Menu
 > レビュワー
 > かたゆき さんの口コミ一覧。33ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071
>> カレンダー表示
>> 通常表示
641.  運び屋 《ネタバレ》 
90歳にしてアメリカ最大の麻薬密売組織の運び屋となった男を実話を基にして描くクライム・サスペンス。監督・主演を務めるのは、もはやハリウッドの生ける伝説と言っても過言ではない御大、クリント・イーストウッド。名作『グラン・トリノ』で名実ともに俳優業からは引退と思っていましたが、まさかこんな役でカムバックするとは嬉しい驚きですね。沢山の家族に囲まれ枯れた余生を謳歌するような幸せな老人ではなく、ひりひりするような綱渡り生活を続ける麻薬の運び屋役というのがまた彼らしい。ストーリー自体は極めてシンプル。でも、無駄を削ぎ落したその物語はとてもサスペンスフルで最後まで引き込まれて観ることが出来ました。ここらへんは長年の経験がなせるベテランの技なのでしょう。いつ、この爺さんが事故っちゃわないか、いつ警察にバレて窮地に陥ってしまわないか、あるいはいつヘマをして麻薬組織から酷い目に遭わされはしまいかと終始ハラハラしっぱなしでした。その中で、最初は反発し合っていた監視役のチンピラと、何気なく一緒にポークサンドを喰ったことでほのかな友情が芽生えるというエピソードはなかなか微笑ましい。そして終盤、長年連れ添った元妻の危篤を知った主人公が葛藤の末に取った行動には、本当に胸が締め付けられる思いでした。ここには90年がむしゃらに生きてきた老人の生き様がしっかりと詰まっている。ブラットリー・クーパーやアンディ・ガルシアといった、油の乗った俳優たちも彼の前では単なる引き立て役になっていたのも凄いことだと思います。人生の深い哀歓を感じさせる、渋みに満ちた人間ドラマの佳品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2019-09-26 22:28:24)
642.  ザ・マウンテン 決死のサバイバル21日間 《ネタバレ》 
大嵐が近づき、大混乱へと陥っているアメリカの大空港。軒並み定期便が欠航してゆく中、明日の結婚式にどうしても出席したいアレックスは、ジャーナリストとしてのコネをフル活用し、小さなセスナ機をチャーターすることに成功する。あとの問題は資金面。彼女は偶然、同じようにどうしても今日中にデンバーへと帰りたいというベンという名の医師に出会う。神経外科医である彼は明日、12歳の子供の手術の予定が控えているのだ。費用を折半し、小さなセスナ機に乗り込んだ二人は、急いで目的地へと向け離陸してもらう。だが、その途中で操縦士が脳梗塞を起こし、セスナ機は呆気なく雪山へと墜落してしまうのだった――。生き残ったのはまだ出会って数時間しか経っていないそんな男女二人と、一匹の犬のみ。無線は壊れ、携帯も圏外。しかも彼らが飛行機に乗り込んだことは誰にも知らせておらず、救助が駆け付けてくる可能性は皆無に等しい。見渡す限りの雪山が続くこの絶望的な状況の中で、それでも彼らは一歩ずつ歩き始めるのだった。生きる希望を失わないために…。そんな過酷な大自然へと突然放り出される男女を演じるのは、ベテランのケイト・ウィンスレットとイドリス・エルバ。映画の大半はほぼこの二人だけで進んでいくのですが、この演技派二人のキャスティングは大成功でしたね。過酷な状況にどんどんと追い詰められてゆく二人を説得力抜群に演じていて、もう観ていて息が詰まるほどでした。野生の肉食動物や猛吹雪など、襲い来る自然の驚異はベタですけどやはり手に汗握っちゃいますね。そんな中、二人と行動を共にする耳垂れ犬がとても健気で、この重い物語のいいアクセントとなっています。ただ、ストーリーは良くも悪くも非常にシンプル。もうタイトルそのままのど直球の内容なので、最後まで新鮮味といったものはほとんどありませんが、それでも丁寧な演出のおかげで僕は最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。最初は反発し合っていた二人が幾多の困難を乗り越えていく中で次第に心を許してゆき、婚約者がいるにも関わらず…というのはオーソドックスながらなかなか切なかったですね。どこまでも続く雪山の映像もほれぼれするほどキレイで見応え充分。最後、二人が助かってからの展開がかなり蛇足感が強く、特にラストシーンがメロドラマに寄り過ぎなのが僕的にちょっと不満でしたが、それでも充分見応えのあるサバイバルドラマの佳品でした。うん、お薦めです。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-26 22:22:31)
