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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 《ネタバレ》 
去年だったかにYouTubeで配信されていたテレビシリーズを何気なく見たところ、けっこうはまってしまい、最後まで面白く見たのだが、今回劇場版も配信されたのでこちらもと思い見た。テレビシリーズが連ドラ形式に近く、番外編など入れにくそうな感じだったのでどうなんだろうと思っていたが、テレビシリーズとは無関係の完全にパラレルな内容で、オルフェノクが支配する世界でレジスタンスとして活動する真理たちや冒頭記憶を失って別人として暮らしている巧などテレビシリーズの彼らに馴染みがあると少し戸惑ってしまうのだが、これはこれで悪くはないと思う。でも、やはりわざわざこういう設定にしたのであれば脚本の作り込みや、世界観にももう少し深みが欲しいところで、子供向けと言ってしまえばそれまでなのだが、テレビシリーズが面白かっただけになんか残念。テレビシリーズとは少し違うキャラに見える人物もいる中、テレビシリーズでかなり陰湿なキャラだった草加が本作でもほとんど同じようなキャラなのは見ていて妙な安心感を覚えるも、えらくあっさり死んでしまったのにビックリ。長田が海堂に本気で惚れているという設定もなんかそれだけで終わっている気がするが、テレビシリーズで最後まで生き残った海堂が本作では死が描かれていたのは面白かった。さいたまスーパーアリーナで撮影されているクライマックスはやはり観客役に一万人のエキストラを集めている(エンドロールでエキストラの名前が出るとは思わなかったが。)だけあって圧巻であり、やはりここがいちばんの見どころとなっている。(この頃よく出てた古代ローマものの洋画の影響もあると思うけど。)スマートブレイン社内で村上社長と話している顔だけの存在の三人を過去の仮面ライダーシリーズで首領の声を演じていたことのある声優三人が顔出しで演じているのが思わずニヤリとさせられる。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-03-28 23:34:17)
2.  決算!忠臣蔵 《ネタバレ》 
東映の任侠映画をいろいろ見ていると実は忠臣蔵に近いものがあるのではと思えてくるのだが、本作に出て来る大石内蔵助(堤真一)をはじめとする赤穂浪士たちは関西弁で喋り、ガラも良くないというのが、いよいよ任侠映画を思わせていて、それが変にリアリティーを感じさせているし、時々抱いていた、美談としての忠臣蔵に対する違和感も赤穂浪士をこういうふうに描いていれば、それに対する答えも出ているように思う。中村義洋監督の映画としては「殿、利息でござる」と同様に歴史学者(今回も磯田道史原作かと思ってしまうところだが、違うのね。)が原作で、経済的な面から見た忠臣蔵が描かれているが「殿、利息でござる」同様に軍資金を現代のお金に換算して表現しているので分かりやすいし、面白く、だんだん減っていく残金をちゃんと計算機のような形で表示して見せてくれるのも良い。吉本興業メインの映画ということもあって、吉本芸人が大量に出演していて、笑いの部分がちょっと濃いかなあとは思うものの、それほど気になるということもなかった。勘定方 矢頭長介を演じる岡村がなかなか良い味を出していて、浪士たちを「無駄遣いするなよ」と咎めるところなどちゃんと見ている観客側の立場に立ったキャラになっているのも良かった。この長介が死ぬところが中盤の山場となっているが、公開時の宣伝では堤真一とW主演のように言われていたので、けっこう早くに出番が終わってしまったように感じたのが意外で、それが残念と言えば残念。忠臣蔵といえばクライマックスは討ち入りと決まっているのだが、本作はあくまで赤穂浪士の予算のやり繰りを描くということを徹底していて、討ち入りが予算内に収まるか否かの会議をクライマックスに据えていて、討ち入り場面はシミュレーションだけという形をとっており、それも本作らしいところだが、本作は忠臣蔵でありながら吉良上野介(およびその周辺)が一切登場しないという異色さになっていて、これがかなり新鮮に感じた。大石の妻であるりくを中村監督作品では常連の竹内結子が演じているのだが、山科の別れのシーンでりくが大石に言う最後のセリフが今となっては何だかさびしく感じてしまう。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-18 00:21:46)(良:1票)
