401. サウンド・オブ・ミュージック
優しさに溢れた作品。子供達も可愛い。ただ、そこまで傑作かなあ?個人的にミュージカルはどうしても肌に合わないです(だったら見るなと言われそうですが)。いちいち踊りのたびにドラマが中断し、各場面が長くなるので、全体的に冗長に感じてしまう。その割にラストがあっさりし過ぎで物足りない。あの場面でこそ、生きる喜びを歌と踊りで表現するべきなんじゃないの?一番、喜びを表すにふさわしいシーンなのに何で踊らないの?恋人からもただ逃げていくだけ。やはり現実の前に歌や踊りは無力なんですね。 5点(2004-05-16 07:31:11) |
402. JAWS/ジョーズ
小学生の頃はやっぱりドキドキしながら見てました。さすがに今見ると普通ですが、それでも、最後まで飽きずに見れる作りのウマさはさすが。鮫も最後以外ほとんど姿を見せないのに(見せないからこそ?)、これだけ緊張感を持続させることがすごい。演出の妙味。 7点(2004-05-14 10:21:06) |
403. レザボア・ドッグス
うーん、これは評価に困る作品ですね。いかにもタランティーノらしいと言えばそうなんですが、個人的にはイマイチです。「仲間割れによる人間性の露呈」と言っても、これを余計な付け合せの無い「単純化の妙」と呼ぶには、あまりにも展開が平凡過ぎるように感じます。こうした「下手ウマ的演出」を味と取るかどうかで評価は変わりそうです。序盤のレストランでのシーンも、個々人のキャラクター性を印象付けるため、「ひとつのテーマに対して会話(時にケンカ)をさせる」、というパターンはよくありますし、むしろ登場人物が多い程やりやすい手法です。またその会話自体、下ネタ絡みが多く、あまり秀逸とも思えません。その後、刑事が撃たれてからの展開が妙に間延びするのも頂けません。中盤で「刑事の潜入捜査」であることをバラしつつ回想シーンを挿むというのも、「誰が裏切り者か?」というラストのインパクトを弱めてしまう事になりますし、テンポの悪さにも繋がっています。この手の脚本なら、「フェイク」の方が映画としての完成度は高いと思います。 4点(2004-05-04 15:28:21)(良:1票) |
404. 裸の銃を持つ男
実にアメリカらしい正統派コメディ。1分に1回は必ず分かりやすい小ネタが入るサービス精神には感服。その王道的な笑いを気軽に楽しむ娯楽映画。ただ、安心して見ていられる反面、「笑い」を考察する上での評価としては、チャップリンのような古き良き時代からの進化がほとんど無く、私も含めて既に見ている側も大半は「ネタそのものではなく、お約束であることを笑う」という逆説的な笑い方になってしまっているのではないだろうか(特に「お笑い先進国」の日本では)。日本のお笑いのように、シュールさや台本の無い「素」のリアクションすら飽きられつつある中で、台本に則った「計算されたコント」がどのように進化していくべきなのか、それを考える上でなら見る価値はある。 5点(2004-05-02 22:52:52) |
405. トイ・ストーリー2
本来、玩具でしかない「人形」たちが、否応なく自分の存在理由を考えなくてはならない状況に追い込まれる。自己存在に意味や価値を求める生き様は、そのまま自分も含めた「人間」の生き様の投影として胸に迫るものがある。無事戻った人形たちも、いつか捨てられる時が来ることは、人間の死と同じく不可避なこと。だからこそ、今ある一瞬を大切にしようという気持ちが生まれるはず。あまり押し付けがましさを感じない素直な作りに好感が持てる。どちらかと言えば、大人が見るべき作品。 7点(2004-05-02 22:09:23)(良:2票) |
406. 8mm
ミステリーとしてもサスペンスとしても中途半端で、基本的に映画として面白くない。アングラ世界の表現も、「いかにもアングラでござい」というような記号的な作り。また性的嗜好の差異に対する偏見を助長するような差別表現と受け取れる部分もあり、そういう点での不愉快さがある。スナッフビデオを巡る謎を追っていく序盤辺りまでは面白かったが、途中から単なる復讐劇になってしまい、そのまま終了。イマイチ何が言いたいのか分からない。もっとミステリー路線で突き詰めて行ったら面白くなったはず。 3点(2004-05-02 11:39:58)(良:2票) |
