1. 大巨獣ガッパ
《ネタバレ》 公開当時は怪獣ブームが巻き起こっていた時代なので、おそらくは大手映画会社がブームに乗って更に一発当てようとした野心的な作品なのでしょう。フィルムを使った丁寧な撮影と見事に作りこんだ精密なミニチュアの数々(孤島・山岳・民家・自衛隊の戦闘機etc)を見る限り怪獣映画作りに真剣に取り組んだ姿勢が感じられます。だがしかし惜しむらくは、怪獣映画のノウハウとセオリーの熟練者がいなかったらしいところ。ストーリーは常道のあれです、【文明人が未開地の怪獣をさらって連れ帰って一儲けしようとしたら、保護者怪獣が救助に来襲する】というやつ。怪獣を親子に設定することで情愛も表現してますが、ウルトラマンと同サイズの主役怪獣の動きがチョコマカ・ウロチョロと忙しなく重量感無し。さらに感情表現を人間と同じようなジェスチュアでやらかしてしまってるので、子供をさらわれたモンスターの怒りというより吉本喜劇の人情コントになってます。怪獣の名前は子供の期待を無視したおっさん的センスだし、顔は商店街とかどこかそこらへんで会った事があるオジサンオバサンみたいなデザインだし。エンディングテーマに至ってはもう、この会社の得意分野である『流れモンにゃ女はいらねぇぜ』的なアウトローヒーローと同じフォーマットで作った乗り乗りの【昭和歌謡曲】なんぞ流されちまってもう、笑って笑って腹抱えて笑って、のた打ち回って笑い過ぎて涙が止まりませんでしたわよ(笑)。でも貶すどころか得点通りの佳作とおもいます。なぜかというと慣れない分野に果敢に挑んで作った情熱が熱く熱く感じられるから(わたしゃ不器用な人間の努力が大好きなんですってば・笑)。それともう1つ、50年も前のこの作品は、CG頼みで都市破壊と滑稽アクションにばかり比重を置きっぱなしの現代のモンスターパニックやアクション映画の製作者のテキストに最適と思ったからです。映画作りに必要なものをつくづく実感させられた、我が国の佳作!と、勝手に思ってます。うーん楽しかったぜぇ!(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2015-08-19 18:16:36)(良:1票) |
2. トイ・ストーリー3
オモチャを主人公にしたアニメにおいて、愛と友情と卒業と成長と新たな旅立ちを描いた冒険活劇ってところですね。ちょっと大袈裟ですが、老若男女・人種性別を問わずに存分に楽しめる作品だと確信しましたのでこの点数を献上。1と2のレビューは後ほど。 [地上波(吹替)] 10点(2015-07-03 22:55:27)(良:1票) |
3. ターミネーター2
この作品の素晴らしさは多くのレビュワーさん達が語りつくしておられたので、それらに同意です。クオリティが高いという事は、観た者に生きる張り合いが出来るって事か。あのストーリーならキャストだって全員が役作りに没頭したのも頷けます。リンダ・ハミルトンが憑かれた様に傭兵訓練を受けて鬼の形相になったり、ロバート・パトリックが冷酷なロボット演技の訓練を私生活でも続けたので奥さんと離婚寸前になったりといった裏話も納得。素晴らしい作品です。【ターミネーター完結編】と私は思ってます。 [映画館(邦画)] 10点(2015-04-07 05:41:24)(良:1票) |
4. アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 part1のレビューで『驕り高ぶって何でも支配して悦ぶ人間どもに自然界が罰を下す物語が好き』と書いた私ですが今作を鑑賞してその想いが倍になりました。もう、何もかもが前作のスケールアップ。空中⇔地上戦ならまだ何とか隠れたり逃走したりもできるけど、海上⇔海底戦では移動速度も範囲も限られるし窒息の危険もあるだけ緊迫感が増してる。そして何より今作では、家族も部族も含めた人間関係とその役割、信頼関係の構築に焦点を当てている(敵も味方も)ので、人間ドラマとして見応えありました。ほぼCG構成なのに大自然と野生の生き物たちの美しさと尊さを感じさせてくれる世界観が最高です。また箇条書き。 ①夫・父親・部族の長となってゆくジェイクの自覚と責任感の重さが現れ、重厚で深みあるキャラになってるのがイイ。 ②あれこんな奴part1にいたっけか?と思わせるスパイダー君。