3.  劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!! 《ネタバレ》 
第5シリーズの劇場版。このシリーズの鬼太郎をちゃんと見るのは実はこれがほぼ初めてなのだが、これまでの劇場版を3週間ほどで見ていたせいか、急に現代的なアニメになってしまった感があり、ゲストヒロインやねずみ男が惚れる先生などやけに可愛く描かれていて、個人的にはぜんぜんOKと思うものの、鬼太郎の世界観には合っていない感じ(せめて猫娘だけぐらいに留めておいてほしかった。)でかなりの違和感があったのが残念で、全体的な雰囲気もこれまでとはかなり違う感じ。また5期の鬼太郎の声は高山みなみなのだが、どうしてもコナンに聞こえてしまい、鬼太郎を見ている気があまりしなかったのも事実。(このキャスティングは青山剛昌が水木しげると同郷だから成しえたのかな。)それでも普通の子供向けとして見ればそこまで目くじらをたてるほどでもないとは思うし、一部過去のシリーズでやったエピソードの焼き直しも盛り込んだオリジナル脚本とのことだが、純粋にストーリーだけを見たら、鬼太郎のエピソードの一つとして違和感はとくに感じなかった。(それらしいかは置いておいて。)協賛に桃屋が入っていて、カメオ的に登場する三木のり平を模したキャラクターを息子である小林のり一が声を演じているが、なぜに三木のり平と思ってしまった。(テレビシリーズ見れば分かるのかな?)アニメシリーズ40周年記念作でもあり、東映マークが出る前のパーティーのシーンで歴代の鬼太郎がセリフ付きで一堂に会しているのがこのシリーズの息の長さを物語っていて、結局ここがいちばん印象に残った。今ならもう一人増えるけど。
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-30 23:05:56)
4.  ゲゲゲの鬼太郎 激突!!異次元妖怪の大反乱 《ネタバレ》 
第3シリーズ劇場版第4作で、第3シリーズの劇場版ではこれが最終作となる。そんな本作は原作者である水木しげるがアニメキャラクターとして妻とともにゲスト登場(声は本人ではなく、あずさ欣平と川浪葉子。)するなどしていて盛り上げているが、ストーリーは国会議事堂が敵の妖怪に占拠されたり、発生した怪気象に対し、総理大臣の命のもと自衛隊がミサイルで迎え撃とうとするなどけっこうシリアス。でも今回はなんといっても地下鉄で知り合ったカロリーヌちゃんを必死で守ろうとするねずみ男のカッコよさが際立って描かれ、普段のイメージとは違う熱い男としての魅力が出ていて、今回の主役は間違いなく彼だろうと思わずにはいられない。中でもやはり、カロリーヌちゃんが朧車に突き飛ばされて来世でのねずみ男との結婚を約束して消滅するシーンは来るものがあるし、その後のカロリーヌちゃんの父親であるぐわごぜをなんとか改心させようとするねずみ男には思わず泣かされた。そして、カロリーヌちゃんとぐわごぜの墓に餅を供えるラストシーンにねずみ男の気持ちが表れているような気がした。今月ずっと鬼太郎映画を見ているわけだが、間違いなく最高傑作は本作だと確信できる。ただ、惜しむらくは中編でなく、ちゃんとした長編映画として見たかった。
[DVD(邦画)] 7点(2021-09-26 00:11:26)
5.  ゲゲゲの鬼太郎 妖怪特急!まぼろしの汽車 《ネタバレ》 
第4シリーズ劇場版第3作。今回は鬼太郎たちがまぼろしの汽車で地獄から脱走した西洋妖怪たち(これが吸血鬼や魔女、狼男、フランケンという第3シリーズ劇場版2作目にも登場したような連中。)と汽車の中で戦う様子が描かれているが、23分と短い時間ながら上手くまとまっていて見やすかった。ねずみ男が魔女に気に入られてずっと言い寄られているのが笑えて印象に残る。石炭にされた鬼太郎を元に戻す方法が時間を戻すというのはよくある手でやっぱり多少の強引さも感じてしまうが、まあ、いいか。まぼろしの汽車が遊園地に現れるシーンでタイアップと思われる看板が出ているが、エンドクレジットを見るとしっかり「富士急ハイランド」と出てて、この短いシーンのためにスタッフはロケハンに行ったであろうことを考えると、ちょっと言い方は間違っているかもしれないが、スタッフのこだわりのようなものが感じられた。
