81. スパイダーマン2
《ネタバレ》 やっぱり潤沢な資金と優秀なスタッフを調達できるハリウッド映画は羨ましい。 視覚的な表現が難しいスパイダーマンの挙動全般を見事に再現している技術力は、前作同様にスゴい。アクションシーン自体は少ないものの、ビルの壁面や電車の上での戦いなど、カッコ良い演出の巧さは前作以上。 ただ、「ヒーローの挫折と復活」というお約束の展開など、さすがにちょっとストーリーが単純すぎる。ヒーローとしての葛藤や戦う動機付けが主人公に決定的に欠けているのが難点。人助けをするにも、いつも行き当たりばったりで、自己満足以上の動機が無い。何故そこに拘らなければならないかと言えば、戦う動機が弱ければ、「復活する際の動機付け」も弱くなるからだ。かと言って、あえて「等身大のヒーロー像」を押し出したシナリオでもない。 そういう意味で、前作同様、良くも悪くもアメコミ。CGを始めとする特撮技術の高さはスゴいが、最も基本となるべきストーリー性やキャラクター造形は低レベルと言わざるを得ない。やはり、その点においては現代の日本の漫画とは比べるべくも無い。 また、今のアメリカにだけは「大きな力には大きな責任」論を言われたくないなあ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-04-11 13:19:07)(良:1票) |
82. ペリカン文書
《ネタバレ》 国家の陰謀が絡む大げさなストーリーの割に、展開にもディテールにもリアリティが無く、多分にご都合主義が見え隠れする。現実に闇に葬られている事件ってのはいくつもあるんだろうけど、どうにも今作はその辺の描き方に説得力が無い。 他の人の指摘にもあるように、そもそも何か大きな事件があった時には、色々な方面から多くの仮説や噂が出るのは当然の事で、その仮説か当たっていたからと言って、いちいち暗殺や口封じなんかしてたら、それこそ、その仮説の正しさを証明しているようなもの。実際、今作だってわざわざ暗殺に行くもんだから、文書が本当だと確信させてしまうし、事が大げさになっちゃうんじゃないの? と言うか殺し屋ヘボ過ぎ。あっさり見つかったり、ハデに街中を走り回って、多くの人に素顔を見られたりと、素人ひとりもまともに暗殺できないなんて、あまりにも無能。まあ、本当に殺されたり、始めから暗殺に来なかったら映画にならんけど(笑)、こういった殺し屋のマヌケさなども、作品にリアリティが感じられない理由のひとつ。 この「公にされてはマズい文書がある」→「隠蔽のため暗殺に来る」という展開が、「米軍はエリア51でUFOの研究をしている」→「それを見たので暗殺されそうになった」と言っているUFO番組みたいで、なんか滑稽。 [ビデオ(字幕)] 2点(2007-04-11 13:05:06) |
83. ジェイコブス・ラダー(1990)
《ネタバレ》 死に際し自己との対話を果たす。この作品は単なる「夢オチ」映画ではなく、作中でも示唆されていたように、「死に逝く者の葛藤と最期の選択」を描いたものであり、ジェイコブの見た「狭間の世界」こそ、その人間の精神的本質が具現化された世界なのだろう。 あの世界における天使と悪魔の概念は、ジェイコブの人生の中で培われた「対外的な善悪の対立構造」と、「内在的な自身のニ面性」を象徴している。自分の中にある他者に対する怨みや憎しみといった負の感情は、自身の魂をも腐らせてしまう。それこそが悪魔の本質であり、それは決して「他者的存在」ではない。しかし思いやりや慈しみという感情をもって他者を「許す」ことは、いずれ自身の魂をも救うことになるかも知れない。そしてジェイコブは自分を縛る現世にあった善悪を含む事象のすべて受け入れることで、現世の因果から解放され、救われた気持ちで死ぬことが出来たのではないか。 ラストの彼の選択を「許し」と取るか、「諦め」と取るかは、その人個人の宗教観や価値観に左右されると思うが、死を見つめることが生の意味を問い直すことでもあるのは、誰にとっても共通のはず。生と死は表裏一体の関係。「生」を考えることは「死」を考えることであり、その逆もまた然り。戦争を含む、国家規模の犯罪に対する警鐘という意味合いもあると思われるが、私はこの作品からはもっとシンプルなテーマとしての「死生観」を受け取った。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-04-10 13:28:51)(良:1票) |