中盤のあたりから出自が解り終盤で存在意義も解る。 ③もしこの映画が日本制作なら芦田愛菜あたりが演じたと思われるアイドルポジションのジェイクの長女。1人アイデンティティに悩み人間関係に奥手だけど、1人だけ異様なほど海に順応していたからもしや開戦したら……と思ったら、やっぱり。 ④スケールアップしたのは敵の鬼畜米英、もとい、人間どもも同じで、前作以上に狡猾で陰湿で陰惨で汚いやり口と兵器で攻めてくる。パンドラ部族が勝てるのか!?とハラハラするが(以下自粛) ⑤自分のコピー作ってまで復讐しようとする大佐。目覚めた時点からキ〇ガイっぷりを発揮。その後ジェイクを探す手口も非道。ほんと悪魔だなコイツ。 ⑥ 前作で『最高にイイ女』と評したネイティリは、妻・母・女王の自覚と責任感の重さが現れ、もっとイイ女になってました。父と故郷の思いを大切にしたり、危機から救われると先ず神に感謝するあたりも良く、クライマックスでは彼女の言う所の悪魔(≒人間)にブチ切れて大暴れする姿は胸が空くほど最高でした。 3Dで観たゆえにCGとはいえ空と海の美しさも堪能でき、今年最後に観て本当に良かった作品でした。 …いつもの蛇足… え?コイツ助けるの? てことはpart3の伏線? [3D(字幕)] 9点(2022-12-31 15:02:41) |
5. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 世間の評価の高さに釣られ鑑賞。思いっきり納得させられました。 part1に関しては他のレビュワーさんと同様ですが、続編たる当該作品、登場人物たちが過ごした【あの時】からの人生の歩みと積み重ね、深さ、精神の昇華がもう、でかくて…。 例えとして適切かは解りませんがターミネーター1をリアルタイムで見た私がその数年後に2を見てスケールアップ具合が心に響くまで感動したのと同じ衝撃でした。 これまた他のレビュワーさんの言葉になりますが、これは後から配信やレンタルやロードショウで見れば良いような代物では到底無く、今、この時に劇場で味わう事がベストと断言します。 思った事ですが、とくに私も含めたアラフィフ後半世代の皆様へ、 身体も、アタマも、心も、精神も感性も、ガンガン鍛えましょう。ガンガンと。 もう遅いだの年だの無駄だの諦めただの、冷めたり達観したフリして自分を誤魔化して阿保らしく退屈な余生を過ごすのはまっぴらと、そんな氣持ちを蘇らせてくれる秀作です。自分の出番と戦いの時は、あるんです。一生。何度でも。 生きるのを辞めるのをヤメましょう。 思うにこの映画、ピート・ミッチェルの後半人生ドラマではあるけれど、トム・クルーズという役者の半生を表した形の一つだと思います。実際の彼も人生の折り返しで指導的立場になってもまだ現役の立ち位置から離れずトップを独走してるし。 良い作品を見せて貰いました!良い映画でした!!。 【またいつもの蛇足。ここからがネタバレ。まだ映画を鑑賞してない方は以下は見ない事をお勧めします】。 ①・嫌な奴キャラが、美味しい所を持っていく法則は健在。 ②・『感動して泣いた。ノックアウトされた。(TーT)』なんて思っていると、ダウンされたままで次の不意打ちを食らいます。 ③・挙句に、テロップでトドメも刺されます。 [映画館(字幕)] 9点(2022-06-30 16:37:34) |
6. 蝿男の恐怖
《ネタバレ》 昭和の終わり頃にね、民放テレビ局はどこも、放送終了前の土曜日の深夜という時間帯に隠れた名画を放送してくれてたんです。そんなエクセントリックな時間帯に観た映画はことさら記憶に刻まれる事になったもので、当該映画はその代表格。 リメイクの1986年版と比べても、個人的にはこちらが怖い。ストーリーが静かに進行し、誰もが善意で行動し、誰かを救うためとか愛してるがゆえに起こしてしまった行動の結果で語られるため、鑑賞者の心に無理なく入ってきます。特撮技法がチープだとか笑えません。行き過ぎた善意と化学が生んだ悲劇。犯罪者として裁かれる道を選んだ夫人も、何も知らないふりして生き続ける事にした刑事たちも、罪が無いのに重い人生なんだろうな。観た後に眠れなくなった思い出の映画。 [地上波(吹替)] 9点(2019-07-06 05:56:37)(良:2票) |
7. スター・ウォーズ/ジェダイの復讐<特別篇>
