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Sgt.Angelさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 109
性別 男性
自己紹介 2008 7/22みんなのシネマレビュー登録

ぼちぼち復活。

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21.  マーシャル・ロー(1998) 《ネタバレ》 
ん~、ブルースもデンゼルも好きだし9.11を予期したような展開などは評価したいが、話を大きく広げた割には随分としりすぼみで物足りず、中途半端に終わってしまった印象。人物の描きも薄く、とにかく作品全体が浅い。テーマはかなり踏み込んでいるのに徹底した描写(ショッキングなシーンだとかマニアックすぎるくらいの軍事ネタとか)を欠いている為、印象的なシーンもなく、すぐ忘れてしまう内容になってしまっている。 社会派とエンターテインメントがうまく交わらなかったアンバランスな作品。
[DVD(字幕)] 4点(2009-06-29 20:31:04)
22.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 
試写状が届いた時から、「曜日がシャッフルされてる」って、絶対主人公が狂ってるか、『フォーガットン』みたいなトンでもないSForファンタジックなオチしかないだろうなぁ~・・・と、嫌な予感がしていました。やたらと音のでかいホラー演出で何がしたのかなと思っていると、カラスの死体、精神安定剤、精神科医の広告の切れ端等々、小道具のつじつま合わせは割と丁寧にし(と言っても物語上は全くつじつまが合っていないのですが)、予想よりも早い段階で母親は病院送りになったので、「おっ、これはもしや『バニー・レイクは行方不明』のような恐ろしい展開になるのか!?」と思いきや結局旦那はただの事故死、曜日がシャッフルされたことの必然性も全くなく、ラストショットも鼻につく感動演出で気に入らなかった。 旦那の事故もあんな見晴しのいいまっすぐな道路では起こりえない事故に思えて辟易。原題のPremonitionも大した意味をなしていない気がする。 どうせこの手の不条理サスペンスをやるのなら、観客が自分ならこうするのに、と思うようなことをやって欲しかったな。寝たら違う曜日になってしまうので、まんじりともしないで夜を明かしてみる!とか。こんなことするとコメディタッチになりかねませんが。
[試写会(字幕)] 4点(2009-06-29 20:16:13)
23.  地球が静止する日 《ネタバレ》 
テンポは良し。というよりクラトゥの心理描写があまりに適当なので疑問に思っているうちに勝手に物語がポンポン進んでしまっているだけか。 人類滅亡の窮地の中で親子が絆を強くする様を描きたいのは分かるけし、わざわざ血の繋がりがない設定にしたのは商業的な配慮があったからだと推測していますが(追記:ザ・チャンバラさんのレビューを読んで多いに納得しました)、それにしても息子をあそこまで生意気でイライラさせるようなキャラにする必要はなかった気がする。 そして一番の問題点はクラトゥ。 彼はヘレンと息子の再会の様子から、人間の違う面を見た、というようなことを言いますが、あれははただジェイコブが頼る者がいなくなった末にようやくヘレンに心を開いただけであって、ヘレンの言う「変われる」こととは若干ズレているように感じます。 結局クラトゥは(恩人であるとはいえ)何十億分の1の人間であるヘレンの言葉のみを信じて計画を中断してしまうのだから、全く説得力がございません。私は地球に残ると言った中国人の仲間も、ただ登場させただけでクラトゥが変心するきっかけとしては上手く作用していません。 それから地球環境を大切に、と訴えるのは一向に構いませんが「人類が滅べば地球は生き延びる」という言葉で投げっぱなしのまま終わっているのはまずい。これでは警告にもなりません。
[映画館(字幕)] 4点(2009-06-29 20:08:29)(良:2票)
24.  レイチェルの結婚 《ネタバレ》 
