1221. ダイ・ハード/ラスト・デイ
異国の地で暴れまわる親子。組織の体を成していないその戦いぶりは派手で不死身であればあるほどドン引きしていきました。チェルノブイリを引っ張り出したいが為のロシアという舞台設定も放射能の無神経にも程がある描写に呆れ果てます。ハンス・グルーバーを彷彿とさせるシーンに、あの名作が今では見る影もない有様である寂しさと、こんな出来でダイハードを名乗る厚顔無恥さへの怒りを味わいました。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-02 01:48:34) |
1222. セブン
《ネタバレ》 神を語るジョンのサマに頭良さげで高邁な精神を持ちあわせるやに見えますが、神を騙る能書き垂れの鬼畜野郎。ケビン・スペイシーが見事に体現しています。彼とミルズとサマセットの最後のせめぎ合いの生々しさに息をのみました。私はミルズが刑事である以上は耐え難きを耐えて欲しかった。無残な遺体の遺族達と共に死刑執行に立ち会って欲しかった。考えさせられるところはあるものの神をダシにして猟奇趣味を見せびらかす不快な作品でした。 [DVD(字幕)] 5点(2013-07-05 23:20:38) |
1223. エンド・オブ・ホワイトハウス
《ネタバレ》 主人公の辛い過去が展開に生かされていないのが残念。彼の神出鬼没ぶり天下無敵ぶりは安心感と緊迫感の欠如がありました。(私が手に汗握ったのは漢な国防長官の姿)それは残虐一辺倒で狡猾さが皆無であるテロリスト一味によるところが大きいようです。余談ながら、北朝鮮出生の一味のボスの要求に北東アジア緊迫の状況に触れられている中で日本の「に」の字も出てこなかった事には苦笑しました。 [映画館(字幕)] 6点(2013-06-14 22:43:17) |
1224. オブリビオン(2013)
大地の茶褐色、空の青、木々の緑。何億と言う年月の中での生物の営みに思いが及ぶ映像でした。ストーリーは明後日ぐらいには忘却の彼方となるでしょう。 [映画館(字幕)] 4点(2013-06-06 21:26:09)(良:1票) |
1225. キートンの蒸気船
キートン初体験。センスの良いBGM、列車到着のシーンから期待感にワクワク。当時どのように撮影されたのか街を襲う怒涛の大嵐、ポーカーフェイスのキートンの身体能力の凄さ。呆気にとられながら大笑い中笑い小笑いさせられる中で親子の絆にしんみりさせられる。期待以上の傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-06-02 01:41:27)(良:1票) |
1226. カンガルー・ジャック
他愛のない話でしたが楽しめました。カンガルーに喜怒哀楽をつけるCG技術はまだ無かったのでしょうか?クリストファー・ウォーケン(良く似た人だなぁ・・・あっ、本人だ・・・テンション上がりました)に喜怒哀楽をつける製作費は無かったのでしょうか?惜しい作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-20 22:56:01) |
1227. 完全なる報復
《ネタバレ》 報復とは同じ思いを味あわせる事。 クライドの10年越しの怨念は犯人、司法、市政に向けられた常軌を逸したもので、奥歯を噛み締めた面持ちが正気と狂気の狭間にある不気味さを感じさせ、「どこまでやってしまうのか」力が入りました。しかし、トンネルに脱力させられ、ニックのクライドに対する「報復」に醒めきってしまいました。クライドは甘んじて罰を受けたのに対して、ニックは「正義の鉄槌を下しました」気取り。唾棄すべき「ご都合主義の正義」が極まれる作品でした。 [DVD(字幕)] 3点(2013-05-20 22:29:27)(良:3票) |
1228. 八月の鯨
《ネタバレ》 老い先の短さの恐怖と寂寥が刺々しさに表れる目を患ったリビーの心変わりは、老い先が短くとも折り目正しく前向きに日々を送るセーラとの絆の深さがあればこそ。胸が熱くなりました。ベティ・デイヴィスの迫真の演技とリリアン・ギッシュの貫録の演技に大喝采。 [映画館(字幕)] 9点(2013-05-07 22:44:17)(良:1票) |