643.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
冒頭からあのジョン・コナーが自らの父親となるカイルをタイムワープ装置に送り込み、そこから一作目の時代へと舞台が移行するシーンで摑みはばっちりでした。あの小学生のころから何度も観てきた世界が最新の映像技術で復活か!!と僕のワクワクは頂点に――。でも、本作のピークはそこまででした。そこから何故かもう一人のT‐800が出てきたり、2に登場したリキッドメタルが襲ってきたり、サラ・コナーがすでにムキムキの戦闘おねーちゃんになってたり、開始早々ストーリーがもう無茶苦茶ですやん。「いったいどういうことやねん!」という僕の疑問に、一応パラレル・ワールドやらタイム・パラドックスやらで説明してくれてはいますけど、全く納得できるものではありません。話が進めば進むほど無理が大きくなるので、後半のクライマックスなんてもうグダグダしててさっぱり面白くなかったです。シュワちゃんの名ゼリフ「アイル・ビー・バック」なんて無理やり挿入した感が半端ないですし。また、妙にコメディ要素を突っ込んでくるのもものすごく違和感ありました。結論。『ターミネーター』シリーズの最新作としてはもちろんのこと、普通のSFアクションとして見てもかなりレベルの低い作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2019-09-26 22:08:00)
644.  死の谷間 《ネタバレ》 
核戦争後の荒廃した近未来。数少ない生存者である若い女性アンは、唯一核汚染を免れた小さな谷間で独りぼっちで暮らしていた。大自然に囲まれ、心の拠り所は父が遺していった小さな教会で毎日神に祈りを捧げること。今日も彼女はたった一人、一匹の老犬とともに誰も居ないコンビニから生きてゆくための食糧を調達してくる。そんなある日、唐突にその狭い谷間に防護服を着た黒人の男がやってくる――。誰も居ない世界で孤独に押し潰されそうになりながら暮らしていたアンは、久しぶりに交わす人との会話に喜びを隠せない。彼と一緒に暮らすことになったアンは、自然と心を許してゆくのだった。次第に惹かれ合っていく二人。だが、そこに新たに白人の若い男がやって来たことで、彼らの関係は微妙に壊れ始めてゆく……。絶望的なディストピア世界で揺れ動く男女の心の機微を淡々と描いた心理ドラマ。なんですけど、見事なまでにつまんない作品でしたね、これ。予算の関係なのか、ディストピア映画なのに、こんなに終末感のない映画も珍しい。なんか近場のキャンプ場で撮ったんじゃないかってくらい未来描写が皆無でした。当然ずっと山の中で物語が進行してゆくわけですが、これがただでさえ絵面が変わらないのに、肝心の物語がまあつまんないせいで最後まで観るのが苦痛で仕方なかったです。人類の危機なのに、やってることは終始まどるっこしい三角関係で深みも何もあったものではありません。また、信仰心に篤いヒロイン役をやったマーゴット・ロビーも全然役柄に合っておらずミスキャストもいいところ。最後のオチにいたっては、「こうやって思わせ振りのまま終わらせたら芸術っぽくなるんでしょ」という監督の浅はかな狙いが透けて見えて、もう腹立ってきましたわ。いやー、久しぶりにこんなつまらない映画を観てしまいました。
[DVD(字幕)] 2点(2019-09-26 22:00:53)
645.  クロノス・コントロール 《ネタバレ》 