期待以上の良作だった。家族ならではの息苦しさ、残酷さ、温かさが見事に描かれている。トラブルメーカーの妹キム、しっかり者の姉レイチェル、頼りない父、離れてはいるけれどやはり一番頼れる母。彼らには皆違った側面がある。母親とか父親とか以前に一人の人間だから。 家族は、どんな時でも自分を受け入れてくれるもの。それに間違いは無いしそうであるべきだと思う。しかしそうは言っても一人の人間の集まりなのだから、受けてしまった傷はそう簡単には治らない。お互いその事には触れないように、忘れようとしているわけじゃないが、そんな話をしても自分がさらに傷つき苦しむ事になる。 だからあの一家の心の傷の原因であり、傷そのものであるキムを姉も父も自分の傷に触るように、悪化させないようにそっと接する。 キム自身も自分がどのような存在であるかはよく分かっている。それでも普通に接する事が出来なくて衝突してしまう。そこで初めて辛く当たってくる姉の心情を聞き、その場を取り繕ってばかりの父の脆さも知った。皆同じように苦しみを抱えていたのだ。 改めて自分が一家に残した傷を見てしまい、自分を受け入れてくれる人を、傷を少しでも癒してくれる人を求めて母のもとへいく。しかし一番強い人だと思っていた母でさえ大きな傷を負っていた。 誰にも癒してもらえず、心身ともにボロボロになってキムがたどり着いたのはやはり家族のもとだった。 その傷を治す事は出来ないかもしれない。でも家族がいれば少しは乗り越えていけるかもしれない。辛い事も多いけれど、それが出来るのは家族だけなのだ。例え一人の人間の集まりで、脆くて扱い難いものでも、家族はそう簡単に壊れるものではないから。良くも悪くも、家族はいつでもつながっているのだから。 ラスト、家族の温かさを知ったキムが施設に戻っていく姿には素晴らしい清々しさを感じた。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-29 17:34:27)
25.  ファンダンゴ 《ネタバレ》 
このサイトでレビューを拝見してからずっと観たいと思っていた作品です。500円前後でDVDが売られていたので即購入。こんなにイイ映画がこの程度で売られているとは・・・。まあ、おかげで得しているんですけどね。内容はケビン・コスナー主演、青春ロードムービーとしか知らず、予告編、スチール写真すらも一切目にした事がありませんでしたが、これは素晴らしい。監督デビュー作ながら、迫力のあるスカイダイビング、花火大会と戦争のオーバーラップシーン、これがなかなかうまい!ただ、何よりもこの映画のイイところは、主人公たち4人(5人?)たちにあります。みんなホントに楽しそうに笑っているんです。屈託なく(特にスカイダイビング以降のフィル!)、心から楽しんでいる。しかし、このあと起こる事を考えると切なくてたまりません。ほぼ同時期にデ・ニーロの「ディア・ハンター」を観たんですが・・・合わせて観るとかなりキツイものがあります。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-09 14:29:58)(良:2票)
26.  ガタカ 《ネタバレ》 
ストーリー、テーマは本当に素晴らしい。サスペンスを展開しながらもヴィンセントとジェロームがそれぞれ自分の在り方を見つけていく過程もきっちり描けている。近未来という設定を用いて現代社会への警鐘や人間の在り方について考えさせる、という点でSFのお手本とも言えるような仕上がり。CGを多様しない映像も無機的で美しさも感じさせる素晴らしいものだ。 しかしどうも引っかかってしまうのが世界観だ。物語の展開上、建物外でのショットは必要はないのだが、近未来とはいえ架空の世界である事には違いないのだから、一度でいいからもっと大きくこの世界を見せるショットが必要だったのではないか。『ブレードランナー』のように外の広いショットから建物内に迫っていくシーンがあればこの世界にもう少し入り込めたかもしれない。 それに加え、建物内での完璧なシステムというような設定も無理があると感じてしまう。完璧過ぎるとその世界での人々の生活感が失われ、ヴィンセントの潜入にも説得力がなくなってしまう。これが『リベリオン』のようなあからさまなB級感があれば何も違和感はないが、物語も演出も丁寧で美しいだけにこの粗が際立ってしまった。 ただラストのヴィンセントとジェローム、それぞれの旅立ちには泣けた。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-08 22:09:09)
27.  フロスト×ニクソン 《ネタバレ》 
