181. ザ・ロック
《ネタバレ》 アクション娯楽作としては天下一品の出来!それまで単なるハゲで見た目の濃いイタリア系の変な役者どまりだったニコラス・ケイジを、実はアクション映画の主役としても嵌るんだというのを見出したマイケル・ベイに素直に拍手。この重厚さと軽さとの絶妙なバランス具合が観ていて爽快です。思えば、ニコラス・ケイジが甲板上で緑の発炎筒を両手で掲げたシーンを撮った時点で、マイケル・ベイの才能のほとんどが燃え尽きたんだろうなぁー。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-02 13:37:42)(笑:1票) |
182. コラテラル
《ネタバレ》 都会の片隅で鬱屈した毎日を過ごす孤独なタクシードライバーが、偶然乗せたある乗客の仕事にどんどんと巻き込まれていくハードボイルドサスペンス。それまで重厚な男たちの世界を撮り続けてきた監督が、いい意味で肩の力を抜いて撮った佳品。どんどんと暴走していくトム・クルーズの姿が意外に嵌っていて良かったです。全体を覆う都会の夜の雰囲気もナイス!観終わった後に、「あぁー面白かった!」と素直に思える良質のエンタメ作品。ただ、ちょっと女性には分かりにくい世界かもだけどね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-30 16:53:29) |
183. ケープ・フィアー
《ネタバレ》 壮大なる逆恨み映画。自分を牢屋に放り込んだのは能無しの弁護士だ!と自分勝手に決め付けたデ・ニーロ演じる狂気の犯罪者がとにかく強烈!もう、こんな男に目を付けられたと思うだけでおしっこちびりそうです。スコセッシって男の激しい情熱に拘った映画を延々と作っている監督だけど、作品によってはそれが善となったり悪となったりするのが深いですね。この作品は当然後者で、その最たるものかも。最後、デ・ニーロが湖に沈み込んでいく時に、主人公の弁護士を激しく睨み付けるその狂気に満ち溢れた目がいつまでも忘れられない。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-30 15:35:27) |
184. インビジブル(2000)
《ネタバレ》 変態監督面目躍如な快作。最先端のCG技術とお金を惜しむことなく注ぎ込んで作られた透明人間映画。人間が一瞬で消えたら面白くないから、まずは皮膚が透けて次に筋肉が透けて、そして内臓……。こんな発想が浮かんできてそして実行してしまえる監督は、やっぱりバーホーベンをおいて他には居ない!そしてそこまでして透明になった主人公の科学者がまずしたことが、おっぱいポヨンポヨン……。馬鹿ですか(笑)。そんなお茶目なバーホーベン監督、大好きです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-29 23:14:48) |
185. ブギーナイツ
《ネタバレ》 人一倍でっかい〝もの〟を持つ青年が、たったそれだけを武器にポルノ男優としてのし上がっていく物語を軸に、彼の周りのポルノ業界で生きる人々の様々な人間模様を重層的に描いた群像劇。とにかく個性的でエネルギッシュな人々の喜びと悲哀が全編にわたって横溢しているのに、最後まで疲れることなく観れるのは素直に監督の才能ゆえだろう。特に、男の性欲の世界で生きてきたローラーガールが下品な若い男に怒りを爆発させる姿が切ない。余談だけど、最後に主人公が鏡の前で自分のもの(日本ではもちろんモザイクがかかっていたけれど)を見せたときに、一緒にみていた彼女がそのあまりの大きさに「えぇぇ!」と僕の隣で感嘆の声をあげたのが切なかったです。とてもその日はホテルに行く気になれませんでした(笑)。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-29 22:20:24) |
186. ゴッドファーザー PART Ⅱ
《ネタバレ》 なにもかも完璧だった前作をこよなく愛する自分としては、第二作目となる今作は多少冗長な印象も受けたけれど、それでも相変わらずのクオリティの高さに素直に圧巻。ダークなマフィアの世界を舞台に描かれる重厚で深淵な父子の物語は何度観ても素直に胸を打つ。徐々に勢力を拡大していく父と、ファミリーを守ろうと必死にもがけばもがくほど実際の家族を失っていく息子。対照的な二人の姿を、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという希代の名優が見事に演じきっている。最後の、家族と共に父の誕生日を祝った過去を回想するアル・パチーノの愁いを帯びた表情がいつまでも忘れられない。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-28 14:15:51) |