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-18 23:59:21)
6.  ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター 《ネタバレ》 
第4シリーズ劇場版第2作。今回は第1シリーズ第1話の原作にもなったエピソードを映画化していて、上映時間も30分と普通にテレビシリーズのエピソードと考えてもしっくり来る感じになっていて、主人公も鬼太郎というよりは妖怪バットを手にしてしまった少年という風になっていて、敵の妖怪も登場せず、劇場版としてはちょっと異色作に感じるものの、そもそもこのシリーズは必ずしもバトルものとは限らないみたいなので、こういう日常系のような話も出来るのだろう。ただ、第1期の第1話を見た事があるのだが、もっとおどろおどろしさがあったように覚えている。それに比べるとそのおどろおどろしさが鳴りを潜め、喜劇色が強くなっているあたりがやっぱり時代の違いかなとも思う。どちらが良いとは一概には言えないけど。
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-18 23:30:30)
7.  ゲゲゲの鬼太郎 大海獣 《ネタバレ》 
第4シリーズ劇場版第1作。この「大海獣」という話は小学校の頃に図書室で借りて読んでいた(漫画ではなくそれを原作にした児童書のような感じだったけど。)ので話をなんとなく覚えていたが、本作はそれに先週見た第3シリーズ劇場版1作目の原作を織り交ぜて脚色したもの(脚本担当も同じ人)らしく、ところどころ昔読んだものと違う気がするが、そこは気にならずに見れた。鬼太郎が敵によって巨大な海獣に変身させられるという展開は妖怪モノというより怪獣映画のような指向で、鬼太郎を攻撃する自衛隊の描写などはモロにそれを思わせていて、怪獣映画好きな身としてはけっこう楽しめたのだが、その分、今回敵として登場した妖怪たちの存在感が薄くなってしまったような気もする。大海獣の正体が鬼太郎であることを目玉おやじに伝えたねずみ男だが、ねずみ男の日頃の行いからして信用してもらえないのではと思ったが、すぐに信用してもらえていたのはやはり信頼があるからだろう。第3期とは絵柄も出てる声優陣も変更になっているが、ぜんぜん違和感もなかった。とくに千葉繁のねずみ男はこの人らしさが出ていたと思う。それに先週も書いたけど、自分の中で鬼太郎といえば戸田恵子でアンパンマンの声というイメージがあるのだが、この松岡洋子の鬼太郎はそれとは違った印象ではあるが、悪くないし、むしろこちらもしっくりしている。
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-18 22:55:33)
8.  ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争 《ネタバレ》 
第3シリーズ劇場版第2作。今回はある島を占拠したバックベアード率いる西洋妖怪軍団と鬼太郎ファミリーの戦いを描いているが、直前に見た前作と比べると上映時間も少し長くなり、話のスケールも多少大きくなっていて、前作よりも面白かった。敵であるバックベアードもインパクトあるデザインでまさに強敵という感じがして良い。ハレー彗星を話に絡めているあたりは今見ると時代を感じてしまうものの、ハレー彗星を扱った話は「ドラえもん」でもあったので、当時のハレー彗星の話題性がよくわかって興味深かった。(ハレー彗星の地球接近は76年に一度。このときはさすがに幼すぎて見たかどうか覚えていないのだが、次回の接近時には果たして見られるだろうか。)今回の悪役である西洋妖怪のメンバーである魔女の声を三輪勝恵が演じているが、この人の悪役というのは珍しいような気がする。作者の水木しげるはこのシリーズに戦争への思いも込めていたそうだが、前作も今回も海外の妖怪が敵として描かれているあたりが、戦争の構図に似ていると思ってしまうのは考え過ぎだろうか。
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-08 18:23:21)