いまから100年後の未来社会、高度な人工知能「クロノス」の暴走により、人類は絶滅寸前にまで追い詰められていた。開発者であるエライアス博士は肉体を捨て、バーチャル空間で生きながらえながら、地球の敵である人類との戦いを指揮している。そんな折、森の奥深くに潜み反撃の機会をうかがっていたレジスタンスの前に一人の謎の人物が現れるのだった――。彼の名は、アンドリュー。何故か彼は今から100年前の人類大破滅以前の記憶を有していた。果たして彼は何者なのか?彼と同行することになった女兵士カリアは、更なる驚愕の事実を知ることになる…。強大なロボット軍団を率いる人工知能「クロノス」とレジスタンスとなってゲリラ戦を展開する人類との種の存亡を掛けた戦いを壮大なスケールで描いたディストピアSF。なんですけど、いやー、これがなかなかトホホな出来の典型的なB級映画でした。冒頭こそ、地球規模の大破滅を描いているのですが(そのCGがけっこうショボいのはまあ予算の関係なんで目をつぶりましょう!)、その後の97年後の未来社会の描写が明らかにどっかの森で撮影していてまったく未来感が皆無なのはさすがにあかんでしょ。この絵的にも地味な舞台に出てくる登場人物もかなり地味な男女二人で、この二人がひたすら森の中をとぼとぼ歩くだけという展開が中盤までだらだら続き、もう眠いったらありゃしない。そしてこの二人が次第に惹かれ合っていくという展開もまあベタだし、その描き方もかなり雑なんで観ていてホント腹立ってきます。肉体を捨ててサイバー空間に生きる黒幕エライアスもただひたすらこいつらを見守るだけで、とても人類を滅亡寸前にまで追い詰めたような凶悪な存在には思えません。また、この黒幕を演じているのはジョン・キューザックなのですが、これがかなりやっつけ感が半端ないです。そして最後、まさかの人類地球脱出からの全面宇宙戦争開幕直前でハイおしまい。なんすか、この適当なオチは(笑)。うーん、観るだけ時間の無駄の駄作というほかありません。
[DVD(字幕)] 3点(2019-09-25 22:07:11)
646.  白い肌の異常な夜 《ネタバレ》 
南北戦争時代、まるで桃源郷のような女学園へと迷い込んだ北軍兵士の男のそのハーレム生活と破滅を濃厚に描いたサスペンス・ドラマ。ソフィア・コッポラのリメイク版がなかなか良かったので、オリジナルである本作もこの度鑑賞してみました。いやー、噂に違わぬ変な映画でしたね、これ。12歳のいたいけな少女から年増の園長先生まで、まさに男の妄想全開のハーレム状態。え、これって原作はフランス書院か何かですか(笑)。というか、主人公はじめ登場人物全員がおかしな行動を取り続けるので、最後まで居心地が悪いったらありゃしない。特に脚を切り落とすシーンなんて、「え、なんでそーなるの?」って感じでした。そして目覚めた男は居直って堂々の「お前ら全員俺の女だ。いつでも好きな時に抱く」宣言。なんでやねん!挙句、最後は何故かみんな仲直りして一緒にディナー……と思ったら、12歳の女の子による毒キノコであえなく昇天。おのれのキノコのツケはキノコで清算ってことですか…。いったいコレ、ほんとに何を描きたかったんでしょうね(笑)。ソフィア・コッポラのリメイク版は、女性たち目線でストーリーを語り直すことによって全く不自然さを感じさせなかったのはさすがでした。若かりし日のクリント・イーストウッドが何故か出ているこの珍品、興味のある方はぜひどうぞ。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-24 20:03:43)(良:1票)
647.  ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ 《ネタバレ》 
パキスタンからアメリカへと渡ってきた移民の青年、クメイル。故郷とは何もかも違うこの自由な地でコメディアンを志した彼は、シカゴの小劇場で地道な下積み生活を続けていた。そんなある日、いつものように舞台で故郷のパキスタンを揶揄するようなネタを披露していたクメイルに、客席から若い女性が野次を飛ばしてくる。その場は軽くやり過ごしたものの、動揺を隠せないクメイルは舞台の後に彼女に文句を言いに行くのだった。彼女の名は、エミリー。成り行きで何故か一緒に酒を飲むことになった彼らは予想外に意気投合し、そのままクメイルの家で一線を越えてしまう――。一夜限りの関係で終わるはずだった。だが、クメイルはその後、何度も彼女と会い、数か月後にはすっかり彼氏彼女の関係になってしまっていた。そろそろお互いの家族に紹介するタイミング。でもクメイルには一つの悩みの種があった。彼の家族は皆敬虔なイスラム教徒で白人のアメリカ人など到底認めてもらえないだろうということ。そのことが原因で次第にギクシャクしていく二人。そんな折、エミリーが原因不明の謎の難病を発症し昏睡状態へと陥ってしまう…。文化の違いを乗り越えて愛を育もうとする若い恋人たちを襲った突然の悲劇を、実話を基にして描いたラブ・ストーリー。