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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1884
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1101.  エレベーター(2011) 《ネタバレ》 
とある高層ビルのエレベーターに乗り合わせた様々な人たちが、とある事情により49階で閉じ込められてしまい、とある事情により二時間後に爆発する爆弾と一緒であることを知り、そしてとある事情により密室での息詰まるような人間ドラマが展開されてゆく。という、よくあるシチュエーションスリラー。こういう作品って安価に作られるし(セット代かかんないしね)、気軽にハラハラドキドキしたいという需要もけっこうあるから、昔からほんとに沢山作られてきたのだけど、そういう作品ってほとんど場面の画が変わらないから観客の興味を持続させるために練られた脚本力と誰も見たことがないような斬新なアイデアが不可欠なのだけど、この作品にはそのどちらも弱い気が…。このラストだと、あの可哀相なおばあちゃんの無念が結局晴らされていないからとっても消化不良感強し。これなら、あの会長を太った設定にして、最後、自分の強欲の象徴のような太った身体のせいで爆死したのは実はあの会長でしたってオチにしたほうがすっきりして良かったと思うのだけど。それでも、後半の腕チョンバシーンとおばあちゃんの死体解体シーンの「ひえぇぇ…」なグロさはなかなか見応えありました(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-02 09:39:35)(良:1票)
1102.  裏切りのサーカス 《ネタバレ》 
あのゲイリー・オールドマンが念願のアカデミー賞候補になった(取れなかったけど)、東西冷戦期の英国諜報部内での二重スパイを巡る重厚なサスペンス劇。ということで、大嫌いな「ぼくのエリ」を作った監督の作品だったのだけど、けっこう期待して鑑賞。うーん、やっぱり僕の感性とは全く合わないのか、あまりのつまらなさに途中で寝てしまったエリ同様、今作も僕には単純につまらない作品としか思えなかった。観客のことなど一切お構いなしに進む分かりにくいストーリーに、それをさらに助長するかのような無駄としか思えないシーンの数々、意味不明な回想シーン……。溜息混じりに「つまらない映画だなぁ」とゲンナリしながら、なんとか最後まで観たのだけど、最後の最後までその思いは一切変わりませんでした。 事前に原作を読む、ある程度ネットで調べてから観る、相関図を用意して適宜確認する(映画館では不可能でしょ)、そんな事前準備がなければ理解できない作品て、やっぱり映画としては失格だと僕は思うのだけど。
[DVD(字幕)] 2点(2013-09-29 23:17:38)
1103.  フランケンウィニー(2012) 《ネタバレ》 
「フランケン・ウィニー」この同じ名前を冠した映画を、20年以上の月日を隔てて再び鑑賞出来たことに思わず感傷的になってしまった。まだ無名だったころのティム・バートンが撮った、白黒実写映画である前作を知ったのは、映画館での「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」鑑賞時に同時上映されていたのをなんとなく観たから。その、社会の多数派と上手く馴染むことが出来ないマイノリティの視点から描かれる、暗くグロテスクでありながらどこかにピュアな切なさを感じさせる独特の世界観は、まだ十代だったころの僕の感性を見事に揺さぶってくれました(僕も社会と上手く馴染めず登校拒否児だったもので)。そして、今ではすっかりメジャーになった彼が、最大限の愛着を持ってクレイアニメとして自らリメイクした今作もやっぱり楽しい。普段は猫派な僕でも、スパーキーの可愛さにはキュンときました。でも、期待が高かったせいか、ほんのちょっと不満もあります。それは、スパーキーがいまいち活躍してなかったこと。もっとあの亀のモンスターとかシーモンキーとかを、コミカルに颯爽と倒していくスパーキーの雄姿を見たかったなー。それでも、相変わらずの唯一無比のグロメルヘンな世界観は充分楽しめました。スパーキー、ほんと可愛かったしね。それに、部屋に引きこもって独りぼっちで映画ばかり観ていたあのころの自分のことを思い出して、ちょっぴり泣きそうになっちゃいました。久し振りに、オリジナルの実写版のほうも観てみようかなー。