『ダ・ヴィンチ・コード』で大コケしたロン・ハワードだったが、失敗を引きずりはしなかったようだ。職人の渋さ、手堅さが存分に発揮されていた。手堅過ぎて物足りない感はあるけれども。アカデミーノミネートのフランク・ランジェラは言わずもがな、対するマイケル・シーンの演技も素晴らしかった。劇中では殆ど愛想笑いだったり「やばいな・・・」という表情を浮かべながらもハッタリばかりかましているので、どちらかと言えばフロストよりも彼をサポートするプロデューサーや作家の方に感情移入していた。しかしインタビューが始まってからはフロストにグッと入り込めた。このインタビューはまさに「決闘」「ボクシング」という例えがピッタリだ。2時間で休憩が入り周囲の人間が「おい、さっきのはマズイぞ」「この調子でいって下さい」と声をかける様子はボクシングそのもの。 椅子に座って話しているだけなのにF・ランジェラがM・シーンをボッコボコにしている絵面が浮かぶ。そんな無敵のチャンピオンが酔った勢いの電話で人間性を見せる。 この電話のシーンが実はフィクションというのを聞くとちょっと残念な気もするが、エンターテインメントとしての効果は抜群。この電話でフロストはニクソンの弱さも知り、消えかけた闘志に火をつける。ここからフロストがニクソンを再調査し、インタビューに向かうシークエンスは凄く燃える。フロストの大逆転シーンも痛快でありながら、ニクソンが謝罪を始めるとF・ランジェラの表情に泣かされる。 2人の決闘も最高に面白いのだが、ロン・ハワードが本作での狙いとしたニクソンという人間に興味を持つこと、彼を一人の人間として見ること。これは今作で最も成功した点だろう。 彼について色々と知りたくなった。
[映画館(字幕)] 7点(2009-04-08 17:40:19)
28.  ウォッチメン 《ネタバレ》 
映画化されるにあたり、原作は史上最高のコミック!との評判を聞いたので、読んでみたら見事にハマった。アメコミに全く触れていない僕でさえのめり込んでしまうような素晴らしい完成度だった。で、この映画版はというと、期待以上ではないけれどこれ以上は望めない、といった出来。 前評判でも散々聞いていたが、ディランの「時代は変わる」に合わせたオープニングには心底感動した。涙が出るかと思った。ヴェイトを除くキャラクター達の造形や細部にまで到る美術にも文句のつけどころがない。アクション、バイオレンスも『300』を監督したザック・スナイダーだけあって今回も良し。 しかしやはり製作費、上映時間ともに足りていないんだなぁという場面が見受けられた。原作の完成度が高過ぎて削る箇所が殆ど見当たらないせいだ。原作との最大の変更箇所であるラストのくだりもこれが原因なのだろう。僕もあの血みどろの惨状は映像で見てみたかった(こう言うと不謹慎だが)。予算があればザック・スナイダーのことだからあの惨状も怪物も見事に再現してくれただろう。ラストの変更によってヴェイトのキャラ造形も変えざるを得なかったのだと思う。あの少しダークなキャラであればキャスティングもマシュー・グードでも悪くなかったかと。 それ以外はコミックに含まれている資料などもうまいことまとめてはいたが、長年映像化不可能と言われてきたわけを実感した。 僕の場合原作を読み込んでから映画に臨んだため、人物の背景を勝手に補完しながら観ることができ、163分の長尺も全く退屈することがなかったが、その分映画単品としての評価があまり出来なかった。反省の意をこめてまっさらな状態でもう2回ほど観てみよう。このトンでもない再現度のおかげで、原作を読んでいながら原作と切り離して観れるかもわからないが。 真の評価はDVDに収録されるという3時間半のCrazy Ultimate Freaky Edition(すごいタイトルだ)で下さないといけないのかもしれない。
[映画館(字幕)] 8点(2009-03-30 23:22:34)
29.  ダウト ~あるカトリック学校で~ 《ネタバレ》 