自らの体験を本人自らが演じていることでも話題となった本作、アカデミー脚本賞ノミネートということで今回鑑賞してみました。うーん、正直僕の好みとは合わない作風でしたね、これ。この重たいテーマを最後まで軽くライトに描くという狙いはいいと思うのですが、なんだか物語のテーマがいまいち絞り切れていない印象。難病に犯されてしまった彼女との関係を深く見つめ直す青年の恋物語とパキスタンとアメリカの文化の違いに自我を引き裂かれていく青年の自立の物語が最後までうまく絡み合っていないように感じました。その証拠に、クメイルの家族とエミリーが顔を合わせることは最後までほとんどありません。この両者の葛藤を描いてこそ、このテーマはより活きてくるように思うのですが。本人が自ら演じていることもあり、なんだか終わってみれば結婚式のよくある新郎新婦の馴れ初め再現映像ロング・バージョンのように思ってしまいました。ただ、エミリーの両親を演じたベテラン勢二人はなかなかのいい仕事ぶり。最後まで興味を失わずに観られたのは、この二人の魅力によるところが大きい。
[DVD(字幕)] 5点(2019-09-19 02:24:38)
648.  ローガン・ラッキー 《ネタバレ》 
家族全員が何らかの不幸を抱え込んでいる、自称・呪われた家族、ローガン一家。そんな自らの呪われた人生に一発逆転を図るため、レース会場の地下に隠された金庫の強奪を計画したローガン家の兄弟と彼らの仲間たちの活躍をサスペンスフルに描いたクライム・アクション。監督はこの手の分野を得意とする、『オーシャンズ11』などで有名なスティーブン・ソダーバーグ。主演はチャニング・テイタムをはじめとした若手陣に加え、ダニエル・グレイグやヒラリー・スワンクといったベテランが脇を固めております。まあ事前の予想通りの超ベタベタな内容ではありましたけれど、エンタメ映画としてのツボは押さえられていたので僕はぼちぼち楽しめました。脚本は突っ込みどころ満載ですが、華のある役者たちと終始流れるノリのいい音楽、サクサク進むストーリー展開のおかげで最後までストレスなく観ることが出来ます。まあ三日後には完全に内容を忘れてしまいそうな作品ではありますけど、ヒマつぶしで観る分にはちょうどいいんじゃないですかね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-17 01:56:10)
649.  バトル・オブ・ザ・セクシーズ 《ネタバレ》 
男女差別が公然とまかり通っていた時代に、それぞれの立場を代表して一大試合を決行した世界トップクラスのテニス選手の男女。自らの信念を守るために男と女の垣根を越えて戦った彼らの生き様を実話を基にして描いた社会派スポーツ・ドラマ。うーん、なんか個人的に合わない作品でしたね、これ。そう思ってこの監督の過去の作品を調べてみて納得。僕の大嫌いな『リトル・ミス・サンシャイン』の監督の作品だったのですね。この人のまるで道徳の教科書のような枠に嵌まった倫理観が僕は昔からどうにも苦手で、今回も全く受け入れられませんでした。「男女差別は止めましょう」「社会的弱者をいたわりましょう」「お互いの個性を尊重しましょう」みたいな、そんな当たり前の薄っぺらい価値基準をこうまで正々堂々と押し付けてくるこの人たちの作風が、本当に嫌い。これはもう好みの問題なので如何ともしがたい。
[DVD(字幕)] 4点(2019-09-05 19:23:37)
650.  タリーと私の秘密の時間 《ネタバレ》 
二人の子供の母として日々子育てに追われる中年女性、マーロ。長女はそこまで手はかからないものの長男は情緒障害からか問題行動が多く、一時たりとも目が離せず気が休まる暇がない。そんな折、彼女に予期せぬ妊娠が発覚するのだった――。無事に次女が誕生したものの、肝心の夫はそこまで積極的に育児に関わろとせず、マーロのストレスは頂点に。このままでは身も心もパンクしてしまいかねない。仕方なく、彼女は兄夫婦の勧めで夜間だけ働きに来てくれるベビーシッターを雇うことを決意する。やって来たタリーと名乗る彼女は想定外に若く、最初は戸惑いを隠せないマーロだったが、その見た目と違うタリーの極め細やかな仕事ぶりに彼女は次第に心を許してゆく。子育てやそれまでの恋愛経験、そればかりか現代の夫との性生活にいたるまで何でも話せる関係へと発展してゆく二人。