[DVD(字幕)] 7点(2013-09-28 19:15:48)
1104.  ユニコーン・キラーを追え(前・後編)<TVM> 《ネタバレ》 
私生活は碌でもないのだけど、人を惹きつけるカリスマ性だけは異常に高い男とその恋人。十数年にわたる彼らの同棲生活と、その後に起こった彼女の失踪事件、そして男にかけられたある疑惑をテンポよく追った作品。だが、事実を基にしているとはいえ、あまりにもカタルシスに欠けるのではないか。恐らく残忍な方法で女を殺しておきながら、ありとあらゆる方法で逃亡を続け、しかもいつも傍らには女の姿がある酷い男の逃走劇を延々見せられても不快感しか湧いてこない。この男に何らかの形で鉄槌が下されるか、もしくは遺族の魂の叫びのようなものがなければ、やっぱりもやもやとした後味の悪さしか残らないと思う。「だって実話だもん」って言われれば、それまでかも知れないけれど。ヒッピー崩れで女にだらしなくて徹底的に自己中心的な髭もじゃ男のいやらしさだけは充分に伝わってきたので5点。
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-28 19:11:12)
1105.  推理作家ポー 最期の5日間 《ネタバレ》 
19世紀半ば、酒に溺れて書けなくなってしまった、落ちぶれたかつての天才作家エドガー・アラン・ポー。そんな彼の謎に満ちた最後の五日間を妖艶に描き出すダーク・ミステリー。というなかなか魅力的な題材なんだけど、どうも僕が期待していたポー像とは掛け離れた、愛する女性を助け出すために刑事と力を合わせて奮闘する姿が違和感ありまくりでいまいち乗り切れず。やっぱりポーって酒浸りで破滅的で、小説を書く以外は碌でもない人格破綻者であって欲しかったんですけど。あと、細部の演出も冴えてなかったかな(特にエミリーがさらわれるシーンが描かれてなかったトコ)。それでも石畳の道路に夜霧が濃艶に漂い、暗い夜空には漆黒の鴉が不気味に啼き、繰り返される身も凍るような残虐な殺人といった、ダークでおどろおどろしい雰囲気は(既視感満載とはいえ)そこそこ楽しめました。あと、どうでもいいんですけど、このセンスの欠片もない邦題はどうにかならなかったんでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-23 14:09:05)
1106.  レクイエム・フォー・ドリーム 《ネタバレ》 
『ブラックスワン』で僕の心をすっかり鷲掴みにした監督の初期の代表作。ずっと観たかったのだけど、何故か近所のビデオ屋さんには全然なくて、この前、遠出した先のツタヤでようやく発見してこのたび無事に鑑賞。って、なにこれ!かなり凄い映画だったんですけど。いままで観てこなかったことを激しく後悔。ひたすら麻薬によって破滅へと向かっていく4人の姿を、まるで重厚なカルテットのように疾走感溢れる映像で見せきる手腕は本当に鳥肌がたった。特に、畳み掛けるように展開する後半の怒涛の展開は圧巻の一言。そして、孤独を埋めるために覚醒剤に手を出したあのお母さんの哀れな末路が観ていて本当に切ない。ここまで人間の弱さや人生の負の側面を徹底的に描き出すこの情熱、やっぱりダーレン・アロノフスキーって(人間的には問題があるかもしれないけれど笑)天才だ!
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-23 10:55:28)
1107.  Virginia/ヴァージニア(2011) 《ネタバレ》 
愛する娘をボート事故で亡くしてから、酒に溺れ書けなくなってしまった落ち目のオカルト作家・ボルティモア。偶然通りかかった田舎町で、彼は夢とも幻想ともつかない蠱惑的な世界へと迷い込む。そこで出会ったのは、怪しい美しさに満ちた美少女Vだった…。正直、雰囲気はむちゃくちゃおれ好みで良いのだけど、いかんせん、ストーリーがあまりにも雑。個々のエピソードを放り投げっぱなしのまま一切回収せず、かなり強引なオチで幕引されてしまいました。コッポラも年取ったのかなぁ(あと、ヴァル・キルマー太ったなぁ)。おどろおどろしいながらも、全編に漂うゴシックで美しい(ゴスロリっぽい?)雰囲気はかなり良かっただけに残念!
