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東京50km圏道路地図さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2604
性別 男性
自己紹介 単なる鑑賞備忘録・感想文です。


※2014年11月10日高倉健逝去。人生の大きな節目。

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41.  ハスラー2 《ネタバレ》 
無鉄砲な若者と思慮深い大人という対比から、ポールニューマンがカモにされるというシチュエーション変化により展開が面白くなる。自分はツマラナイ大人になってしまったかな?と思うと共に、あらためて年を重ねる事の難しさも感じさせる。人は中高年になると「教育」や「育成」に関心を持ち始め、自分自身が何かするのではなく若者に何かさせようとする。肉体的な限界はあるだろうし「老いる」とはそういうものなのかもしれないが、いつまでもチャレンジ精神とプライドは必要なんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-02-04 12:13:40)
42.  ケープ・フィアー
善人ぶってる小市民が裏ではインチキな事しているのは日常茶飯事であり、その影では泣いたり傷ついている人がいるのも事実である。そこに、復讐の鬼と化したデニーロが大魔神の如く現れ鉄槌を下す。そう、これはサイコサスペンスなどではなく、日本人が大好きな自業自得・因果応報の物語である。そこにデニーロの演技力も加わって(もちろん他の小市民役はデニーロを上手く引き立てるよい演技をしているし、少女の危うさも抜群でもある)、いつしか観客はデニーロに共感し応援する事となる。デニーロが天罰を下す過程にはある種の爽快感すらあるのだが、鑑賞後は、自分の所にもいつかデニーロが現れるかもしれないという恐怖の余韻も残す。
[地上波(吹替)] 8点(2020-10-27 18:37:31)
43.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
原作は中学時代に読んで、まったく理解できず挫折。で、映画でリベンジ。尚、近年の教科書では「踏み絵」(板)と「絵踏み」(行為)は用語として使い分けられている事に留意する必要がある(原作は仕方ないが、台詞や字幕は工夫できたのではないか)。 序盤で日本人が「モノ」を求める事を神父が懸念する場面がある。これは偶像崇拝につながるからだろう。であるならば、「踏み絵」も単なる偶像崇拝に過ぎないと考えれば、絵踏みをする事にはそんなに躊躇はないはずである、という話は時々耳にする(カトリックとプロテスタントの違いはあるだろうが)。逆に日本人はモノに神が宿ると考えるので絵踏みには躊躇があるだろう。が、そもそも絵踏みをしたところで棄教したとは言えないし、こんなのは「形式的」な儀式に過ぎない。また「信仰を捨てた」と白状したとしても、本当に棄教したかどうかはわからない。なぜなら「内面の自由」は誰にも侵すことはできないし、他人の心の内などそもそも誰にもわからないからである。終盤までそういった事はうまい具合に映像表現されていたように思うが、その分ラストの「手の内」の映像は余計だった。「心の内」では心許無いので最後の最後で映像による「偶像崇拝」の誘惑に負けてしまったようにも思える(これが映画の限界なのかもしれないが)。あとは皆さん仰るように英語を流暢に話す江戸時代の日本人と「神の声」も難点ではあるが、概ね違和感なく見る事はできた。 遠藤は日本にキリスト教が「根付かない」理由としてローカライズ(日本化)に失敗したからだと述べていたと記憶している(デウスを大日如来とするのはどうかと思うが、こういう「勘違い」で広まった側面はあるだろう)。なら、沼に生える「麦」を蒔けばよいわけだが、禁教であった近世日本においても数百年間隠れキリシタンとして信仰を守ってきた事実をどう考えるべきか。16~17世紀に渡ってきて殉教した宣教師達はある種の「一粒の麦」になりえたと言えるのではないか。他方、当初は「普遍」や「真理」にこだわっていた宣教師達が「転んだ」後はある意味日本流に信仰を守り抜いたという点ではローカライズを体現したと言えるのではないか。遠藤の本作に込めた真意はわからないがそんな印象を持った。ただし、ローカライズというのも信仰スタイルの問題ではなく「原始仏教→大乗仏教」のような教義的な事が言いたかったのかもしれないし、遠藤としては人口の1%に留まっている日本の信者数への不満はあるのだろう。その起源や原因をどこに求めるのかは人それぞれではあるが、本作で描かれたような歴史を認識しておく必要はあるだろう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-24 14:55:38)(良:1票)