84. オーメン(1976)
クリスマス以外、あまりキリスト教とは縁の無い日本人にとっても、このあらゆる場面に不吉な予兆を孕んだような世界の不気味さはひしひしと伝わる。子供の頃に見た、あの冒頭の首吊りに始まり、串刺しや首が飛ぶシーンの衝撃は今も健在(トラウマ?)。 ただ、リメイク版もそうだが、基本的にキリスト教の宗教観ありきのホラーであって、それに則った演出以上の工夫や意外性は無いため、「傑作」という程の作品ではない。 ダミアン君の薄気味悪い演技の上手さに+1点献上。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-04-10 13:24:19) |
85. エレファント
《ネタバレ》 生徒たちの背後から、淡々と彼らの日常を追うことで、「誰もがこの事件の主役になり得る危険性を内包している」とか、「傍観者の罪」とでも言いたいのか。 そういう捉え方も分かるけど、こうした凶悪事件の特殊性を相対化しているようにも見えてしまう。思想的メッセージを押し付けることなく見る者に解釈を任せるのも良いが、無責任な撮り方とも言える。「少年犯罪の考察」に一石を投じたいなら、今回の「事件の背景」をきちんと作中で説明しなくては意味が無いだろう。もし情報の無い人が見れば「最近の少年犯罪は不可解だな~」で終わってしまうからだ。 結局、どんな異常な事件にも原因となる「背景」はあるし、人を犯罪に駆り立てる要素はひとつやふたつではなく、多くの因子が有機的に関連しているものだ。 今回の事件に関して言えば、アメリカでは平等とは名ばかりで、歴然とした階級・学歴差別が存在していて、その本音と建て前のギャップに少年たちが強烈なストレスを感じていたという背景がメインにあると思われる。 「ここで落ちこぼれたら先が無い」と思い込んで、投げやりになってしまうような閉塞感と絶望感。仮に落ちこぼれなくても、先が知れている無味乾燥な将来への諦観と無気力感。また、差別意識から来るいじめ、銃が簡単に手に入る社会の構造など、考えるべき問題は山ほどある。それは日本の現状にも言える事だが、少し冷静に分析すれば、「原因」自体にはそれほどの異常性も特殊性も無いのが分かるはず。 案外、一番の問題は、こういう事件が起きると、すぐに狼狽して「真の犯人探し」を始めて、やれ「暴力的なゲームが悪い」だの、「ホラー映画が悪い」だのと狼狽している洞察力や想像力の無い大人の存在こそが、いつまでも現代社会の閉塞状況が改善されない最大の要因かも知れない。 社会問題を考えるきっかけとするには適度な「教材」ではあるので、点数は真ん中の5点ということで。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-10 13:13:21)(良:1票) |
86. トランスポーター
《ネタバレ》 導入は良い。でもそれだけ。 序盤以外、「運び屋」の設定がまったく無関係。いかにしてプロの運び屋として難しい依頼をこなしていくかと言う、アクションよりも頭を使う知的なストーリーだと思っていたので、中盤以降の内容の幼稚さには期待を裏切られた気分。 それでもアクションとして面白ければ文句も無いが、如何せんカーチェイスもカンフーアクションもキャラクターも、すべてが中途半端でどうしようもない。 この手の「ありがちアクション映画」の典型として、主人公にはどんな近距離でも絶対に弾丸が当たらないとか、そのくせ主人公の攻撃は百発百中とか、何度も銃を突きつけられていながら、いつまでたっても悪役は引き金を引かないとか、どんなに不利な状況でもテキトーになんとかなってしまうご都合主義的展開の連続にはもうウンザリ。 導入に1点。 [ビデオ(字幕)] 1点(2007-04-09 22:15:22) |
87. ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
《ネタバレ》 ある日、突如として崩壊する日常。死すら相対化された世界の何と滑稽で痛快な事か。 今作をゾンビに襲われるだけの単純な「パニックホラー映画」として見ていはいけない。「ゾンビが弱い」とか、「遅すぎて怖くない」という見方は、映画「ゾンビ」の本質からかけ離れている。 今作は「日常」と「消費」の象徴である巨大ショッピングセンターを舞台に繰り広げられる「人間ドラマ」こそが本質なのだ。 まだ生き残っている人間がいるかも知れないのに、センターを勝手に自分達だけの楽園にして、閉じこもってしまう主人公達。そこは刹那的な快楽と諦観が入り乱れる閉じた楽園でしかない。そして、その最後の楽園を壊す者も同じ自己中心的な「人間」という皮肉。それは「人間の敵は人間でしかない」という、残酷で滑稽な事実の提示である。そしてその悲喜劇を見つめる観客には、もはや人間の欲望や摂理から解き放たれた生ける屍こそが相応しい。 ゾンビは単なるモンスターではなく、「日常と非日常」、「生と死」を繋ぐ境界の存在であり、その摂理を相対化された姿を直視する事で、生きている者が自らの生と死について考える「きっかけ」として存在しているのだ。 従ってリメイク版「ドーン・オブ・ザ・デッド」における肉食獣の如きゾンビ描写は、作品の本質をまったく理解していない悪例なのだ。ゾンビは人間を襲うために存在している訳ではないからだ。 夜明けの空に飛び立っていくラストシーンは、あらゆる作品の中で最も悲壮的でありながら爽快ですらある。その先に滅びしかない事が分かっていながら、それでも人は人として生きて行かなければならない。それは「滅び」や「終わり」があるからこそ得られる命の価値や意味を教えてくれる。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-04-09 21:37:44) |
88. パニック・ルーム
《ネタバレ》 サスペンスとして中途半端。 原因のひとつは、パニックルーム内から操作できるものが、監視カメラくらいしかない点(基本的に普通の館だから仕方ないかも知れないけど)。さすがにこれでは、話に広がりや意外性が出ないのも当然。 そしてもうひとつは犯人たちのマヌケさ。冷静さも計算高さも皆無。黒人が良いヤツになるのも、緊迫感を無くしている原因。 どうせなら、大人版ホームアローンみたいに、ルーム内から色々なトラップを始動させて、犯人を撃退するというコメディ路線で突き詰めた方が面白かったのでは? [ビデオ(字幕)] 3点(2007-04-09 21:28:25) |
89. ボルケーノ
《ネタバレ》 溶岩の表現は良く出来ていたけど、災害パニック映画としてスケールが小さく、ストーリー展開の起承転結もあまりにもよくあるパターンで、その先が読めまくるご都合主義的な展開の連続と、露骨な自己犠牲精神による感動の押し付けにはうんざり。 主人公は元より、爆発直前まで他人の子供を探す娘、何かに取り憑かれた様に治療を続ける女医、ボランティアで駆けつける獣医、他人を助けるため溶岩に飛び込んで死ぬ消防隊員など、「自分の命も顧みず人助けをする」という、ご立派な人間ばかりで、その「自己犠牲精神」の押し付けが癇に障る。特に女医の言動は、人助けをしている自分に陶酔しているとしか思えない。まるで、ニュースでよく見る「自己実現のために人助けが目的化しているボランティア」を見ているような白々とした気分になる。 登場人物にも白人以外に黒人やアジア人を適度なバランスで配置したり、ラストの子供の「みんな同じ顔だよ」というセリフなど、いかにも「アメリカ人はこういう災害時も一致団結して対応し、人種差別もしません」、というプロパガンダを狙ったとしか思えないほどあからさま。先日のハリケーン被害に対する対応とのあまりのギャップに失笑を禁じ得ない。 [地上波(吹替)] 2点(2007-04-09 21:26:20) |
