381. ランボー/最後の戦場
民族紛争という我が島国ニッポンには今ひとつ現実味が沸かない内容も、ここまで徹底的に軍事政権を「悪」として描き切ることで無理やりにも憎悪感を煽られる。そこをベースにアメリカ万歳的な戦いっぷり。正直言って痛快です。勿論、現実的には何も考えずに殺されていくミャンマー兵だって一人ひとりの人生があって家族があって…でも、そんなことなど考える間もなく積み上げられていく死体の山。これが戦争なのですね。この短い作品、かなり見事に現実を描いていると思います。単に娯楽作品としても見ることも出来るけれど、ここはひとつスタローンさんなりのメッセージに耳を傾けても良いのではないでしょうか? それにしても、稀に見るリアルな殺戮シーンですね。ただ、あんな対物兵器で生身の人間を射撃したら、実際にはもっと悲惨だと思いますけれど。それじゃ視覚的に酷過ぎるから抑えたのかな? [DVD(字幕)] 7点(2010-02-24 02:09:54) |
382. パラノーマル・アクティビティ
《ネタバレ》 低予算で爆発的興行収入。頷ける作品ではありました。洋画でありながら、恐怖の手法は「怪談」ですね。「ホーンテッドマンション」じゃなくって「お化け屋敷」です。だから、地味でSFXも何もないのに、お約束どおりの展開なのに怖い。良く出来てます。 ただ、不満なのは主観映像。過去の主観映像作品でも、KY的に撮り続けるカメラマンはウザかったけれど、今回は恋人同士、2人っきりなのに、彼女に「やめて!」と言われても撮り続ける彼はバカ丸出し。「ボクが守る」とか言っちゃって、丸腰で危険に向かって行くし、不法侵入されて警察呼ばないばかりか証拠を掃除しちゃうし、怪我してる彼女を病院にも連れてかないし、彼女が必死で握り締めてる十字架燃やしちゃうし…最低の男を演じきってくれてます。 つまりは、演出的にはすごく頑張ってるんだけど、脚本が弱いのかな?主観映像の使い方をもっと工夫して効果的に使うとか、2人が警察も呼ばずにじっと耐えざるを得ない状況を観る者に納得させるとか、もっと良作になる道はあると思います。 それにしても、悪魔ネタだったのね。オチがある程度見えてしまうのもちょっと残念。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-07 01:10:53)(良:1票) |
383. インサイド・マン
《ネタバレ》 面白いとは思います。でも、疑問が解けない。てか、もう少し説明が欲しい。 そもそもインサイドマンは誰?別に公開しないでもいいからヒントぐらい欲しいな。それともヒントは既に出てる?ラストの迎えの車の後部座席右端の男?いかにも帽子がヒントっぽいけど。でも、だとしたらいささか不親切では?それと、ダルトンのビデオは潜伏中に撮ったってこと?何のために?結局、その辺りを考えさせるのも作り手の目的なのかな? 全体的にその手の謎(って言っていいのか分からんけど)が多過ぎて減点ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-03 20:03:45)(良:1票) |
384. 26世紀青年
《ネタバレ》 邦題が邦題だから全く期待しないで観た作品。でも、これがなかなかに面白い。 パロディなんでしょうね、これ?でも、大してそれを意識する必要もなく普通に楽しめます。 これって、設定では500年後だけど、実は現代そのものって言いたいんだろうなぁ…。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-03 17:27:09) |
385. イーグル・アイ
既に多くの皆さんの御指摘のとおり、いろんな有名作品のプロットを詰め込んで、調理し直したような作品ですね。 でも、その調理の仕方が上手い。だから、判っていながらも楽しめてしまう。全体の構成バランスも、話の流れも実に良く出来てると思います。 2時間の作品を飽きさせずに楽しませるって、実に大変なことだと思うんですよ。B級作品の多くが90分以内ってのは、ある意味、長尺にしたくとも出来ない弱みってのがあるんじゃないかな? この作品は当然B級モノじゃないですけど、類似のアイディアも調理しだいでこんなになりますという典型という感じ。 ま、それを担保する大資本も必要なんですけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-23 11:25:05)(良:2票) |
386. セクシー・ボディ・スナッチャーズ
《ネタバレ》 まともそうなフランクは結構、てか、かなり間抜けだし、間抜けそうなエディは意外とまとも。そんな2人が美女の死体を担いで右往左往。ライトな感覚のブラックコメディですね。大笑いは出来ないけれど結構楽しめます。ま、最後のまとめ方は随分と力技ですけどね。 それにしても、特殊な処理でもしてなきゃ臭いだろうなぁ… 観ていてそればかり気になってしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-14 01:01:55) |
387. THR3E 影なき爆殺魔
いい加減使い古された感の強い例のオチ。ただ、アイディアは斬新でなくとも、なかなか面白い見せ方をしているので、簡単に悪い評価は出来ないかな?正直、意外と面白かった。 でも、やっぱ二番煎じっぽいかなぁ… [DVD(字幕)] 7点(2009-07-29 02:05:07) |
388. ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝
《ネタバレ》 思ったより面白かったですよ。シリーズ第3弾ともなればパワーダウンは当然かなってとこなんだけど、なんとか踏ん張ってくれてます。 で、一番の見せ場は、やっぱジェット・リー様がこの仕事を受けたことですかね。なんたってキングギドラですから…。それだけでも十分観る価値ありますよ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-04 13:05:22) |
389. デイ・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 「ゾンビ映画」を標榜する作品(あるいは配給会社によって無理やり売り込まれている作品)は数多かれど、これは結構楽しめました。確かに皆さんおっしゃってるように、元ネタの「死霊のえじき」とは全然別物だし、深いテーマ性も感じられませんけど、やっぱしキチンと作れば面白い!ということを証明してくれてるような作品です。 ストーリーは基本原則そのまま、お約束のオンパレード。けれど、ちゃんとオリジナルのアイディア(てかアレンジ?)だって盛り込んでるし、「他のと違うぞ!」みたいなメッセージは感じられます。天井歩きやベジタリアンなんかがそうですよね。ゾンビ化したお母ちゃんが、彼女を愛してやまない娘によって、これまたお母ちゃんを愛する息子の眼前で、クルマで吹っ飛ばされるなんてのも新鮮でした。そして、終わり方は明るく爽やか(?)、絶対ダメだと思ってた仲間が生きてたりして(どうやってよ?)悲壮感が漂いません。 単純にアクションエンターテインメントとして捉えれば、及第点だと思いますよ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-04 12:49:19)(良:1票) |
390. BUG/バグ
《ネタバレ》 冒頭、何だか判らないままに少しずつ、トロトロと話が進みます。なかなかいい感じですけど、予備知識ナシで観てしまうとイキナリ間延びした印象かも。 そして、同居人の異常さが出て来たあたりで一気に話が展開(?)し始めます。でも、男の妄想(?)が唐突過ぎて、背景も何も判らないから感情移入出来ない。一緒に「虫」見物に励んでしまうヒロインの心情も理解に厳しいものがあるかな?ま、感情移入しないほうが良い作品かもしれないけど…。 それから、医者らしき人が出て来て多少は種明かしがある感じだけど、今ひとつそのものズバリじゃないし、しかも、冒頭と最後に倒れてるカットが差し込まれてるのが良く解らないし…。 結構、作品全体に通じる雰囲気は好き。けれど、何かが足りない。観る者に考えさせるタイプの作品として捉えても、少し浅い感じがしてしまいます。おまけの7点献上。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-30 01:48:37) |
391. 愛の伝道師 ラブ・グル
いきなりおバカギャグが炸裂する本作、ひさびさのマイク・マイヤーズはいたって健在でした。 これは言うことないですよね。まさに、賛否両論真っ二つです。小ネタは数え切れないぐらい。たまには観たいです、こういうの。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-25 02:14:15) |
392. ブラックサイト
《ネタバレ》 多くの方が指摘されているとおり、主に捜査陣の動きとかにツッコミどころ満載の作品。 でも、犯行動機とか犯人の行動パターンとか、なかなか良く考えられています。細かなところを練り込んで行けば、非常に面白い作品に化けてたんじゃないかな? だから、評価は迷うところ。低くしたいけれど、悔しいことに結構惹き込まれて一気に観てしまった。これってTVドラマで十分かも。その辺考慮した上で6点献上! 【追記】(2022.4.10) CSで放送していたので再観賞。正直、初見の時の印象が全く残っておらず、レビューを見て思い出した有様ですが…(製作者さん御免なさい) 公開、そして初見から10年以上経た今だからこそ、この作品が警鐘を鳴らすネット社会の怖さが現実のものとして迫って来ますね。 当時はエンタテインメントとしての比率が今よりも高かったかも。当たり前かもしれませんが、現在の方が当時よりはるかに現実味を帯びている内容ですね。 勿論、事件の具体の部分は極端で、そう簡単には現実化しないとは信じたいところですけれど、犯人がネットやコンピュータの能力に秀でていながら極めて幼稚で非現実的な人間性の持ち主であること、サイトを閲覧する者たちの無責任さとノリの軽さ、そのあたりは公開当時よりずっと現実的と思えます。 リメイクの話はないのでしょうか?今の時代に合わせてリメイクすれば、より怖ろしいサスペンス、あるいはホラー作品になると思うのですが。 ちなみに、終わり方は今見ても唐突ですね。だからと言って後日談は不要でしょうし、ヒロインがカメラに向かってFBIのバッジを見せるというだけで十分なメッセージ性をもってのエンディングとは思いますが、何だかブツッと切れる感じです。 ということで、受け取り方が当時と変わった部分があって7点献上に変更します。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-12 02:01:23)(良:1票) |
393. ゾンビ・ソルジャー
《ネタバレ》 なかなか面白いです。だけどこれってゾンビかなぁ… 異次元空間で不老不死になったって感じ?それとも、物理現象を起こしてるけれど、幽霊のような気もするし。 ま、どっちにせよアイディアはいいと思います。おどろおどろしい雰囲気もいいです。救いようのないエンディングも良し。 B級の中にも、時々こういう収穫があるんですよね。やっぱいいな、B級作品巡り♪ [DVD(字幕)] 7点(2009-04-13 00:38:33) |
