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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  ザ・セル 《ネタバレ》 
ドノフリオで成功。映画のタイプとしては「お宝」探し。そりゃー誰だって1回くらいは見てみたいもんねえ、凶悪犯の頭の中。見たくない人もいるだろうが。そういう意味で「エクソシスト」みたいな。ポゼストされたリンダブレアがどんなんなっちゃうのか、メリンのシドーがいかなる技を繰り出すのか、それまた「お宝」だったものです。「セル」のお宝はどうだったか、といいますと、想定外でもなし、想定以下でもなし。サーカス感満載。どっちかていうと、フツーの村に小さな可愛い男の子がいて、そいつがところどころとんでもない行動をやらかしてる、みたいなつくりのほうがイケたんじゃないかなあ、私に脚本書かしてくれ。シドーの悪魔払いにシビれたようなお宝感はなかったなあ。
[ビデオ(吹替)] 8点(2005-12-25 12:19:29)
22.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
ムーアにはちょっとはまっちゃった。誰もがわかっているけど奴は確信犯。そして、ほんとはブッシュを追い込むことは2番目の目的で、1番はエンタテインメント。なんか、本で言い訳してたもんねえ。俺が緑の党のナントカを押さなかったせいでブッシュが通ったけどそのワケはとかさ。いいんだよムーア、あんたは間違いなく面白いから。誰も見てくれなかったら意味無いし、見てもらうには面白くないといけないもんね。でもみんな、だまされないでねー。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-25 00:15:03)
23.  光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 
難解だった。今でも不明。自分が脚本を書くとしたら「あいつは大嘘つき」というオチしか思いつかない。ケヴィンは見飽きたなあ。途中までは謎が謎をよぶ展開で期待がもてる。
[DVD(字幕)] 8点(2005-11-13 15:44:58)
24.  運命の女(2002) 《ネタバレ》 
この作品でオリヴィエを発見。なんなのこの人って。驚異のフェロモン全開男。 その後他の作品でも見たけど、やっぱり全開だった。私生活大変だろうなあ。しかし、よくこんなのをキャスティングしたものだ。さすがエイドリアン。しかし、ギアもかなりのものなのに、オリヴィエと並ぶと、フェロモン度には横綱と幕下くらいの差を感じる。見ているだけで妊娠しそうですね。下品ですいません。ダイアンの老けぶりにおどろくが、女の共感を呼ぶタイプへ老けていた。
[DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 23:16:58)(笑:2票)
25.  エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 
ネタがネタだけに、まともな評価がされないおそれがありますが、楽しめた。 プレデターと人間の女が協力してしまう、そのアイディアはなかなかよいではないか。 1人のプレデターを特化して描いたのもよかった。もっともよかったシーンは、プレデターが、エイリアンの頭を武器化してヒロインに渡すところ。個人的に、続編のネタを考えて楽しんでしまいました。あのヒロインが子供プレデターを助けて、養育するっていうやつですけどどうでしょう。それで、研究機関から守ろうとして、闘ったりするわけ。そこに、とうちゃんプレデターが迎えにくるとかいうんだけど。いいと思うけどなあ。
[DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 22:49:46)
26.  ゴーストワールド 《ネタバレ》 
