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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1884
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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241.  オールド・ガード 《ネタバレ》 
彼らの名は、オールド・ガード――。謎の現象により、ある日突然、不死の力を宿してしまった四人の男女。以来彼らは何百年もの間、歴史の陰で人知れず人類の危機を救ってきたのだった。ナポレオンのロシア遠征、南北戦争、二度に及ぶ大規模な世界大戦、そして冷戦終結……。遥か昔に生を受け、もはや何百年生きたかすら分からないアンディをリーダーに、彼らは今日も世界の危機を人知れず阻止していた。そんなある日、四人は数世紀ぶりに新たな仲間の誕生を知る。アフガニスタンの紛争地で敵の襲撃に遭い、呆気なく命を落としたはずの若き黒人女性兵士が、そのすぐ後には何事もなかったように立ち上がったのだ。脳内映像でそのことを知った彼らは、すぐさま新たな仲間の元へと向かうのだった。そんな折、彼らの存在を知った世界的製薬会社がその不死の秘密を探ろうと動き始めていた……。アメリカのグラフィック・ノベルを原作に、歴史の陰で暗躍する孤高のダーク・ヒーローたちをスタイリッシュに描いたSFアクション。主演を務めるのは、もはや世界一カッコいい美魔女と言ってもいいシャーリーズ・セロン姉さん。徹底的に鍛え抜かれたであろう彼女のそのパーフェクトなボディが画面狭しと暴れまくるアクションシーンは、もうさすがの貫禄でそれだけでも見応え充分でした。いやー、どうやったらこのお歳でここまでの美貌とプロポーションと身体能力を維持できるのやら…。この人、もはや半分機械で出来てるんじゃないかとさえ思っちゃいますね(笑)。ただ、それに対してお話の方には僕はそこまで嵌まれませんでした。まあ突っ込みどころ満載の荒唐無稽な設定はそーゆーもんなんで全然オッケーなんですが、問題は脚本の詰めの甘さ。まず、主人公がこのセロン姉さん演じる不死たちのリーダーなのか、それとも新人のこの若い黒人女性なのか、最後までそこらへんが非常に曖昧なのでいまいちどちらにも感情移入出来ない点。やはりこの黒人女性をがっつり主人公にして、物語の冒頭は彼女が生き返るシーンから始めた方が良かったのでは。そんな戸惑う彼女に、アンディはじめ不死の軍団が現れた方がより物語に入り込めたように思うのですが。あとこのアンディが物語の終盤で不死の力を失ってしまうシーンがあるんだけど、そこも結局どうなったのか最後まであやふやなまま終わらせたのは致命的。不死の力を失ってはもはやリーダーを続けていけないと思うんですけど。映像は終始キレイだし、アクションシーンもスタイリッシュでけっこう頑張っていただけに、もう少し脚本を練って欲しかった。惜しい!!
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-09 03:09:27)(良:1票)
242.  ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 《ネタバレ》 
次期大統領候補として充実した日々を送る美しき女性国務長官と、現在失業中の超イケてない小太りの元ジャーナリストのおっさん。全く違う世界に生きる彼らの人生がある日ひょんなことから交錯し、いつしか恋に落ちるまでをスラップスティックに描いた格差恋愛コメディ。普段、こういった大人の女性向けのちょっぴりお下品なロマンティック・コメディ?は全く観ないんですけど、監督がかつて『50/50』や『ウォームボディーズ』というポップな作品でスマッシュヒットを飛ばしたジョナサン・レヴィンということで今回鑑賞してみました。しかも、お年を召してますますその美貌に磨きがかかっているシャーリーズ・セロン姉さんが主演を務めているというのですから、これは観ないわけにはいきますまい。うーん、確かの彼女の魅力は充分堪能できたものの、肝心の内容の方は僕の好みとはやはり全く合わなかったですね、これ。全編に渡って、とにかく下品!妙に生々しい下ネタ満載で、しかもさして笑えないという、ね。特に後半、主人公がオ〇ニーしてるとこを政敵に盗撮されるシーンなんてあまりにも下品すぎて、もはや嫌悪感すら湧いてきちゃいましたわ。唯一笑えたのは、ネオナチに無理やり彫られたカギ十字のタトゥーが棒人間になってたとこくらい。