187. ミスト
《ネタバレ》 もうスティーブン・キング印のB級感満載のシチュエーションホラー&スリラー。意味不明な濃霧に追い立てられ、スーパーマーケットに閉じ込められた人間たちの極限状態を描く。キングお得意の気持ちの悪い化け物や蠢く虫たちもさることながら、次第に狂っていく人間たちの暴走もひたすら怖い!!この気持ち悪さはなかなかツボです。そして、賛否両論の超後味悪いラストシーン……。もう、ここまで気持ちの悪い映画を撮った監督にただただ拍手です(笑)。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-26 13:57:15) |
188. ペイバック
《ネタバレ》 LAコンフィデンシャルという超硬派で重たい作品の脚本を書いた脚本家の監督デビュー作。あの作品の重々しい雰囲気はそのままに、今作は何処までも気楽に見れる単純なハードボイルド娯楽作に仕上がっていて面白かった。メル・ギブソンってあまり好きな俳優じゃないんだけど、これはかなりはまり役。最後の電話機が爆発するシーンは、もう気分爽快!!良質のエンタメ作品。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-26 13:33:22) |
189. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
《ネタバレ》 三部作のなかでは、個人的にこれが一番好きだなー。単純にこの作品が一番うまく脚本がまとまっていると思う。蛇の舌(このキャラのいやーな雰囲気も良く出てた)にたぶらかされたセオデン王によって荒廃する王国に辿り着いたアラゴルンたち。一方、フロドやピピンたちは各地で指輪を捨てるための苦難の旅を続けていた。そしてセオデン王の王国に迫るグロテスクな闇の軍勢と、ガンダルフによってようやく覚醒した国王の下に集う騎士たちとの一大決戦へと雪崩込む後半の怒涛のストーリー展開は何度観ても圧巻!各々の思惑を抱きながら、そんな戦へと巻き込まれてゆく木の髭やサルマンといったサブキャラクターたちも巧く活かしながら、そして最後に「も、もう駄目だー!」ってところで朝日とともに現れるガンダルフ!!ベタですけど、やっぱりテンション上がりますって、これ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-24 23:09:36) |
190. ロミオ&ジュリエット
《ネタバレ》 シェイクスピアの古典的名作(あまりにも古典的過ぎて今さら普通に映画化するにはかなり勇気を要する)を、大胆にも徹底的にお下品で猥雑で野暮ったく、それでいてとってもエネルギッシュに映画化。もう、この濃ゆい世界観、好きです!ピストル片手にアロハシャツ姿で愛を語るロミオとか格好良すぎ!!今作のディカプリオは、びっくりするぐらい若いエネルギーが迸ってます。対するクレア・デーンズも恐らくこのころがピークだと思えるくらい可愛くてキュート!!そして脇を固める、これまたアクの強い脇役たちも痺れるくらい格好良い。そして、何よりシィクスピアが何世紀も前に描いた純愛をこうやって現代に(お下品に)甦らせた監督の手腕に拍手!何度、観てもテンション上がるっす!! [DVD(字幕)] 8点(2013-04-24 22:07:33) |
191. ライアー ライアー
《ネタバレ》 アメリカのコメディ映画ってやっぱり日本人とはセンスが合わないのか、これまで心の底から笑えた作品ってほとんどないのだけど、この映画はそのなかでも僕が〝心の底から笑えた〟数少ない稀有な作品。普段は嘘ばっかり吐いてテキトーに人生を生きている弁護士が子供の誕生日の願い事によって、ある日突然嘘が吐けなくなってしまう。そんなベタなお話のなかで、ジム・キャリーがやりたい放題しててそれが見事に笑えるのだけど、ちゃんと映画という枠内に収まっているから凄い。アメリカのコメディ俳優って得てしてやり過ぎちゃって映画のなかでその存在が浮いてしまっているもんだけど、ジム・キャリーってちゃんと映画のなかの因果律に含まれているんだよね。とか、そんな理屈とか抜きにして文句なしに面白いです!頭、空っぽにして最後まで大笑いしちゃいましたー。おばちゃん上司にセックスの後、「どうだった?」って訊かれて「うーん、いまいち」って答えるトコとかサイコー! [DVD(字幕)] 8点(2013-04-24 20:06:05) |