1229. カプリコン・1
《ネタバレ》 初見、予備知識ゼロ。書き下ろされた脚本が素晴らしい。車の暴走シーンとヘリVS農薬散布機シーンの手に汗握る迫力が素晴らしい。あの(失礼)カレン・ブラックに秋波を送る朴訥さと勝ち目のない相手に怯まない鋼の意志が同居する、魅力全開のエリオット・グールドが素晴らしい。己の卑劣さと姑息さを言葉で取り繕うご都合主義者どものツラが目に浮かぶラストシーンが素晴らしい。鑑賞直後は文句なしの10点でしたが、一呼吸おいて、宙返りしても振り落とされないのはちょっと・・・など幾つかのシーンを思い返してこの点数です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-04-30 22:22:56) |
1230. 運命のボタン
《ネタバレ》 「あっ、もう押しちゃった」と口アングリ。その先も終わりまで口アングリ状態でした。製作者はハンディキャップや困窮に負けて他人を泣かせれば自分も泣くことになる事を言いたかったのか。火星人?一派のやり口は不可解且つ不快、国家権力の目的も不明。あれこれ伏線を張って盛り上げようとするものの空回りしている作品です。 [DVD(字幕)] 3点(2013-04-16 00:46:10)(良:1票) |
1231. ラ・マンチャの男
強引な展開に戸惑い、苦手なミュージカルだったことに更に戸惑いましたが、「敵わぬ敵に挑み、見果てぬ夢を追う」精神に叱咤激励されました。夢叶わぬまま今を生きている事は、叶っていないから追う事が出来る。悔恨を生き甲斐に上書きしてもらえました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-06 23:14:11) |
1232. ツーリスト
ヴェネチア観光プロモーションビデオとしてなら10点。起承転結の「起」の部分で力尽きた作品。 [DVD(字幕)] 4点(2013-04-04 22:56:42) |
1233. カレンダー・ガールズ
「何時やるの? 今でしょ」というCMが思い浮かんだ、団結した熟女の面々の行動力が眩しく映りました。ハリウッドの件があればこそ、人々の価値観を考えさせてもらえたと思います。当初の目的を遥かに超えた成果に驚き、実話である事に更に驚きました。太極拳の光景は溜息ものの美しさでありました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 20:04:20) |
1234. ノー・マーシイ/非情の愛
《ネタバレ》 エディとロサド共にヒリヒリするキャラクターで対決に期待したのですが。ミシェルに水を差された感が。エディと体を重ねたところから急に安っぽい話に見えてきて、観終わって「そういやエディって刑事だったんだ」と思い出すと失笑が。くどい音楽も耳障りでした。 [DVD(字幕)] 5点(2013-02-08 00:12:25) |
1235. 断崖
《ネタバレ》 私の嫌いな舌先三寸男を見た目爽やかなケーリー・グラントが演じているものだから、「これでもかっ!」というくらい神経を逆なでさせられました。本性を剥き出しにしてリナを断崖から突き落とそうとするも間一髪のところでかわされ自身が転落死・・・私の確信はハズレ。なるほどそう来たかと呻らされるハズレでなく、なんじゃそりゃとずっこけるハズレだったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-07 23:36:25) |
1236. チャップリンの黄金狂時代