44.  ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 
人間の生死の境目となる定義は何か?それは意識の有無である。法的には。だから脳死はモノ扱いされる。冒頭で医療チームが意識はないと判定していたので、主人公のジョー(ジョニーではない)が独白しているのはある種のファンタジーであって、自分はずっと意識はないんだと思っていた。よって、ラストまでの思い出話的展開は冗長に感じたのだが、最後の最後で意識があり、意思疎通ができる事が判明する。そして「カネを稼ぐために」見世物にしろと要求する。さもなくば殺せと。しかし、結果的にはどちらも実現せず、医療の発展のためのサンプルとして生かされ続ける事になる(これはこれで「役に立つ」ことなのかもしれないが)。 昨今、「生産性」だとか「意思疎通ができない(だから生きる価値がない、死んで当然)」といった事や、難病患者の尊厳死(嘱託殺人?)等が話題になったりしているが、このラストシーンは人間の尊厳とは何か?をあらためて考えさせられる重いシーンである。という意味において、本作は単なる反戦映画に留まらず、もっと普遍的な生命倫理的テーマへと昇華しているように思える。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-12 10:03:23)(良:2票)
45.  E.T.
この映画は子供向けなのか?大人向けなのか?子供の頃劇場で見て、学生の頃にTVで見て、大人になって衛星で(アニバーサリー版)見て、この度17年ぶりに再見。子供や学生時代は正直面白いとか感動した印象はあまりない。こんなの子供向けの幼稚な映画じゃん!という大人ぶったイキがった気持ちがあったのかもしれない。 大人になって見ると、子供目線と大人目線の両方で見る事が出来て、大人への不信感を理解できる大人という見方が出来るようになる。子供の純粋性というのは子供には理解できないし、純粋性を失った大人になって初めて理解できるものなのかもしれない。(ちなみに、子供の残酷性は残酷性を持った大人になって理解できるのかもしれない) そして更に年を取って見ると、大人目線の比重がより高くなる。大人と言っても多種多様で、子供に銃を向けてもいいと思う大人も居れば、子供は常に守るべき存在であると思う大人も居れば、子供の心を持ち続けている大人も居いるという事がわかってくる。たぶんスピルバーグもこの辺の逡巡があって、アニバーサリー版を製作したのだろう。他方、冷めた見方をすればストーリーはたいしたことないし、映像と音楽の一体化したパワーで引っ張っているだけとも言えなくもないが、映画を総合芸術と位置づけるのであれば、それはそれでいいのかもしれない。 今後さらに年を取って見る事があるのかもしれない。その時はどういう印象を持つのだろうか?映画は見る年齢や時代状況によって見方や解釈は変わる。子供の頃にこの映画に出会って、自身の成長と共に解釈を変えつつ一本の映画を見続ける事ができるというのはたぶん幸せな事なんだろう。だから「ここ何年間で最高の作品」とか「1年で一番の映画」といった評価は難しいように思える。そういう意味では稀有な作品であると言えるのかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-31 01:43:12)(良:1票)
46.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
所謂「過去問題」。過去は存在しませんから、憧れても仕方ない。もちろん恨んでも仕方ない。「現在は常に不満。それが人生」と割り切れない人は原因を過去に求める。現政権のキャッチフレーズが「日本を取り戻す」。いつのどのような日本を取り戻すのか?そもそも取り戻せるのか?全く意味不明なコピーですけど、高度成長期よもう一度!という事なんでしょうか?ナントカ会議の隠れファシストゾンビたちは戦前の日本なのかもしれませんが。これが、どうやら国民にはウケているようで、支持率も高いようです。年齢を重ねて未来がなくなると、懐古趣味になってしまう事は仕方のない事ですけど、日本人が主人公のように目を覚ます事はあるんでしょうか?主人公は政治的にはリベラルでありながら文芸的には保守です。実は似た者同士の米仏対立・対比を通じて監督はその辺の業界事情も皮肉りたかったのかなと。哲学的でありながら政治的でもありますが抑制も効いており、ウディ・アレンも大人になったような?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-11 11:40:31)