192. ザ・フライ
《ネタバレ》 悶絶気色悪映画の古典的名作。もう自分がじわじわと少しずつ蝿になっていく恐怖といったら考えるだに恐ろしい。そんなおぞましい世界を当時のSFX技術の粋を極めて創りあげた、徹底的にグロテスクで気持ち悪い映像はCG全盛のいま見てもなんら見劣りしないから凄い。逆に、こちらのほうが生々しくて迫力があるくらい。あと、主人公を演じたジェフ・ゴールドブラムの顔が濃すぎて人間の段階ですでにちょっと怖いんですけど(笑)。でも、やっぱりこの映画の最大の見所は、最後、もうどうしようもなくなってしまった主人公が恋人に死を願うシーンの哀れさだろう。こんなグロい映画なのに最後はちょっぴり切ないなんて……。人間ドラマとしても胸に残る名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-21 17:28:52)(良:2票) |
193. バタリアン
《ネタバレ》 軽ーいノリのゾンビ・コメディ映画。初めて観たのは確か小学生の頃だったかな~、この作品に横溢する適度なグロとエロに当時の僕はハートを鷲掴みにされました。工場に勤める頭がパーな二人の男がある〝毒ガス〟を些細なことで噴出させてしまったことで、墓場の死体がゾンビとなって甦り、街がどんどんとパニックに。その過程がなかなかしっかりしているし、個々のエピソードも凄く面白い(特に、ゾンビにならないために自ら火葬場へと入っちゃうあの超かわいそうなお爺ちゃん!)。そして、墓場で唐突に始まるビッチな不良ねーちゃんのエロいストリップシーンには大きな衝撃を受けました。「大人には、こんな凄い世界があるのか…。僕も早く大人になりたーい!!」と小学生だった僕は、股間をもぞもぞさせながら本気でそう思ったし(笑)。なのに最後は無情にもミサイルでドカーン!もう衝撃的なくらい面白くてビデオに撮って何度も何度も観返したなー。大人になって改めて観てみると、「あのころは純粋だったよな~」と、なんだかえもいわれぬ懐かしさが込み上げてきて、思わずホロリ。画面では、ゾンビが脳味噌喰ってるんですけどね(笑)。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-21 16:46:02)(良:2票) |
194. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 冒頭の、インドのスラム街を少年たちが疾走していく軽やかなシーンからあの『トレインスポッティング』の冒頭を思い出してワクワク感が止まらず。この監督はどうしようもない悲惨な世界を、軽快に疾走してみせる若者の姿を描かせたら右にでるものは居ないですね。インドのスラム街で横行する陰惨な現実(もっとお金を恵んでもらうためにスプーンで浮浪児の目を潰す大人の姿が印象的です)のなか、主人公は持ち前の知性と運の良さで鮮やかに這い上がっていきます。とっても爽快でした。音楽もグット!! [DVD(字幕)] 8点(2013-04-20 19:52:30) |
195. ジャングル・フィーバー
《ネタバレ》 アメリカという社会が抱える病巣、麻薬や貧困、そして人種差別といった重たいテーマを、まるでホームドラマのような都会的で洒脱な明るいタッチで描いたスパイク・リー監督の秀作。特に、当時はほとんど無名だったサミュエル・L・ジャクソンが演じる麻薬中毒の兄の演技には目を見張るものがあった。母親から奪いとった家具を売り捌いた金で麻薬を買う兄、それを責める弟に「何故、そこまでして俺が麻薬をやるのかって? それはな、俺がジャンキーだからだ」と目を逸らすことなく言い放つサミュエルの鬼気迫る目付きが今でも忘れられない。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-20 17:46:05) |
196. トラフィック(2000)