《ネタバレ》 (※この作品シリーズの良さは語りつくされており既出となるためそれら以外の私独自の、当時の感想のみ書かせてもらいます。) 完結作との事で友人を増員して、当時公開真っ最中の映画館へ。以下感想。 1…銅像にされたままの船長、恐ろしく、悲しい。 …これ何年経過したんだよ。 2…そうかあれから長い年月が経ったからね。…レイア姫、貴女も経年変化したんだからそのコスチュームは客にはキツイっす。 3…その年月を修行していて各段に成長したルーク、カッコイイ。 4…武勲者とはいえ農夫が中尉。密輸船長が将軍。博打の胴元も将軍に出世か。革命っていいなあ。 5…あれ?ベイダーの上司ってモフ・ターキンじゃないの?。急に出てきたのに偉そうにしてる悪そうな爺さんアンタ誰よ? 6…『信念を無くして敵に寝返ったのは殺されたと同じ事。ワシャ嘘は言うとらん』。年寄りって子供に命令するときは嘘でも屁理屈でも言うよね。 7…生き返った船長。チョイワルのカッコ良さ・敵に見つかるドジさ・ロボットのジョークで怒る氣の短さで客の笑いを独占。 8…地上での白兵戦・宇宙での戦闘機戦・ステーションでの超能力戦+心理戦の三場面決戦は緊迫感最高。 9…最新化学兵器で武装した帝国軍兵士が 原始人のクマちゃんに負けるんかい!!?? (←特筆) 10…『妹を使えばまだまだ一儲けできるわい。』なんて親父に言われたらそりゃ兄貴としては怒るよね。 …でももはや、修行した剣の達人じゃなくてバット振り回してる子供だぞルーク。 11…爺さん、親子の大事な場面だ。目立ちたいの解るけど来るな。てか、メンツつぶされて切れたか。 12…爺さん、抱えあげるような失礼な部下に放電すりゃいいのに。 13…爺さん、落とされてまで放電すなよ。 14…(ベイダーさんの素顔については触れまい) 15…独りで父を荼毘に付すルーク。父から、因縁の全てからの独立って意味もありますね。 良い映画です。 [映画館(邦画)] 9点(2016-11-12 17:19:49)(良:1票) |
8. スター・ウォーズ/帝国の逆襲
《ネタバレ》 (※この作品シリーズの良さは語りつくされており既出となるためそれら以外の私独自の、当時の感想のみ書かせてもらいます。) 前作の続きとの事で友人と共に当時公開真っ最中の映画館へ。以下感想。 1…ぎゃあああ白熊さんの腕をぶった切るなんて可哀想ーーー!! 2…アメリカのドラマってどうしても必ず、美人が言い寄られた男とくっつくって決まってんだよな。 3…ギャグかますひょうきん爺さんが偉大な先生ってよくあるパターンよね。 4…相手の方が強くても自分が負けると解りきってても友達を助けに行くルーク偉い!カッコイイ!!男だ!! 5…ぎゃあああC3POちゃんがバラバラに!!! 6…ぎゃあああ船長が銅像に!!! 7…ぎゃああああああああルークのぶった切るなんて可哀想ーーー!! 8…ぎゃああああああ…じゃなくて、『私がオマエの父だ!』って何ワケ解らねー事言ってんだこのまっ黒ロボット野郎!!(←ベイダーが人間と知ったのはこの後すぐ!)。 以下は公開と鑑賞を追って続く。 [映画館(邦画)] 9点(2016-11-12 16:23:00)(良:1票) |
9. スター・ウォーズ
《ネタバレ》 (※この作品シリーズの良さは語りつくされており既出となるためそれら以外の私独自の、当時の感想のみ書かせてもらいます。) 世にパーソナルスペースと娯楽が多くなかった時代、特撮の神とまで呼ばれた円谷プロの代表作・ウルトラシリーズも過去の作品の再放送だけ繰り返されてたご時世に突如現れた西洋の空想特撮娯楽映画。当時世の中の話題をさらってたけど事前情報は写真と活字だけ。でもそれだけで衝撃は十分でした。あのストーリースケールと、メカからファッションからロボットまで、全てのデザインは少年の想像なんて超えてたので。面白いとか素晴らしいとかよりも、もう、かつてないスケールに衝撃!という以外に言葉もない映画でした。 …まあでも数日後に落ち着いてみたら、以下の点が心に浮かんで、長い事疑問でした。 1…なんで戦争じゃなくて革命なんだろう。 2…なんで敵の姫様を人質に取ったのに降伏を迫らないんだろう。 3…ビームガンあるのにビームでサーベル作ったら普通は不利じゃないのか。 4…剣の達人ぽく振舞ってる爺さんとロボット(←当時はベイダーをこう思っていた)の一騎打ちは剣法じゃねーよおっかなびっくりで棒叩きしてるだけだよ。 5…その超能力は何やねん? それと何より、 6…いきなり【第4話】ってタイトル何?? でしたね。この後、公開作を鑑賞する毎に疑問は解消されていくのでした。続く。 [地上波(吹替)] 9点(2016-11-12 15:54:58)(良:1票) |