407. ミザリー
自我の肥大した現代人特有の病である「自己愛」の究極の形態。他者への愛や奉仕が、結局は自分のためである、ということに気付いていない狂気。そして気付いていたとしても、そこに気付かない振りをし、気付かない振りをしていることすら忘れてしまう。精神安定のため、「自分は悪くない」「相手が悪いんだ」とする自己欺瞞による防衛本能は、誰の精神にも内在するからこそ恐ろしい。ただ、そのため内容的に先が読めるし、実際、意外性のある展開も無いまま映画としてあるべき着地点に着地する終わり方は少し物足りない。キャシー・ベイツの演技力に敬意を表して+2点。 6点(2004-04-29 11:28:12)(良:2票) |
408. パーフェクト・ワールド
純真な少年と犯罪者の逃避行。その間に、お互いの心を補完し合う。シチュエーション的にはよくあるパターンだし、犯罪者を美化したり、感動させることを前提に作ってあるあざとい演出は鼻につくものの、感動しちゃったからしょうがない。フィリップ役の男の子の可愛さと演技力によるものが大きい。一方、刑事や女性心理分析官の中途半端なキャラ設定と、ブッチが撃たれてからのダラダラ感がマイナス。しかし、いい人であろとしながら、既に形作られてしまった人格の暗黒面から逃れられない犯罪者の心理描写はなかなか秀逸。それにしても、なんて脱出しやすい刑務所なんだ(w。 7点(2004-04-18 03:07:02) |
409. CUBE2
下手に説明を加えることで、逆に作品として安っぽく、説得力も無くなってしまった。前作は「人間」がメインであり、不条理なCUBE世界はドラマを際立たせるための、文字通りの「舞台」でしかなかったはずだ。それなのに、そちらが話の本筋になってしまっては本末転倒も甚だしい。しかも「未知の理論=軍事利用」(たぶん)という、これまたありがちなオチ。CGも安っぽさに拍車を掛けているだけだし、各キャラも前作以上に魅力が無い。 4点(2004-04-13 15:14:08) |
410. 真実の行方
《ネタバレ》 どんでん返しのために、自己矛盾に陥っているような脚本。「二重人格を装った知能犯」とするには、あまりにも綱渡り的で不確定要素が多すぎるのでは?最初から精神病による審理無効を狙うくらいなら、普通にアリバイを作った方がいいんじゃないのかなあ?普通ならそのまま有罪になる可能性の方が圧倒的に高いはず。ラストもそのままやられっ放しで終わってしまい、イマイチすっきりしない。なんか、「どんでん返しのためのどんでん返し」という感じ。 4点(2004-04-07 13:11:25) |
411. 新・死霊のはらわた
もうどれがどれやら(笑)。全然、「死霊のはらわた」と無関係な内容。最大の不満はゾンビが走るところ。でも雰囲気は悪くない。それにしても撲滅隊の連中って不注意なやつが多いなあと思いました。 5点(2004-04-07 13:02:38) |
412. サタデー・ナイト・フィーバー
厭世観からくる若者特有の暴走や無気力など、当時の世相を反映している今作も、現代から見ると、「普通の常識や価値観の範囲で人生を楽しみ、時に悩みながらも立派に生きている若者」と思えてしまう。きちんと毎日仕事に行き、家族を愛し、家族と共に食事を取り、自分の稼ぎの範囲で遊び、ディスコのダンス大会での優勝を目指して猛練習。うーん、立派立派(w。ただ、ドラマとしては人種、時代を問わず誰でも経験し得る普遍的な青春時代の出来事を描いているだけで(それゆえ共感を呼びやすいのでしょうが)、エンターティメント作品として見るとイマイチ退屈な内容。また、あの手の踊りは自分の美的感覚からすると、あまりカッコいいとは思えないです、ハイ。 5点(2004-04-07 12:49:15) |
413. 13F
バーチャルリアリティネタという地点で、今や見る側にある程度の耐性が付いているので(現実と非現実が交錯することの酩酊感や不安感、自分の世界がニセモノだったオチ、さらにその上にも世界が無限に重なるオチetc...)、いかにワンパターンな展開にしないかが、この手の作品の肝だと思うが、やはり既存のパターンからの脱却は難しかったようだ。細部の矛盾点や説明不足とも相まって、インパクトに欠ける。特に気になったのは、上位の人格が入り込むと、それまでの人格はその間どうしているのかという点。もう少し「人格の入れ替わりによるミステリー」という点で特化してくれたら面白くなったかも。哲学的考察がしたいのか、ミステリーがしたいのか、恋愛ドラマがしたいのか、どれをとっても微妙に中途半端。役者さんの演技力は素晴らしいだけに残念。 5点(2004-04-05 11:52:39) |