394. ピザ男の異常な愛情<OV>
いや~、ブラックですね~。こんなコメディはなかなか観られませんよ。 とにかく、逃げ出した彼女の家族が繰り広げるド派手な拷問シーン。面白おかしく作ってるけど、やってることはヒドイなんてもんじゃない。しかも、それが○○○○○だなんて…。 オマケ映像もいっぱい付いてて、これはかなりのお得感かも。ただし、後味ワル! [DVD(字幕)] 7点(2009-04-13 00:27:07) |
395. 燃えよ!ピンポン(2007)
いいんじゃないかな?たまにこういうおバカ映画観たくなるし。パロディとして楽しむもよし、ドタバタコメディとして単純に観るもよし、観方はいろいろだと思います。 まぁ、考えてみれば別に卓球じゃなくても良かった訳で、もしかしてアメリカ人の卓球への見方がこういうことなのか?だとしたら失礼かもね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-08 23:58:01) |
396. インベージョン
《ネタバレ》 素直に楽しめました。設定的にも表現的にも、流石に原作のトーンを残しているので古さは否めません。でも、随所を現代風にアレンジし、緊迫感ある流れを作り出しているように思います。 やはり人間というものは、異質なものや異形のものに恐怖するのですね。そして、排除しようとする。しかし、力関係が逆転すると当然の如く逆の図式が形成される。愚かな永久運動の始まりというわけです。 ただ、過去の映画化作品はその時代背景から冷戦や東西関係を象徴していたわけで、本作はその後の新たな争いの構図、より混沌とした構図を象徴して然るべきと思うのですが、何せそれほどの長尺ではないわけで、少し急ぎ足な感があります。 まぁ、それでも退屈することもなく、また、ニコール・キッドマンの美貌を堪能しつつ過ごせる90分強でありました。 ちなみに過去3作の映画化作品… 最初の作品を昔観たような観なかったような… 記憶がはっきりしないので比較はできません。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-03 17:07:34) |
397. ヒットマン(2007)
細かく言い出せばいろいろあるかもしれないけれど、あまり酷評はしたくないです。 何故なら、ただただカッコいいから。ストーリーだとか映像表現だとか、あまりこだわらないで、アクションゲームがベースの作品として、只管視覚的に楽しむと言う条件付であれば、及第点以上の作品じゃないかなぁ? [DVD(字幕)] 7点(2009-01-01 20:57:44) |
398. ミスト
《ネタバレ》 このB級テイスト。キングらしい救いようのない結末。 本当の怪物はお父さんだったのですね。大好きなお父さんは、実は一番恐ろしい魔物だったのですね。オジサンの手を離さないでいた方が良かったのかもしれませんね。 宗教狂いのオバサンは恐かったし、皆を扇動して死へ誘うかのごとく突っ走ってたけど、実はお父さんも別の扇動者だったわけで、結局どっちもどっちってことなのかな? つまりは、この作品、主役は実は主役じゃなくて、本来なら死に急ぐ脇役なはずの人々にスポットを当てたんじゃないでしょか? 個人的には「霧」の中の恐怖は具現化しないで欲しかったな。漠然とした恐怖として描かれていれば、もっと高評価出来たかも。 点数、迷います。一応7点だけど、少し辛いかな? [DVD(字幕)] 7点(2008-11-10 01:00:59) |
399. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
19世紀の薄汚いロンドンの街。見事な色彩表現。そして、不健康を具現化したかのような主演2人のメイク。唐突とも思える歌声。計算しつくされた演出は流石だと思います。 あまりに悲しい主題と、それを彩るおどろおどろしい展開、それらがブラックユーモアのオブラートで包まれ、観る者の体内に飛び込んで来る感じ。そのあたりもまた、流石の一言です。 そして、色彩的にも、ジョニのメイクにも、さらには小道具にも、全てにおいて「シザー・ハンズ」との対比を感じてしまいます。「シザー」のハサミが善良な魂の象徴ならば、こちらのカミソリは狂気と怨念の象徴。このコンビ、原点回帰を図ったのか? 私にはそんな印象が残る作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-30 00:45:09) |
400. 地球最後の男
1964年製作?ん~、何だか更に10年以上古い感じがしますね。演技にしても、演出にしても、とにかく古臭い。それだけの理由で、観ずにリタイアした人は多いかもしれません。 しかしながら、ストーリーはしっかりしてますね。原作は読んでいませんが、あらすじを読む限り、原作のテーマに忠実と言う意味では、映画化された3作品中の一番なのかもしれません。 ラストシーン…これは意外な展開。と同時に、この作品の発する最も大きなメッセージは、そこにしっかりと込められています。製作年代を考えれば、かなり革新的な作品だったと言えるのでは? 古いけど新しい。B級作品のようでいて、B級とは言い切れない。作品の発する深いテーマに、しばし考えさせられてしまう1本です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-08-02 01:55:57) |