47.  宇宙人ポール
最初はフザケタおばか映画かと思ったが、ヒロイン登場の進化論のあたりから面白くなってきて引き込まれた。一見するとファンタジーパロディーのようではあるが、米英比較や南部の排他的カントリー保守主義を皮肉る点や科学と宗教の対立(と和解?)といった隠れテーマもあり、大人版E.Tというテイストに上手く仕上がっている。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-16 15:12:56)(良:1票)
48.  卒業の朝
「歴史を知らない者は永遠に幼児である」教育の素晴らしさと難しさ。単なる感動作ではなく、ちょっと後味が悪い所が、単なる学園ドラマとは一線を画している。鏡に映る自分を直視した時何を思うか?「未熟な者は成長し 無知な者は学び 酔いは醒める だが愚か者は 永遠に愚かである」
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-26 10:25:54)
49.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 
まさに『罪と罰』の世界。富や名誉のために偽りそして苦悩するというのはありきたりではあるが好きなパターン。ひたすら神視点での情景描写が言葉によって展開されるので、小説のような映画で深みがあるようにも思えるが、映像は文字(朗読)をなぞっているだけというある種の映画の限界を提示しているとも言える。真実を明らかにして自由になれると思い込み、奔走する主人公は痛々しくもあり、清清しくもあった。ラストで女子大生が「破滅よ!」と人生の真実ぶちまけるが、自分を偽って生きる事に苦悩する人は誠実ともいえる訳で、そんなのカンケーネーで生きてる人が殆どの世の中、あらためて人生とは何か、誠実に生きる事の難しさを考えさせられた。他方、虚構にとりつかれて現実が見えなくなった者達の物語とも言えるわけで、映画の見過ぎも程々にしないといけないのかな?と思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-30 11:56:41)
50.  エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)
人は明日も今日と同じ日が来るであろうという前提で生きている。この世の終わりはいつか来るのかもしれませんが、自分が生きている間はたぶん来ないでしょう。でも、自分はいつか死ぬ。自分が死ねばこの世は終わりとも言えるわけで、これは余命十数日を宣告された人々の物語とも言えます。さてそのタイムリミットに向かって人はどう行動するのか?各々の価値観や死生観、生き方が問われるのでしょう。劇的なドラマや物語はありませんが、それが返ってリアリティーがあり、「この世の終わり」への想像力を喚起させられる作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-25 02:51:47)(良:1票)
51.  パーフェクト・カップル
聖人君主などいないし、誰でも叩けばホコリぐらいは出てくる。目的のためには手段を選ばない事の是非。相手を潰すために戦う事の難しさについて考えさせられた。政治家や有名人になろうとする人は相当な鈍感か、タフではないといけないのだろうな。この時代よりもネット社会は進行し、衆人監視の中、ありとあらゆる事が検証されて、暴かれるし。先日の五輪エンブレム問題などはよい例だ。一度暴かれたら再起不能になる。それにしても邦題はどうにかならないか。夫婦モノコメディーを連想させてしまい、全く内容と異なる。
[地上波(字幕)] 8点(2015-09-04 12:57:01)
52.  トータル・リコール(2012)
「人は本当の自分を知りたいと思うものだが、その答えは過去にではなく、その人の現在に隠されている。過去というのは脳が作り出したものにすぎない。人はそれを真実だと思い込んでしまう。だが、心は今を生きようとする」この台詞に引っ掛かるかどうかで評価は変わるのでしょう。過去とは?記憶とは?現実とは?自分とは?そして生きるとは?非常に哲学的で人間の根源的テーマが扱われており、鑑賞者への問題提起がある。
[地上波(吹替)] 8点(2015-08-20 11:13:34)
53.  J・エドガー 《ネタバレ》 