やや映画ならではの演出に欠けていたかな、とは思うものの久々にたっぷりと見応えのある演技合戦でした。メリルとホフマンの怪獣演技バトルは勿論、『魔法にかけられて』の時は年の割に老けてんなぁ・・・と失礼ながら思ってしまったエイミー・アダムスの可愛さにもちょいと驚き、1シーンのみの出演ながらヴィオラ・デイヴィスもなかなか印象深し。 この4人全員がアカデミー賞ノミネートも納得。メリルは『マンマ・ミーア!』の脳天気さは何処へやらと言うような迫力で、初登場シーンからバシバシ存在感を放つ。対するホフマンも生活感のある演技で全く引けを取らない。彼が演じる神父の説教がまたひとつひとつ非常に心に響く内容でいい。どれも良かったのですが、特に印象的だったのは2回目の「噂の正体」についての説教。あんな風に人の心を掴むような説教をされたら宗派とか関係なく神父に憧れてしまいます。 ひたすら2人の舌戦が続いた挙げ句真相は分からずじまいですが、今作の場合は全く消化不良はなし。原作の邦題が「ダウト 疑惑をめぐる寓話」とのことで映画版よりもしっくりときます。 まさに寓話という教訓的な物語。だから事件の真相も提示しない。あのシスター・アロイシスの嘘により、フリン神父が疑わしいように終わるのですが、そこは絶妙なラインを保っている。疑惑を持ちはじめると本当にキリがない。この登場人物の言う事もどこまでが真実なのか分からなくなってくる。シスターが神父に、神父がシスターに主張する事も、ミラー夫人がシスターに言った事も、全て実際に見たわけではないのだから。 そもそも疑惑とは?何を以てして確信、真実なのか?このギリギリの境を見事に保ち、疑惑に対する疑惑を深める面白い作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-03-30 20:04:04)
30.  DRAGONBALL EVOLUTION 《ネタバレ》 
ネタで観にいってどれくらい大けがするか期待していたが、「どうでもいい」という思いだけが残った。 怒りも笑いも泣きも興奮も何も感じない珍しい作品だった。コスプレにしか見えない衣装、中途半端な学園ドラマにバトル、安っぽいCG、それを隠すための妙に暗い撮影。 近年稀に見るレベルの低さだ。物語の展開も信じられない程都合がいい。全ての登場人物があまりにも薄い偶然で出会い、何のドラマもなかったはずなのに恋愛に発展する。しかも行く先々で簡単にドラゴンボールが手に入る。一応火山とか色んな所(もう内容を忘れかけている)を捜索するが、あまりに早く手に入るのであちこち探したようにも、長距離移動したようにも見えない。 全部ぼんやりとした超テキトーな設定なので怒る気も起きず、「この人たち何してんのかなぁ?」とこちらも超ぼんやりとしか観られなかった。中でもテキトーなのは“気”とかめはめ波だろう。 なんとなく亀仙人を発見できちゃう“気”、灯籠に火をつけ、人を生き返らせ、前方に撃っているのに悟空自身も前方に飛んでいっちゃうかめはめ波。本当に何がしたいのか・・・。 『レッドクリフ』を蹴って今作に出演し、とんでもないバカ演技を披露してしまったチョウ・ユンファも俳優としての信用を確実に失っただろう。 これだけひどい要素を集めたられたら怒り狂うはずだが、それを全く怒る気にさせず1か月(1週間か)で完全に記憶から抹消されるような作品に仕上げたのはむしろすごいことだろう。  ホントに大部分の内容を忘れかけているので、レビューもかなり散漫としてまとまりのないものになってしまった・・・。 反省。
[映画館(字幕)] 3点(2009-03-27 23:31:30)(笑:2票) (良:1票)
31.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
いいなぁ、こういう微笑ましいコメデイは。ホントに気持ちのいい作品。 大金を懸けてリメイクした作品よりもよっぽど強い愛情を感じるし、“映画で最も大切な事”をちょっと分かりやす過ぎるくらいに教えてくれる貴重な作品。例え超低予算の手作りで安っぽくても、作ってる人たちが何よりも楽しんでいて、それでいて頑張ってたらどうしたって応援したくなるものです。これは劇中の登場人物にも言えることだし、この作品を作っている監督らにも当てはまるんじゃないかな。 厳しい現実が立ちふさがり、主人公たちは決して楽な生活はしていけないのだろうけれど、とりあえず「ま、いっか」とでも言いたくなるラストはどんな時でも前向きになれそうな幸せなシーン。 僕はDVDやブルーレイには随分お世話になっている身ですが、こういう作品を観てしまうと、あぁなんかビデオも良かったなぁと、そして我ながら節操のないわがままな奴だなぁと思わざるを得ません。
[映画館(字幕)] 7点(2009-03-11 21:19:02)
32.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