9.  ゲゲゲの鬼太郎(1985) 《ネタバレ》 
第3シリーズ劇場版の第1作。リアルタイムで見た初めての鬼太郎だったせいか、当時小学校にも入学しておらず、薄っすらとしか記憶がないが、鬼太郎といえばこの3期シリーズの戸田恵子のイメージが強い。さて、本作は劇場版とは言いながら通常の30分枠のテレビ版そのままの感じなのだが、それが逆にテンポよくサクサク進んでいくのが非常に見やすく、またいかにも「東映まんがまつり」の一本という感じなのも懐かしい気になる。時間が短いのとその短い時間で主要キャラクターの活躍を描かないといけないためか、ユメコちゃんがさらわれるシーンが直接描かれておらず、鬼太郎と猫娘の会話だけで状況を説明しているのにちょっと驚いてしまった。メインで出てくる敵の妖怪がなんとも言えない姿と名前なのもすごい。ねずみ男は当時に見た時も幼かったながらに強烈だった覚えがあるのだが、今見てもなかなかキャラが立っていて面白い。3期シリーズのオリジナルヒロインであるユメコちゃんだけど、それを第4シリーズ(放送当時中学生~高校生)見るまで知らなかったので、出ていないことにかなりの違和感を感じたのを覚えている。さっきも書いたが、それほど、鬼太郎といえばこの3期の印象が強い。まあ、鬼太郎自体に思い入れがあるかと言われればそれほどでもないんだけど。それにしても出てる声優陣も懐かしい人が多いなあ。
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-08 02:06:10)
10.  激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー〈OV〉 《ネタバレ》 
最終回を迎えたばかりのシリーズとその1つ前のシリーズ、2つの戦隊の共演を描くスーパー戦隊のVシネマの一つ。この作品ではカーレンジャーとオーレンジャーの共演が描かれているが、カーレンジャー本編をYouTubeの公式配信で見ているので本作もとりあえず見てみた。脚本はカーレンジャーのメインである浦沢義雄(噂には聞いていたがカーレンジャーはこの人らしいシュールなギャグ全開のコメディ作品で見ていてつい笑ってしまう。)だが、やはりこの作品もテレビシリーズまでとはいかないがカーレンジャーらしさは思ったより出ていたと思う。この手のクロスオーバーものにおける「VS」というのは「共演」という意味で使われるもので、本作でもそうなのだが、序盤で初対面した2戦隊が誤解から本当に戦ってしまうのは面白かった。(このシリーズ、いつもこうなのか?)オーレンジャーの司令官である三浦参謀長(宮内洋)がただの一般人に過ぎないカーレンジャーに特訓を課すシーンもコミカルに描かれ、オーレンジャーを見ていない自分でも参謀長がカーレンジャーの作風に染まってしまっているのがなんとなく分かる。(なんせ、宮内洋だからね。)でも、カーレンジャーにオーレンジャーがゲストで登場してる体の作品だが、カーレンジャーの一篇として違和感なく見られる一方、オーレンジャーがレッド以外はなにか脇役然としているのはテレビ本編を見ていない自分でもちょっと気になったかな。こういう部分を考えると脚本は浦沢義雄ではなく、2シリーズともに関わったことのある人のほうが良かったような気もする。
[DVD(邦画)] 6点(2020-07-14 19:15:51)
11.  ゲゲゲの鬼太郎(2007) 《ネタバレ》 
「ゲゲゲの鬼太郎」の実写映画版。続編は9年前に見ているが、1作目である本作をまだ見ていなかったことに気づき、見る必要もなかったかもしれないが、今更ながらに鑑賞。やはり本作も2作目を見たときも感じたのだが、普通のファミリー向け映画という感じで、そこを逸脱したようなものは感じられないし、輪入道役で顔だけ登場する西田敏行など、出演者たちのコスプレショー感は2作目よりもこちらのほうが増しているが、ストーリー性を求めて見る映画でもないのでそれはそれでいいし、大泉洋のねずみ男や田中麗奈の猫娘など相変わらずハマっているのは見ていて安心できる。(本来はこちらが1作目で以前見たのが2作目なのでこの言い方は少々変かもしれないが。)本作の鬼太郎は両目がある設定で、その説明がされる2作目を先に見てしまっているために自然と受け入れられたが、今になって見るとクレーム対策かと思えてしまうところもある。監督は「釣りバカ日誌」シリーズを手がけていた本木克英監督で、妖怪役で谷啓やさっきも書いた西田敏行が出演してるが、冒頭に登場する建設会社の社長役で鶴田忍(「釣りバカ日誌」では鈴木建設次期社長になる常務役。)が出演しているのがなんか笑える。そういえばこの実写版シリーズは東映じゃなくてなぜか松竹の映画じゃないか。
[DVD(邦画)] 5点(2018-03-10 16:19:15)
12.  劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル 《ネタバレ》 
劇場版第3作。ここまでくるともうやっていることはいつもと変わらないのだが、本作の舞台となる村は万練村。このシリーズのスタッフのこういう自虐的な遊び心はけっこう好きだったりする。今回も山田(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)のコンビは相変わらずで、この二人のやりとりは見ていて安心感があるし、このシリーズらしい連発される小ネタも確実にどこかすべっているんだけどそれなりに楽しい。今回の敵役は松平健が演じているのだが、冒頭が時代劇(山田が見ている夢。ちょっと「男はつらいよ」シリーズみたいな始まり方。)だったり、彼が演じる鈴木が唱える「バンサンケツマ」は誰が見てもそれを意識していることは明白だし、なにより鈴木が白馬に跨っているのは「暴れん坊将軍」のセルフパロディで、この松平健の出演自体がギャグみたいなものになっていていかにもこのシリーズらしい。ただ、このシリーズでは山田が「暴れん坊将軍」の大ファンという設定があるので、山田が鈴木を見て興奮するというシーンがあっても良かったかもしれない。「新作スペシャル2」のレビューでネタ切れ気味の脚本でもこのシリーズなら許容範囲と書いたのだが、今回の肝心のトリックのネタに関しては本当にネタ切れを感じさせるようなものがあり、中でも双子のトリックはテレビシリーズ初期のパントマイム殺人事件の回でもやっていたので、容易に予想がついてしまうし、あの回がすごく面白かっただけにさすがにシリーズ内で同じネタを流用しているのは少々残念。今回の事件とシリーズいちばん最初の「母之泉」に関係性を持たせているが、知らないと話についていけないというほどではない。「母之泉」を見たのは一年半ほど前なのだが、終盤回想で登場するビッグ・マザー(菅井きん)につい懐かしさを感じた。シリーズものをずっと見ているとこういうのがあったときに思わず嬉しくなってしまう。
[DVD(邦画)] 5点(2017-03-11 15:07:05)
13.  獣の戯れ 《ネタバレ》 
三島由紀夫原作の映画で主演が若尾文子。となれば増村保造監督の映画かと思ってしまいそうだが違う。話としては決してつまらないというわけではなく、若尾文子演じるヒロインの悪女ぶりもいつものようにハマっていて、彼女が主演の映画を見るのがかなり久しぶりなこともあり、懐かしさもあるが、増村作品ほどのインパクトはなく、あまり生かされてもいない感じでそこが物足りないし、主要人物三人のドロドロした関係は退屈せずに見られるものの、このストーリーもなにか増村監督に向いている気がして、見ながら増村監督がもし手掛けていたらどんな映画になっていただろうと考えてしまった。(絶対に傑作になっていたに違いない。)話自体は悪くないだけになんかもったいない気がする。そんな中で印象に残るのはヒロインの夫を演じる河津清三郎。やな感じで女遊びの激しい前半の社長の姿から、頭を殴られたことで脳に重度の障害を負った後半の姿を演じているのだが、この変わり身がうまく、前半はいつもの憎まれ役という感じだったのに、後半では全く違うどこか哀れみを感じさせる演技で、さんざん弄んだ妻に介護されながら生きる男の皮肉や哀しみを見事に演じていて、後半ではこの夫に感情移入してしまうシーンも何度かあった。この後半の河津清三郎の哀れさがいちばん心に残る。でも本作に関してはやっぱり三島由紀夫原作で若尾文子主演なら増村監督で見たかったと強く思うのが正直なところである。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-26 00:23:02)(良:1票)
14.  競輪上人行状記 《ネタバレ》 
兄の死によって実家の寺を継ぐことになった中学教師の男(小沢昭一)が競輪にハマり、堕ちていく様を描いた作品だが、坊主になった聖職者がギャンブルにはまり込むというこの設定自体がまず面白く、原作を書いた作家が住職というのにも驚かされる。今村昌平監督が参加した脚本は下世話だが、深みがあり、味わい深く人間ドラマとしても見ごたえのある映画になっていて、ただ下世話なだけというふうにはなっていないのが見事だった。主演の小沢昭一も見事にハマっていて、こういうダメな男を演じていてもどこか愛嬌があり憎めないところがあり、こういう演技はこの人ならではだろう。それよりすごいのはやっぱり南田洋子演じる主人公の兄の妻。夫の棺の前で夫の幻影に鞭打たれて悶えたり、死んだ犬の肉を焼き鳥屋に入れてしまうという行動が強烈なインパクトを残しているし、絶対に秘密にしなければいけないような過去をサラリと主人公に告白したりするのもものすごい。葬儀の最中に主人公に葬儀屋(加藤武)が耳打ちするシーンなど、寺や葬式に対しての皮肉めいた批判がストレートに描かれるのも良いし、これと併せて父親(加藤嘉)の死で真面目に坊主になろうと決意し、本当に真面目になった主人公が兄の妻から前述の衝撃的な告白をされたことから再び競輪にのめり込むという展開もどんな聖職者や上人でも結局は一人の人間なのだということがひしひしと伝わってきて素晴らしく、本作で作り手がいちばん言いたかったのはこういうことだと思わずにはいられない。主人公が競輪の予想屋になる(ここでの小沢昭一の口上も素晴らしい。)ラストはどこか主人公に哀愁が漂い、印象に残るものとなっており、この物語を締めくくるには最高のラストシーンだったと思う。また本作は主演の小沢昭一にとって間違いなく代表作の一本といえるだろう。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-27 14:07:03)(良:1票)
15.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇 《ネタバレ》 
「SPEC」シリーズ完結編となる二部作の後編。前編があまりにもアレな作品だったため、どうなることかと思っていたが、やっぱりなという感じは否めないものの、一応はちゃんと完結編として機能していたように思うし、広げた風呂敷はたためているのではと思う。でも2本に分けるよりも1本のほうがスマートになってよかったのではという感想は前編から変わらずだし、当麻(戸田恵梨香)のいないパラレルワールドのシーンで流れる音楽が当麻の父役として出演している佐野元春の楽曲というのはなんか違う気がした。中盤からの最終決戦のシーンも少し冗長に感じる。死んでしまった過去のSPECホルダーたちの再登場シーンはずっと見てるからかちょっと懐かしい感じ。しかし、連続ドラマをオンタイムで見たのは5年ほど前だが、それを今完結作となる本作を見ても「終わってしまった。」という感慨よりも「やっと終わった。」という安堵感のほうが強いのは、最初から最後まで「ケイゾク」の続編という体裁であったというだけで惰性で見ていたからかもと考えてしまう。でも、なんだかんだいいながらシリーズ最後まで見れたのは良かった。最後の最後、田島令子のセリフで「朝倉」と出てきたのは思わず「おおー」と思えた。
[DVD(邦画)] 4点(2015-03-12 18:52:18)
16.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇 《ネタバレ》 
前後編2部作構成の「SPEC」完結編第一部。もともと一話完結作の予定で企画されていたが、話が一本で収まりきれなくなったため、2部作になったということだが、冒頭からくどいと思えるほど回想シーンが多く、しかもそれがほとんど効果的でなく、はっきり言って尺を埋めるためとしか思えず、このせいで90分ちょっとしかないのにかなり間延びしてしまっていて、前後編になったのは実は興業上の都合だったのだろうとしか思えない。これだったら一本だけで完結しても良かったのではと思う。このシリーズはドラマの最初から見ているが、もはやストーリーについていく気は失せ、義務感で見たようなものなのだが、それでもあと一本見なければいけないと思うと苦痛に感じる。(一応見るけどね。)みどころらしきところもないに等しいのだが、「ケイゾク」時代からのほとんど唯一のレギュラーキャラである野々村光太郎係長(竜雷太)の殉職シーンは「ケイゾク」からずっと見ている身としてはこのシーンが本作ただ一つの見どころだったかもしれない。(後編で再登場してたらどうしよう。)でも、どうせ後編があるからという理由からかエンドロールが省略されていたのはいただけない。このせいで余韻に浸れないし、まるでインターミッションにでも入るように唐突に終わる(2部作同時上映じゃなかったよね。)のでDVDでノーカット版を見たのに民放テレビで放送された再編集版を見たような気分になってしまった。せめてエンドロールぐらい流してほしい。