414. パール・ハーバー
アメリカの戦争肯定プロパガンダ映画であり、日本に対する国辱映画。 0点(2004-03-30 00:43:18) |
415. デッドコースター
相変わらず、一歩間違えばコントになりそうな内容。全体的に丁寧に作られていて好感は持てるものの、ノリも展開も前作とほとんど同じ内容で新鮮味は薄い。結局、「運命」と「必然」と「偶然」なんて、どれも同義語みたいなもんですし、それと同じで、悪魔(死神)と神も同じような存在ですしね。結局、人智を超越したところで生死を操られていては、基本的にどうしようもなく、それこそ運命として受け入れるしかない訳で、そこに諦観や畏怖感はあっても、恐怖感はあまり感じられないですね。特に見ている側としては。「意外な死に方発表会」みたいな内容で、見ている間はそれなりに楽しめるものの、見終わった後には何も残らないです。ただひたすら不可知的な死に纏わり付かれているだけなので、もうひとつ何か工夫が欲しいところ。個人的には、やはり神や悪魔よりも「人間の思惑」が裏にあるほうがはるかに恐ろしいと思ってしまいます。 5点(2004-03-29 23:40:57) |
416. 処刑人
かなりストレートで重厚なメッセージ性を含んだ内容。誤解している人もいるみたいですが、別に「報復殺人」を美化したり正当化している訳ではなく、現行法の甘さに対する警鐘と再考を促すために、あえて「敵討ち」という行為を極端化して見せているだけです。実際、日本でも少年法の甘さを指摘する声は多いですし、複数の人を殺してもなかなか死刑にならず、「加害者の人権を優先する」現行法の甘さゆえに、安易な殺人が横行する側面があるという点を失念してはならないでしょう。それを強烈に訴えかけているだけでも、この作品には価値があると思います。 7点(2004-03-29 23:35:44)(良:1票) |
417. アルマゲドン(1998)
一流の駄作。何から何まで出来レースのような脚本に興醒め。途中に何度も訪れる機械類のトラブルや爆弾の解除など、まさにその典型。トラブルのためのトラブルにしかなっていない。ストーリーの途中で爆弾が出てきてタイムリミットが迫ったって、何の緊張感も伝わらない。結末が分かりきっているのに見せられる時間稼ぎのシーンとあまりにも安易な感動の押し売りには、ほとほとウンザリ。アメリカには「自己犠牲の精神」を語って欲しくない 。 1点(2004-03-06 12:07:35)(良:1票) |
418. カッコーの巣の上で
秩序と無秩序、自由と束縛、権利と義務といった、人間社会を構成する上で必要な概念の縮図としての精神病院が舞台。そこで繰り広げられるドラマはまさに現実世界のドラスティックなパロディそのもの。秩序を守り、秩序に埋没するがゆえの安定と、秩序を破壊し、異端として排斥され、不自由を享受するがゆえの自由。安易な二元論では語れないテーマ。 8点(2004-03-06 11:39:53) |
419. クリフハンガー
冒頭のシーンはつかみとしては良いが、結局、「知人を死なせた罪悪感を持っている」というありがちなキャラ設定のためのイベントにしかなっておらず、その後のストーリー展開とも無関係。あげくに現実離れした肉弾アクション映画に変化。娯楽映画のはずが、安易に人を殺しまくるため、ラストがハッピーエンドでも素直に喜べない。全体が設定のための設定という感じで、作品として強引な印象。 3点(2004-03-02 04:17:52) |
420. ブラッド・ワーク
「羊」や「セブン」以降、量産された「ザ・ウォッチャー」や「ボーンコレクター」といった駄作サスペンス群に比べたら数段マシ。ただ、全体的にこじんまりとしていて、これと言った個性が無いのがもったいない。謎解きに工夫がある訳でもなく、犯人の意外性も普通レベル。まさに可も無く不可もなし。 5点(2004-02-26 01:14:03) |