それまでずっとリアリティだと思って見ていたので、ラストのバスシーンおよびシーモアのママ同伴セラピー通い及び、エンドロール後のシーモア大暴れシーンを見たのち、しばし考え込んでしまった。 もしかすると、バスシーン以外にも「現実に起こっていない出来事」が挿入されているという禁じ手が使われていたのか?まさかそんな、「ピアニスト」みたいなヘンな映画なのかコレは。 けども辻褄が合わなくなるのでいちおう、妄想シーンは含まれていないというふうに見るしかない。 しかし、完全にリアリティの映画というふうにもいえない。 バスに乗る前のイーニドの状態はというと、親元には住めず、おそらくレベッカとの同居もあきらめ、今さらシーモアとの同居も見込みは乏しく、高卒資格は帳消しで、美術学校の夢も消え職を探す気も失せた、ということになります。八方ふさがりとはまさにこのことです。全部自分が招いた結果であるが。 さて、このあとイーニドだったらどうするのか。レベッカに聞かれて「I'm not sure」つまりまだよくわかんない、というふうに答えています。 ここに及んで作り手は、彼女をビルの屋上とか線路脇に連れていかないで、ファンタジーに逃げたのです。このやり方については、賛否両論ありそうだ。ミステリアス感が増したとはいえるが、私は、ビルの屋上に佇むイーニドのショットで終わるべきだったと思っている。飛び降りたかどうかは観客にまかせればいい。 さて、イーニドの苦しみはハイティーン特有のものには違いないが、「母の不在」を抜きにしては語れない。女子にとって「母」=「縁を切れない反面教師」であり、しかも相手は自分を愛しているというやっかいなことなので、これすなわち「折り合うしかない」存在なのだ。大人になるために最も必要な「折り合う」を学ぶための最適教材=母、なのだが、それができない環境にあるイーニドは「バカとは折り合う必要なし」を貫いているつもりになっている。と私は思うのだ。 ボロボロになったシーモアがママに助けられていることも実は意味深で、作品中であえて全く触れられていないイーニドの「母の不在」こそが、大きなマターであるように思える。 「ゴーストワールド」の意味とは「私たちは地球に優しい石油会社です」という作中CMが象徴するように、周囲の人間がすべて「偽善者」に見えているイーニドの精神状態を指していると思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-11 23:40:58)(良:3票)
27.  ウェルカム トゥ コリンウッド 《ネタバレ》 
とてもとても残念な作品です。千原ジュニアのCMで「残念な映画」と言ってもらいたいくらいだ。 なんでかというと、私はサギと泥棒の映画が大嫌いで、極力見ないようにしているのだが、今回は「サギと泥棒」が無ければ本気で面白いと10点をつけたいくらい笑えるからです。 ソダーバーグとクルーニーがくっつくと、もれなく「サギと泥棒」映画を作っていまして、彼らがそんなに「サギと泥棒」が好きであることに驚きうんざりしてしまうのですが、私はそれ抜きで笑えるものが見たいのです。 確かに「サギと泥棒」でなければ出せない笑いがあるかもしれませんが、逆に「まぬけな犯罪者たち」に飛びつくのは笑いの作り手としては安易ではないでしょうか。「まぬけな一般人」より「まぬけな犯罪者」のほうが笑いやすいのは当たり前じゃないですか。 メイシーが呼び出しベルを放り投げるところとか、赤ん坊ネタはすべて良かったです。ならば、犯罪を持ってこなくても笑えるものは作れませんか。なぜって私のように「サギと泥棒」が嫌いな人のために~。 そして強調したいけど、「他人の持っているものを承諾なしに奪う」という行為に対して、成功すれば英雄扱いでもしかねない勢いの「ソダーバーグ×クルーニー」節には感心しない。 そこには「盗まれるやつがまぬけ」「騙されるやつがバカ」という特異な世界観が確かにあって、逆に成功すると「スマートでスゲーやつ」と本気で尊敬するという価値観があり、そのウラには「まじめにコツコツ働くやつは腰抜け」という本音も隠れている。 私はそういうのを布教することはやめてもらいたいのだ。映画の中くらいいいじゃないか、とは思えません。本作では10万円盗んで器物損壊しただけで「失敗」なのかもしれないが、基本的な哲学は「オーシャンズ」と同じでしょう。 でも、「ソ×ク」が今後犯罪路線を捨てるなんてことはまず有り得ないでしょう。せっかく笑える映画が作れるのに残念な二人だ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-22 13:47:07)
28.  酔いどれ詩人になるまえに 《ネタバレ》 
運よくブコウスキーのドキュメンタリーと続けて見ることができたために、作り手の意図もよくわかったし、ディロンが良く勉強して役作りしたこともわかった。 ブコウスキーオールドパンクとセットで見て初めて良さを感じる作品ですたぶん。 とにかく似ている!ディロンが似ています。肩をすくめたような姿勢といい、穏やかで人を食った物言いといい。 この映画だけを見ると、「ここに至るまでのブコウスキー」と「この先長い人生を生きたブコウスキー」が無いために、社会不適応者でアル中の30男の日常、というだけなのであんまり面白くはない。 が、「6歳から11歳まで父親にムチで殴られた少年」が、「天才詩人としてカルト的人気を集めて74歳で白血病で死ぬことになる」までの「中間」の風景をそのまま切り取ったものであるとして見てみて初めて価値を持つのだと思う。被虐待児の成長後の姿ともいえるし、また天才の不遇時代の姿でもある。その意味では映画としては未完成、ブコウスキーファンにしか消費されない…ともいえる。 「まだ何者にもなっていない時代のある男性」として見ることで、ブコウスキー本人が言っていたように「種火を消さないことこそが重要」という人生訓として見ることができなくもないが(本人は成功訓とか人生訓とか垂れるわけはないが)。実際、滅茶苦茶な生活をしていてもチナスキーが作品を出版社に送り続ける(ポストに入れる)場面は一貫して挿入されている。 さて現実のブコウスキーのしゃべり方は「ブルー・イン・ザ・フェイス」で見たルー・リードにそっくりであった。これは逆で、ルー・リードが真似たというのが正しいのだろうたぶん。出身地も生息地も全然違うのに、話の内容も似ているし、目をつぶっていたら間違えそうなほど似ていた。ルー・リードが故意に真似ていないとしたらとても不思議だけど、共通しているのは「諦観」のようなものだ。 ミッキー・ローク主演作のあまりの不出来ぶりに腹を立てていたブコウスキーに見せたかったディロンのそっくりさんぶり。おっさん喜びすぎてあの世で心臓発作でも起こしかねないな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-03-09 14:44:15)(良:1票)
29.  ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実 《ネタバレ》 
あまりにもお粗末なドイツ当局の対応に、衝撃を感じた。 だいたい、戦場でもないのに2時間も銃撃戦が続くということが異常である。そして、ドイツ側が複数の同士討ちをしてしまっているという悲惨さ。「夜の闇」を利用しようとしたが完全に裏目に出た結果となった。 もっと驚くのは、ドイツが生き残った3人の犯人を、裏交渉によりハイジャックを装ってシリアに引き渡したということだ。なんという腰抜けぶり。開いた口がふさがらないとはこのことだ。 死んだ犯人の遺体まで返還してやる親切ぶりで、彼らは英雄となった。ドイツはテロに対して無力であることを自ら認識し、今後のテロ攻撃の対象としないことを条件に要求に応じた…らしい。 「超法規的措置」の日本人がこういうことをいうのもおこがましいが、これでは死んでも死にきれまい。 イスラエル選手は無駄死にとなり、怒ったモサドは復讐する。 が、アフリカに隠れているというたった一人の犯人の生き残りが、顔を隠してインタビューに応じた(ことになっている)。 さて、これは本物でしょうか。私はやらせだと思います。他の2人が殺されて、どんなにお金を積まれても今の彼には安全に勝るものはないはずだ。しかも「アフリカにいる」とわざわざ情報提供しているのはなぜなのか。 もしも本物だとすると、彼が出演した目的は「金」か「あの事件の正当性を主張するため」しか有りえない。 しかし、やらせだとすると、「どこかに隠れている本物をおびき出すため」に、偽者を出してわざと違うことを言わせて怒らせようとした、と考えられないだろうか。 モサドですら発見できないこいつの居所をどうやって突き止めたのかという疑問もあるし、タカが映画のために危険を冒してインタビューに応じるなどとはとても思えない。 さて、非戦闘時に非武装の一般人を殺したり監禁したり虐待するのは、普通の人には許せないが、犯人たちにとっては「テロ」ではなく「ゲリラ戦」の一部だったので、ちっとも悪いとは思っていなく、アラブ世界では英雄になったのである。そして、イスラエルはオリンピックで人質事件を起こしたりしないから紳士的なのかというと、きっとそうではないからここまでされた…のである。 すると、「テロ」なのか「ゲリラ戦」なのかとか、一方的にテロリストを憎むことで済むのかということになってくるが…個人的にはやっぱり嫌だ。これは平和ボケというものかしら。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-02-21 15:04:03)
30.  白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々 《ネタバレ》 
丁寧な作り方には好感がもてる。陰影を生かした映像や、折々に空を見上げて自由を確信するゾフィーを表現するなど、とーてもマジメな映画。そうドイツの映画って、いつも真面目さを感じてしまう。 若くて恵まれた境遇なのに、正義のために命を惜しまなかった若者たち、とくに女なのに勇気あるゾフィーはすごい…というふうには済ませたくない視聴後感だった。 なんというか、「死ねばいいんでしょ死ねば」という気がしませんか。 信念や正義のためには、潔く死んでいくことが美しい…というふうに、感化されてしまうことがこわい気がするのです。とくに若い観客のみなさんが。 「○○のために潔く死ぬ」というのは、日本の特攻隊と同じモーティブですね。私はどんな場合でも、「死ねばいいんでしょ死ねば」という見せ方をされたら肯定したくない。 「死んでたかもしれない」という経験をすると(事故でも病気でも)、日頃はなはだあやふやにして放っておいた「死」というものを認めざるを得ない。すると、「とにかく死なないようにしなければいけない」というふうに思いますフツーは。それで人によっては健康オタクになったり、サプリに凝ったり、外出しなくなったりする。 そういう目で見ると、抵抗運動というにはあまりに計画性に乏しく杜撰に見えるハンスらの行動や、「自分が犠牲になれば仲間が助かる」という甘い目算や、「あと99日以内には連合軍によって解放される見込み」をアテにしたゾフィーの強気の態度などは、「死の恐怖」というのものを度外視しているように私には見える。 彼らの「アテ」は見事に全部はずれて、どんな敵を相手にしているかという覚悟の不足をぬぐえない。 そして誰もがゾフィーのように泰然として断頭台に身を横たえるかといったらそんなわけはなく、「常人離れした特別に勇気のある女の子」の物語…というふうに見るしかない。 死んだら終わりなんですよ。ゾフィーはモーアと取引するべきだった。したたかな相手にはしたたかに対応しなければ。南アフリカのビコのように、自分が死んで英雄視され抵抗運動が盛り上がることを目算にあえて死を避けなかった場合もあるけれど、私はこの映画を見る限りは「恵まれた坊ちゃん嬢ちゃんのクラブ活動が度をはずした」というふうに見えてしまう。 とにかく、若い観客には「どんなことがあっても死なないようにしろ」と強調したいがわかってもらえるかしら。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-24 13:13:02)(良:1票)
31.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 
私は監督ピーター・バーグのファンなので、監督欄に彼の名を見つけたら迷わず見る。 ついに、こんな大作を任されたとは出世したものだバーグよ。けっこう金かかってるじゃん。 と期待に胸をふくらませ、いそいそと画面に向かうがバーグも最近のはやりに抗しきれず、一貫して揺れるカメラ大作戦になってしまっていた。目が、目が痛い。 明らかに「ブラックホークダウン」を意識した作品だが、一回りも二回りも小ぶりな仕上がりを見るとやはりリドリー・スコットは偉大な変態、変態だから偉大、彼に比べればピーター・バーグは良識の人、と言わざるを得ないかなあ…。資金面での差というだけでなく。 ただその精神は「ブラックホークダウン」を踏襲していると感じる。ピーター・バーグはバカではないので間違ってもアメリカ万歳では終わらなかった。 この架空のテロ事件については最初に国務省次官が言った「サウジにアメリカ人が居るのがテロの理由」というのが正解で、「これ以上捜査員を送り込まないで静観し、サウジ当局に任せる。」というのが大正解なのである。 それをFBIは上から下まで「仲間の報復」で一致団結し、裏の手段を使ってまでサウジに乗り込んでテロの首謀者を捕まえようと大暴れする。その過程で「ブラックホークダウン(拉致された仲間の救出のために更なる危険を冒すこと)」が発生し、無茶苦茶な市街戦の最中でもアメリカ人には一発の銃弾も当たらず、ついにFBI仲間ではなくてなんとサウジ人の警察官が死んでしまうのである。…アメリカ人はなんて自分勝手で要領が良いんでしょうか。 仲間の一人を助けるために、彼らはいったい何人の現地人を殺したでしょうか。ここから導かれる明解な論理は「アメリカ人一人の命はサウジ人一人の何倍もの価値がある」です。 というようなシビアな目線をピーター・バーグは失っておらず、テロの首謀者を殺した上FBI全員が生還したという作戦の成功を、大喜びするシーンは一切ない。 その代わりに、テロリストの孫のセリフで「テロは終わっていない」ということを示す。 …で、話は「サウジにアメリカ人が居るのがテロの理由」に戻るのであり、冒頭のラッシュにあったように「石油を分けて欲しいばっかりによその国にずかずか乗り込んで現地の有力者と癒着してきたアメリカという国のあり方」に戻るわけだ。すごく徒労感が残る映画だった。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-18 16:09:18)(良:5票)
32.  スコルピオンの恋まじない 《ネタバレ》 
…なんともいえない独特の視聴後感であった。 60過ぎているウッディ・アレン、声に力もなく、動作にイキオイもなく、小さな鶏ガラのようなその肉体。もはや〝介護〟という言葉が浮かぶ。それなのに、ああそれなのに、こんなになっちゃってても、まだ人を楽しませることができるなんて。 得意の自虐ネタが笑えないほどヨボヨボして見える彼なのに、ラストまで見てしまうと、いつもウッディを見た後と同じように「貧弱でおしゃべりで醜い小男ってカワイイわ~」と思ってしまうのだ! 弁解させてもらうと、私はデビッド・クロムホルツとか大嫌いだし、ウッディ以外の貧弱な小男にときめいたことなどない。なのに、ああ、なのに。 「まるでネズミの巣みたい。(に汚い部屋ね)」「巣をイメージしたインテリアなんだ。」とか、美女に〝ゴキブリ〟と言われて動じないどころか絶妙に受け返すそのユーモアのセンス…「筋金入りのブオトコ」を見せられた気がする。 催眠にかかっている時の音楽が可愛かった。ヘレン・ハントは…申し訳ないけど、ウッディと並ぶと巨体に見えてしまった。特にハムのような腕に感動。 「アニー・ホール」の頃とかと比べると、ものすごく〝アブラ気〟が抜けたウッディ。このまま「即身仏」にでもなれそうな枯れ木ぶり。…前より〝可愛さ〟が増したと思ってしまうのは、私がヘンタイだからなんだろうか。(偶然同じ日にスカパーの〝即身仏の化学〟を見てしまったのだった。) とにかくこの映画は、ウッディ〝即身仏一歩手前、でもまだ笑わす〟アレンを堪能する目的でご覧ください。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-09-14 13:20:44)
33.  ザ・ダーク(2005) 《ネタバレ》 
けっこう時間を忘れて見入ってしまった。 悪くないと思う。久々に、ぞくぞくとした寒気を覚えた映画だ。(もしかすると発熱のせいかも) タイトルどおり、この映画は「闇」による怖さを出そうとしている。その試みは、私に限っては、かなり有効であったと思う。 例によってネタバレしますのでご注意。 原作ものだそうだが、簡単に言ってしまえば「ペットセメタリー崖バージョン」とも言えるので、二番煎じの感はある。あるが、そこはアンダーソン、映画としてある程度以上の質を保ちながら、主人公アデルを「行ったり来たりさせ」ることで、モノマネ感を和らげる。アデルがエブリス親子にいたぶられる場面では、「過去」と「事実」と「非事実」と「願望」が混沌とし、額から血をたらした鬼気迫るアデルがダメ母ぶりを懺悔しながら「Give me a secound chance!」と絶叫し、作品中のテンションが最高潮になる。そう、このへん、ホラーというより心理サスペンスぽいのだ。 これを「あざとい」と感じる人は、面白くないだろう。 が、私はけっこう好き。なにより、「ヒストリーオブバイレンス」のマリア・ベロ、この人は私にストレスを与えない。 この作品はマリア・ベロのプロモーションと言えるくらいに、ドロドロびしょびしょの彼女が全編出ずっぱるのだが、こんなに長いこと見せられてもストレスを感じない女優さんはあまり居ない。 まず、誰もが認める美人顔でありながら、色気がゼロ。これは、シャロン・ストーンとか、キム・ベイシンガーなどのブロンド美人の系統だ。この人たちは、わかりやすーい美人であり、そして色気は無いという共通点をもつ。よって、女性に好かれる。(マリア・ベロの色気の無さは、同系統の中でもちょっと驚異的ではある。) やはり長時間の視聴に耐えるには、美人でなくてはいけない。デブでもいけない。あんまり女っぽくてもいけない。…マリア・ベロは長時間映っているのに適した女優さんだなあ。 ともあれ、話題になっていないわりには、良いと思います。子役(サラのほう)は雰囲気があって良い。ウェールズ男のデイビッドもそれらしい。ショーン・ビーンの良さは私にはよく分からない。ごめんなさい。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-01 21:37:31)
34.  レッド・ドラゴン(2002) 《ネタバレ》 
盲目の女性となら、お付き合いができるかもしれない。という犯人の思いつきとそれを行動に移してしまうところ、面白いと思いました。 正直言って、エドワード・ノートンのFBIとレクターのやりとりなんてどうでもいいんです。それよりも、盲目のリーバとフランシスの交際模様のほうがよっぽどスリルがあってドキドキさせられる。 リーバってのは、目は見えないけれど、もてるんですよ。 もしかしたら、〝見えないから〟なのかもしれない。だって、毎朝鏡を見ることがないもの。「今朝はいつもに増してまぶたが腫れぼったい」「ああ、こんなところにもシミが」「こんなに毛穴が広がっていたっけ」などという悩みとは無縁なのだもの。こんなに自信があって自由奔放にふるまえるというのは、盲目であるがゆえの特権といえるかもしれない。 また、彼女のように見えるものに惑わされない女性がフランシスを選んだという事実も、重要な意味があると思う。 これは猟奇殺人をしないではいられなかった変態のフランシスが、盲目のリーバに出会って癒され、二人でどこかへ旅立っていく、という話にしてもよかったのになあ。 もちろん罪の重さを考えると、途中でフランシスが車にはねられて死ぬとか失明するとか下半身不随になるくらいのことがなければ、収まりがつかないけれど。 …ラストのプチどんでんなんか全然なくてもよくて、そのくらいにこの映画はリーバとフランシスのラブストーリーとしての出来が突出して優れている、と思うのでした。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-23 20:51:27)(良:2票)
35.  ブギーマン(2005) 《ネタバレ》 
終始うっすら笑ってしまいました。 この子があんまりにも怖がりなもんで。 疎遠だった母親が死んで、久しぶりに帰郷する、というパターンは「ライディングザブレット」を思わせます。作り手はキングとか好きなんでしょうね。 これそんなに悪くないです。B級にしたらマトモな仕上がりだと思う。(ラストのドタバタを除いて) 同じスティーブン・ケイの「デッドマン・コーリング」と比べても、こちらのほうがよいと思います。 終盤までの出来が悪くなかっただけに、ラストがお約束のCG一本締めに終わってしまったのが残念だが、そこに至るまでのティム君がひたすらビビって暮らしている様子なんかは、けっこういいと思います。 主演の俳優さんも、いいですね。若い頃の太川陽介に似ているのだが。自然でさわやかな嫌みのない演技だと思います。有名じゃなくても、このくらいできる子がいるのは喜ばしいですね。って、なんだか「ギミーヘブン」の安藤のあまりのひどさと比べるとレベルの差に悲しくなってくるけどね。ちなみにケイト役の子は、シガニー・ウィーバー似ですね。(しっかりエラも張っているし) しかし男の子の怖がりって、どうしてこんなに笑ってしまうのかしら。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-17 21:46:04)
36.  ジャケット 《ネタバレ》 
ジェニファー・ジェイソン・リーだったのか! なんということでしょう。彼女もすでに堂々のシワ女優の仲間入り。「マシニスト」のときよりさらに老けていた。「アニバーサリーの夜」は遠くなりにけり…。 ちょっと気になるのが取ってつけたような湾岸戦争ですね。全然テーマと関係ないでしょう。なんのつもりだか。要らない要らない。 「またしても〝ジェイコブ〟か?」とも取れるような出だしでしたが、方向性は「バタフライエフェクト」でした。エイドリアン・ブロディを使ったことで、「バタフライ」のような軽さは皆無となり、どこまでもいつまでも画面を暗くする結果となりました。いやほんとに、写っているだけでこんなに画面が暗くなる俳優さんもめずらしい。こういう俳優さんはほんとうは使いにくいでしょう。しかしまあ、今回のような話にはギリギリの線でマッチしていたのである。かなりのギリギリだが。キーラ・ナイトレイとのラブシーンはかなり無理があったと思うけれども。 いやべつに、これがマット・ディロンであろうが、サル顔のコリン・ファレルであろうが、この役じたいは誰がやってもそれなりになってしまう役どころだと思う。ということは逆に、誰を使うかによって、全く違った味わいになるということだろう。 そこに果てしなく暗いエイドリアン・ブロディ。この世の不幸を一身に背負ったかのようなその顔面。枯れ木のような肉体。(実は脱ぐとマッチョだったりするところもエグイ気がする。) この顔が最強の武器になることもあるという、不思議な効果を生んだ作品といえます。死体安置所のボックスが世界一似合う男と認めよう、ブロディよ。 脚本としては、荒れた生活をしているジャッキーを先に見せまくったことで、ラストの健康そうなジャッキーが生きてくる、という古典的ながらの決め技を褒めておきます。まあ、そのへんがこの映画の技のすべてとも言えるかも。 それにしてもママさんはぜひお疲れ顔のデボラ・カーラ・アンガーにしてほしかったところだ。残念。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-02 22:59:59)(良:1票)
37.  クラッシュ(2004)
「25時」でも出てきた「アメリカにおける人種」の問題。 これは白人監督による場所を替えての(LA)お話だ。スケールも韓国人からペルシャ人までと大きい。 この映画では人々は「人種間の憎悪」を解決するためにすーぐ銃を用いることを考える。 「怖い気に入らない憎たらしい」→「じゃ銃だな」。 「銃」を用意しないサンドラ・ブロックのような人は恐怖と不安でノイローゼになるしかない。 アメリカは白人がネイティブアメリカンを追い出して(殺して)住み着いた国であるのに、そこに自分達より後に別の人種が入ってくると、「俺たちよりいい思いをしなければお前らがここに居ることに目をつぶろう」というレベルから基本的に少しも進歩しないのだ。 これはよその国の自分に関係ない出来事ではない。 留学生を装って日本に出稼ぎにくる中国人、ダンサーだと言って売春する東南アジア人、薬物を売買するイラン人、日本語も話せずブラジルから出稼ぎに来て2~3年で帰ってしまう日系3世。日本の安全を守りにきたはずなのに、現金も持たず(超低収入)街に出てきてナンパをしたり悪さをする基地の米兵。 もちろん普通の無害な外人もいるだろう。しかし、「無害かどうか判断のしにくい」外人に対して、「どうぞ私の家のとなりに家を建ててください。」とか、「私の店のとなりに店を出してください」とか「私の所有するマンションを借りてください」とか「どうぞ私よりたくさん稼いでください」と言える人が何人いますか。 上記の白人と同じでしょう。「俺たちよりいい思いをしなければ目をつぶっていてやるよ。」 これが「人間」の真実の姿だと私は思う。普通の人間はもともとそんなに立派ではないんだ。 この作品を見る限りポール・ハギスの考えもおそらく同じだと思う。 「立派じゃないので、避けないでぶつかれ。触れ合え。避けるともっともっと相手が怖くなるだけだ。」と彼は言いいたいらしい。 「日本ではここまでひどいことは起こらないわ。銃が無いから。」?それでは、福岡の4人殺しとか、ペルー人の女児殺しとか、世田谷一家殺人事件はなぜ起きたのか? それでも、ポール・ハギスの言うように、「怖がって避けてばかりいないで触れ合え」ますか? 脅かしているようだが普通の日本人もあの検事の妻のように、不安とイライラに苛まれる日は近い。たぶん「銃のあるよその国の出来事」として見るのでは甘い。  
[DVD(字幕)] 7点(2006-09-24 14:34:48)(良:2票)
38.  二重誘拐 《ネタバレ》 
ふむふむ。わりと洗練されたつくりだ。余計な描写の省き方とかカットのつなぎかたもうまい。 登場人物も少ないし、オチがいっこしかないし、邦題がひどいということで、皆様の怒りをかっているようですね。 「山小屋がない」つーのが最大のオチ(言っちゃった)だけど、まあこれも予想はついてしまうよね。だから、そーゆーことでだまされたい人は、怒って当然です。 他の方のレビューにもあるように、「対照的な2人のおじさんの人生の比較」が重要マターではあります。が、それ以上に「あちらの男性にとっての妻の位置なり意味」の重要性が主題となっていた。 ウェインがなんとかアーノルドを懐柔するために必死に話しかけるその内容は、「妻」関係の話。どうやらあちらの男性にとって「妻」とは「山の神」以上の精神的な「聖域」であり、己の「良心」の宿るところ、であるみたいなのです。最も「痛いところ」であり相手との関係を深めるカギなんですね。 そして結果的にこれは「効いて」いた。アーノルドはウェインの手紙を見てはじめて己の妻のことを現実的に考える。それが後の行動につながったわけです。ウェインは殺されたとはいえある意味「勝利」を得たとも言える。(彼の言ってた貧乏だったお父さんのように) 「THE CLEARING」の意味を考えてみましたけど、「清算」か「手形」かなあ。 タイトルにこれをもってきたということは、犯人にとっての「清算」は、せしめた「100ドル紙幣」であり、これを使うことで、わざとつかまる方向へ仕向けたこと?ウェインにとっての「清算」は、浮気を続けて裏切っていた「妻への感謝状」? それにしても画面上のレッドフォードの存在感てすごいですね。なんか、ものすごくオーラ出てます(すでにフェロモンの段階を超えていて掃除機のように吸い込まれそう。) ウィレム・デフォーは、インテリをやってもはまるし、こういう無教養でアブな犯罪者もぴったりくるというめずらしい役者さんですね。 この映画、「勝ち組」「負け組」という視点で見た場合には、「勝っているやつはやはりそれなりの人格者であって、負けてるやつが暴力で脅したところで最終的にはかなわない」と語っているようにも見えますね。まあ、デフォーだって彼自身はセレブだからそういう意味では現実味は欠けるが。   
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-17 19:57:58)(良:1票)
39.  ダーク・プレイス<TVM>(2003) 《ネタバレ》 
不覚にもウルウルしてしまった。実話ものだから、これといったヒネリはない。事故が起こって、何人かの仲間が死んで、最後に助け出されるという、シンプルすぎるくらいシンプルなドラマである。この間に、掘削器を通して地上との通信や物資の差し入れという異色な展開があり、ただの救助ものとの相違が見られる。が、ほんとーうにシンプルな映画で、妻子との家族愛とか、善良な町の人々とか、善意あふれる記者とか、地上チームの奮闘ぶりとか、みんながみんないい人。鉱場長も自分が引き起こした事故のくせに、多少の嫌味はあるものの、結局は助けたい気持ちに変わりないようだ。ほとんどドキュメンタリーといっていいような気がする。こんなシンプルな映画を作るところ、まじめだ。ドイツ人は日本人と似ているとよく言われるが、確かに、みんなまじめでいい人。これがフランスで起こった事故なら、もっと臭みのある展開になったかも。いい意味で面白みのない話とも言える。が、昨今自殺サイトを利用したり練炭を焚いてしまうような若い子たちには、是非見て欲しいものだ。案外簡単に転向するかも。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-13 22:25:17)
40.  ヒトラー 最期の12日間
エバ・ブラウンはなぜあんなにオバサンなのか?すごく若いのではなかったか?調査不足ではあり得ない意図的な設定と思われるのでこの点が興味深い。ゲッベルス役の人の顔が人間離れしていて怖い。腹話術の人形のようだ。ゲッベルス夫人役の女優さんがすばらしい。アカデミー賞をあげたいと思う。首相夫人としての威厳を最後まで保った彼女を演じきった。以下ヒトラーとナチス時代のドイツ「人」について思ったこと。ヒトラー、ブルーノ・ガンツの演じる彼を見ていて、「ああ、この人ってもしかして、子供の頃におもちゃをあんまり買ってもらえなかったのではないかなあ」と、ごく自然に感じた。私にはヒトラーが、「欲求不満のまま大きくなった男の子」に見えた。それだけならよかったけれど、たまたま彼には人並みはずれたIQと、弁舌の才と、小心者ゆえの人の裏切りにするどい嗅覚があったためにこんなことになったのではないかなあ。案外そんなところじゃないかしら。どんな権力を手にした人間も、それが「男性」であれば、問題の根っこはくだらないところにある、というのが私の長年の研究結果である。ベルリンは、彼が造った最も高価なおもちゃであって、他人に盗られるくらいならその前に壊してしまえ、という幼稚な感情が伝わってくる。本当に幼稚園児の発想だよねえ。IQ高そうだけど。ドイツ「人」について。彼らはなぜヒトラーを選んだのか。「先の大戦」の敗戦により屈辱と苦難を強いられたこと、これは民族のトラウマとなっている。「降伏は二度とごめんだ」という言葉にも現れている。国内事情が良くない時、日本は「国の外」にしわよせすることで切り抜けようとしたが、ドイツでは、「国内の敵」にしわよせしようとしたんだな、きっと。特定の民族や、障害者の地位を下げるということは、「そうでない人」が相対的にグレードアップすることに他ならない。「そうでない人」のドイツ人がこれを「よし」としたのは、損得勘定からいえば自然なことだ。良心をワキに追いやれば。(このごろの日本もこれに近づいているな)「あいつはとんでもない悪魔だから非難していればいい」と、ヒトラーとナチス・ドイツの時代に蓋をするのではなく、その時代を生きた自分と同じような市井の人々の心情に想像力をめぐらすことこそが、「知性」の使い道と思う。私の場合はそのために実話もの映画を見ることが多い。(司馬遼太郎のうけうり)
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-08 00:01:22)(良:2票)
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