あと、主人公のこのおっさんがひたすら癇癪ばかり起こしてずっと怒鳴り散らしているのも不愉快千万!どうしてこんなウザイおっさんにこのバリバリのキャリア・ウーマンである国務長官が恋に落ちたのかという肝心の部分も理由づけがかなりテキトーなので、僕は物語に一切入り込めませんでした。そして最後、このおっさんのオ〇ニー動画がネット上に拡散して一大スキャンダルになったのをどう落とし前つけるのかと思えば、ヒロインが「誰だって一人エッチすることあるじゃない。私はそれでも彼を愛しています」と国民に語り掛けたら無事丸く収まって、それで次期大統領の立場も安泰って……。どんなけテキトーなんですか(笑)。そんなわけで、シャーリーズ・セロンの美魔女っぷり以外は一切観るべき部分のない凡作でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2020-11-02 02:02:30)(良:1票)
243.  荒野の誓い 《ネタバレ》 
1892年、いまだインディアンの脅威が去らぬアメリカ南部の田舎町。退役を間近に控えた、かつての戦争の英雄ブロッカー大尉に、恐らく最後となるであろう任務が下される。それは、過去に仲間を惨殺したアパッチ族の首長イエロー・ホークを故郷まで連れ帰るというものだった――。末期の癌を患い、長年囚われの身だった彼を人道的な見地から故郷に帰そうというのだ。殺された仲間のことを思い、当初は断ったものの、軍人としての義務と年金のために仕方なく任務を引き受けるブロッカー大尉。信頼する仲間たちを集め、首長とその家族を連れ荒野へと旅立つのだった。ところが初日、彼は荒野で悲嘆に暮れるある一人の婦人と出会う。話を聴いてみると、彼女はなんと凶悪なコマンチ族に幼い三人の子供たちと愛する夫を目の前で殺されたらしい。絶望の淵に立たされた彼女をそのままほっておくことも出来ず、大尉は彼女を連れて旅を続けることに。だが、目の前に拡がる広大な荒野は彼らに何処までも無慈悲だった……。雄大な大自然を背景に、そんな恩讐の中に生きる人々を冷徹に見つめた西部劇。監督は、『クレイジー・ハート』でアカデミー賞の栄誉に輝くスコット・クーパー。この監督らしい細部にまで拘った丁寧な演出は本作でも健在で、一つ一つのエピソードの見せ方などは相当巧い。特に、家族を殺され天涯孤独となってしまった未亡人が自らの手で家族を埋葬するための穴を掘るシーンなど、その絶望感がひしひしと伝わってきて僕は思わず涙してしまいました。彼女を演じたロザムンド・パイクの素晴らしい熱演は特筆に値します。彼女を助ける寡黙な軍人役のクリスチャン・ベールも渋さ爆発で大変グッド。彼らが大自然の中を旅するシーンは全てが美しく、まるで優れた絵画を観ているようで非常に良かったですね。ただ、残念だったのは後半の展開。てっきりこの凶悪なコマンチ族を彼らが復讐のために追い詰めるのかと思いきや、呆気なくこいつらは第三者に殺されてしまいます。そこから物語としての強度が明らかに弱まってしまったのが惜しい。この家族を殺したコマンチ族との対決をクライマックスに持ってこないとやはりカタルシスが得られませんって!それに、入植者である白人たちとアメリカ先住民族の和解のドラマもかなり唐突でいまいち説得力が感じられない。前半の展開がすこぶる良かっただけに、なんとも勿体ない作品でございました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-29 00:20:42)(良:2票)
244.  ハイ・ライフ 《ネタバレ》 
新たなるフロンティアを求めて、太陽系から遠く離れた外宇宙へと片道飛行を続ける元死刑囚たちを描いたハードSFドラマ。正直、クソつまんなかったんですけど、これ。まず、冒頭のチープな宇宙描写に思わず苦笑い。だって宇宙船の船外で作業をする乗組員が、がっつり宇宙服を着てるのに無重力感がゼロなんですもん。んで、船内に戻ってきた彼が宇宙服を脱ぐと申し訳程度に手袋が宙に浮くんですけど、それも明らかにテグスで引っ張ってる感ありまくり。え、これはエド・ウッドが制作した知られざる作品とかですか(笑)。んで内容の方も変に芸術を気取った独り善がりな代物で、ちっとも面白くもなければ深みもない。無駄にエログロ描写が多いのにも辟易です。あの謎のオ〇ニーマシンに跨るおばさん描写は、演じるジュリエット・ビノシュ含め誰得なの?最後はよー分からんまま、主人公親子がブラック・ホールに突っ込んで終わり……。あまりのテキトーぶりに僕は思わず怒り狂いそうになっちゃいました。そばかす美少女ミア・ゴスちゃんのおっぱいに+1点!