《ネタバレ》 初見。後をつける熊に気づかず雪山の崖っぷちを「何時ものスタイル」で飄々と歩く登場シーンにいきなり大笑い。よくよく考えてみると笑えない餓死や転落死の危機をも笑いで魅せてくれる喜劇王。そんな彼が表した孤独の辛さ、初めて酒場に立った後ろ姿と蛍の光を聞く横顔に居たたまれない思いが。なので船上のジョージアが「何時ものスタイル」の彼に見せた優しさに救いを見ました。チャップリンの価値観を痛切に感じた作品です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-02-04 20:08:43) |
1237. 4デイズ
《ネタバレ》 犯人から自供を得ないと百万千万が死に至る。辛さから「こんなやり方をするくらいなら吹き飛んだほうがマシ」とのたまうブロディと辛さを呑みこんで「こんなやり方」をしてでも百万千万を守ろうとするH。唾棄すべき人物はどちらか。二人が事あるごとに対立しながら、拷問を加え妻を切り裂き子供を引っ張ってきてようやく自供を引き出す。一件落着かと思いきやここからの展開に驚愕。子供を連れたブロディのナルシスト面に言いようのない憎悪と尻切れトンボな終わり方に唐突さを覚えました。観終わってアメリカ公開版がやり切れないラストシーンをカットした事を知りました。自ら捕まった点を除いてはリアルさが気味悪い作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2013-02-02 00:51:22) |
1238. ハリーの災難
全編を覆うまったり感ととぼけた味わいが赤塚不二夫作品を彷彿とさせます。しかし、結末はしらけ観いっぱいで「これでいいのだ」とは思えない作品でした。 [DVD(字幕)] 4点(2013-01-24 02:29:13) |
1239. 裏切りのサーカス
《ネタバレ》 人物の分かり辛さ、テンポの悪さ、抑え過ぎる演出にしんどくなりながらも「もぐら」の正体知りたさに最後まで鑑賞。鑑賞後はしんどいと思った点が本作の味わいに思えました。原作があるそうで、もぐらになった動機やもぐらと同性愛者の関係、一度も顔を見せなかったカーラとアンなど掘り下げて欲しかった点を確かめたくなりました。 【2018.2.14追記】 原作を読みました。500㌻超、映画同様解り辛い内容で心踊らされる事のない文章を行きつ戻りつしながらで3日かかるも、先に映画を観ていたおかげで読み切れた。 内容が把握出来た状態で再度鑑賞。 エンドロール冒頭で撮影開始直前に他界したという脚本家ブリジット・オコナーに捧ぐとあるのが頷ける極限まで削ぎ落とし、新たに肉付けした脚本が実に見事。 諜報機関に身を置く者の生き様を見せられる。 全編を覆う忠誠心と裏切り プリドーが愛するヘイドンに落とし前をつける姿は前回鑑賞時で最も印章深かったが、状況が呑み込めた今回はプリドーの胸中がこの上なく切ない。 この二人を上回るのがスマイリーとカーラであって、スマイリーがギラムに語るカーラを西側へ寝返るよう説得した昔話が圧巻。 愛する人に「行かないで」と懇願するようでもあり、一言も発せずに「裏切るくらいなら死を選ぶ」と帰国したのを狂信者呼ばわりするものの己の浅はかさ小賢しさを恥じているようでもある大写しの表情に息を呑む。 いぶし銀英国男優ここにあり。ゲイリー・オールドマン、ジョン・ハート、マーク・ストロング、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ、トビー・ジョーンズ・トム・ハーディ。 私が一番惹かれたのは顔を見せなかったカーラ。演じられるのはポール・スコフィールドあたりなのだろうか。 クリスマス・パーティを回想する女々しさ溢れるスマイリーがラ・メールをバックに気骨ある亡きコントロールの席に就いたラストに拍手を送りたい。 一度の鑑賞で解らなかったので10点とは言えないが、手間暇かけて素晴らしさが解った稀有な作品に敬意を表して前回より3点を上積み。 [DVD(字幕)] 9点(2013-01-19 23:27:24)(良:1票) |
1240. 夜までドライブ
キャラが際立っていた社長夫人。知性の無さと比例した物語の深みの無さが物足りませんが、彼女のお蔭で退屈せず鑑賞出来ました。 [映画館(字幕)] 6点(2013-01-13 20:22:38) |