今にも底が抜けそうな橋の上を恐々と歩き続けるようなマーロの生活は、どんどんと潤いに満ちたものになるのだった。だが、彼女たちのそんな濃密な関係はやがてすぐに終わりを迎えることになって…。三人の子供の子育てに翻弄される母親と自由奔放な若いベビーシッター、彼女たちの友情と再生を温かな目線で見つめたヒューマン・ドラマ。監督はこの手のジャンルを得意とするジェイソン・ライトマン。本作の見どころはやはり、主演を務めた人気女優シャーリーズ・セロンのその真に迫った熱演ぶりでしょう。本作の撮影のために30キロも太っただけあって、終わりの見えない子育てに追い詰められた母親を実にリアルに演じていて、もう見ていて息苦しくさえありました。そんな彼女に訪れる心のオアシス。夜間だけのベビーシッターであるタリーがとても魅力的で、彼女がマーロの心の支えとなってゆくのが実に自然に丁寧に描かれていて好感度は高い。「カップケーキも作れない」と嘆くマーロのためにタリーがした行動は本当に微笑ましかったですね。だけど、急にタリーがウェイトレスの制服を着ておかしな行動を取る辺りから徐々に違和感が。「あれ、どういうこと?」と思っていたら、最後に驚きの種明かし。うーん、ちょっとこれはどうなんですかね。ホラーやサスペンスの分野ではよくあるオチなのですが、こういう地味なヒューマンドラマでこのネタは確かに新しいと言えば新しい。でも、さすがにちょっと無理があるような気が。僕は素直に受け入れることが出来ませんでした。でも、それは好みの問題。賛否は各々で判断してもらうとしても、現在、子育てに悩んでいる母親の皆様に是非観てもらいたい作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-05 19:15:15)
651.  マイノリティ・リポート 《ネタバレ》 
スピルバーグ監督&トム・クルーズ主演、フィリップ・K・ディック原作による知的仕掛けに満ちたSFエンタメ作品。ずっと前に観た記憶のある本作なのですが、細部の記憶がすっかり抜け落ちてしまっていたので、今回改めて鑑賞してみました。確かに僕の大好物であるタイム・パラドックスネタで、しかも映像的にもかなり斬新な表現が多く(特にあの人間の網膜を調べて回る蜘蛛型ロボットはナイス造形!)、けっこう面白かった。なのですが、やはり惜しいのは脚本。途中まで、何故自分が殺人を犯してしまうと予知されたのかを巡るサスペンスがかなりよく出来ていたので、真相が明らかにされた後の蛇足感が凄い。あのままバッド・エンドでもいいので、主人公が結局殺人者になって終わる展開でも良かったのでは?でもまあそこまでの当時のCG技術の粋を極めたであろうアクションシーンはかなりの迫力だったし、トム・クルーズも若くて格好良いし、プルコギの神秘的な描写もエキゾチックで大変良いし、ピーター・ストーメアをはじめとする脇役陣もいい仕事をしていたし、単純にエンタメ映画として僕はなかなか楽しめました。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-01 23:33:17)
652.  ザ・シークレットマン 《ネタバレ》 
アメリカ史上初めて、大統領を辞任に追い込んだニクソン大統領による民主党本部盗聴事件。いわゆるウォーターゲート事件。長年の謎とされていた、この事件の密告者である通称〝ディープスロート〟は最近になって元FBI副長官であったマーク・フェルトであると明らかにされたが、本作はその事実を基に決して権力に屈しなかった男たちの熱いドラマを静かに描いたポリティカル・サスペンスだ。物語の焦点となるマーク・フェルト役を人気俳優リーアム・ニーソンが演じている。何十年にもわたり、この組織のトップに立ち続けてきたフーバー長官の突然の死(そう言えば、過去にクリント・イーストウッド監督作でレオナルド・ディカプリオが彼を演じていた)から、この重厚なドラマは幕を開ける。独立した機関として長い間、絶大な権力を有してきたこの組織に何らかの楔を打ち込みたいとホワイトハウス側が画策し、今度はそれに反発したFBI側が徐々に態度を硬化させて両者の対立が表面化し始めたそんな折にその疑惑が明るみに出るのだった。現役の大統領による重大な不正疑惑――。お互いの権益を守るために、ニクソン大統領(そう言えば、オリバー・ストーン監督作でも名優アンソニー・ホプキンスが彼を演じていた。