[DVD(字幕)] 2点(2020-10-19 08:01:01)
245.  モーガン夫人の秘密 《ネタバレ》 
1945年、まだ戦争の傷跡が色濃く残るドイツ、ハンブルク。戦後処理のためにこの地へとやって来たイギリス人将校モーガン大佐の妻レイチェルは、現地で接収した民間人の館で暮らすことに。館の持ち主は、戦前ナチスに協力した疑いが持たれている建築家のルパート。かつてナチスの空爆により、幼い息子を亡くしてしまった過去を持つレイチェルは、当然、ルパートを追い出すよう夫に頼むのだった。だが、彼もまた妻を連合軍の空爆で亡くし、しかも幼い娘も抱えているということで、モーガン大佐は彼らと一緒に住むことを決断する。広い屋敷の中でお互いの居住区を決め、極力互いに干渉しあわない生活を心掛けるレイチェルとルパート。子供を亡くした女と妻を亡くした男――。最初は反発しあっていた二人だったが、互いに大切な人を亡くしたことを知った時、彼らはいつしか惹かれ合い、そして越えてはならない一線を越えてしまう……。終戦直後の混乱したドイツを舞台に、許されざる恋に身を焦がす男女を描いた大人のラブ・ストーリー。そんな二人の男性の間で揺れ動く人妻を演じるのは、人気女優キーラ・ナイトレイ。まあ一言で言ってしまうと、いわゆる不倫映画なのですが、正直イマイチな出来でしたね、これ。こういう不倫映画にとってもっとも重要な要素って、「ここでもし私が一線を越えてしまうと後々大変なことになる。でも私、自分の気持ちに正直でいたい……」という、多くの男女が思わず感情移入してしまうであろう背徳感にあると僕は思うのです。対して本作、肝心のこの人妻と男やもめのドイツ人が一線を越えてしまう描写が圧倒的に弱い!だってこれじゃ、夫に寸止めされたこの妻が火照った身体の疼きをどうにも我慢できなくなって思わずしちゃいましたくらいしか理由になってませんもの。せっかくお互い大切な人を亡くした男女というお膳立てが揃っていて、しかも映画の半分近くを費やしていながらのこの体たらく。この監督って実は恋愛経験に乏しい人なんじゃないかしら?そして最後はご都合主義全開、結局誰も傷つかないような甘っちょろいラストに僕は思わず苦笑しちゃいましたわ。うーん、なんとも残念な不倫映画でございました。
[DVD(字幕)] 4点(2020-10-19 07:23:29)
246.  TENET テネット 《ネタバレ》 
時間と空間の魔術師、クリストファー・ノーラン監督の最新作を観てきました!!正直、内容の方はほとんど理解できなかったけど、「なんか凄い映画を観てしまった!!」感はビシバシ伝わりました!!その全体的な密度の濃さには素直に圧倒されたので、取り敢えず今は8点!レンタルされたもう一度見て、内容を確認してみます~。それで10点になるか6点になるか、どちらもあり得るのがまた凄い…。
[映画館(字幕)] 8点(2020-10-17 22:30:21)
247.  ホテル・アルテミス 犯罪者専門闇病院 《ネタバレ》 
2028年、各地で暴動が多発し極度なまでに治安が悪化したロサンゼルス。長年この地で犯罪者専門に営業を続ける闇病院、ホテル・アルテミスはその夜も大忙しだった。銀行強盗に失敗し、警察の手を逃れて駆け込んできた兄弟。謎の組織から依頼を受けてこの病院へとやって来た女アサシン。違法な手法で財を成した、口だけは達者な大富豪。そして、この病院のオーナーで闇社会の大物の息子……。酒が原因で身を持ち崩し、以来この病院の経営を一手に担っている〝ナース〟は、続々とやって来る彼らの対応に手を焼いていた。そんな折、彼女の過去を知るという謎の女性警官がこの病院へと駆け込んでくる。「会員である犯罪者以外は決して入れてはならない」――。長年守ってきたそんな厳格なルールを破ってまで、彼女を迎え入れるナース。果たして彼女は何者なのか?外では暴動の嵐が吹き荒れる中、閉ざされたこの空間でそれぞれの思惑を抱えた彼らの駆け引きが思わぬ事態を引き起こすのだった……。近未来のアメリカを舞台に、そんな閉鎖的な闇病院で繰り広げられる犯罪者たちを描いた密室劇。ジョディ・フォスターが久しぶりに主演を務めたということで今回鑑賞してみましたが、正直、さっぱり面白くなかったですね、これ。だってストーリーが全く意味不明なんですもん。闇病院という設定を全く活かしきれていない演出、そろいもそろって魅力に乏しい登場人物たち、説明不足なまま最後まで取っ散らかったストーリー。もはやすべてが素人レベルだと言っても過言ではありません。どうしてこんなレベルの低い作品に、わりかし有名どころの役者陣が揃っているのかもう意味不明過ぎます。それにしてもジョディ・フォスターは老けましたね~。もはやすっかりお婆ちゃんになっててけっこうショックなんですけど。という訳でいろいろと残念な映画でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2020-10-14 16:46:24)
248.  ヘルボーイ(2019) 《ネタバレ》 
あの地獄のスーパーダークヒーロー、ヘルボーイが帰ってきた!!ギレルモ版前2作の大ファンの自分としては、こりゃ観ないわけにはいきますまい。監督は、その拘り抜いた独自の世界観は素晴らしかったもののお話の方がかなり残念だった『ドゥームズデイ』のニール・マーシャル。いやー、この人の細部にまで徹底的に拘ったであろう唯一無二の世界観は今回も大変素晴らしかったですねぇ~~。何処までもダークでグロテスクなのに、何処かコミカルなこの感じ、めっちゃツボでした。冒頭、悪役の魔女がアーサー王にバラバラにされ、箱に入れられて各地に埋められるシーンからもう摑みはばっちり。特に中盤に出てくる、ヘルボーイを捕える魔女バーバ・ヤーガのあの超絶気持ち悪いフォルムは出色の完成度!!こいつとヘルボーイがキスするとこなんて、数ある映画のキスシーンの中でも屈指の気持ち悪さを誇ってました(笑)。地獄から復活した魔物どもが無茶苦茶するクライマックスもグロさマックスでサイコーでしたし。まあストーリーの方は相変わらずしっちゃかめっちゃかでもう訳分かんなかったですけど。でも、このヘルボーイ君が出てくるとそんなに気にならずに観ていられるから不思議です。それだけこのヘルボーイ君のキャラが立ってるってことですね。うん、面白かった!7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-14 15:55:38)
249.  フッド ザ・ビギニング(2018) 《ネタバレ》 
中世イギリスの伝説的義賊、ロビンフッドの誕生秘話を現代的な解釈で描いたエンタメ・アクション。これまで何度も映画化されてきたこの有名なヒーローを今回演じるのは、『キングスメン』でのぶっ飛んだアクションが記憶に新しいタロン・エガートン。このベタな題材をあくまでスタイリッシュかつスピード感溢れる展開で魅せようという本作の意図は分かりやすくて大変グッド。一つ一つのアクションシーンは普通にキレが良くってなかなか楽しめました。まあちょっとやり過ぎな感じがするのはご愛敬ですけど。だって、冒頭の十字軍遠征のシーンなんて現代的に撮ろうとするあまり、銃が弓矢になっただけでもはや『プライベート・ライアン』の冒頭シーンにしか見えないんですもん(笑)。それに肝心のストーリーの方が大味過ぎなとこもちょっと残念。あとヒロインの女性の方が明らかにブ…失礼、個性的なルックスをしてらっしゃったのも好みが分かれるところ。でもまあエンタメ映画としては、最後までストレスなく見られるし、アクションシーンも迫力満点だしで、普通に楽しめると思いまーす!
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-14 01:55:00)
250.  アド・アストラ 《ネタバレ》 
『インターステラー』の超絶劣化版映画。とにかくつまんなかったです。映像はキレイだったので、ぎり4点!!
[DVD(字幕)] 4点(2020-10-10 17:30:58)
251.  プライベート・ウォー 《ネタバレ》 
2012年、内戦が激化していた当時のシリアに潜入し、戦場のリアルな実態を報道し続けた記者メリー・コルヴィンが亡くなった。近くで爆発した砲弾に巻き込まれ、彼女はその決して長くはない人生を終えることになった。若き日に報道記者となり、スリランカの内戦取材中には銃撃を受け片目を失うという悲劇に見舞われながらも何故、彼女は戦場に行くことを止めなかったのか――。本作は、そんな彼女の波乱に満ちた生涯を冷徹に見つめた伝記映画だ。戦場の生々しい実態に心を蝕まれ、後にアルコール依存症とまでなった彼女を演じるのは、『ゴーン・ガール』での悪女役が記憶に新しいロザムンド・パイク。このメリー・コルヴィンという人をほとんど知らないまま今回鑑賞してみたのだが、これがなかなか丁寧な演出の力が光る秀作に仕上がっていた。世界の紛争地へと突撃取材を続ける彼女とその合間に都会へと帰ってきて束の間の休息をとる彼女の姿を交互に描くという本作の構成、これが巧く効いている。戦場で明日の命もままならないような生活を余儀なくされている子供たちと向き合っていた自分が、自宅へ帰ってくると裕福な友達に囲まれ何不自由ないセレブ生活を送る。いったいこの不条理の原因とは何なのか。そして自分はそんな子供たちを金儲けの道具にしているだけなのではないのか。そんな残酷な問いを突き付けられた彼女が、徐々にアルコールへと溺れてゆくのも当然だろう。彼女の人生を迫真の演技で再現したロザムンド・パイクもいい仕事をしている。この人、こういった何処か偏屈な人間を演じるのが相当巧い。最後、彼女は自らの身を顧みずに戦場へと残り、そしてその短い生涯を閉じる。何故なら、この現実から決して目を背けてはならないという確固とした信念があったから。観終わって、僕は同じくシリアで命を落とした日本人ジャーナリスト、山本美香さんのドキュメンタリーを見て非常に感銘を受けたことを思い出してしまった。時に批判されることもあるだろうが、それでも彼女たちのような職業も社会にとって絶対に必要なのだ。何故ならその地に行かなければ決して分からない真実がそこにあるのだから。メリー・コルヴィンという人の生涯を再現することに注力するあまり、若干テーマに対する踏み込みが甘くなったような気もするが、それでも充分見応えのある伝記ドラマの秀作であった。