90. フォーン・ブース
《ネタバレ》 このシチュエーションを見て、スーパーエキセントリックシアターの「印鑑を鼻につめて「村祭り」を歌え」を思い出したのは私だけですか? このコントさえ思い出さなければ、全体的にテンポも良く、サスペンスとしては上質な部類。ただ、最近のミステリーやサスペンスの自家中毒的な傾向として、無理にでも「どんでん返し」を持ってくるパターンが多過ぎ。 もちろんそれで結果的に面白くなれば良いけど、あまり必然性も無く「オチのためのオチ」のような真犯人が出てくるなら、やらない方が良い場合もあるので、そこら辺が難しいところ。 そういう点で見ると、残念ながらこの作品はどちらかと言えば後者。 主人公の他人を見下したような態度に対して、世の「傲慢の代表」に対して制裁を加えるというなら、むしろ犯人はピザ屋の方が説得力があった。 あの真犯人では作中において主人公との接点が無いので(無論、見ている観客にとっても)、ラストで出てこられても「あんた誰?」の世界だし、動機面もただの「世直し気分で自己満足☆」といった愉快犯程度の感覚では感情移入もしにくい。 細かい所にも突っ込みたくなる部分があるし、もう少しだけ脚本を練り込んでくれれば傑作になった可能性があっただけに惜しい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-04-09 18:04:58)(良:1票) |
91. バットマン(1989)
もともとアメコミのデザインセンスやノリが好きじゃない事もあり、名前は知りながら、キャラ設定やストーリーは全く知らないままTV観賞。 今回、初めて見てみて、そのかなり屈折したヒーロー像にはビックリ。そこに好き嫌いが出るのは当然としても、やはり単に「金持ちが金にあかせてコスプレしてるだけで、その強さも道具頼り」では、ヒーローとしての魅力に欠けるのは確か。それゆえ感情移入が出来そうで出来ない。 特撮や小道具の作りも今見ると低レベルだし、娯楽映画としてのテンポも悪い。好きな人には申し訳ないけど、この点数が限度。 [地上波(吹替)] 3点(2007-04-09 17:58:54) |
92. ブラック・ドッグ
《ネタバレ》 いかにもアメリカ映画っぽい大味な脚本で、突っ込みどころやご都合主義は多いけど、あまり気にならないのは不思議。 悪役以外、登場キャラも全員憎めないし、基本的にハッピーエンドだから気持ち良く見終われる。 ただ、ラストでレッドが早速脱走してくるというプチどんでん返しは完全に蛇足。どうやって逃げてきたんだ。と言うか逃がすなよw。 それとタイトルの「ブラックドッグ」が内容とほとんど無関係というのもお粗末。ストーリーの重要なポイントに絡ませる事は出来たはずだから、その辺に拘らない(拘れない?)監督のセンスの無さが、この作品全体を安っぽくしている要因かと思う。 まあ、さすがに二度は見れないけど、何とか暇つぶし程度にはなるレベル。 [地上波(吹替)] 4点(2007-04-09 17:58:41) |
93. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
「なんかディズニーアニメの実写版みたいだな~」、と思っていたら、発想が「カリブの海賊」だったと知って納得。「子供向けの内容」という事を免罪符に、ご都合主義や真面目さを誤魔化しているような幼稚な脚本構成。人が多く死ぬ割に血は出さないという偽善性に始まり、主人公達の生命に危機が迫る真剣な場面ですら、中途半端な「笑い」や「ユーモア」によって、乗り越えるべき苦労も努力もほとんど描かれることなくあっさり流されてしまう。 エンターティメントとして見ても、金をかけている割にはアクションが地味で工夫が無く、冒険映画特有の痛快さがまったく感じられない。ストーリー展開も平板で盛り上がりに欠ける。時間が無駄に長いことに加え、「捕まっては逃げる」という同じようなパターンを繰り返しすぎで、見ていて飽きてくる。 