やはりこの事件は多くのアメリカ人にとって非常に重要な意味を有しているのだろう)との権坊術数渦巻く政治劇が展開される。この徹底的な事実考証に基づいたであろう丁寧な演出は、事実の重みとも相俟ってなかなか見応えがあった。民主主義の正義を建前に、自らの立場やプライドを賭けた男たちの闘いはきっと今も権力中枢で繰り返されているのだろう。そう思うと物語の発端となるフーバー長官の突然の死も本当に病死だったのかと疑いたくなってくる。権力の正体というものを改めて分からせてくれる佳品に仕上がっていたと言っていいだろう。ただ、自分には不満な点も多々。ストーリー展開が事実を追うことに焦点を絞るあまり、少々ドラマ性に欠けているのだ。このマーク・フェルトという人物の人間的な側面をもっと見たかったような気がしなくもない。失踪した彼の娘の存在など、そのための格好の材料となりそうなものなのにその部分は意外にあっさりと流してしまっているのが惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2019-08-31 01:14:48)
653.  ブロークン・フラワーズ 《ネタバレ》 
かつて様々な女性たちと浮名を流し、名うてのプレイボーイとして名を馳せたドン・ジョンストン。そんな彼も寄る年波には勝てず、同棲していた女性にも振られ、いまや自由気儘な独り身として空しい毎日を過ごしている。そんなジョンの元にある日、ピンクの封筒に入った差出人不明の手紙が届くのだった。「あれから20年経った今、あなたに伝えておきたいことがあるの。あなたと別れてから私は妊娠に気付いた。あなたには知らせず、私はその子を産んだわ。そして一人で育ててきた。そう、あなたには今年20歳になる息子が居るのよ」――。当然、寝耳に水のドンは、にわかにはとても信じられなかった。真相を確かめるため、ドンは20年前に付き合っていた心当たりのある女性たちを今さらながら訪ねて回ることに。小綺麗なスーツに身を包み、ゆく先々でレンタカーを調達し、彼は当時付き合っていた5人の女性たちの元へと旅立つのだった。その手に毎回ピンクの花束を握りしめて…。インディペンデント映画界の巨匠ジム・ジャームッシュ監督のカンヌ映画祭グランプリ受賞作。いかにも彼らしい、このトホホな親父のゆる~い一人旅を描いた本作、なかなか味わい深いロードムービーの佳品に仕上がっていましたね。20年前に付き合っていた元カノたち4人(5人のうち1人は亡くなっている)に、自分の息子を勝手に産んでいないか確かめるために旅に出るというこの設定がまず秀逸。男って、何年経ってもかつての恋人たちには自分を愛したことを今でも覚えていてほしいと思うバカな生き物なんで、「あぁなんか分かるわ~」と苦笑交じりに共感しちゃいました。そして相手の元カノたちもそれぞれ四者四様の人生を歩んできたことがしみじみと分かるなかなか個性豊かな面々で、なんだか凄く良かったです。最初の酒に酔ってすぐに身体を許しちゃう軽ーいノリの元カノ(その娘もね!)から、見栄っ張りな経営者、スピリチュアルにいっちゃったアニマル・セラピスト、そして現在とても幸せとは言えない境遇に居る元カノまで、なんだか人生の哀歓を感じさせてじんわりと切なさがこみ上げてきますね。これぞ、ジム・ジャームッシュ節!ただ、惜しむらくは肝心のことの真相。きっと、敢えて真相を謎のままにして終わらせたんだと思うんですけど、さすがにここまで引っ張といてこれはないですわ~。手紙の送り主や息子の真偽など、もっとすっきりとさせて終わって欲しかったです。それまではすこぶる良かっただけに、ラストだけがなんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2019-08-28 17:49:36)
654.  スイス・アーミー・マン 《ネタバレ》 