少々頭のいい人ではあるのだろうが、所詮だたのイチ公務員であり組織人に過ぎず、選挙の洗礼はない。だからこそ50年弱も大統領も恐れる権力者として君臨してきたという事実。組織・立場・役割・権力・権限に人は付き従いそして魅了され、虚勢を張る。それがいつのまにか自分の力であると勘違いをする。それは己の弱さや愚かさの裏返しでもある。これは有名人に限らず、数多の人間に共通する性であろう。その人間の表と裏をレオが上手く演じ分けていた(老年役も頑張っていた)。FBIモノとしてのストーリー性やサスペンス的要素はないし、英雄的とは言えない主人公にも共感できる部分も皆無ではあるので評価が低いようだが、人間ドラマとしてよくできていると思う。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-28 11:57:09)
54.  最高のともだち 《ネタバレ》 
中年になるとどうしてこういう大人になってしまったんだろうと思う事がよくある。すべき事をしたからなのか?すべき事をしなかったからのか?その根っこにあるのは何なのか?中学時代の経験はやはり大きい。家庭環境は?教師は?友人は?その他誰と出会い、どんな文芸に触れたのか?間違いも犯すし、場合によっては取り返しがつかない事もある。そこで人生はある程度決まってしまうと言っても過言ではない。そういう思春期の危うさや痛みはよく描かれていた。それから30年後。変わったものと変わらないもの。人生はやり直しがきかない。一応ハッピーエンドだし郷愁がありハートフルなようで、逆に人生の難しさ・厳しさも感じる結構重い作品。好きだった少女のその後も知りたかったけど、それはヤリスギか?
[CS・衛星(吹替)] 8点(2015-06-18 10:16:28)
55.  人生万歳!
「人生は理論じゃない」なんでもありの諸行無常で、毎日死に向かって歩み、そしていつかは必ず死ぬ。さて、これからどうする?って話だけど。映画見るヒマあんなら、街でナンパでもしてこい?要するに、性の喜びと死の恐怖は皆平等って事であり、そこに薀蓄の余地はなしって事なのかと。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-06-03 12:32:28)
56.  クレアモントホテル 《ネタバレ》 
老いて死ぬ事の現実と余命の微かな夢と希望。自立やプライバシーを求めつつもやはり寂しさもある中での高齢者専用?のホテル住まい。切なさとユーモアがあり、とても上品でちょっとファンタジックでもあるが、リアルな現実もある。青年がデキスギ君だったのはちょっと気になるが、小説を書く原動力・作家的好奇心と考えれば納得の範囲か。が、所詮夢見る夢男のプータローでしかなく、他人から見れば優しい青年であっても、親としては出来損ないの息子なのであろう。それを擁護できるのは他人ならではだろうなとは思う。自分はこんなに優しく親切にはできないだろうが、これほどの気品ある老婦人なら友達になってみたいと思わせるものはある。シミだらけの手にキスするシーンは、ちょっと過剰演出かな?という気もしたが。若干自暴自棄的な台詞はあったものの、最後まで弱みを見せずに気丈に振舞ったのは矜持なのだろうが、もうちょっと青年に弱みを見せてもよかったのではないか。そういう甘えがないから、上質でストイックな作品に仕上がっているとも言えるけど。人が倒れてもケータイジリをしている優しさの欠片もない青年とは正反対な娘と和解して欲しいと思う反面、そこまでやるのは邦画的でちょっとヤリスギなのかなと。青年も母とは不和のままだし、他人の優しさの反面、親子の確執は解決せず厄介さを残したままというのもリアル感がある。ラストで青年が実娘に声もかけずニヤリと立ち去るシーンが印象的。私もいずれ『逢びき』を観てみたい。また、『メゾン・ド・ヒミコ』と比較してみるのも面白いかも。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-05-22 11:35:23)
57.  ラスベガスをぶっつぶせ 《ネタバレ》 