また、「海賊達は自分たちの呪いを解くことが目的で、主人公たちもそれに巻き込まれているだけ」という、別に海賊でなくてもいいようなスケールの小さい設定で、海賊特有の「未だ見ぬ大海原に船出する大冒険!」というロマンや世界の広がりをまったく感じられないみみっちい話。事実、舞台のほとんどは町なかや島の洞窟ばかりで狭っ苦しい。期待していたシーサーペントやクラーケンといった伝説の怪物との戦いもナシ。ラストで今回の経緯を知っていながらジャックを処刑しようとまでした、職務に忠実で頭の固い提督が、いきなり「話の分かるいいヤツ」になるという偽善的な展開もシラける。各キャラも場面場面で微妙に違う顔(人格)があり、性格描写に一貫性が感じられない。あの仲間にした海賊達もラストの戦いの場に参加せず、事が収まってからノコノコ出てくるという展開にも呆れた。もっといい意味での「お約束」や「演出」ってのがあるはずなんだけどなあ…。 [映画館(字幕)] 4点(2007-04-09 17:58:11)(良:6票) |
94. ガタカ
《ネタバレ》 惜しい。他の方も仰っているように、ディテールの粗さが、この作品の最大の難点。土星まで比格的容易に有人ロケットを飛ばせたり、産まれる前の遺伝子操作で、肉体や精神性まで調整できるくらいに科学の進んだ時代の割に、殺人事件の科学捜査がやたら大雑把でヌケているし、本人認証システムも血や尿の検査くらいで、やけに杜撰でご都合主義的。作品の設定のために、科学技術のレベルがコロコロ変わるため、リアリティや説得力に欠ける。「人の価値や可能性」、「持つ者と持たざる者」など、テーマは深いものの、よくあるだけに新鮮味もイマひとつ。ラストでジェロームが自殺するというのも、「未来は決まっていない。夢を求め続ける気持ちが大事」という前向きな展開に反するような気がする。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-04-09 17:57:19) |
95. シャイニング(1980)
《ネタバレ》 「人間の狂気こそが一番怖い」というのも、ジャック・ニコルソンの演技力の凄さも分かるが、個人的にはイマイチな内容。登場人物が少ない上に、展開に緩急がないため退屈。ミステリー的な謎解き要素もなく、単にひとりの男が狂気に取り付かれるというだけの話で物足りない。 [ビデオ(吹替)] 6点(2007-04-09 17:56:51) |
96. オーメン(2006)
《ネタバレ》 リメイクとしての出来は悪くないが、肝心のリメイクする必然性が感じられない作品。 ストーリーの大枠や人物設定がオリジナルのままで、ほとんどアレンジされていないし、多少変えられた惨殺シーンの演出もインパクトという点では負けている。 もともとオリジナルもモロにキリスト教の宗教観ありきの作品で、ヨハネの黙示録とか獣の数字666とか神に敵対するアンチ・キリストなんて言われても、基本的に仏教徒の日本人には恐怖の対象にはなりにくいし、むしろ漫画やアニメなどによく使われるギミックとして認知されている程度だろう。 そのためダミアンの母親が山犬ってのもピンと来ない。山犬が悪魔の化身ってことだろうけど、悪魔の割には計画がやたら回りくどい。しかも悪魔はいるのに、全知全能の神は何も手助けしてくれないのねw。悪魔の手先の乳母も中途半端なキャラ。もっと鬼気迫る執念のようなものが欲しい。 まあ全体的に漂う不気味な雰囲気はオリジナル同様よく出ているし、ストーリー展開のテンポも良いから、どちらも未見なら一度くらい見ても損は無いと思うけど、すでにオリジナルを見ているなら見る必要は無し。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-07 09:31:50) |
97. レッド・ドラゴン(2002)