たった独りで無人島に漂流した若い男と、腹に溜まった腐敗ガスによって常に〝おなら〟が止まらない一体の水死体。あろうことか、男はその水死体に跨ると腐敗ガスを動力として島からの脱出を図る。その「水死体ボート」の力で何処かの海岸へと辿り着いた男は、その命の恩人である水死体を担ぎ、人の姿を求めて深い森の中へと分け入ってゆく。すると、死んでいたはずのその水死体が何故か彼に話しかけてくるのだった――。心に闇を抱えた孤独な男と喋る水死体との決死のサバイバルを不条理な展開で見せるシュール・コメディ。という設定だけ聞くと超おバカな映画のように聞こえるし、実際海の上をおならの力で疾走する冒頭のシーンから下ネタ全開でけっこう振り切れたそのエピソードに摑みはばっちりでした。でも、この映画のピークはその冒頭10分のみ。その後は中途半端に哲学的かつシュルレアリスムな展開になるのですが、これがまあ独り善がりもいいところ。正直言って監督やスタッフ、俳優たちが内輪のみでこの悪ノリを楽しんでるだけで、映画としては非常に出来が悪いとしか言いようがありません。もう完全なる出オチ映画でしたね、これ。見事なまでに全部のネタがすべっちゃってます。率直に言って、この作品は映画としての枠組み(主題)が全く固まっていないので、その中で何をやられてもまるでノートに書かれた落書きを見せられているようなもので面白くもなんともありません。死体役を演じたダニエル・ラドクリフ君も「どうだい?ハリー・ポッターイメージからの脱却に苦しむ僕が迷走の末、こんなキワモノ役を演じちゃってるぜ。どうぞ、みんなで笑っちゃってくれ」という自虐的な思惑が透けて見え、なんか痛々しくて逆に笑えないんですけど!まあ時間が短かったのと、つまらないけれどそこまで腹立つほどでもなかったので、ぎり2点で。
[DVD(字幕)] 2点(2019-08-28 17:44:57)
655.  スカイスクレイパー 《ネタバレ》 
香港に建つ超高層ビル。そこで突如として巻き起こった大火災へと、家族を救うために立ち向かったお父さんの大活躍を描いたエンタメ・アクション。主演は人気アクション俳優、ドウェイン・ジョンソン。観る前から分かってはいましたが、まあベタベタな内容でしたね、これ。『タワーリング・インフェルノ』と『ダイハード』のいいところを掻い摘んで一緒にしてみましたって感じ。ただ、内容は超絶薄っぺらい。別にエンタメ映画なんでそれでもいいのですが、なんか脚本と演出がいまいちなせいで最後まで盛り上がりに欠けるのが本作の残念なところ。「そこ、もっと盛り上げるとこっしょ」といった部分をあっさり流しちゃうのがほんと勿体ない。また、この薄い内容でやたら人が死ぬのもちょっとどうかと思います。うーん、感想を訊かれると「なんか、微妙…」というのが一番しっくりくる作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2019-08-26 23:03:08)
656.  ミスター・ガラス 《ネタバレ》 
『アンブレイカブル』『スプリット』に続く、M・ナイト・シャマラン監督による三部作の最終章。はっきり言って別に好きでもなんでもないシリーズなんですけど、何故か前二作を観てしまったので、もう仕方なしに今回鑑賞してみました。まあ前二作よりは良かったとは言え、自分にとってはやはり面白くない。最終章なのに、なんか地味でこじんまりと纏まってしまってるような。最後、オオサカ・ビルに皆が集まって世間が見守る中、三人の一大決戦が始まるのかと思いきや、そうはならず。「え、ここまで引っ張といて、結局行かんのかい!」とずっこけそうになりました。前作に引き続き、ジェームズ・マカヴォイもとても幾つもの人格をちゃんと演じわけてるとは到底思えません。うーん、やはり自分には何が良いのかさっぱり分かりませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2019-08-26 22:45:13)
657.  ダウンサイズ 《ネタバレ》 
いまや危機的状況にある環境汚染を劇的に改善させるために編み出された、究極の手段。それは人間の身体を10センチ程度のミニサイズに縮めてしまうこと。そうすれば人口爆発も食糧危機も地球温暖化も全て根本的に解決されるはず!そんな理想(妄想?)を掲げた科学者が、研究に研究を重ね、ついにその方法を実現したのだった。主人公であるポールは経済的な理由もあって、妻とともにそんなミニサイズ化を決断する。だが、無事に施術が終わりミニ人間となって目覚めてみるとそこに妻の姿はなく…。文字通り小人サイズとなってしまった人々が巻き起こす様々なドラマを軽妙に描いたヒューマン・コメディ。前半、ミニサイズとなってしまった人々が直面するであろう様々な問題をあくまで科学的経済的な視点でリアルに描いた部分は、全体的にクスリとさせられるユーモアもあってなかなか面白かったですね。全身の毛を抜いたり、歯を抜いたりしてようやく小さくなった人々を大きいままの人間がスコップみたいなものですくっていくとこなんて思わず笑っちゃいました。