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-09 05:39:42)
252.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 《ネタバレ》 
夢の怪獣大戦争!!!!「どうせ子供向けなんじゃろ~」とまったく期待せずに観たら、意外や意外、なかなか面白いじゃないですか、これ。別にゴジラにもキングギドラにもそこまで思い入れない自分ですけども、ここまで過去作にリスペクトしてくれたら同じ日本人としてはやはり胸が熱くなりますね~~。ブルーを基調とした映像もスタイリッシュかつ迫力満点で、けっこうセンスを感じました。キングギドラと覚醒ゴジラが最後に一騎打ちするシーンなんて、もはや理屈抜きにカッコいい。ま、ストーリーなんてこの際どうでもいいでしょ(笑)。うん、なかなか面白かった!!7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-06 01:34:33)
253.  マザーレス・ブルックリン 《ネタバレ》 
1950年代、ニューヨーク。生まれつき自分の意志に反して突然大きな声をあげたり痙攣的な発作を起こしてしまうという障碍――いわゆるチック症を患う私立探偵ライオネルは、幼いころ両親に捨てられ孤児院で育った天涯孤独の身。現在彼は、そんな自分を引き取ってくれた育ての親でもある探偵事務所のボス、フランクの下で働いている。障碍を抱えながらも類稀なる記憶力を持つライオネルは、今やフランクの右腕と言ってもいい立場に立っていた。そんなある日、謎の女を巡る胡散臭い事案に首を突っ込んでいたフランクが、無残な死体となって発見されるのだった。突然のことに、深い哀しみに沈むライオネル。フランクの無念を晴らすため、彼が最後に追っていたという謎の女を求めてライオネルは捜査を開始する。浮かび上がってきたのは、ブルックリンの都市開発利権を巡る権力者たちの深い闇だった。果たしてフランクを殺したのは誰なのか?そして彼は生前何をしようとしていたのか?人並外れた記憶力のみを頼りに、ライオネルは事件の真相へと迫ってゆくのだが……。名優エドワード・ノートンが監督・脚本・主演を務めたという本作、ブルース・ウィリスやウィレム・デフォー、アレック・ボールドウィンといった渋めどころの豪華俳優陣にも惹かれて、この度鑑賞してみました。夜の街の匂いを濃厚に漂わせるこのノワールな雰囲気やジャジーで退廃的な音楽などは見応え充分。特に、チック症を患う私立探偵という難しい役どころを見事に演じ切ったエドワード・ノートンの圧倒的な演技力はさすがの貫禄でした。ただ、肝心のお話の方は正直どうなんでしょう。様々な要素を詰め込み過ぎていて、いまいち整理しきれていないような印象を僕は持ってしまいました。登場人物も多く、しかも相関関係がかなり複雑なので、最後までなんとも分かりにくいのです。原作は有名な賞に輝いたベストセラーらしいですけど、その取捨選択がいまいち巧く出来ていないような感じです。E・ノートンのこういう難役に挑んでみたいという思いが先行するあまり、脚本がおろそかになっちゃったパターンじゃないですかね。これなら脚本や監督は別のプロに頼んだ方が良かったのでは。エドワード・ノートン、昔から好きな俳優さんなだけになんとも勿体ない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-10-05 01:00:39)
254.  アス 《ネタバレ》 
