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プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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1.  光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 
こういう話大好きなんですよ・・・自分をK-PAXからの訪問者だと主張する主人公。あり得ない話であり精神病患者の妄想にしか思えないのだけど、常人とは思われない博学さと人を惹きつける魅力に溢れる彼を周囲の人々はいつしか信じたい気分に襲われてゆく・・・この手の話にはミステリーというよりももっと哲学的な「認識とは何ぞや」という疑問を感じてしまうのですよね。ひょっとしたら私たちが認識している世界しっかりと出来上がったものなんじゃなくて、もっと流動的でずっとフレキシブルなんじゃないかな、と。もっと突っ込んで言うなら知覚する精神があってこそこの世界は成立するのであり、この世界が成り立っているのだとしたら、貧しい屠殺業者の空への夢がひとつの天体とそこにすむ人々や文明を作り上げてしまうのもアリなのか・・・?なんてそんなことを考えました。もちろん「分かりにくい」とか「説得力に欠ける」とか「投げっぱなしの終わり方だ」という意見ももっともなのですが、私としてはこうした「世界の神秘」と「魂の浮遊感」を感じさせてくれるこの映画に出会えたことを本当にうれしく感じます。
[映画館(字幕)] 10点(2007-09-26 17:16:59)(良:1票)
2.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
ここに出てくる保安官役のジーン・ハックマン、大好きです。ホントこの人、憎々しい悪役やりますよね。凄腕で傲慢で冷酷でそして誰も信じていない、信じる必要なんかないと思っている・・・ただひたすら「街の治安維持」という「自分の正義」を信じ、最後の最後までその「正義」に微塵の疑いも抱かない。そんな彼の存在こそが、この映画の「誰もが『許されざる者』である」というテーマを際立たせてくれるのではないでしょうか。・・・ああ、いいなぁ・・・まさに「上質の悪役こそがいい映画を生む」という典型的映画ですな。
[DVD(字幕)] 10点(2007-05-23 17:03:33)(良:1票)
3.  ジュリア 《ネタバレ》 
完全に主人公リリアンの目からのみ描かれるタイトルロールのジュリア。彼女が実際何を為そうとしどんな危険と隣り合わせていたのかは、私たち観客もリリアン同様最後まで知ることはない。その謎だらけの描き方がかえってジュリアを究極の理想の彼方へ高めてくれる。私たちもリリアンと同化しジュリアの身を案じその魅力の夢中になっていくのだ・・・こうしたリリアンの「尋常ではないジュリアへの憧れと美化」にフィクションの匂いを感じながらも、それでもこの映画を好きにならずにはいられない、そんな女性はいっぱいいるだろう。 「心から尊敬し心酔する友の不在」 「やりがいのある社会的任務の遂行の難しさ」 「苦悩の中からも自分の才能を開花させる根気強さの欠落」 そんな現実を生きる私たちに浮世の辛さを忘れさせ明日への活力を与えてくれるこの映画は現代の女性のためのファンタジーだ。 もっとも実際、もしこんなすごい友達がいたら、私だったら劣等感ゆえきっと疎遠にならざるをえないだろうがなぁ。リリアンという人がそうならなかったのは彼女の偉大さや才能・自信の証ということなのだろう・・・もちろん全ては「この話が実話だとして」の話であるが・・・ 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-27 12:53:34)
4.  プラトーン 《ネタバレ》 
ワタシにとってのベトナム戦争映画における最高の作品。ちなみにオリバー・ストーン作品の中でも一番好きな作品です。こんな悲惨な戦争映画を何度も見る気にさせてくれるという点で、最早文句の付け所がありません。 この作品の中で語られるのは戦時における正義というもの。片や薬や酒に吐け口を求めながらも人としての正義を捨てきれないエリアスと、片や隊が生き延びることを最終目的とする単純かつ直接的で狭い正義を振りかざすバーンズ。その二人の体現する正義のぶつかり合いがこの映画のテーマなのです。平和なお茶の間から見ると、どうしたってエリアスのほうがマトモであるとは思うのですが、そう思いながらもバーンズの力強さ・生き抜こうという時に邪悪なまでの逞しさも完全に否定はしきれない。 そんな重いテーマを小気味いいテンポやストーリー展開、分かりやすい人物設定などで再見可能ないい意味での「面白い映画」に仕上げた、これはまさに逸品であると思います。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-05-23 17:10:19)
5.  硫黄島からの手紙
おととい遅ればせながら観てきました。 …観る前、実はちょっと心配でした。 「よく終戦の日あたりにテレビでやっている特別ドラマと大して違っていなかったらどうしよう」とか、「『アメリカ人が撮ったわりにはよくできているじゃないか』なんていうのが主な感想になる程度の出来だったらどうしよう」とか。…でもそんな心配は杞憂なものでした。この作品がアメリカ映画であるということとかイーストウッド作品だということ、そういうのを抜きにしても私にとっては十分楽しめる作品、そして心に残る作品だったのですから(実際映画が始まるとイーストウッドのことはほとんど思い出すに鑑賞できたくらいです)。 …私は今楽しめる作品と書きましたよね。 このような戦争における部隊の全滅を描いた作品、いわば生と死の極限状態を描いた作品でありながら「楽しめる」という言葉に抵抗をもつ人もいるかもしれません。でも正直「戦争の悲惨さを考えさせる」とか「命の尊さを考えさせる」とか「日米のあらゆる違いを考えさせる」という啓蒙的要素よりも、あんなにも悲惨を極めた「硫黄島の戦い」を映画という娯楽として多くの人々に観せることができたことが、この映画の特筆すべきことではないでしょうか(イーストウッドという色眼鏡なしにこの作品を鑑賞したつもりの私ですが、今思ってみるとそういう点では「許されざる者」にも通じたものがあるのかもしれません)。およそ目を背けたくなるような悲惨なシーンも色のトーンの工夫などで上手く美しく表現しているところなど、心憎いようです。2時間半にも及ぶ時間を、ときおり回想を含ませているとはいえほとんど地味な戦場ドキュメンタリーのような様相を見せながら最後まで観客を引っ張っていく力は一体何によるものなのか?シナリオなのか役者なのか監督の手腕なのか、そんなことすら私にはわかりませんでしたが、とにかくあっというまの2時間半だったことは確かでした。 本来ならば10点を献上したいところですが、2部作の片割れ「父親たちの星条旗」を未見であること、あと鑑賞直後の一過性の陶酔である可能性、そしてやはり外国作品であるがゆえのほんの些細な「言葉の不自然さ」(とくに雑音として入ってくるセリフの端々に見られました)のため1点マイナスさせてもらいます。今度は「父親たち・・・」を鑑賞後すこし時間を置いたうえでまたこのレビューを書かせてもらいたいものです。
[映画館(字幕)] 9点(2007-02-19 17:41:18)(良:2票)
6.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 
コレ、大好きな映画です。最初は小学生のときうちの地上波テレビ放映で観て、やや成長してからはパンフ欲しさにリバイバル上映にはるばる都会までやってきて2回も続けて観てしまいました(計8時間!!さすがに2回目はラストまで観ることができずメラニーの死のあたりで体力の限界を知り席を立ちましたが・・・)それほどに好きな映画、だから世の中のひとも皆同じなのかと思い込んでいました。だから「ただのワガママ女のご迷惑人生映画じゃないか!あのラストは当然だよ、ザマーミロ!」という人もいるということを知ったときのショックたるや―しかもそれが我が夫もそのひとりだったとは・・・男の人には意外とウケ悪かったんですねー(・・・シュン) でも、そんな自己チューを煮詰めて固めておまけに磨きを掛けた濃縮エキスみたいな女スカーレットが何故にこんなにも多くの女性たちに愛されるのかってのは、彼女の恐ろしいほどの生命力のせいなんだと思うのですよね。だって、こんなふうには生きたいと思ってもなかなか生きられるもんじゃない、現代だってそうなのにおまけに19世紀の封建的なアメリカ南部でですよ。こんなにも壮絶な、世間の風評による自滅すら恐れぬほどの徹底的な自己チュー、道徳的善悪すら超えたその強さ・純粋さに人は無条件に憧れの思いを抱くものなのではないでしょうか。 もっとも初めてこの映画を観た少女の頃は私も、貴婦人の中の貴婦人であるメラニーこそ自分の理想だと思っていました。目指すべきはこういう女性だと・・・しかしン十年後の今、メラニーどころかスカーレットはもちろんのこと、インディア(アシュレの妹=いわゆる並みの意地悪役)にだって届いているか・・・せいぜいプリシー(役立たずの奴隷娘役)あたりをウロウロしている自分にこっそり涙する今日この頃、なのであります・・・(んでもプアホワイトのエミーはよりはマシになったかも?)
[映画館(字幕)] 9点(2007-01-23 14:18:34)(良:1票)
7.  グリーンブック 《ネタバレ》 
よかったです。正直観終わったときは「うーん、作品賞っていってもそれほどでもないかな。普通に良いってくらい…?」だったんですよ。けど、鑑賞後72時間過ぎた今、じわじわ感じるものがあることにちょっとうれしい気分なのです。  多分ね、こういう社会問題をテーマにしたロードムービー、加えてちょいちょいニヤリとさせながらも最後は感動にもっていくって映画は今までにもいっぱいあったように気がします。だから既視感は、前のほうでもおっしゃっているように、結構あります。 それでもこの映画、野卑な運転手のトニーが、鑑賞後どんどん魅力的に思い出されてくるのですよね。あんな何処にでもいるおっさんが、ですよ。 なんてったって腕っぷしは強いし肝も据わっている。知性や教養はてんでお粗末ながら、それを持っている人へのコンプレックスや僻みに心が歪んだりなんてしていない。まさにパンのように素朴で単純なこの俗っぽいイタリア男がすごくいいんです。 普通なら、この困難なツアー実施を英断したドクターのほうをより魅力的に描くんじゃないかなって思いがちだけど、そうではない。ドクターは天才だけど、孤独で傷つきやすくいっぱいいっぱいで生きている人。この旅でより恵みを受けたのはむしろ彼のほうでしょう。  映画終盤、演奏旅行は終わり2人はそれぞれの元の生活に戻っていきます。トニーは愛する家族に囲まれながらもまた金の工面に四苦八苦する生活に、ドクターは著名なピアニストとして豊かで優雅で安全な、だけど孤独な生活に… だから彼が勇気を出して自分の殻を破り、二人の友情がその後末永く続いたというエンドクレジットに、ほっとした観客も多かったのではないかと思います。(エンドロールになってもほとんど席を立つ人がいませんでした。)  地味ながらなかなかの佳作。 今は、作品賞をとってくれてありがとうと言いたいですね。とらなかったら多分観過ごしてしまったことでしょうから。  追記(2019.3.6) さきほどこの映画の受賞は本国で賛否両論だという記事を偶然目にしました。それによると「『白人が黒人を救う姿を描く“white savior(白人の救世主)”』の映画だ」という批判的な意見はそもそも受賞前からあったのだとか… うーん、そうなのかなぁ…「白人が黒人を救う」っていうよりは「凡人が天才を救う」っていう映画に私には見えたんですけどね… しかしそういう意見も出るということに、アメリカという国の人種差別問題の根深さを感じます。 確かに「サレタほうはシタほうにずっとずっと厳しい目を向ける」もんなのです。それもいつまでもね…(まあこれは人種問題に限らず世界中どこでもいっしょなんですが)
[映画館(字幕)] 8点(2019-03-05 17:38:21)(良:1票)
8.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
音楽系伝記映画って、そんな好きじゃないと思ってたんですよ。基本なんか同じようなストーリーっぽいじゃないですか。下積みで苦労ののち成功、でもそれゆえの孤独を噛みしめることになり、最後はそれを友情で乗り越えて大団円って感じ。だから「ドリームガールズ」も「ジャージー・ボーイズ」も「ああ、いつものやつか」って感じで感動するほどじゃなかった…  この映画予告を初めてみたとき、正直思ったものでした。 「そんなものに私の大好きなクイーンをフレディを巻き込まないで欲しい! クイーンはあの素晴らしいライブ映像で十分なんだ! あれが彼らが伝えたかった全てなんだ! だからその背後になる人間ドラマとか苦悩とか、そういうのをそっくりさん使っていかにもな風体で作り上げた所詮ニセモノなんぞを見せつけられたって、シラケるだけに決まってんじゃん…」  でも、ツレアイに付き合って渋々この映画を見る羽目になった私は、なんのことはない、普通に感動しておりました。 そしてラストにはウルウルとさえしてしまった自分に、今若干の気恥ずかしさを感じています。  結局、こういう伝記映画を楽しめるか否かは、描かれている人たちへの思い入れがあるかないかだけなのか?  それを確かめるためにも近々彼らのライブ映像をもう一度見直してみたい、そんな風に思っています。  あ、点数ですか?このレビューじゃご託並べてゴネていますが、文句なく「率直に面白かったぁ…って言える」映画だと思うので8点です。 ブレイク前の日本でのエピがカットされたのはやや残念ですが、まあこの長さじゃ仕方がないのかも…
[映画館(字幕)] 8点(2018-11-15 17:26:23)(良:1票)
9.  ツーリスト 《ネタバレ》 