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-18 18:18:47)
1108.  ミッシング ID 《ネタバレ》 
ただなんとなくな日々をぼんやりと遣り過ごし、頭の中は女のことばっかり、でも世の中は不公平で、イケてない自分は女の子に見向きもされないのに周りを見渡せばどいつもこいつもリア充しやがってー、くそぉぉ!あーあ、そんな僕が実は両親とは血が繋がってなくて、本当の両親は凄腕スパイで、そのせいで超一流の殺し屋とCIAとに急に追われる羽目に陥って、そんな僕を心の底から助けてくれるちょー可愛い彼女と一緒に全米をまたにかけてカッコ良く逃走してみたいなぁー。っていう、多くのティーンエイジャーが一度は夢見るであろう願望(童貞男子限定)をものの見事に叶えてくれる映画でした。主人公の童貞臭い顔つきもなかなか良い感じ。でも、全体的にちょっとアクションにキレがなかったのが残念だったかなー。クライマックスもいまいち盛り上がらなかったし。
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-16 11:42:28)(笑:1票)
1109.  戦火の馬 《ネタバレ》 
良くも悪くもスピルバーグ作品。過酷な戦場に翻弄される青年の人生と数奇な二頭の馬の変遷を巧みな演出で最後までドラマティックに見せてくれます。どこまでCGが分からない馬の演技もなかなか見応えがあり、リアルに再現された第一次大戦の戦場も(プライベート・ライアンほどではないにせよ)素晴らしい。ただ……、甘い。基本的には善人しかでてこないし、ほとんど誰も不幸にならないし、目を覆うような残酷シーンもない。最後まで家族で安心して観られる映画。そう意識して作られた映画だとは分かっていても、やはり僕には物足りなかった。
[DVD(字幕)] 6点(2013-09-16 11:04:15)
1110.  エイリアン 《ネタバレ》 
初めて観たのは小学生のころ。暗ーい生活観溢れる宇宙船内で繰り広げられる、船員たちと侵入してきた謎の生命体とのスリリングな攻防は本当に衝撃的だった。もう腹を食い破って出てくるエイリアンの幼体のグロテスクさといったら今でも他に類をみないほど。そして次第に大きくなるエイリアン。深い暗闇に身を潜め、決して全形を現さないその不気味さに何度もおしっこちびりそうになりました。H・R・ギーガーの描いたおおよそ凡人には考え付けないであろう、そのグロテスクでシュールな世界観とエイリアンの造形は、本当に素晴らしい。そしてそんな世界観を見事に映画化してみせたリドリー・スコットの才能に素直に拍手。
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-16 10:48:31)(良:1票)
1111.  マーガレット 《ネタバレ》 
世の中に蔓延する理不尽な現実に我慢がならない大学生のリサ。ある日、そんな彼女が街中で何気ない理由で運行中のバスの運転手に話しかけたら、その運転手が誤って一人の女性を轢き殺してしまう。罪悪感から、最初は運転手に有利な証言をしてしまったのだが、遺族や友人から話を聞くうちにそんな理不尽な現実に我慢がならなくなり、運転手に制裁をくわえるためにリサは一人立ち上がる。はっきりいってこの題材に二時間半は明らかに長すぎ。母親のオナニーシーンや主人公のグダグダな初体験のシーンなど、映画製作には全くの素人の僕でも「ここはばっさり切ったほうが良かったんじゃ」と思えるシーンが多すぎる。もっとすっきりと二時間弱くらいに小さく纏めていたらもっと良い映画になっていたんじゃ……否!!やっぱりこの映画の最大の欠点は、主人公に全く魅力がないということ。見れば見るほど、このリサという女が大嫌いになってしまうのだから致命的だ。「そもそもテメーが運転手に話しかけなければ、事故なんて起こらなかったし、人が死ぬこともなかったんだから、お前が一番悪いんだろ!そうやって自分勝手で独善的な正義を振りかざすんだったら、最初にテメーが責任とって死ね!」と終始、キレそうだったし。最後も、とってつけたようにオペラが出てきて、「どう?高尚で芸術的でしょ」と言わんばかりの最悪のラスト。久し振りに、映画を観ながら「どうでもいいけど、時間が勿体ないから早く終わってくんねーかな」とムカムカしちゃいました。
[DVD(字幕)] 2点(2013-09-08 23:42:20)
1112.  THE DAY ザ・デイ 《ネタバレ》 
何らかの理由により、社会秩序が崩壊してしまった世界で、あくまで人肉食を拒む主人公たちと、そんな彼らを狩り食料にしようと目論むグループとの息詰まるような攻防を描いたSFアクション。なのだけど、終始、どこかで見たことがあるようなシーンが延々と続き、新しさというものが一切感じられなかった。低予算で作られたからだろうけど、画面のいちいちに華がなくて、それならそれで誰も見たことがないような斬新なアイデアで勝負して欲しかったんだけどなー。残念ながら、僕には退屈な映画でした。