[DVD(邦画)] 1点(2015-03-05 18:35:16)
17.  劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 《ネタバレ》 
NHKで深夜番組として放送されているSF歴史番組の劇場版。テレビ版はながら見する程度なのだが、それでもわりと好きな番組だったりするので、取りあえずこの映画版も見てみた。紛失した茶器をめぐる話で、メインの戦国時代だけでなく1985年や1945年にもタイムスリップするあたりは劇場版ならではのスケールで、いつも一人で取材をしている主人公・沢嶋雄一(要潤)に相棒・細野ヒカリ(夏帆)がいるのもテレビ版と違っていて新鮮。しかし、テレビ版ではエピソード自体の主人公はそれぞれの回に登場する取材対象者で、カメラを向ける沢嶋はあくまで狂言回し的な存在という印象があるだけに、途中から普通のテレビドラマのように沢嶋やヒカリが画面に登場するのはなんか違う。後半にふたたび戦国時代の取材対象者(時任三郎、上島竜兵)たちと行動を共にし始めても普通に沢嶋とヒカリの姿が画面に登場し、登場人物の一部として溶け込んでしまっているのはシリーズの趣旨とはずれてしまっているし、二人が未来的ないでたちなのも相まって相当な違和感を感じる。せめて戦国時代に戻ったらいつものように沢嶋がカメラを回している設定に戻してほしかった。それと、テレビ版ではタイムスリップ先の人々はできるだけ当時の言葉で会話をしているだけに1945年の戦時中のシーンで現地の人が「スパイ」という言葉を使っていたのにもちょっと違和感があった。話としてはそこまでつまらないというわけでもなく、面白いというわけでもなくという感想なのだが、劇場版ということを意識しすぎたのかあまりこのシリーズらしさは出ていなかったように思う。テレビ版には登場しないタイムスクープ社の調査員も登場しているが、局長役の宇津井健はこれが映画での遺作。映画よりもテレビ俳優として知られていたが、映画での遺作もテレビ番組の劇場版というのが彼らしいかなと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-05 15:30:54)
18.  原爆の子 《ネタバレ》 
人類史上初めて原爆が落とされた街 広島。その広島出身の新藤兼人監督がGHQの日本占領終了直後に放った広島原爆をテーマとした反戦映画。原爆で家族を失い、今は瀬戸内海の小島で教師をしている主人公 石川孝子(乙羽信子)が、あの日原爆に遭って生き残った教え子たちを訪ね歩くというストーリーなのだが、まだあれから七年しか経っていない広島で実際にロケをしていることもあり、いくらか復興しているとはいえ、原爆の傷跡がまだまだ残る広島の街はここにあの日原爆が落ちたということをリアルに物語っていて生々しく、この街の風景を見るだけで考えさせられるし、つらい。孝子が訪問したその日に原爆症で死んでしまう教え子の父や、少女が教会でもはやいつ死んでもおかしくない状態で横たわっているシーンは原爆が投下直後だけでなく、その後何年にも渡って身体を蝕んでいくという恐ろしさが伝わってきて切なく、胸が締めつけられる思いがした。新藤監督は広島出身の作家としてどうしても原爆投下間もない広島の現状をこの映画で描きたかったんだと思うし、新藤監督の原爆や、戦争、そして故郷への思いが伝わってくる。真夏の太陽の下で元気に遊ぶ子供たちも印象に残るのだが、この子たちに未来を託すという新藤監督の強い願い、戦争のない平和な世の中への願いが込められている気がしてならない。それはこれからの未来を生きるすべての人たちへの普遍的なメッセージなのだと思う。そしてそれは戦後69年経ち、新藤監督自身が亡くなった現在でも決して変わることはないだろう。被爆して間もない広島が舞台ということでも歴史的価値のある映画だが、そんな監督の普遍的なメッセージを発信し続ける映画として、これから先もずっと残っていくべき映画なのだと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2014-08-01 02:13:03)(良:2票)