《ネタバレ》 麻薬をめぐる様々な人間たちの熱い群像劇。普通、こういう社会派サスペンスってもっと重たい作品になるものだけど、この監督の〝軽さ〟が良い意味で活かされていて、最後までちゃんとエンタメ映画として楽しんで観れる。それに、ドン・チードルを始め、ベニチオ・デル・トロ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズたちの抑えた演技が随所に光っていて終わってしまうのが勿体ないと思えるほど良く出来た作品だった。特に、子供のために麻薬を売り捌くという母親の、善悪を超えて力強く生きていこうとする姿が強い印象を残す。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-20 16:33:01)(良:1票) |
197. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 いままでの戦争映画の概念を変えたエポックメイキングな作品。もう、冒頭の30分の映像へのこだわりはさすがスピルバーグ!!良くも悪くも一度見れば忘れられないくらいの、自分も戦場に居ていつ無残に死ぬかも知れないと錯覚させる程の臨場感は圧巻です。ストーリーは薄っぺらいですけど。公開当時、そのころ付き合ったばかりの彼女と観に行ってしまい、その日のデートがどうしようもないくら盛り上がらなかったのを今でも覚えています(笑)。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-12 12:47:53) |
198. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 この映画を最初に観たのは中3のころ。さすがにそのころは何がなんだか分からず、ただ壊れちゃった微笑みデブの狂気の極北のなかで静かに囁く「フル…、メタル…、ジャケット!」という言葉だけがいつまでも心に残った(というかトラウマになった)戦争映画。だったのだけど、改めていま見返してみれば、前半の訓練学校だけで10点をつけれるくらい短編映画として観れば完璧な作品だった。ここで描かれる醜悪な人間社会の縮図は、決して戦争という狭い枠組みに捉われない普遍的なものだと思う。とはいえ、後半が「ミッキーマウス」を歌うまでの長い蛇足だということで-2点で。「パパの〇液がシーツの染みになり、ママの割〇目になんとか辿り着いて生まれたのがお前だ!」ひぃぃ、毎日毎日こんなこと言われ続けたら誰だって壊れちゃうってーの。そりゃ中3の童貞中学生にはトラウマになるはずだよ(笑)。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-10 13:41:35) |
199. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 東西冷戦が激化し、いつ核戦争が起こってもおかしくない社会情勢のなかで撮られたキューブリックの強烈なブラック・コメディ。政治がいかに無茶苦茶で愚かで馬鹿馬鹿しく決定されていくかということ、そしてそれに関与できない多くの人々のそんな漠然とした不安感を乾いた笑いにまで昇華させたキューブリックの初期の傑作。ラスト、幾つものきのこ雲の映像に流される「また会いましょう」は、当時の「もう笑うしかない」というような社会不安を見事に表している。そしてそれは形こそ違えど今現代もあまり変わっていない。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-10 12:32:54) |
200. トイ・ストーリー3
《ネタバレ》 これは完結編でしか出来ない内容で、そして1と2がこの作品を作るために作られた長大なプロローグなのではないかと思わせるくらい、非常に完成度の高い作品に仕上がっている。子供が大人になるというのはどういうことか、そしてその過程で誰もが失っていくもしかしたら大切だったものを、ノスタルジックにそれでもちゃんとハラハラドキドキのストーリーのなかに見事に描き出している。とりわけ、このシリーズは良さは子供向けにも関わらず、人間ドラマ(玩具だけど笑)をしっかりと描いているところにある。あの悪役のピンクの熊のぬいぐるみが最後まで改心しなかったのは、ディズニー作品としては勇気がいることだったろうけど、見事だったように思う。おかげで、単なる娯楽作に終わらない深さのようなものさえ有している。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-03 12:28:00)(良:1票) |