えー、全然期待してなかったけど、意外に面白かったです。 アクションっていうよりは小洒落たロマンティック・コメディって感じかな。 ラスト、主人公の切れ者振りにはスカッとさせられるし、スコットランド・ヤードたちの微妙な間抜け振りも笑えました。 一番感心したのは元007のティモシー・ダルトンの使い方。 あれっこんなつまんない役やるようなになっちまったのかよ、とマジで思わせるには絶妙のポジションにいる俳優に思えたので…(失礼、でも最後にはナイスフォローされてたんで安心しました)。 ただアンジェリーナは痩せすぎ(浅丘ルリ子を思い出しちゃいました)で設定のゴージャスな美女としてはちょっと痛々しかったかも。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-30 17:54:53)
10.  レディホーク 《ネタバレ》 
スクリーンは中世のヨーロッパなのに、耳に流れてくるのはあたかもミラーボールでも回っているのかと思うような80's! 普通なら「ぬぁんじゃぁ!ごぉりゃぁ!!」と「怒髪、天を衝く」レベルなんでしょうが黒騎士R・ハウアーの格好良さで全て帳消しになります。いや、むしろ聞いているうちにこのこっぱずかしい音楽に嵌ってしまう。 いいねぇ、このアンバランスさ!!いかにもな音楽よりも途轍もないインパクト(?)があって、癖になりそう……  他にもヒロインの80'sな髪型とか(ラストの「髪、切ったんだね」には笑いました、オイオイどこの軟派なあんちゃんみたいなセリフ言ってんだよ)、ミサ中突然おっぱじまる死闘にも呆気にとられて見物しちゃうたくさんの坊さんたちとか、突っ込みどころは多々あります。  それでもこんだけカッコイイR・ハウアーが観られただけで私は大満足。とても冷静に点数なんかつけてられないです。 というわけで「アバタもエクボ」の8点献上。今度はここで評判の「サルート・オブ・ザ・ジャガー」でも借りてみようかしらん…… 
[DVD(字幕)] 8点(2012-01-24 18:09:15)
11.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 
こういう映画―離婚後、離れて暮らす我が息子の失いかけた信頼を孤軍奮闘で勝ち取るダメパパを描くアメリカ映画―っての観たのはコレが初めてだったんだと思います。以後多数のこの手の作品を観ましたが、この作品を上回るものは残念ながらいまだにないですね。ダメパパの弾けぶり、百面相のごとき顔芸のオンパレード、ビリッと痺れる毒舌だからこその彼の吐く本音の面白さと小気味よさ、どれをとっても類似作品とは一線を画す良作です。 それにしてもこの作品、元妻とすらヨリを戻すのか(?)というラストで終わるというハッピーエンドのてんこ盛りぶり。このほかの作品があくまで親子の絆の再確認ぐらいで終わっているのにサービス好過ぎ(もしくは都合好過ぎ?)なのですが、そういうとこも実は私が気に入っている点なのです。離婚したらすぐ別の相手と新生活を始め、昔の夫や妻のことなんて思い出しもしないのが今のアメリカの現実なんでしょうが、こーゆー「焼けぼっくいに火が付く」ってのが個人的に好みなもので。「リアリズムもいいけど映画ぐらい夢見させて!」ってことでこの高評価になりました。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-23 12:18:13)(良:1票)
12.  グローリー 《ネタバレ》 
不思議な映画。もちろん前のほうでも仰られているように差別を逆手にとった感動を狙った作品のひとつに違いはないのだろうが、何故かその手の作品にアリがちな「白人の自己欺瞞への反吐が出るような嫌悪感」は少ない気がする。思うに、主役たる白人のショー大佐があまりにも幼く情けない存在であることが功を奏したということなのだろう。 かつての戦闘の凄まじさにトラウマを抱えて正直いっぱいいっぱいなのに、昇進というエサにもつられ難しい立場である黒人部隊の指揮官となってしまった彼。その彼が黒人の兵士に対しどのような感情を抱いていたのか、また兵士たちが指揮官たる彼にどの程度の信頼や尊敬の念を抱いていたのか?この映画はそれについてほとんど語らず、大仰な「対立」やそれを乗り越える「感動的和解」もない。ただただおのおのが自分の役目を果たすのに全力を注ぐ、それが勝利につながり、解放につながり、贖罪にもつながるという事実を客観的に描くのみ。 結局、黒人の解放とは一部の良心的な白人達の共感や改心なんぞによって成されるものでは決してないということ。つまり、被差別者である黒人(を含める有色人種すべて)も差別者である白人も、真の意味では「対等な存在」以外にはなりえないという事実、本作はそれをストレートに描いた佳作であろう。 余談だが、上から見下ろすような余裕ある視線が一切ないせいか、個人的にはマシュー・ブロデリック演じる戸惑いの「坊っちゃん大佐」には非常に好感をもってしまった。「おばちゃん」さんのいわれるように、このナイス・キャスティングに感謝! 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-03-24 17:25:10)
13.  恋におちたシェイクスピア 《ネタバレ》 
オヨヨ、結構評価低いですね、皆さん。わたしゃ好きですけどねこの作品。全くの嘘っぱち、フィクションでコテコテなんだけれど、その出鱈目さのシェイクスピアの作品への絡みが実に絶妙。そもそもは口から出まかせの「海賊の冒険活劇」がいつの間にか悲恋モノの王道「ロミジュリ」へと、無理矢理をぎりぎりのところで押さえた斬新な展開が続いていく。小気味いいじゃありませんか。いやーだウソぉと思いながらも「ほー、そんでどーなんのかね」と惹きつけられるのは多分脚本が上手いからなんでしょうな。そして最後「十二夜」に繋がるラストも爽やか。「十二夜」がハッピーエンドなところもいい余韻を残してくれます。 観終わって「絶対あり得ないけどこんな裏話があったらなんだか嬉しいな」とそんなこと思わせてくれる映画。そこまで思わせるなんて、なかなかない佳作ってことじゃないですか? 
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 17:04:37)(良:3票)
14.  旅情(1955) 《ネタバレ》 
あれぇ?意外と評価低いんですね?特に最近の方(苦笑)!いやいやわたしにゃこれこそ名画だって映画なんですけどね。昔日曜洋画劇場で観た子供の時には、「あーあこんな旅(ロマンスじゃないよ、一箇所長期滞在型でホテルの女主人と友達になるような旅ってこと!)してみてー」って心のそこから思ったモンだった。あのころはそんなことが出来る時代がくるなんて思ってもいなく「兼高かおるの世界の旅」でも観て我慢しているだけだったが、そう思うと日本も豊かになったモンです(遠い目)・・・さて映画についてはベタベタでお世辞にも美男美女ではない中年の恋をここまでさわやかに描いた佳作であると思います。ヘップバーンは初心なハイミスを嫌味なく演じているし、イタリア男はいかにもありがちなナンパおじちゃんをリアルに演じている。ただ問題なのはこの映画にフラっときちゃったんだか普通のオネエチャンやオバチャンたちが密かに恋をもとめてヨーロッパにくりだしちゃったその後の世相にあるのではないでしょうか?実際の恋(というかアバンチュール?)は残念ながら映画みたいに美しくはいかんのですよね・・・  
[地上波(字幕)] 8点(2007-10-18 17:34:39)(笑:1票)
15.  ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
・・・ずっと思っていた。「この世で最も憎むべき人間とはこの映画の主人公のような武器商人たちである」と。戦争により、より大きな権力を得ようとする為政者たちでも、その為政者を倒すためなら手段を選ばないことで民衆を更なる悲劇に追い込む自称・解放者たちでもない。彼らに節操無く武器が売ることで利益を得、その富で贅沢な暮らしを楽しみ、自分自身は絶対に戦場には現れず命の危険にもさらされないような武器商人が、この世の悪の張本人なのだと、深く信じていた・・ ああ、でもこの主人公は鬼でも悪魔でもなく、「普通の男」であった。貧乏から抜け出して愛する女性を妻とするために、しゃかりきになって働く「普通の男」。極端にモラルに欠けた人間でもなく特に暴力を好む人間でもない愛すべき男・・・だが、それはただひとつの点(それは彼と世界にとって最も不幸なことなのだが)彼の才覚が「武器を売ること」にあったことを除いては、の話だ。 「金ならもう十分だろ」という弟に彼は言う、「金じゃない、才能だ」と。彼は「武器を売ることに」に自分のビジネスマンとしての才覚とその能力への誇りを感じていたのだろう。そんな誇りは決して許されるものではないと私もきっと彼自身も思っているのだろうけれど、そういう人間がいるのも事実なのかも、と思った。この映画は自分の「天職」が、「神に背く悪魔の技であった」という男の悲劇を描いたもの・・・観終わったあとそんなことを考えた。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-09 12:42:13)
16.  グラディエーター
うーん、コンモドゥス役のホアキン・フェニックス!素晴らしいです。どうしようもない卑怯でダメな皇帝を演じているけどその薄気味悪い爬虫類のような低温感がたまりません。ここまでいやーなヤツを演じていながら、それでいてなんだか「こいつもかわいそうなヤツじゃないか」なんて仏心を見ている側に抱かせるなんてなかなかできるものじゃない。 気持ち悪い悪役を演ずる名優ってそれなりにいるもんだけど彼はそんな中でもいい線いっているじゃないですか?もちろんこの映画の魅力は主人公のラッセル・クロウのかっこよさなんだろうけど、この映画の良し悪しはやっぱり悪役である彼の力量によって決まったんだと思います。チンケな悪役って映画の質を落としますから・・・ というわけでこの映画は久々にお気に入りの俳優と出会えた価値あるものでありましたわ!これからはもっと彼の映画に注目してみましょう!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-09-26 17:22:40)(良:1票)
17.  ダイ・ハード
「『ダイハード』ってさ、すっごい面白いんだよ。」 「・・・どんな話なの?」 「ハイテクビルがね、占拠されてね、それでたったひとりで閉じ込められて戦うんだよ」 「・・・」 今を去ること20年程前この友人Mの説明を聞いた私は正直「けっ、すっごいつまんなそー」と心の中でつぶやいたものだった。だが・・・ごめんMちゃん、あんたの言うとおりだったわ。この映画の面白さは見なきゃわかんないね。ユーモアと機知に富んだセリフ、アッと言わせる練りこんだストーリー、靴すら履かずガラスで足を切りボロボロよれよれになりながら知力と体力の限りを尽くしてテロリスト強盗団に立ち向かう普通の中年男。ただのアクションだけじゃない、限られた空間で全ての能力を駆使する男ジョン・マクレーンの魅力の炸裂する作品です。 
[地上波(吹替)] 8点(2007-07-30 17:03:17)
18.  ブレーキ・ダウン 《ネタバレ》 
これこれ、この映画!!これさー、かなり怖いヨー。ホントどこにでもいそうな普通のおっさん連中がすっごい悪人だったりするとこなんか、参っちゃいますね。ちゃんと奥さんと子供がいて家じゃそれなりに父親やってるなんてさー。 「激突」に比べるとってご意見も多々あるようですが、別の味のサスペンスとしてはなかなかの佳作ですよ。銀行のシーンなんかハラハラしちゃったし、ワタシにはカーアクション云々はあまりわからないから、こっちのほうがストーリー的には好きかも・・・特に悪人をやってるJTウォルシュがいいねぇ。ホント悪いヤツやってるのがサマになっています。
[地上波(吹替)] 8点(2007-06-14 16:18:08)
19.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
昨日やっていましたね。もちろん先週末封切られたばかりの「ワールド・エンド」を意識しての放映だったんでしょうが、あらためてこのシリーズ第1作の面白さを痛感しました。既に2も3も劇場鑑賞したんですけど、ワタシとしては正直2,3とは切り離して考えたいぐらいこの1は別格に好きです。 まず、主役が人気者化される前なので、ちゃんと頭を使ってて、観る側を「なぁるほどね、やるぅ!」と唸らせてくれること。それから悪役もかっこよく、感情移入ができること(ファンもできないような悪役を使う映画はどうみても名作にはなれない)。さらにヒロインが恋するお転婆お姫様そのものとして描かれ、それ以上でも以下でもない扱い方をされていること(過剰なもてはやしは客席を冷めさせる)。その上絵的にもコスチュームものとしてサマになってるし(やっぱきれいなドレスはアコガレです)、全体的に空気が乾いてサラッとしていること(と、これは全く個人的な理由でジメジメは苦手だから)。 以上の点からもワタシにゃこの作品がシリーズ1番かな。カラッと明るく分かりやすいドンパチもののほうがやっぱ受け入れやすいよ。だってコレ痛快娯楽アクション映画なんだもん!
[地上波(吹替)] 8点(2007-05-28 13:17:01)
20.  ドライビング Miss デイジー
この作品は、こういうダラダラとした日常を綴ったものとしては珠玉のものですね。気の利いた会話、ユーモアとペーソス溢れるやり取りの数々。この手の作品でコレを上回るものってそうない(似たクサイのも沢山あるけどどれも退屈だったり理屈っぽかったり独りよがりだったり、です)。ザッピングでうっかり通りかかったら絶対そのまま観続けちゃう作品。これはワタシ的には映画に捧げる最大級の賛辞です。
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-23 17:08:04)
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