19.  けものみち 《ネタバレ》 
数年前に放送された米倉涼子主演の連続ドラマ(未見)が有名な松本清張サスペンスの映画化作品。いわゆる悪女を描いた映画で、主演は池内淳子。庶民的で地味な印象がある女優なだけにどんなものかと思っていたが、この頃の東宝の喜劇映画や後年のテレビドラマの脇役、そして「男はつらいよ 寅次郎恋歌」のマドンナ役で見せる姿とは全く違う演技でこの民子という悪女を熱演していて、表情もきつくて怖い。増村保造監督作品の若尾文子・・・とまではいかないものの、(ちなみに本作の脚本家は増村作品常連の白坂依志夫だったりする。)見ていて違和感はないし、印象にも残り、この民子という役は池内淳子の数少ない映画で代表作と言ってしまってもいいのではないだろうか。この民子をあくまでクールに傍観的に描く須川栄三監督の演出がよく、独特のカメラワークも印象的だ。「寒流」でもそうだったが、本作でも金と色と欲に執着する人間が描かれているのが松本清張原作作品らしいところで、何か裏の考えを持った登場人物たちが次々と出て来て、人間の本質を見せていくが、それを演じるのが池部良や小林桂樹など普段は実直な役柄の多い俳優という見る人の裏をかいたキャスティングなのも見事。中でも池部良がこういう卑劣な役柄を演じているのが本当に珍しく、ラストの燃え盛る風呂場を見ながらの高笑いは本当に怖かった。そんな中、病気で寝たきりでありながら色欲エロ爺なフィクサーを演じる小沢栄太郎はイメージ通りのキャスティング。見ていてものすごくいやらしい爺で、この人がこういう役を演じると本当に怖いくらいにハマる。それに大塚道子。「上意討ち 拝領妻始末」の三船の妻役も怖かったが、この女中頭の役も存在感がありやっぱり怖い。そうそう、先週まで「黒い画集」シリーズを見ていたのだが、三部作それぞれに主要人物として出演していた小林桂樹、池部良、土屋嘉男の三人が共演しているのも見どころの一つだ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-05-08 18:40:43)(良:2票)
20.  現代任侠史 《ネタバレ》 
石井輝男監督による高倉健主演のヤクザ映画。「仁義なき戦い」がヒットして東映がそれまでのヤクザ映画を任侠路線から実録路線に切り替えた頃に作られているが、実録路線ではなく、正統派任侠映画のフォーマットで作られている。新味のあるヤクザ映画にしようとしたのか脚本にこの手のジャンルには珍しい橋本忍を起用していて、健さん扮する元ヤクザの寿司屋が持っている刀の背景が劇中でちゃんと語られたりするところなどは新鮮に感じるものの、それをうまくドラマに取り込めていない気がするし、主人公とヒロインの恋愛が描かれるところは、ヒロイン役が梶芽衣子なせいか「仁義なき戦い 広島死闘篇」の焼き直しに見えてしまい、なにも別に橋本忍じゃなくてもと思えてしまう。健さんの弟分で成田三樹夫が出ていて絶対にどこかで裏切るだろうと思っていたのが、最後まで健さんの側についているというのが意外だったが、この役は兄貴分という設定で鶴田浩二が演じたほうがしっくりしたかもしれない。敵方ヤクザを演じるのが内田朝雄と小池朝雄という「朝雄コンビ」なのが妙に印象に残る。でも、話としてはせっかく健さんの持っている刀に背景の設定を持たせたなら、やはりそれをもっと生かしたドラマ作り(橋本忍ならできるはずだと思う。)をしてほしかったところで、クライマックスもいつもの東映任侠映画のパターンで終わってしまっているのが残念。石井監督の演出にとくに不満はなく、映画自体も面白くなくはないが、橋本忍の良さが出た映画とは言えず、好きな脚本家の一人なのだが、なにか東映ヤクザ映画とは場違いで相性が悪く、不釣り合いだったようにも思う。
[DVD(邦画)] 6点(2013-11-19 22:48:38)
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