その日、アデレードは憂鬱な気分で車に揺られていた。夫と二人の子供たちとともに久々に家族水入らずで過ごすバカンスなのに、彼女の気分は一向に晴れることはなかった。何故なら訪れたリゾート地が、サンタクルーズだったから――。彼女は子供のころに、この地でとても恐ろしい経験をしたことを未だに覚えていたからだ。人気のないお化け屋敷の中で、なんと彼女は、自分と瓜二つの姿をした少女に出会ってしまったのだ。しばらく言葉も発せられなくなるほど、そのことがトラウマとなったアデレード。今すぐにでも家に帰りたかったが、夫も子供たちも楽しんでおり、とても言い出せるような雰囲気ではなかった。そして迎えた最初の夜、アデレードの予感は的中することに。いつの間にか立っていた、別荘の外の四人の人影。夫婦とその二人の子供と思しき家族たち。夫の警告も空しく、無言で近づいてくるその影。家の明かりの中で彼らの姿を見たアデレードは再び恐怖のどん底に突き落とされる。なんとそこに居たのは、自分たち家族とそっくり同じ姿をした者どもだったのだ。果たしてこいつらは何者なのか?恐怖と謎に満ちた壮絶な一夜が今、幕をあける……。前作『ゲットアウト』でアカデミー賞の栄誉に輝いたジョーダン・ピール監督の最新作は、そんなミステリアスな雰囲気が濃厚に漂うモダンホラーでした。前作同様、不穏な音楽と充分に間を取った禍々しいホラー描写とで、なんともいや~~~な感じのホラーに仕上がってましたね、これ。もう人の神経を逆撫でするような嫌なエピソードのてんこ盛り。この家族のいわゆるドッペルゲンガーたちが手を繋いでただ突っ立っているという登場シーンから、もう嫌なことしか起こらないことは目に見えていますし。ただ、全編に渡ってここまでたっぷり間を取っちゃうと、必然的にお話の方が単純になっちゃうのは至極当然。前作ではそのシンプルさが巧くいっていてなかなか完成度の高い秀作となっていたのだけど、本作ではどうなんでしょうね。途中まではこの謎が謎を呼ぶミステリアスなお話にぐいぐい引き込まれて観ていたんですけど、ことの真相が明らかにされた辺りでさすがに僕は冷めちゃいましたわ。いや、この真相はさすがに無理があり過ぎるっしょ(笑)。ダメ押しするようなあの大オチに至っては、あまりに無理やりすぎて思わず苦笑しちゃいました。この全編を覆う禍々しい世界観は嫌いじゃなかっただけに、残念!
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-02 23:08:57)
255.  黒い司法 0%からの奇跡
1990年代、警察の杜撰な捜査によって死刑判決を受けた黒人男性の冤罪を晴らすため、執念の活動を続けた若手弁護士を実話を基に描いた法廷劇。監督は、生き辛さを抱えた社会的マイノリティを優しい視線でもって見つめ続ける新鋭デスティン・ダニエル・クレットン。まあ観る前からおおよそ予想はついてましたが、開始10分で「あぁ、またこの感じの内容かー」とその既視感満載なお話に少々げんなり。具体的に述べさせてもらうと、①舞台はまだ黒人への偏見が色濃く残るアメリカ南部で、②警察の杜撰な捜査で冤罪判決を受けた黒人男性のために、③都会のエリート大学を卒業した理想に燃える若手弁護士が、④白人たちの執拗な嫌がらせにも屈せず、⑤無罪を勝ち取るために頑張るというお話。過去に何度も何度も制作されてきたこのパターンをどのような角度で映画化するかがその監督の腕の見せ所だろうけど、本作は真っ向勝負の直球ストレートで挑んでおります。でも、ちゃんと見事に勝利しておりました。ベタベタなお話で結末だっておおよそ予測がつくものなのに、最後まで観客をぐいぐい引き込むこの監督の演出力の高さは相当なもの。なにより特徴的なのは、物語の中盤で死刑囚の執行シーンをかなり詳細に描いているところですね。このシーンのおかげで物語がぐっと引き締まり、最後まで全く気が抜けません。偏見に満ちた白人たちの嫌らしさもしっかりと描いており、特に悪役である検事の如何にも俗物なところもなかなか巧い。唯一惜しいのは、ブリー・ラーソン演じる助手がいまいち活用できていなかったことくらい。総じてこの監督の才能は確かなものだと思います。最初にげんなりしたとか言ってごめんちゃい(笑)。ラスト、エンドロールの合間にさらりと説明されたところによると、主人公の隣にいた死刑囚もまた冤罪で後に無罪となって釈放されたとのこと。ここで話を戻すと、最初に何度も観たようなお話だと書きましたが、そのほとんどは実話を基にしたものだったということを忘れてはなりません。つまり、このような無実の罪で投獄された黒人がいかに多いかということです。アメリカの司法制度がどれだけいいかげんなものだったかが分かり、なんとも空恐ろしい気分になります。エンタメ映画として充分な面白さを有しながら、そんな社会問題についても深く考えさせられる、なかなか完成度の高い秀作でありました。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2020-10-01 01:34:41)
256.  フォードvsフェラーリ 《ネタバレ》 