オープニングからアクション満載なのは嬉しいけれど、アクション監督にジェイソン・ボーンシリーズの人を起用したのは失敗じゃないかな。マーク・フォースターがアクションを撮りなれていないせいか。 ボーンシリーズはまだ走って走って跳ぶ!のシンプルな分りやすいアクションだったけれど、今作は冒頭の裏切り者との格闘にしろボートチェイスにしろ複雑なものが多いので、それをあの激しいカメラワークで撮ってしまうと何が何だか分からない。複雑とは言ってもアイディアの利いた良いアクションばかりなのだから、前作のようにもっとひいて撮れば華麗で格好いいアクションができたはず。 今作の3分の1近くを占めているアクションのカメラワークが落ち着かないせいで、全体を通しても前作のような美しい画を撮れていない。 肝心のアクションが半分死んだ状態だったうえ、ドラマパートもポール・ハギスの悪い癖が出てしまった気がする。そもそも007には不似合いなほど複雑な物語なのに、それを殆どセリフだけで説明しようとするからまた分かりづらい。なんとか状況を飲み込もうとしてもすぐにあの分かりづらいアクションが続くのでもやもやしたまま物語が進んでしまう。おかげで前作よりも浅くなってしまっている。 物語が飲み込めないのは自分が悪かった部分もあるのですが、それにしてもやっぱりこの堅苦しい物語は007には似合わない。 今作で一旦物語は完結したようなので、次回作はどうか肩肘張った話ではなくユーモアの利いたクレイグ版ジェームズ・ボンドを期待しています。
[映画館(字幕)] 6点(2009-03-11 16:06:50)(良:1票)
33.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
重厚なストーリー、しっかり作り込まれた舞台。本気でダイヤモンドに関わる問題を考えさせるには少々安直と言えば安直ですが、問題提起するには十分なはず。何よりもこの映画は、問題提起という目的も含めた社会派アクションとして成功しています。エンタテインメント性強く描きながらも、リアルで臨場感あるつくりは高く評価したい点。 それに加えてこの作品が成功した要因は役者陣の素晴らしさでしょう。以前から気になっていたジャイモン・フンスー。漁師の割には小奇麗な印象はありますが、相変わらず上手い。ジェニファー・コネリーも芯の強い女性役にはやはりハマる。そして今作一番の驚きだったレオナルド・ディカプリオ。僕は「タイタニック」などで王子様的なイメージがあったディカプリオが苦手だったのですが、今作で見直しました。彼もそういったイメージのせいで悩んでいたんですね。 彼が演じるダークな人物、アーチャーのたたずまいが大いに今作に重みを持たせています。語られずとも彼の過去に何か影が差していることを感じさせます。ソロモンを脅すシーンなど、全編気迫ある演技を見せていました。 ラストが映画的過ぎるとも思えましたが、あの程度であれば大して気になりません。社会派映画として、リアルな演出、問題提起、役者の演技力、全てにおいて及第点以上で、娯楽作品としても優れた良作です。
[映画館(字幕)] 8点(2009-03-06 17:06:27)(良:1票)
34.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
僕は007って言われるとピアース・ブロスナンが一番に思い浮かぶ。しかしテレビで見かけるのは『ダイ・アナザー・デイ』ばかりだったので、007ってのはつまらない作品だ、という偏見が植え付けられていました。そんな僕にとっては今作はほとんど007デビュー作のようなものです。 まず主題歌の格好良さ、ヤマカシを取り入れたアクションで一気に引き込まれました。今見返すと007シリーズのアクションはなかなか時代の流れを感じてしまうものも少なくありませんが、今作のアクションはシリーズ中でも屈指の出来映え。最もインパクトがあるのはやはり冒頭のチェイスですが、中盤の格闘、崩れていく建物の中での戦闘も十分に見応えがあります。激しいアクションにも関わらず、カメラワークは落ち着いているので混乱することはないし、ロケーションの美しさも味わえる。アクション、撮影については全く文句なく仕上がっています。 そして議論を呼んでしまったクレイグ版ジェームズ・ボンド。僕はもともとダニエル・クレイグが好きなので評価は甘くなりますが、それを差し引いても彼はイイ。