[DVD(字幕)] 3点(2013-08-27 04:04:31)
1113.  それでも、愛してる 《ネタバレ》 
父親から受け継いだ玩具メーカーでCEOを務めていたウォルター。何不自由なく暮らしていた彼の生活に、鬱という突然の病魔が襲い掛かる。何もかも失い、失意のどん底で自ら死を選ぼうとしていた彼は、ふとしたことからビーバー人形という別人格を手にいれ、それをきっかけに再起を図ろうとする。そんな難しい主人公の役にメル・ギブソンを抜擢したのは明らかな失敗だと僕は思う。やっぱり、ジム・キャリーとかロビン・ウィリアムスとかが過剰なユーモアを伴ってそんな壊れた男をエネルギッシュに演じていれば、もっと彼の狂気と悲愴感が上手く表現できていただろうと思うのに。それに全体的な雰囲気が無難で上品に過ぎるところもちょっと不満かなぁ。興味深い題材と設定だけに、僕にはちょっぴり残念な作品でした。ジョディ・フォスター、昔から好きなんだけどねー。
[DVD(字幕)] 5点(2013-08-22 00:42:18)
1114.  エクスペンダブルズ2 《ネタバレ》 
超高級食材である松坂牛ばかり集めて作られた、こってこての脂身たっぷりの〝肉しか入ってないすき焼き〟のような映画。「見た目もゴージャスだし、最初のうちは旨いし、確かにお腹もいっぱいになるのだけど、やっぱり春菊も食べたいし白菜も食べたいし豆腐だってうどんだって椎茸だって欲しいっつーの」という前作を観た人たちの多くが感じたであろう不満に応えるかのごとく、今作では春菊的存在であるマギーが満を持して投入!でも……、やっぱり周りの濃い~~肉汁にあっという間に染められて、ほとんど彼女の存在感ゼロ。ほんじゃまか石塚とか三瓶とか内山くんみたいな特殊な食癖な人にはうけるんだろうけど、僕みたいなもともと食の細い人間にとっては「やっぱ肉ばっかのすき焼きは美味しくねーって!」。
[DVD(字幕)] 4点(2013-08-17 21:06:54)
1115.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
どうしようもない貧困家庭に育ち、出口の見えない閉塞状況をひたすら這いずり回るように生きてきたマギー。そんな八方ふさがりの自分の人生から必死に這い上がろうと、彼女は偶然出合った老トレーナー・フランキーと共に女子ボクシングの世界でチャンスを掴もうとする。だが、彼女を待ち受ける現実はどこまでも苛烈で残酷だった。前半の絵に描いたようなサクセスストーリーから一転、物語はひたすら奈落に突き落とすかのように陰鬱な展開へと突き進んでいく。多様な解釈が可能な本作のなかで、もっとも重要なテーマは恐らく〝神の不在〟だろう。神なき現代社会において、人にとって〝赦し〟とはなんであるのか。極限の苦難に苦しむ彼女のために、血反吐を吐くほどの懊悩を重ねたフランキーは、最後、彼女が望んだ〝赦し〟という名の罪を犯す。神の定めた倫理に背いてまで、罪を背負う決心をした彼の決断は、永遠に答えなど出ない深い問題を僕らの心に突きつけてくる。正直、重たい作品で観終わったあとの絶望感は半端じゃないけど、それでも現代という不確かな時代に生きる者なら、一度は観ておくべき、イーストウッドの傑作だ。だからといって、カップルで観るとかは、止めといたほうがいいだろうけど(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-15 13:56:00)
1116.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
才能とお金はかけらもないけれど、映画への愛情だけは誰よりもあった史上最低の映画監督、エド・ウッド。彼のどうしようもないトホホな生涯をティム・バートンとジョニー・デップが最大限の愛情を込めて描いた異色の伝記映画。女装が趣味、映画製作は常に適当、いつだって借金返済に追われ、責任感や常識といったものを母親の子宮にごっそりと忘れて生れてきたかのように自由奔放に振舞い、恐らく社会で立派に生きていくのは根本的に無理なばかりか、もしかしたら最低限の社会生活を送る能力すら欠けているんじゃないかっていう彼の周りに集まってくるのは、これまた負けず劣らず社会生活不適格者ばかり。でも、妙に楽しそうなんだよね、彼らのどうしようもない人生が。決して味わいたくないけれど、それでも日々の競争社会に疲れたとき、幾多の責任感に押し潰されそうになったときに、一服の清涼剤を求めるかのように、たまに覗きたくなってしまう不思議な魅力に溢れた優しい映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-15 12:35:32)(良:1票)
