1101. 夜の大捜査線
《ネタバレ》 初見。ロッド・スタイガーが絶品。曲折を経た末に見せた別れの際の笑顔と「元気でな」の一言はこの先も忘れることはないでしょう。1967年に本作を世に送り出した製作者の気概に脱帽。 [DVD(字幕)] 10点(2017-09-17 00:20:29) |
1102. 奇跡の人(1962)
初見。食卓での長回しシーン。共にオスカー受賞も納得のアン・バンクロフトとパティ・デュークが体現する究極の「迫真の演技」が圧巻。獣の調教ではなく、世界を知り自身で考えて行動出来る為の教育を施すというサリバンの尋常ならざる信念が、自身の悲惨な境遇に起因しているところが感慨深い。 [DVD(字幕)] 9点(2017-09-16 23:57:27) |
1103. 愛と喝采の日々
特筆すべきはアン・バンクロフトの美しさで一目惚れ分+1点。エマとディーディーのエミリアを巡る確執に、スターになった者となれなかった者、母親になった者となれなかった者が、それぞれ自分で選んで歩いてきた道を振り返り後悔と嫉妬で身悶える虚しさを見せられます。バレエのレッスンシーンや舞台シーンの格調高さと肉体美の極みに惚れ惚れしました。 [DVD(字幕)] 9点(2017-08-31 16:18:13)(良:1票) |
1104. 愛と追憶の日々
《ネタバレ》 エマをペットの様に扱うオーロラ、同様に長男を扱うエマ。こんな二人が互いの不倫を報告し合うのに嫌悪が募り、物語を冷めた目で眺めていた。擦れてしまった長男の心の拠り所になってあげられそうなラストシーンのギャレット。本作のニコルソンは宇宙飛行士であった事をカケラも感じさせない色気の無いエロオヤジでガッカリだったので、最後の最後で我慢して鑑賞した甲斐を感じた。 [DVD(字幕)] 5点(2017-08-27 14:11:34)(良:1票) |
1105. ウルフ
《ネタバレ》 中学高校時代に夢中になったジャック・ニコルソン(本作57歳)とここ3ヶ月注目しているクリストファー・プラマー(同65歳)が同じ画面に映っている。嗚呼、夢みたい。 オトコマエにクラクラっとなったのはプラマー。 語り口や表情から発せられる色気に今でもウットリさせられたのはニコルソン。 先祖は狼なのかと思わされる獣人模様(遠吠えはやりすぎだけど)はプラマーには逆立ちしても出来ない。 役者が一枚上手のニコルソンを再認識させられました。 妻を寝取られ、役職を追い落とされたウィルが狼の活力を得て奪い返す。 挙句の果てに狼男同士の殺し合いとなる。(ここまで出来るのはニコルソンをおいて他に無し) その猛々しさは、スーツを着てネクタイ締めているヒトも「ダーウィンが来た」の弱肉強食世界同様に戦わなきゃならんのを示しているように感じました。 ヒトは優しくなければ生きていく資格がないというのは青臭い台詞なのだろうか。 満月を見上げて考えてみようか。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-08-23 14:54:23) |
1106. インサイダー
《ネタバレ》 何があっても最後まで「約束は守る」気迫を見せつけるバーグマンをアル・パチーノが何時も通りに魅せてくれる。善と正義感がもたらす現実との間で揺れ動く心模様をさらけ出すワイガンドをラッセル・クロウが劣らぬ存在感で示す。作品に重厚感をもたらしたマイク・ウォレスを演ずるクリストファー・プラマーは「インサイダー以降良い脚本が回ってくるようになった」と語るのが納得させられる絶品ぶり。男達の物語の中で、ワイガンドの妻はメソメソと参って去って行き、バーグマンの妻は「先を見通して行動するのよ」と励ます。男女であっても男同士であっても相手が直面している窮地を共に乗り越えて行く意志の有る無しがパートナーの真偽を示している印象深いシーンだった。実話という事に、遣る瀬無い思いと、作品を世に送り出すアメリカの底力を感じた。アッという間の158分を堪能しました。 [DVD(字幕)] 9点(2017-08-21 12:35:03)(良:1票) |
1107. サウンド・オブ・ミュージック
規律や戒律は人情味を持ち合わせている上に成り立つ事を、大佐、子供たち、マリア、院長の関わりから再認識させられます。明るく、大らかに振舞う事は勇気がなければ出来ません。次世代に語り継ぎたい名作です。【2017.8.20追記】ここ3ヶ月クリストファー・プラマー出演作品を鑑賞して満を持しての再見。感慨無量のひと時に酔いしれました。 [DVD(字幕)] 9点(2017-08-20 01:38:56) |
1108. エド・ウッド
才能が無い事にこれっぽっちもへこまなく常にポジティブな姿勢にリラックスさせられる。落ちぶれたベラ・ルゴシに、82歳でオスカー受賞のクリストファー・プラマーが「70歳からいい役が回ってくるようになった」と言った事が思い浮かんだ。うら寂しさを見せつけたマーティン・ランドーの熱演に点数の全てを。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-20 01:29:35) |
1109. 二ツ星の料理人
《ネタバレ》 ネズミを放ってミシェルの店を潰した報いを受け「死にたい」と取り乱すアダム。リースが作ってくれたオムレツは腹にも胸にも沁みたでしょう。味わって食する(ヒトの特権)者に料理を提供する超一流の料理人に欠けていたものに気付いた今後に希望が持てる結末の余韻を味わいました。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-08-18 13:56:57) |