苦悩するボンドの熱のこもった演技には引き込まれる。 ただ今作の脚本のポール・ハギス、どうも彼と007というのは食い合わせが悪い気がしてなりません。今作を観た後過去の007シリーズを何本か観直しましたが、それらと比べても今作はトップレベルの質を持っています。今後しばらくは色褪せることのない作品です。 しかしポール・ハギスが007と合わないというのは真面目過ぎる所があるからなのです。作品全体の質の向上と引き換えにジェームズ・ボンドというキャラクターの魅力、男というより男の子の憧れともなるジェームズ・ボンド像は無くなってしまっているのです。 今作がボンドが僕らのよく知る007になるまでの物語だというのは分かりますが、この調子でいくとあの天下無敵の憧れの007にはなりえません。作品とキャラクターどちらをとるのか、難しい所ではありますが、あちこちに気を遣ったりしないでもっと肩の力を抜いて、遊び心を持って作って欲しいな。ただ今作がシリーズでも抜きん出たレベルであることは間違いないし、やっぱりラストのセリフにはしびれました。
[DVD(字幕)] 7点(2009-03-04 00:08:59)(良:1票)
35.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
ポール・ニューマンの最高傑作。捕まっても捕まっても脱獄を続けるルーク。いつでも不適な笑みを浮かべるルーク。神を否定して自らの力だけで行動するルーク。何をしててもカッコイイルーク。母親を想ってバンジョーを弾きながら、うっすらと涙を流すシーンが凄く切なくてこっちまで泣けてくる。死ぬその瞬間、最期の最期の瞬間まで笑っていた彼との思い出は、やっぱり彼の笑顔で満たされている。彼も苦しかっただろうけど、最期を笑顔で終えることが出来るのは羨ましいことだ。彼があんなにもかっこよくて、憧れてしまうような存在なのは戦争を経験し英雄となった過去、この世の地獄を見てきた過去があり、母親も失い、確か劇中でも彼が言っていたように「することがなかった」のだろうが、あの囚人たちの中でも最も辛い思いをしてきたであろう彼が最も明るく、強く、常に周りに笑顔を見せ、その姿から希望が得られるからだ。 全く神を信じていない彼があらゆる人に希望を与える神のような存在になったのだ。だからこそCOOL HAND LUKEには永遠の格好良さがあるのだ。 ポール・ニューマン、ありがとう。あなたの笑顔は忘れません。
[DVD(字幕)] 9点(2009-03-03 00:53:00)
36.  チェ 28歳の革命 《ネタバレ》 
もともと1本の作品だけあって今作だけでは評価はしづらい。革命を起こすゲバラの心理を描くわけでもなく、戦闘シーンも劇的な演出は一切せず、どのシーンも断片的でぼんやりとした演出。劇的なものを全て排して時折ゲバラが見せる優しさであったり、厳しさを第三者とも言える視点でひたすら淡々と進めていく演出にはどういった意図があるのかまだ掴めない。ゲバラが死が近付くにつれ、やや神格化され手の届かない存在のような彼も映画自体も感情的になっていき、ゲバラの内面に迫っていくのであれば前・後編で演出の落差が上手く効いてくるのかもとは思う。 しかし後編もこの調子でいくと、わざわざ「映画」を使って伝えるようなものではなくなってしまうのではないかなぁという心配は大いにある。 ゲバラを人々に知ってもらうきっかけにはなるが、作品的面白みで言えばドキュメンタリーで描いた方が質は高くなる気がする。
[映画館(字幕)] 5点(2009-03-03 00:30:57)
37.  シューテム・アップ 《ネタバレ》 
素晴らしい!おバカ映画の見事な手本。ニンジンで頭をぶち抜き、電飾看板で挑発し、ガンガン銃をぶっ放しバッタバタと死体の山が積まれていく。バカやるならここまで徹底的にやってくれないと。 そして主演は、そりゃアメリカでも大ヒットなんてしないよ、と思っちゃうオーウェン、ベルッチ、ジアマッティの濃厚な3人。あんな「バッカじゃねーの!?」ってな展開でも全然笑わないトコが実にイイ!それにオーウェンもへたれ役ばかりのジアマッティも銃構えたら様になっていてカッコイイ。やっていることは大バカでも、当人はクソ真面目でなきゃ面白くないもの。かっこよさ、バカバカしさが見事に同居した2008年最高のバカ映画! これからも頑張ってくれ、マイケル・デイビス!