1117.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 
舞台は19世紀末、硬い石畳に覆われまるで陰鬱とした空気をどんよりと閉じ込めてしまったかのような街、ロンドン。悪徳判事に妻と娘を奪われ、絶海に追放されてしまったスウィーニー・トッドが、血塗られた復讐を果たすために地獄の底からこの街に帰ってきた…。一時期、低迷していたティム・バートンが見事な復活を遂げた前作から、もう自分の進むべき道を見出したかのように作り上げた、ダークホラー&ファンタジー。監督の本当に自分がやりたかったことを体現するかのように、ひたすら人を殺しまくる(間に歌も唄う)ジョニー・デップの怪演は見ていて爽快感すら感じられて良い。途中から、もう復讐なんか忘れてしまったんじゃないかってくらい、なんの罪もない人々の喉を掻っ切る(飛び散る鮮血がとても美しい)彼の店の下で、彼が開業してから何故か急に美味しくなったミートパイをひたすら売りまくるヘレナ・ボナム・カーター…。ちっぽけなモラルや常識を軽く笑い飛ばすような、そんな二人の活躍に僕は心底痺れてしまいました。ティム・バートン&ジョニー・デップ、僕は何処までも付いてゆくので、これからもずっとブレずに我が道を突き進んでもらいたい。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 22:30:11)
1118.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 
上手くいかない現実生活のせいで様々なストレスを抱え今にも爆発寸前になっている冴えない中年男、そんな彼が真夏のエアコンが壊れた車の中で汗だくになりながら渋滞を抜けようと必死に我慢していたのだけど、そんなこんなに心底うんざりしてとうとうブチ切れ。長年、心に溜めに溜め込んだ社会に対する悶々とした不満をひたすら暴発、暴走させていくだけの映画なんだけど、これがなかなか面白い。良いですね、このキレ具合。マイケル・ダグラスの視野狭窄な自己チュー駄目中年男っぷりも見事に嵌ってました。全編を覆う乾いたユーモア、小気味の良いアクション、そして最後はちょっぴり社会について考えさせられる、自分のなかでは理想的なエンタメ映画の良品です。僕もストレス溜まってつい包丁持って秋葉原に行きそうになってしまったら、この映画を観てスカッとするようにします。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 21:42:34)
1119.  8mm 《ネタバレ》 
さすがに『セブン』を手掛けた脚本家の作品というだけあって、重たーいおどろおどろしいダークな映画に仕上がっております。晴れ間なんて一切ない世界で、変態たちが実際に少女を殺す映像を収めたというスナッフフィルムを巡って裏社会を奔走する私立探偵の物語。もう見れば見るほど陰鬱になるストーリーに、そしてそんな世界観をさらに濃厚にする、特濃背油を何時間もじっくり煮込んで煮込んで煮込みまくったような濃ゆい俳優陣(ニコラスもホアキンも顔でかすぎ!笑)。良いですね、このうんざりするくらい暗鬱な世界観。僕は好きです。一応、どうにかハッピーエンドで終わるけど、この観終わったあとの後味の悪さはある意味心地良い。『セブン』よりもこっちの方が好きだなー。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 19:56:58)
1120.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
これはとても深い映画。女の魔性と男の愚かさをここまで大胆に描出した映画を僕は他に知らない。どうして女が男を狂わせるのか、そして男は暴力をふるってまで女を支配下におこうとするのか、そんな男と女の普遍的な駆け引きが大胆でありながら何処かに上品さをも感じさせる過激な性描写と共に描き出されていく。支配と被支配、復讐と赦し、サディズムとマゾヒズム、感情と肉体、そして憎悪と愛情。疑心暗鬼と肉欲と情愛が複雑に交差する、男と女のそんな深遠な世界へとアン・リー監督はスリリングに迫っていく。最後、極限状況下で女が男にかけた「逃げて…」という言葉は、人間の本能が搾り出した、まるで光り輝く宝石のように美しいものだった。やっぱり女って光り物に弱いんだよねぇ……。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 14:58:50)
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