1110. 王様のためのホログラム
ホログラムの商談が二の次三の次なのは大いに不満。心身共に疲弊してゆくアランがユセフやザーラとの出会いを通じて活力が甦る模様は、「プロの仕事人」とは別の顔「困ったなぁ、トホホ」のトム・ハンクスのオーラが全開。「大丈夫、まだ時間はある、必ず時間はある」という彼の言葉を心に留めておこう。砂上の楼閣を形にしたようなサウジアラビアの建築物が印象的。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-16 13:30:09) |
1111. イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
「クソのような作品をバカに売りつける方法」とティエリーを揶揄しているバンクシーですが、絵心の無い私からいわせれば、クソみたいなやり方で作品を作り上げ悦に入っている者の目くそ鼻くそに見えました。芸術の世界で何が売れるかという点で興味深い作品でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-08-15 17:06:20) |
1112. ドラグネット・正義一直線
生真面目すぎるダン・エイクロイドと悪ガキな(若い!)トム・ハンクス VS スケベおやじのダブニー・コールマンと薄気味悪くて腹黒いクリストファー・プラマー。気楽に楽しめました。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-08-13 13:29:41) |
1113. あの日の指輪を待つきみへ
「貞女二夫にまみえず」が思い浮かぶ。50年の歳月を経て尚皆を縛っている指輪の約束。その指輪をもたらしたのがエレノアの孫というところに因縁を感じる。「私の母を好きだったの?」と問われたジャックが「それだけは聞かないでくれ」と慟哭するのに、この人も胸の奥底に思いを封じ込めて生きてきた事に気づかされる。50年経って明らかになったテディの遺言「これからは自由に生きろ」が切ない。ラストショットに、これからは娘も愛してあげてほしいと思わされた。名優達の共演に感じ入る作品。 [DVD(字幕)] 8点(2017-08-13 12:42:04) |
1114. イルマーレ(2006)
会いたいのに会えないもどかしさを味わえないもどかしさを抱えたまま終わった味気ない作品。 [DVD(字幕)] 4点(2017-08-13 12:07:59) |
1115. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
ポル・ウナ・カベーサを踊る姿はパチーノ名場面集の中のナンバーワンのシーンです。「足が絡まっても踊り続ければいい」何もかもが嫌になり、生きていても仕方がないと自暴自棄になりそうな時、何時もこのシーンとこの台詞に助けられます。そして色気の漂うパチーノに、幾つになっても、オンナを捨てた醜悪な女性にはなってはいけないと戒められます。【2017.8.5追記】この度劇場での鑑賞が叶いました。将軍への昇進が叶わず魂が潰れてしまった者の苦しみが胸にささります。自分が出来なかったからこそチャールズには正しい道を進んで欲しい思いの強さに喝采。フランク・スレイドはパチーノにしか演じられない事を改めて実感しました。 [ビデオ(字幕)] 9点(2017-08-05 23:36:18)(良:1票) |
1116. ドラキュリア
《ネタバレ》 序盤から膨らんでいった期待がヴァン・ヘルシングがいともアッサリと殺された時点ではじけ飛んでいきました。吸血鬼に気品のカケラも見当たらないのも相まって、そこから先は退屈で「ユダ」と言われても「だから?」としか思えませんでした。 [DVD(字幕)] 3点(2017-08-05 22:19:54) |
1117. ニュー・ワールド
【ドラマ・アドベンチャー・歴史もの・ロマンス】全てが凡庸。癒し系の音楽・映像と共にダラダラと垂れ流された睡眠導入剤としては有効な作品。 [DVD(字幕)] 3点(2017-07-30 09:29:20) |
1118. リベンジ 極限制裁
展開が思わせぶりにひねくり回されているが話の本筋が見えなく空回り。要の敵討ちのシーンのとってつけた感に白けかえる。邦題もお粗末極まる。 [DVD(字幕)] 3点(2017-07-29 13:34:11) |
1119. トレヴィの泉で二度目の恋を
孤高で生真面目で偏屈でありながら情けを持ち合わす爺さんとモラルに欠け嘘八百のおしゃべり婆さんのキスシーンが美しいと思えるのは、年輪を重ねる大樹のような名優二人ならではでしょうか。私の叶わぬ夢は The Pierre, A Taj Hotel, New York で por una cabeza を愛する人と踊る事でアリマス。 [DVD(字幕)] 7点(2017-07-22 14:05:31) |
1120. 12モンキーズ
むさ苦しいブルース・ウイルスと暑苦しいブラッド・ピットに嫌気がさしてストーリーが頭に入らない。お目当てのプラマーの印象もまるで無く、激しい頭痛に見舞われた本作自体がウイルスのような作品。 [DVD(字幕)] 2点(2017-07-17 21:14:45) |