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2009-03-03 00:22:27)
38.  P.S. アイラヴユー 《ネタバレ》 
もともと合わないであろうと思っていたのに観てしまった自分も悪いとは思いつつも、やっぱりキツかった。 スパルタ王とミリオンダラー娘なんて素晴らしいカップルだけど、彼らの取り巻きに何も魅力を感じなかったのは大幅にマイナス。やかましいとしか感じられなかった。お話の流れ(主に手紙の真相)はコメディでこそへぇ~とちょっと感心できるような内容なのに演出は夫を失った女性の再生物語としてしんみりしているから、どうにも白けてしいます。 会話劇とは言えほぼ全てのシーンが冗長でかったるいのも、軽いコメディ演出があれば少しは解消されたでしょうに。 まぁヒラリー・スワンクは頑張っていましたし、ジェラルド・バトラーのたたずまいはとても好きですが。
[映画館(字幕)] 4点(2009-03-03 00:20:45)
39.  ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー 《ネタバレ》 
これはスゴイ。2009年まだまだ年初めながら傑作と言っても過言ではないでしょう。『パンズラビリンス』を作って一皮剥けた様子のギレルモ・デル・トロ。前作では大いにやり残したことがあったように思うのですが、今作では彼のビジュアル・センスは遺憾なく発揮されています。すでにキャラ紹介が済んでいるおかげで、ヘルボーイ、エイブ、リズらの人物の掘下げに集中できているうえ、インパクト不足だった前作に比べ、冒頭の木偶人形での語り、ヌアラ王子の殺陣、“歯の妖精”襲撃シーンでデル・トロのファンタジックながらもどこか生々しい圧倒的な世界観に引きずり込まれる。 物語はストレートなものながら、その核を担っているのはヘルボーイ、エイブの人並みに純粋な恋という点が他とはひと味違う所。 身内の者を除いて人間には例外なく嫌われ、自身もその容姿に悩んでいる。しかし中身はもの凄く人間的で恋人の悩みを相談し(愚痴り?)合い、酒を飲んでカラオケを歌いまくる。この笑ってしまう場面でヘルボーイらの人間味が大いに感じられる。 前作では人間側を代表してマイヤースがいたものの、今回はほぼ完全に人間側の視点を排して、いくら忌み嫌われ世界が滅びようとも、最愛の人がそばにいればそれで構わない、といったヘルボーイたちの愛情がブレずに見事に描けているように思う。 アクションシーンも大満足。ヘルボーイvsウィンクのガチンコ対決や“森の神”エレメンタルの大怪獣シーン、ラストのゴールデン・アーミー、ヌアダ王子との決戦。どれも文句なしに素晴らしい。 それに今作は死の天使やゴールデン・アーミーの造形などのサブキャラクター達にもデル・トロらしいこだわりが見られて良かった。堅物のようで意外と武闘派のヨハン・クラウスが実にいいキャラ! クリーチャーの造形・描き方としては一つの完成形とも言える大傑作。 映画館で観られて本当に良かった。
[映画館(字幕)] 9点(2009-03-01 23:17:45)(良:1票)
40.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 
作品の出来も発しているメッセージも悪くはないし、3時間弱もの長尺も全く飽きることはありません。 ブラピもケイトもその演技力、監督らの撮影、メイク技術と相まって画がとても映えます。しかし、この映画の予告編以上でも以下でもない、というのが正直な所。ベンジャミンの人生を80年分観た時と、3分弱の予告編を観た時とで考えたことや気持ちに大差がないのです。 この作品の最終的なメッセージは「数奇な体を持って生まれたベンジャミンの人生も素晴らしいものでした。だからどんな職業・生き方の人々の人生もやっぱり素晴らしいものです。」というようなことですが、この単純で、しかし描き方次第でいくらでも深くなるこのメッセージが意外と浅い。作品内で語られたこと以外に解釈することがほとんどなく、劇中で語り過ぎなのか、「だから?」という感がどうしても否めない。  原作は未読ですが、50ページにも満たない短編小説で原作者もさらっと書いたお話、言ってしまえばほとんど思いつきに近いネタだと思うので、これを膨らませるのであれば、もっと寓話的にして、いっそのこと群像劇にしてしまえば良かったのではないかと(でもそうすると主題がブレるかな・・・)。この作品もベンジャミンと関わる人々が多いので群像劇の要素は大いにあるのですが、もっと深く様々な職業、年齢、性格の人々を描けば「数奇な体のベンジャミンもそうでない人々も人生は素晴らしい」というメッセージは生きて、さらに感慨深い、感動できる作品になったはず。冒頭の時計職人のようなエピソードがもう少し欲しかったか。 デヴィッド・フィンチャーは大好きな監督ですけれど、このテーマを扱うにはまだ若かったな、と。 決して悪い映画ではない、というより非常に良心的ないい映画なんですが。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-14 23:54:37)(良:1票)
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