《ネタバレ》 以前にビデオで見た時は、無難にまとまっているだけで、特徴の無いサスペンスホラーだなと思ったけど、改めて見てみるとそれなりに良く出来ている作品だと思い直した。 「羊」の続編でありながら、時系列的には前段階のエピソードとして無理が無く、今作が初見の人にも分かりやすいストーリー作りに好感が持てる。 子供時代のトラウマが根底にあるという犯人のキャラ造形はありがちで、身も凍るような異常さも美学も備えてはいないが、その分、リアリティがあり、レクター博士と刑事との三者三様の思惑を秘めた絡み具合がなかなか面白い。 傑作とは言い難いが、あのヒット作の続編という難しい位置付けでありながら、万人が楽しめるようなバランスの取れた佳作。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-03-30 16:34:40)(良:1票) |
98. ブレイド(1998)
《ネタバレ》 「2」もそうだけど、「吸血鬼」という設定に意味が全く無い展開やキャラ描写が問題。「吸血鬼」という設定を使う必然性の無い単純なアクション映画でしかなく、吸血鬼特有の悲壮さや凄絶さがほとんど描けていない。敵側の行動原理も単純で、非常に下衆っぽい。 売りであるアクションも吸血鬼の超常能力を生かしておらず大味。とにかく吸血鬼アクション映画としての設定が大雑把で単純すぎる。出てくる武器にも意外性やインパクトが足りない。 こういう作品を見ると、同じ「吸血鬼」を題材にしていても、やはり日本の漫画やアニメなどは、ストーリー性や吸血鬼のキャラクター性、アクションの演出にも独自の工夫とセンスがあり(「ポーの一族」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「トリニティ・ブラッド」、「HELLSING」、「吸血鬼ハンターD」等々)どれもレベルの高い世界観や独特なキャラクターを確立しているが、海外の作品はいつまでも中途半端なアクション映画止まりで発展性が見られない。 [DVD(字幕)] 3点(2007-03-23 17:12:57) |
99. ブレイド2
《ネタバレ》 「昨日の敵は今日の友」。ライバル同士がより強力な敵を倒すために協力すると言う、少年漫画的な燃える設定に期待したが、やっぱり期待ハズレに終わった。 前作同様、「吸血鬼」という設定に意味が全く無い展開やキャラ描写が問題。相変わらず吸血鬼はただのヤンキーやゴロツキみたいで、ヴァンパイア特有の魅力や凄みがまったく無い。出てくる武器にも意外性やインパクトが足りない。 リーパーズも吸血鬼の改造で、ブレイドを陥れる作戦の一貫だったという、およそ考えられ得るシナリオ展開のなかで最もやって欲しくなかったつまらないオチ。遺伝子改造するような科学力があるなら、対ブレイド用にもっとすごい武器や防具を作ったほうがいいんじゃないの?とにかく吸血鬼アクション映画としての設定が大雑把で単純。 こういう作品を見ると、同じ「吸血鬼」を題材にしていても、やはり日本の漫画やアニメなどは、ストーリー性や吸血鬼のキャラクター性、アクションの演出にも独自の工夫とセンスがあり(「ポーの一族」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「トリニティ・ブラッド」、「HELLSING」、「吸血鬼ハンターD」等々)どれもレベルの高い世界観や独特なキャラクターを確立しているが、海外の作品はいつまでも中途半端なアクション映画止まりで発展性が見られない。 [DVD(字幕)] 3点(2007-03-23 17:12:43) |
100. 13日の金曜日(1980)
《ネタバレ》 確かに今見ると非常に単純で、たいして怖くもないが、「殺人鬼ホラー」の元祖的存在としての価値は高い。 また、この第1作目は「犯人は誰か」というミステリー的要素を含む点が、その後のシリーズとは決定的に違う。 見る年齢や時代によっても評価は大きく変わっちゃうだろうけど、別に深い話でもないので、ビールでも飲みながら、のんびり見るのが正しい見方でしょう(笑)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-03-22 19:28:01) |