そして、髪の毛全そり眉毛が片方だけしかない妻からの電話で彼女の裏切りを知った主人公の半狂乱ぶりなんて凄く面白かったです。このまま「ミニサイズになった夫とでかいままの妻の痴話げんか」とか、なかなか面白そうな展開になりそうじゃん!とワクワクしながら観ていたのですが、本作の残念なのはここから大幅に迷走しちゃうところ。こんなに面白そうな素材なのに、どうしてこんな展開にしちゃったんでしょう。正直、ベトナム人女性とのラブロマンスやカルトと化したノルウェー人のコロニーでの話なんて興味ないですって!『アントマン』みたいなハチャメチャな展開にしろとまでは言わないですけどさ、このミニサイズ人間という設定をもっとこう活かせなかったんでしょうか。ミニ夫とデカ妻の泥沼離婚裁判劇とかにしてくれたら絶対面白くなったはずなのに、後半の展開があまりにも勿体ない。あと、全体的に長すぎ!さすがのこのお話で二時間越えは途中でダレます。うーん、前半がすこぶる良かっただけに残念!
[DVD(字幕)] 5点(2019-08-26 22:21:10)
658.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 
僕の大好きなアン・リー監督の初期の代表作ということで、何の予備知識もないままに今回鑑賞してみました。するとオープニング・クレジットで原作者にジェーン・オースティンの名が…。「あぁ、この原作者、俺の苦手な人じゃん~」と一抹の不安を感じながら観続けること30分。案の定、僕の不安は見事に的中してしまいました。イギリスののどかな田舎町に暮らす姉妹たちの惚れたり冷めたりくっついたり離れたりの婚活話が延々と続き、僕は正直一ミリたりとも興味を持つことが出来ませんでした。アン・リー監督らしい映像美や華のある役者陣の豪華共演など画的にはいい部分もたくさんあったのですが、僕はやはりこのオースティンていう人の作風は苦手ですわ~。
[DVD(字幕)] 5点(2019-08-06 00:12:21)
659.  ブルース・ブラザース 《ネタバレ》 
刑務所から出所したばかりの元バンドマン兄弟、その名もブルース・ブラザーズ。子供のころに恩になった教会を救うため、再び音楽活動を始めた彼らの波乱万丈の活躍をコミカルかつダイナミックに綴ったミュージカル・エンターテイメント。何かと有名な本作を今さらながら鑑賞してみました。うーん、時代のせいなのか僕はそこまでのれなかったですね、これ。確かに面白い部分もいくつかあったのですが、全体的にはそこまでって感じでした。余談だけど、タモリ倶楽部の空耳アワーで何度も取り上げられた有名な曲は、リメイク版で使われてたみたいですね。原曲を普通に聴いてみたかったのに、ちょっと残念でした。まあ本当に余談ですけど(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2019-08-03 22:09:47)
660.  ドリーム 《ネタバレ》 
ソ連との宇宙開発競争が激化し始めたころの1960年代、アメリカ。まだ黒人への差別感情が色濃く残るこの時代のアメリカ社会において、NASA職員でありながら黒人で女性というだけで不当な扱いを受けていた3人の女性たちがさまざまな困難を乗り越えていく姿をドラマティックに描くエンタメ・サクセス・ストーリー。まあキレイごとっちゃあキレイごとなんですけど、アカデミー賞にノミネートされただけあってなかなかよく出来てますわ、これ。虐げられた主人公が自らの才能とひたむきな努力だけを武器にのし上がってゆくドラマは、超ベタなんですけどやぱテンション上がりますね~。そこに昨今の人種差別やジェンダー問題をスパイスとしてさらりと織り込む手腕も鮮やか。特に主人公の一人が毎回もよおすたびに何百メートルも離れたビルにしかない非白人専用トイレへと往復させられるシーンは、コミカルさとシリアスさが同居する見事な出来栄えでした。美味しい役どころをいただいたケビン・コスナーも全然嫌みがなくていい。うん、なかなか面白かった。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-08-01 21:24:47)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS