521. 永遠に貴方を
《ネタバレ》 29歳デヴィット・ニーヴンは既に落ち着きのある語り口で上品な雰囲気を醸し出しているのは流石でマジシャン役も似合っています。26歳ロレッタ・ヤングはお顔もそこそこ、語り口もそこそこですが、突き抜けたものが無く物足りません。ストーリーはステレオタイプで盛り上がらず、結末もドンが可愛そうとしか思えず二人からは喜怒哀楽を感じず。こじんまりとした凡作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-05-18 01:55:09) |
522. 仮面の米国
《ネタバレ》 ポール・ムニ主演以外の知識無く鑑賞。刑務所モノ脱獄モノの元祖と呼べる内容で、原題にあるチェーンギャングの実態を初めて目にし、「確かに、これでは逃げられない」合理性と非人間性(映っていたロバ以下の扱い)が凄まじい。「起」から「結」まで全てが怒濤の展開で、闇が画面を覆ったラストショットに固まって動けませんでした。鑑賞後に知った、本作がジェームズ・アレンのモデルとなった人物(撮影当時も逃亡中)のアドバイスによる実話であって、ジョージア州刑務所がワーナーに山のような訴訟を起こし、監督はジョージア州出禁になり、数年後チェーンギャングシステム廃止に繋がったというのに、明治男子映画製作者面々の気概に+1点。重い題材と活劇の塩梅が絶妙な演出に応えたポール・ムニの私的「ガサツな俺様男」のイメージを覆された洗練された姿での闘魂に魅入った傑作。 [DVD(字幕)] 10点(2021-05-16 22:46:49) |
523. 魅せられて(1949)
本日が誕生日のジェームズ・メイソン目当ての鑑賞。共演者がロバート・ライアンなので、胸熱激熱激痺れなサスペンスに期待特大だったのですが。30分経過でやっと登場したメイソンは、いたって好人物な貧乏医師という彼らしからぬキャラで、ライアンらしいサイコパスな大富豪と1人の女性をめぐって対峙するという三角関係モノで、直接対決も歯痒い演出でご都合主義な結末も併せて気の抜けたビールのような残念無念な作品でした。それでも The Velvet voice は相変わらず心地良く、コートを贈ったシーンで見られる色気はため息もので、鑑賞の甲斐はありました。(幸) [DVD(字幕)] 6点(2021-05-15 21:19:26) |
524. 拾った女
冒頭に於ける地下鉄内シーンに早くも手に汗握り「大当たり」を確信。期待は裏切られず、テンポ良く進む切れ味鋭い展開に目が離せず、リチャード・ウィドマーク、ジーン・ピータース、セルマ・リッターが辿る結末にドキドキし通し。「No.11」を積み替えるシーンに激熱に。当時として余りに激し過ぎると思えたラストでのファイトシーンで「負けるな!」握り拳で応援していたウィドマーク。通常運転での憎ったらしさとそれを上回った男気にまさかの惚れ惚れ。彼をも上回ったMIPがセルマ・リッターで、オスカー受賞ならずに激しく異議ありの忘れ難い姿でした。反共と過度な反共への視線も感じる傑作ノワールに酔いました。 [DVD(字幕)] 9点(2021-05-14 16:32:43)(良:1票) |
525. 危険な場所で
どこが危険な場所だったのか。呆れる脚本ではロバート・ライアンをもってしても感情の高ぶり皆無な驚きの凡作。 [DVD(字幕)] 3点(2021-05-13 23:56:16) |
526. 倒れるまで
《ネタバレ》 エドワード・G・ロビンソン、ベティ・デイヴィス、ハンフリー・ボガート、ハリー・ケリーが織りなすボクシング+ギャング+ロマンスな物語。いかにもなメンツにベティ・デイヴィスがどう絡むのかが一番興味深いところで、持ち味の毒気は無いものの男前な人物を好演して劣らぬ存在感だったのは流石。阿漕なターキーにニックが堪忍袋の緒が切れて殴り込み共に果てるとの予感は。本作では「ニック、約束を守らんと裏切ったアンタが悪い。ターキーが殺意を抱くのも無理ないわ」という意外な展開。共に安定の好演ですが、最期の描かれ方に格の違いが表れていました。滲み出る悔しさを全力で表現するボギーがこの後数年で大スターになったのは納得するところです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-12 01:53:56) |
527. デッドゾーン
《ネタバレ》 オープニングのシベリウス交響曲第2番2楽章モチーフそのままの旋律に早くも惹き込まれます。 「夜は千の眼を持つ」が浮かぶ特殊能力を授かった者の苦悩と悲劇。本作では更に孤独感と諦念が際立つジョニーの姿がクリストファー・ウォーケンの絶品名演も相まってやるせなく、彼の心を抉るサラの残酷なおためごかしに腸が煮える。名優を配しながらぶつ切りのエピソードが勿体ないのですが、鮮やかすぎる着地が余韻を残します。坂上忍、もとい、マーティン・シーンのトランプ氏を思わせる怪演にも拍手。超苦手な監督作品とは思えない傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-09 00:57:15) |
528. 土曜は貴方に
原題Three Little Wordsをはじめとしたヒット・ソングを生み出した作詞バート・カルマー、作曲ハリイ・ルビイの実話もの。初っ端のアステア&ベラ=エレンのダンスが本作MIPシーンでした。特にベラ=エレンがアステアの相手役としてのプレッシャーを喜びに代えたかのような満面の笑みを一瞬も絶やさない姿に惚れ惚れ。アステアはゴールデングローブ賞受賞程には突き抜けたものを感じなく、脚本共々通常運転・安全運転な良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-07 11:53:31) |
529. 愛情物語(1956)
実在人物エディ・デューチンの物語。脚色が加えられているにしてもドラマとして見応えがありました。希望と絶望に遊ばれるような人生でもその魂は永遠に生きる事を思わされるラストショットはまさに愛情物語。本作の2年後の早逝が惜しまれるタイロン・パワーの名演が沁み入る名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 00:23:05) |
530. アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス
いやぁ、これは珍品にして掘出物であるシュワちゃん23歳でのデビュー作。胸を始めとした「筋」と名の付くところ全てが人間離れしたパンパン具合。全編に亘っての「棒」な台詞回し&キレ無くぎこちないアクションが何故か微笑ましい。ストーリーが意外と小じっかりしており、ネズミ男のようなプリッツィもなかなかの味わい深さ。大勢の悪漢達が素手で立ち回っているのに「誰か撃てよ」と突っ込むのは野暮なのでしょう。この後、大スターとなり富と名声を得て、挙げ句に知事としての名誉も得るというのを当時のキャスト・スタッフは誰も想像しなかったのではと思うシュワちゃんの超人振りが感慨深い作品です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 19:09:50) |
531. アウトランダー
《ネタバレ》 お目当てはジョン・ハートであり、ハリウッド最多死亡回数を誇る名優の死に顔を拝む事。バイキングの王として違和感ないお姿で、登場して間もなく娘と剣を交えているのに「ま~た女と闘ってるわ、ホンマにもう・・」(苦笑)その後出番も多くて久々の拝見でも端正な語り口に相変わらず惚れ惚れ。死亡フラグはしっかり立っており「そろそろかなぁ、まだか、まだか」と待ち焦がれていたら流れ星のようなシーンでのご退場に「何やこれ、何でやねん、・・・・略」監督・脚本家・プロデューサーを叱り飛ばしてやりたい(憤) 目新しさを狙ったかのSF要素は空回り、光る怪物の設定上としても戦闘場面の暗さに肩がこる、禍をもたらした本人が王に治まるというご都合主義な脚本、一切合切が目的外で目くじらも立ちません。返す返すも・・・・自粛。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-04 18:51:58) |
532. エアポート’77/バミューダからの脱出
《ネタバレ》 手際良すぎる乗っ取り、海面不時着しての損傷具合、海底の浅さ、バルーンで機体が持ち上がるなんて、一切合切スルーして観るぶんには見応えあった救出劇でした。たまたま29歳、50歳、69歳のジェームズ・スチュアートを続けての鑑賞でその息の長い活躍に感じ入ります。オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットン、クリストファー・リー、リー・グラントの顔ぶれで生死は予感通りで後者2人に大泣きさせられるとは思いもよりませんでした。ジャック・レモンも併せて大スター華のある存在感が楽しめた良作です。余談ながら「水難の名女優」シェリー・ウィンタースもキャスティングして欲しかったところです。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 01:55:09) |
533. 媚薬(1958)
ジェームズ・スチュアート&キム・ノヴァクの共に一本調子な台詞回しでのメリハリない演技も相まって、魔法のしょうもない使い方に白けっぱなしでした。エルザ・ランチェスター&ジャック・レモンも今一つ。MIPが猫だというのが何ともはやな凡作です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-05-03 02:40:50) |
534. アトミック・ブロンド
リスト奪取と二重スパイの発見というありきたりな筋立ての中で主人公が如何なる魅力を発揮するか。シャーリーズ・セロンはアクションはもとより決して腹の内を見せないエージェントを好演しています。こだわりのアクションに見合ったストーリーをと思ったのでしょう。「三十九夜」が浮かんだスパイグラス(エディ・マーサン 好演に+1点)が目を惹いたのですが、詰め込まれ過ぎた話に集中しようとしても彼女の大立ち回りに阻まれて分かろうとするのを諦めました。キレッキレアクションが持ち味のソフィア・プテラとの一騎打ちを期待していたのですが。どういう意図でああいう関係にしたのか意味不明です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-02 02:51:44) |
535. ゾラの生涯
《ネタバレ》 極貧から文豪として富と名誉を得たゾラがアカデミー会員の地位を捨てドレフュス事件に関わる事を決めた時に見たのは、別れた親友で「芸術家は貧しくあるべきだ、腹の膨らみと共に才能に贅肉がつく、足下が見えなくなる」と諫めたセザンヌの肖像画だったのが感慨深い。ゾラの法廷での演説、ドレフュスのあの「悪魔島」からの釈放シーン、ゾラの葬儀での弔辞、煽動者を使う権力者と容易く煽動される者達等見どころ満載で、ポール・ムニ驚きの重厚な演技に喝采を送る名作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-30 22:58:07) |
536. They Made Me a Criminal(原題)
《ネタバレ》 世界戦を制したその夜に殺人事件に巻き込まれたボクサーが無実の罪で逃走。辿り着いたのはアリゾナの農場。更生中の少年達とその中の一人の姉との触れ合いの中で賞金稼ぎの試合に出場することに。リングサイドで観戦する彼を執拗に追う刑事に見守られての一戦で。 クロード・レインズが気に入らなくて断った役を無理矢理引き受けさせられて生涯に亘って最も嫌いだという本作。彼の演ずる過去の過ちから上司同僚から蔑まれている刑事は少ない出番の大半が屈辱的なものですが、試合会場に辿り着いてからラストまでは、負け組だけど負け犬ではない姿で場面をさらっており、ラストシーンにいたっては「カサブランカ」の元ネタのようで胸熱激痺れ。彼の役者としての凄みを見せつけられた秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2021-04-30 22:18:18) |
537. 真人間(1938)
《ネタバレ》 NYの百貨店、人格者である社長の方針で更生を目的として保護観察中の前科者を雇っています。ジョーもその中の一人であり同僚ヘレンとのロマンスが描かれています。フリッツ・ラング、シルヴィア・シドニー、ジョージ・ラフトの組み合わせとくれば、堅気に成り切れずに凍り付く無情な結末を迎えるだろうという予感。 ヘレンの過去を知った器の小さいジョーが事もあろうに社長の恩を踏みにじる百貨店襲撃に加担するというのを聞いたヘレン。「裏切り者の腐れ外道」の最期を固唾を呑んで見守ったのですが。 オヨヨ~ 「これでいいのだ」との監督の思いが素直に受け入れられない異色作でした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-30 21:33:39) |
538. 最後のギャング
《ネタバレ》 エドワード・G・ロビンソンは最初の10分そこそこは何時もながらの「世界は俺様を中心に回っとるんじゃ!」ご意見無用!という Gangster オーラを放ちまくりでウットリと。そこからラストまで囚人仲間、妻、かつての手下等に手酷く裏切られいたぶられるというトホホな展開。身も心もズタボロ状態で見せる入獄中に生まれた息子への一念は「エドワード! 日本一・・もとい、ハリウッドナンバーワン!」な絶品演技。まさに因果応報なラストショットに思わず合掌してしまいました。29歳瑞々しいジェームズ・スチュアートは「アメリカ国民の良心」を示す好演に好感。無法者の末路そのままのタイトル通りの秀作を堪能しました。 [DVD(字幕)] 8点(2021-04-30 15:30:23)(良:1票) |
539. マローダーズ/襲撃者
デイヴ・バウティスタ目当ての鑑賞。VSブルース・ウィリス はもとより上腕二頭筋&大胸筋を拝むことすら出来ず(悲) そこは諦めるとして、クリストファー・メローニ演ずるモンゴメリ捜査官がそこそこ渋くて事の成り行きに興味津々でしたが、入り組んだ(過ぎる?)話に集中できずリタイア(泣)となり数時間後仕切り直し鑑賞で何とか完走。やはり話を膨らませ過ぎていて唐突な結末に歯痒さが残ります。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-30 01:19:38) |
540. スタークラッシュ
冒頭からエンディングまで「無茶苦茶でごじゃりまするがな!」で埋め尽くされた「吸血鬼ゴケミドロ」も裸足で逃げ出す一品。クリストファー・プラマー&ジョン・バリー(エンニオ・モリコーネは賢明にもオファーを断ったとか)は何の義理あっての参加なのか知りたいところに+0.1点。 [インターネット(字幕)] 1点(2021-04-29 18:37:08) |