事を考えると映画史に名を残す逸品と言えるでしょう。エイリアン以上に度肝を抜かれたのがアッシュで、アカデミー視覚効果賞受賞も当然の仕事ぶりでした。 あの猫がエイリアンとなってお尻にかぶりつくのかと思いきや・・・不要なキャラに減点です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-04-02 15:31:53) |
9. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 初見。肉親の縁が薄い四人の葛藤が丹念に記されています。価値観を押しつける父と愛してやるから愛し返してと切望するキャルの対峙が哀しい。キャルが悔恨の情を示す父は死の床、兄は死の淵にいる結末が居た堪れない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-03 17:31:02) |
10. エビータ(1996)
《ネタバレ》 一切の予備知識無しの鑑賞でした。歌声の美しさもさることながら映像の美しさに目を見張りました。お話の中身はエバのサクセスストーリーです。台詞が全て歌であるのは面白い試みですが、彼女の人となりや価値観に共感できず、気分が盛り上がりません。狂言回しの男性の存在が絶妙で最後まで鑑賞できました。彼女は民衆に慕われましたが、国を治める者の役目は、貧しい者に単に施しを与えるのではなく、働いて対価を得て自活し、胸張って生きていく環境を整える事だと思います。夭折がアルゼンチンにどのような影響を及ぼしたのでしょうか。興味深いです。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-25 15:59:24) |
11. エム・バタフライ
《ネタバレ》 ジェレミー・アイアンズが物凄く印象に残った映画。愛に殉じる東洋の女性は美しいという妄想からソンをバタフライと呼び長年に渡り男である事に気づかなかった。(自分に少しも似ていない子供を見ておかしいと思わなかったのか?)護送車でのルネに切なさと哀れみを感じてしまった。最後自分がバタフライとして死んでゆくため化粧する一塗り一塗りに鬼気迫るものがあり、武士の切腹をみるようであった。初めて見たジェレミー・アイアンズにはまりそう。ジョン・ローンは女より男のほうが数段美しかった。 7点(2003-12-07 02:46:46) |
12. 永遠の門 ゴッホの見た未来
凝ったカメラワークでの映像美に魅入っただけで終わってしまった作品。37歳ゴッホを違和感無く演ずる63歳ウィレム・デフォーには大拍手。 [DVD(字幕)] 6点(2022-03-06 23:22:21) |
13. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 「錆びた黄金」でのお懐かしや!なミッキー・ローク当時の話題作と言うことで初鑑賞。デ・ニーロ、シャーロット・ランプリング出演に、ガリガリ君当たりで貰ったのがまた当たりだった、やった!ラッキーが浮かぶホクホクする瞬間です。 惹かれるサスペンス色をかき消す過剰な映像によるオカルト臭にゲンナリ。登場時から怪しさ100%のデ・ニーロ、よくこんなの引き受けたと感心する強烈屍ショットのランプリング。風格ある二人に比べてロークの奥行きの無さに「う~ん・・・」そういうキャラなのかもしれませんが腹回りの締まりの無さに「う~ん」いい感じの結末なのに「う~ん」興に乗りきれないもどかしさがある作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-11 14:39:27) |
14. エンド・オブ・ステイツ
《ネタバレ》 エンド・オブ・キングダムに続いての鑑賞。体にガタがきているマイク・バニング、濡れ衣を着せられる、父子の絆、ベタながらも「脳筋フェスティバルにはしない」意思を感じる脚本の頑張りが微笑ましい。この親にしてこの子ありのクレイ・バニングを演じていたのがニック・ノルティだったとは分からなかった。健在ぶりが嬉しいところです。今作の大統領はモーガン・フリーマンで守り甲斐のある人物。ドンパチ模様に魅入るところがありました。努力作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-03 01:05:12) |
15. 永遠に貴方を
《ネタバレ》 29歳デヴィット・ニーヴンは既に落ち着きのある語り口で上品な雰囲気を醸し出しているのは流石でマジシャン役も似合っています。26歳ロレッタ・ヤングはお顔もそこそこ、語り口もそこそこですが、突き抜けたものが無く物足りません。ストーリーはステレオタイプで盛り上がらず、結末もドンが可愛そうとしか思えず二人からは喜怒哀楽を感じず。こじんまりとした凡作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-05-18 01:55:09) |
16. エンジェル・オン・マイ・ショルダー(1946)
「幽霊紐育を歩く」の二番煎じ作品。地獄界の主である悪魔のニック(クロード・レインズ)が、裏切られ殺され地獄に落ちて来た悪党ギャング(ポール・ムニ)を利用して自分を地獄に落とした判事(ポール・ムニ)への私怨を晴らそうという導入部に期待急上昇。しかしながら、瞬間の憎悪の表情(流石の演技)に比例しない姑息な復讐に醒めてしまいました。鑑賞後に分かった監督とポール・ムニの撮影時ことごとく対立したというのに、間に入ったレインズは何を思ったのだろうか。キャラ上対等な立場で俺様キャラのムニが度々言い放つ「ニヤニヤ笑うんじゃない!」に対してのレインズの微笑は素での嘲笑だったのだろうか。気になるところです。結末と共に総じて今一つな作品です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-04-05 14:02:47) |
17. 栄光何するものぞ
本作でのジェームズ・キャグニーは大尉役という事もあってか、シャキッとを通り越して始終けたたましく白けてしまいました。三角関係がメインの異色戦争映画は盛り上がりの無い一品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2019-09-19 01:09:08) |
18. エド・ウッド
才能が無い事にこれっぽっちもへこまなく常にポジティブな姿勢にリラックスさせられる。落ちぶれたベラ・ルゴシに、82歳でオスカー受賞のクリストファー・プラマーが「70歳からいい役が回ってくるようになった」と言った事が思い浮かんだ。うら寂しさを見せつけたマーティン・ランドーの熱演に点数の全てを。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-20 01:29:35) |
19. エンド・オブ・ホワイトハウス
《ネタバレ》 主人公の辛い過去が展開に生かされていないのが残念。彼の神出鬼没ぶり天下無敵ぶりは安心感と緊迫感の欠如がありました。(私が手に汗握ったのは漢な国防長官の姿)それは残虐一辺倒で狡猾さが皆無であるテロリスト一味によるところが大きいようです。余談ながら、北朝鮮出生の一味のボスの要求に北東アジア緊迫の状況に触れられている中で日本の「に」の字も出てこなかった事には苦笑しました。 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-14 22:43:17) |
20. エアポート’80
一人の人物を抹殺するために飛行機もろとも撃墜しようとするのは映画の絵空事では無いように思えました。(+1点) 「コックピットに座れて嬉しい!」感がするジョージ・ケネディの生き生きとした熱演が微笑ましいのですが、脚本・演出共に絵空事の極みで全く手に汗握れません。そつなく淡々と役をこなしているだけのアラン・ドロンも残念。シリーズ打ち切りもやむなし、コンコルドの終焉を暗示するかのような作品です。 [DVD(字幕)] 5点(2021-06-11 12:21:51) |