1960年代、ル・マン24時間耐久レースに挑んだフォード・モーターのレーサーやエンジニアたちの悪戦苦闘を実話を基に描いたヒューマン・ドラマ。主演を務めるのは、実力派のマッド・デイモンやクリスチャン・ベール。監督はエンタメ映画職人、ジェームズ・マンゴールド。いやー、もう車好きの車好きによる車好きのための映画でしたね、これ。車好き――特にアメ車好きには堪らないであろう描写のてんこ盛り。んでも演出的には手堅く纏められており、車にそんなに興味のない自分でもそこそこ楽しんで観ることが出来ました。子供のために危険を顧みずに頑張る父親というのはベタですけどやぱ燃えますね~。あくまで裏方に徹したマッド・デイモンもいい味出してました。ただ、明らかに長ーい!もう少し短くスリムに纏めてくれても良かったのでは。そこまで車好きではない自分は中盤から延々と続くレースシーンにちょっとダレちゃいました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-28 14:02:09)
257.  ある少年の告白 《ネタバレ》 
その施設の名は、「愛の導き」。アメリカ南部の自然豊かな郊外にあるその建物には幾つもの厳しいルールが決められていた。入所した本人しか施設内には入れず、外部との接触は一切禁止、当然のように携帯も没収される。さらには中のデータも逐一チェックされ、毎日登録された電話番号の中から無作為に電話されやましい関係はないかまで確認されるのだった。喫煙・飲酒・ドラッグも一切禁止、休憩時間も指定された場所に居ることを強要され、そればかりかトイレもスタッフの監視下でしか使用できない。ポルノの閲覧も禁止、自慰行為などもってのほか。入所者たちは誰であれ軽い握手以外、互いの身体に一切触れてはならない。何故ならここは、神によって禁じられた同性愛を矯正する目的で創られた施設だから――。本作は、そんな施設へと入所することになったある少年の葛藤の日々を、実話を基に描いた作品。敬虔な牧師としての立場からやむなく息子を施設へと送り込む父親役には人気俳優ラッセル・クロウ、息子を愛していながらも世間体を気にしてそんな施設への入所を容認する母親役に同じく人気者のニコール・キッドマン、同性愛を絶対悪とみなす横柄な施設長役には本作の監督でもある才人ジョエル・エドガートン。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、この施設のなんとも非人間的な内情には、見れば見るほど反吐が出そうになりますね。このような前近代的な施設が実際に存在し、しかもいまだ全米に何か所も存続しているというのだから驚くほかありません。入所者たちを前に、神が与えたもうた男らしさ・女らしさを滔々と説く施設長のそのいびつな論調にはもはや戦慄させられてしまいます。このような非人間的で差別的な施設の実態を世間に告発するという点では、作品として成功していると言えるでしょう。ただ、物語の面白さという部分では正直物足りない。事実を基にしたから仕方ない面もあるのでしょうけど、もう少しドラマティックな見せ方も考えて欲しかった。同性愛者の息子と、同性愛を糾弾する立場の敬虔な牧師である父親との関係性も終始淡々としていてもう少し掘り下げてくれても良かったのでは。自分の信念と積み重ねてきた家族の日々、そして持って生まれた個性とのぶつかり合いの果てに辿りついたであろうこの親子の結論を、僕はもっと見たかった。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-28 03:31:50)
258.  ゴールデン・リバー 《ネタバレ》 
1851年、ゴールドラッシュに沸く西部開拓時代のオレゴン。各地を旅しながら刹那的に生きるシスターズ兄弟は、その類稀なる銃の腕で人々から恐れられた殺し屋コンビだ。冷静沈着で常に先を見据えた行動を取る兄イーライと自分の直感だけを頼りに時に暴走も辞さない弟チャーリーは、雇い主である地域の大物「提督」の命を受け、南へと旅を続けていた。目的は、ボスを裏切った男を見つけだし殺すこと――。先に出発し男を捜して旅を続ける偵察係モリスと合流するため、彼らは馬を走らせていた。だが、彼らがどんなに馬を急がせてもモリスに追いつくことは出来なかった。何故ならモリスはボスを裏切り、追っていた男とともに金脈を見つけ一山当てようともくろんだからだ。相次ぐトラブルに見舞われながらも、執念の追跡でモリスを見つけ出したシスターズ兄弟だったが……。西部開拓時代のアメリカ南部を舞台に、金脈に目がくらんだ男どものひりひりするような駆け引きを濃密に描いたクライム・サスペンス。冷酷無比な殺し屋兄弟を演じるのは、今ノリにのっている実力派のホアキン・フェニックスとジョン・C・ライリー。彼らに追われる裏切り者役には、こちらも人気者のジェイク・ギレンホール。何の予備知識もないまま、そんな豪華な共演陣に惹かれ今回鑑賞してみたのですが、これがなかなかよく出来た犯罪ドラマの良品で、西部劇がもともと得意ではない僕でも充分楽しんで観ることが出来ました。とにかくこの三人の主要キャラクターの人物像がよく描けている。酒と女に目がなく何度もそれで失敗しながらも懲りない弟、対照的に女には奥手で唯一思い出?