10. ロッキー5/最後のドラマ
《ネタバレ》 本作に低い評価がされてたりすると怪訝に思うんです。こんなに綺麗に感動的にシリーズを〆てくれた作品なのに。まあ前4作は後から書きますが。 恋のチャンスを掴み仕事のチャンスを拾う⇒恋も仕事も成就させて幸せを築く⇒慢心で大コケするが愛と友情に助けられる⇒個人的には蛇足(笑)と進んできたロッキーさんが帰り着くところは、当然、家族の愛に決まってるでしょう。それ以外は何も必要ないんです。【それ以外】っつーのは言うまでもなく金と名声とプライド。これらを失ったからこそ、これらより大切なものが何かを今度こそ身に染みて解ったロッキーさんに拍手。と言いたいところだけど、毎度の事だが自分独りだけじゃ何にもできないロッキーさんに、身を持って大切なものの有難味を教育した奥さんと義理兄と息子くんにはもっと拍手喝采。氣付かせるって意味では敵役の若造ボクサーも入れてあげようか(笑)。起承転結の【結】の意味での良い映画でした。…6ってのは見れたら見ます(笑)。それにしても、チャンスを貰おうと事を急く若造ボクサーを窘めるために、師匠のミッキーからの恩義を語って諭したロッキーさんの台詞、あれ最高に好きです。 [試写会(字幕)] 9点(2015-06-24 09:49:07) |
11. 激突!<TVM>
普通の日常に、普通に簡単に突然起こり得る恐怖。実話を元にしてますか?否、そうじゃないにしろリアリティ十分な恐怖。そしてそれを映画としてストーリーに仕立てたスタッフの手腕に脱帽です。やはりスピルバーグは大化けする大物の資質があったということですね。誰がみても怖く、いろんな意味で心に残る作品です。こういう、【カネはともかく知恵とウデと熱意で工夫を重ねて仕上げました】みたいな作品は映画に限らず大好きです。誰にでもおススメできる…と言うと恐怖映画の褒め言葉としては変ですが(笑)、とにかく観ていただきたい。 でも、この邦題の付け方はセンス無い。 [地上波(吹替)] 9点(2015-03-24 06:55:20) |
12. ターミネーター
制作での目立った出費は有名アスリートへのギャラと特殊メークとダイナメーション撮影くらいか。あとはアイディア溢れる脚本と技術で一級のSF作品に仕上げたB級映画。後に傑作たる続編が出る意味でも、見て損の無い作品です。主演三人が駆け出しの若手であるためかえってキャラクターが生かせてますね。実物も見ぬまま偶像を愛したカイル。訳け解らぬまま恐怖から逃げるサラ。何より、当時のシュワさんの大根レベルの演技が【目的遂行だけのロボット】にぴったりでした。 [映画館(字幕)] 9点(2015-03-05 06:03:18) |
13. アバター(2009)
驕り高ぶって何でも支配して正論ぶってる性根の腐った人間ども。彼らの(性根の腐った)正論に反旗を翻して闘う人間の物語。個人的に好きです。自然界が味方してくれたとなれば更に嬉しいです。あんまり小理屈で小難しく見ると肩こるのでゴチャゴチャ考えず勧善懲悪の童話として見て、そのうえで充分楽しめました。 それと、ネイティリもトゥルーデイも最高にイイ女だなと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2015-03-04 07:48:05)(良:1票) |
14. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 いつもは字幕で映画を放送する番組が、この作品に限って吹き替えになっていたので怪訝に思っていましたが見始めて数分で納得。この作品を字幕にしたら、誰が発したどの台詞かの字幕まで記述する文字の多さと忙しなさになり、無限に広大な宇宙空間を映してもスクリーンが狭苦しくなって見栄えしなくなるからではと推測しました。登場人物は実質2人しかいないんですけど、台詞だけの人間はあっちこっちにおられますので。 結論として面白い映画、そこそこ感動もできました。 宇宙空間に取り残されてからの生還劇。ネバーギブアップ精神で新な希望を見出して勝利(無事生還のこと)を掴むというドラマはありきたりではあるものの、この映画はとにかくストーリー運びと画とアクシデントの作りが上手い。 私も含め人類の多くを占める一般人は宇宙に行った事が無くステーションに乗ったことも無いのに、まるで宇宙空間を体験できているようなカメラワーク。自分が生きてる空間の中の、しかも自分の目前で次々と勃発する、確実に死に至る事故やら災害。思いっきり目視確認できてしまった仲間の死(←閲覧注意レベル)。それでも強引なほど希望を持たせてくれた仲間(←良い漢です)。 画面から一時も目が離せないという映画には久々に出会えました。ラストシーンは感動的ですらあるので、『あれ?帰還した宇宙飛行士って重力に慣れず自力で立てないはずだろ?』なんてツッコミは野暮なので止しましょう(笑)。 良い映画でした。 【毎度おなじみの蛇足】 『ロシアの衛星がミサイルで破壊された!』 ←どこの国の仕業か知らんが、これって開戦ものの大暴挙では? [CS・衛星(吹替)] 8点(2022-07-22 04:41:44) |
15. ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
《ネタバレ》 素直に面白かったと言えるスピンオフ作品。アウトローの冒険活劇。 事前情報のスチールだけならいやこの人ハリソン・フォードに似てないよと思ってましたがどうしてどうして。本編が動き出した途端にハン・ソロの人生劇場開始!と納得できてしまうのはスタッフのオーデション眼力の確かさを感じさせます。サー・アレックギネスを40年若がえらせたらユアンマクレガーになりましたというEP1~3の納得にも匹敵。義理人情に厚く、どんな危機的状況にも知恵と度胸とユーモアを忘れず、裏切った相手に対してまで優しさを向けられる度量の広さがあり、アウトローを氣取っていても実は女性には紳士的で一途なハン・ソロという男の土台となる若きストーリーをきっちり描けています。本編は日本の時代劇をリスペクトしていますがスピンオフたる本作は純粋なアメリカンアドベンチャーですね。『流れモンにゃ女はいらねえぜ。』と無理する美学を貫く日本アウトローに対して『アウトローには愛するオマエが必要なんだよー俺と一緒に行こうぜー』と堂々と表現する欧米流れ者たちが素直でよろしい(笑)。本編を知ってる者には納得の、胸の透く冒険活劇でした。 ・登場した途端に『あーこりゃ悲恋のまま終わるキャラだわ泣く準備しなきゃ』と思わせるヒロイン・キーラ。ちょいと予想外のラストを飾って泣かせてくれてびっくり。てか、本編に繋がってないのでは。 ・厳しく冷たい世間で生きる過程で帝国軍入りしたハン。あれ?、某ファンサイトでは『帝国アカデミーを優秀な成績で卒業』とあるけど、優秀なわりには現場での扱いは酷くないすか? ・オールドファン歓喜のレギュラーキャラとの馴れ初めの描き方も良し。忠誠心の高いウーキー族のチューイが、虐げられた同族を一目見た途端に作戦をガン無視して救助に命張って飛び込む姿はやっぱりね!と胸が熱くなる。 ・【戦士っぽく大活躍する姫様】が多い本編と比し【戦士に成らざるを得なかった悲しい過去を背負った一般女性たち】が大活躍。みんな人間味あり魅力的でした。個人的には一番人間らしく魅力的に思えたのが、人間では無い女性・L-3。いちいちの台詞も行動も最期も美しかったと思います。助演女優賞あげたいくらいだわ。 ・オールドファンを楽しませる設定やセリフも随所にあり。でも個人的には、ハンがランドに『オマエの大事な船だ。傷一つ付けず返すぜ』を言って欲しかったし、ハイパードライブが失敗したかに見えた時、『俺のせいじゃない!』を言って欲しかったです(笑) ・なんだかんだでランドとの因縁ができ、ファルコンを手に入れたハン。再開時に殴りかかるところは本編の伏線と…そのためだったのね(これは言いません。笑)。 爽やかな印象の、良い映画でした。 【毎度お馴染みの蛇足】 L-3 『できるの』。 ↑想像できるが、想像したくない… [地上波(吹替)] 8点(2021-10-29 05:31:45) |
16. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 久しぶりに良い映画を見せてもらいました。暖かみがあり、感動的な氣持ちです。 いや、内容は誤認逮捕で刑務所送りになった男が、非人道的な扱いを受け、またそれを見せられた19年間の顛末なんです。 そんな題材の映画のどこが良くて暖かいかというとこの映画、終始鑑賞者の心に語り続けているんです。ゆっくり、穏やかに。 刑務所が舞台とくれば当然イジメも、事故に偽装したリンチ殺人もあるんですが、それらさえ不思議なほど自然に鑑賞者の心に入ってくる。でもこの映画は観る側に強制しないんですよ。恐怖も嫌悪感も、それに感動も。描いているものが現実から遊離していない、誰にでも起こるかも知れない出来事だからか。それにおそらく、登場人物みんなが自分の役割を理解してたり悟ったりした様子が描かれているからか。 暴力や爆発で恐怖を、願望や祈りで涙を、登場人物の絶叫でそれら両方を観客に強要してくる映画が乱発する昨今で、昔ながらの味の良さを嚙み締めさせてもらいました。主人公の教養と潔白さが親友を作り、知識と忍耐が権力を笠に着た卑劣な奴らを奈落に叩き落す逆転劇は痛快でした。残された囚人たちと一緒に私も喝采しました(笑)。極上の救済も待っているし。 モーガンフリーマンさんは【良き理解者】の役が多いのが頷ける名優ぶりです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-23 21:07:27) |
17. 告発の行方
《ネタバレ》 公開当時から事前情報は流れており、あらすじは解っていましたが、衝撃は予想外に大きかったですね。 まあ、人間てのはヤりたいと思ったら、基地外に落ちてでも開き直ってヤりまくるもんなワケです(強姦に限らず強盗も人殺しも財産強奪もなんでも)。調子コく要素として集団心理てのも働きます。 自制や自戒を持とうという氣がなければ立派な、基地外になり果てるもんです。 タイトルは本当によくできていると思います。内容の表記だけでなく、問いかけじゃないですかね、私みたいに事前情報しか知らない者へも含めての。 アナタ大丈夫ですか精神状態は?とでもいったものか。他人事に考えてはいけない作品ですかねこれ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-04 12:20:40) |
18. グロリア(1980)
《ネタバレ》 数日前に衛星放送で再見できましたが感想は初見時と同じ、良い味の映画です。リタイア準備で安穏としていたヤクザの姉御が友情絡みの厄介ごとを背負わされたけど、友への義理を果たすうちに新たな自分と人生を見つけたお話。女一匹が極道の世界で渡り歩いてきたスキルで闘争しながら逃走している姿を撮影してるだけなんだけど、母性に目覚めて母親と自覚する描写がナイスです。姉さんご苦労さんでした。御子息共々幸せになっておくんなせい。 [ビデオ(吹替)] 8点(2019-07-02 10:13:59) |
19. 幸せのちから
《ネタバレ》 冴えない中年男のメークをして、アクション以外の役を演じたウィル・スミスの挑戦は大成功したと思います。実の親子で演じた親子役もね。夫婦の関係は失敗しても我が子との絆だけは何が何でも離すものかと形振り構わず生きる事に必死な姿は共感してしまう。惨めな状況に追い込まれても、一夜の宿の奪い合いで晒した己の醜さに氣付いてもね。そんな父を支えるかの様に、愛らしい笑顔とユーモアを忘れない息子くんも素敵。そしてラスト。ついに職を勝ち得た父がオフィスを飛び出して走り出し、保育園にいる息子を抱きしめて男泣きするシーンは感動もの。良い映画でした。…そうそう、「バスケットボールの選手になりたい」と言った息子くんに父が言った言葉も好き。駅のトイレで父が息子に話すイマジネーションのシーンも良い場面です。 [DVD(字幕)] 8点(2015-06-20 20:17:50) |
20. フランケンシュタイン(1994)
登場人物のほぼ全員に感情移入できました。誰もかれも悪氣あって行った事じゃないのに起きた悲劇。【愛も無く、なぜ創った。】というキャッチコピーに大いに賛同できます。でも同時に、愛があるからといって何を創っても良いわけじゃないね。 [ビデオ(吹替)] 8点(2015-04-24 11:41:06) |