これはギャンブル映画ではなく青春映画でしょう。ギャンブルで一番大切なのは頭脳ではなく理性であり、そして人はカネを手にするとどうなるのか?頭は良くても、精神的に未熟な学生たちがその事にどう向きあったのか?という事がテーマであり、頭脳戦の中身やらテクニックを伝えたいわけではないので、カウントやらブラックジャックのルールなどは重要ではなく、理解できなくとも問題はないでしょう。ラストは綺麗にまとめてしまい、事実とはかなり違うのでしょうけど、娯楽作品としてよくできています。但し、もうちょっと現実の厳しさがあってもよかったように思いますし(モデルとなったアジア人はディーラーとして出演しており、現在はギャンブル予想をする会社経営らしいです。やはりギャンブルで生活することはいろいろと難しいのでしょう。)、逆にカウントで暴行受けるのは極端かなという気はします。が、内容的には夢・希望・友情・師弟・恋愛・欲望・傲慢・嫉妬・裏切り・挫折・破滅・復讐等々青春の要素がテンコ盛で、主人公も成長過程をうまく演じ分けていたと思います。ラストのストーンズ『無情の世界』の「You Can't Always Get what You Want」もとても作品にマッチしてました。(同じ学費を稼ぐために学生がギャンブルする『ラウンダー』と比較して見ると面白いです)
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-05-19 11:50:38)
58.  ディファイアンス 《ネタバレ》 
さしずめインテリが肉体労働しながら「戦う力は必要だ。だが、他にも考える事が・・・”共同体”」と主人公を諭すあたりから話が面白くなってくる。インテリと武闘派の板ばさみ。その他強者と弱者の扱い等々、共同体を維持していくためにリーダーとして只管苦悩し続ける。で、戦争映画の体裁を取った、政治というか共同体の話に転換していく。様々な苦渋の決断を下しながらも追い詰められていく主人公。次男の方もソ連軍に加担するものの、人はイデオロギーではなく感情で動く事を思い知らされる。そして終盤ギブアップ寸前になった主人公はもはや混乱状態で決断ができなくなる程の機能不全に陥る。この辺は映画にありがちな強力なリーダーや英雄ではない人間らしさがあってよいです。が、エンディングに向けて成長した3男の励ましやら、仲違いした次男の助けによって困難を切り抜けて終了。「奇跡は起きない、起こすんだ!」とやっておきながら、結局奇跡的に助かってしまうのかよ!とツッコミを入れたくなります。制作上仕方ないのかもしれませんが、この辺はかなりご都合主義で、「やっぱ兄弟愛!」みたいになってしまって、これまでの緊張感を台無しにするくらいラストで脱力してしまうのですが、よく解釈すれば不完全ながらも弟たちから信頼され、愛され続けた兄だからこそ、救世主たりえたわけであり、これはこれでよいのではないのかとも思えてきます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-05-18 12:25:01)
59.  天国から来たチャンピオン 《ネタバレ》 
30年ぶりぐらいに見たが、「蘇り系」の作品として面白かったという記憶だけあった。中年になって見ると、悔いの無い死などはるはずもなく、そして人間いつ死ぬかわからないし、やり直しもきかないという事を痛感させられる。これが「蘇り系」の作品の魅力なんだろう。富豪は嫌な奴だったので殺したくなんたんだろう。でも変化に気づいて妻も改心という展開だとさらに面白かったんだけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-04 11:24:47)
60.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
共和党支持でライフル協会に入ってそうな朝鮮戦争で勲章もらった老人(おまけに神父をからかう無神論者)が、ベトナム戦争の移民との交流により心情変化し(この過程は微笑ましくてよかった。家族との確執の描き方は松竹かと思えるほど)最後は自己犠牲で復讐の連鎖を終わらせる。これは斜陽産業である自動車産業(フォード工場勤務とトヨタ営業の親子ってのはちょっとベタだが)や移民・貧困・差別等々のアメリカの没落や病理を描きつつ、戦争批判したものなのだろうが、復讐の連鎖が終わるのは警察や裁判制度が機能しているから。テロとの戦いに翻弄され、裁判もせずにビンラディンを暗殺したアメリカはもはや世界の警察などではない。結果、復讐の連鎖は終わらず、延々と続いている。イーストウッドのメッセージは米人にどのように届くのか?所詮ファンタジーでしかないのか?この世から復讐の連鎖は終わるのか?なんか答えの出せないまま終わってしまいモヤモヤ感は残るが、正義の復讐ばかりを演じてきたイーストウッドによるこの難問提示がラストメッセージなのかと。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2014-09-24 11:09:39)
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