のスカーフにフェティッシュな愛情を注ぐ無骨な兄貴、自分の人生に疑問を抱き理想のために逃亡を続ける密偵、それぞれの思いを抱えた彼らの追跡劇は丁寧な演出の力もあり最後まで惹き込まれます。物語の中盤、ひょんなことから手を組んだ彼らが文字通り〝黄金の河〟を求めて荒野を分け入ってゆくところから、物語はより一層悲愴感を増していく。ここら辺の各々の心理描写も鋭く、完成度は高い。苦難の旅の末、とうとう目的地に辿り着いた彼らは、欲に目がくらんだ弟の愚かな行動により破滅への道を辿ることに。人間の愚かさを冷徹に見つめたそのアイロニカルな視点は鋭い。金に翻弄された男どもの狂気に満ちた犯罪劇、なかなか見応えのある秀作でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-09-28 02:50:30)
259.  チャイルド・プレイ(2019) 《ネタバレ》 
あの恐怖の殺人人形チャッキーが帰ってきた!!しかも高性能AIを搭載した最新型へとアップグレードして。グロさや面白さやドキドキ感ももちろんパワーアップ……、とはなりませんでした。別にオリジナルにそこまで思い入れはありませんが、それでもこのAIが暴走という設定ってちょっと違う気がするんですけどー。これじゃホラーじゃなくてもはやSFですやん。てか主人公、あの最初に猫が殺された時点でお店に返品しにいけよー!!他にもいろいろ突っ込みどころが多すぎて僕はいまいち楽しめませんでした。なにより肝心のチャッキーのフォルムがダサすぎて、ちょっと…。可愛くもないし怖くもないし不気味でもないし、とにかくダサい(笑)。うーん、3点!
[DVD(字幕)] 3点(2020-09-14 02:18:11)
260.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 
2008年11月26日、インドのムンバイで暮らす人々はその日も昨日と同じような平穏な一日になると信じていた。だが、彼らの日常は呆気なく崩れ去ることに。武装したイスラム過激派の若者たちが突然、人々にその銃口を向け始めたのだ。なるだけ人が集まるところを標的に次々と引き金を引く若者たち。家族や恋人とともに平穏に過ごしていた人々の日常は、瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのだった。それは多くの外国人観光客が集い幾多の地元住人が働くタージマハル・ホテルも例外ではなかった。その日が初出勤日だったシーク教徒の若者、長年ここで働いてきたベテラン料理長、幼い子供を抱えたアメリカ人夫婦、女好きのロシアの大富豪…。周りの人々が次々と犠牲になる中、彼らは如何にしてこの災厄に立ち向かっていったのか――。本作は、実際にあった凄惨なテロ事件を背景に、その日たまたまそのホテルに居合わせた人々を描いた群像劇だ。冒頭から忠実に再現されたであろうテロ事件の、その目を見張るような臨場感には圧倒されるものがあった。逃げ惑う人々に躊躇なく銃口を向ける犯人の若者たちには戦慄させられる。人は、どうしたらここまでの憎しみを心に宿すことが出来るのだろうか――。ただそうした事実の重みとは別に、僕はそこまでこの作品を評価することは出来なかった。何故なら人間性への洞察が一面的で非常に浅いのだ。犯人は一様に冷酷無比で人の命などなんとも思っておらず、対照的に被害者となる人々はみんな善人でいい人という描かれ方が最後まで徹底しているのだ。人質になる人々の中には自分が助かるためなら他人を犠牲にすることも厭わない人だっていたはずなのに、そんな人は一人も出てこない。あの女好きのロシア人さえ、最後は見ず知らずの女性のため危険を顧みずに行動する。だからといって皆で団結して犯人に毅然と立ち向かうのかといえば特にそんなこともなく、ただ泣き叫んで逃げ惑うばかり。それは犯人側も同じで、今日が人生最後の日として神のためにより多くの人を殺そうというのに誰にもその悲愴感や圧倒的な狂気性が感じられない。ピザを食べて和気藹々と冗談を言い合ったかと思えば、次の瞬間には容赦なく人を殺しているという一貫性の無さ。最後まで観て、この作品のテーマとは果たして何なのだろうと思わず考え込んでしまった。実際にあった事件を忠実に再現すれば、テーマ性など観客が勝手に考えてくれると思っているのであれば、あまりにも浅はかというほかない。『ホテル・ルワンダ』や『ユナイテッド93』などといった、圧倒的な現実に押し潰されそうになりながらそれでも立ち向かってゆく人々を描いた秀作群と比べるとどうしても物足りなさを感じざるを得ない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-09-09 22:40:23)(良:1票)
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