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1.  伊豆の踊子(1974)
吉永小百合の伊豆の踊り子よりもこっちのが好きだし、楽しめたのはやはり山口百恵の初々しさ、更にそれを引き立たせる他の出演者、三浦友和が相手ならまあ仕方ないかて思いたくもなるぐらいであって、そして原作のイメージに近い雰囲気が映像ともよくマッチしていて単なるアイドル映画になってないのが好感が持てる。この映画のラストは山口百恵の行く末を暗示しているようにも感じられなくはない。さほどファンでもなければ山口百恵の全盛期をあまり知らない私からしてもちょっと切なさが残る映画だけに当時、山口百恵のファンが見たらどう感じていたのか?という思いが残る映画として、印象に残る。それ程までに山口百恵の為の映画と言えるかもしれない。  
[DVD(邦画)] 7点(2013-12-10 22:20:10)
2.  伊豆の踊子(1963)
原作にほぼ忠実にしかも、美しく描かれていて予想していたよりは良かった。見る前は吉永小百合が一番不安だったから。でも思ったよりは良かった。ただ、もし薫の役を芦川いづみが演じていたらもっと良かったとも思えなくもない。いや寧ろ芦川いづが演じる方がもっと良い。吉永小百合は思っていた程悪くはない。あくまでも思ったよりはという意味です。でもこの作品で一番気になって仕方ないのはどうやったら高橋英樹が大きくなれば宇野重吉になるのか?全くイメージが違い過ぎる。高橋英樹が全くインテリには見えないのだ。作品自体は悪くない。普通に楽しめはした。それだけにもっとインテリぽい俳優をキャスティングして欲しい。他の伊豆の踊子は見てないから何とも言えないし、比べらんない。山口百恵の薫と美空ひばりの薫も見てみたくなった。この三人の中では(吉永小百合も含め)山口百恵が一番薫のイメージにぴったりなんだが。しつこいようだが一番見たい薫は芦川いづみ。高橋英樹が演じたインテリの大学生は石原裕次郎か池部良  
[DVD(邦画)] 6点(2013-08-31 14:35:03)
3.  いいかげん馬鹿 《ネタバレ》 
ハナ肇主演による馬鹿シリーズの中では一番好きです。全体的にパワー不足で暴れぷりも他の2作品程ではない。しかし、これが一番好きなのは馬鹿シリーズの中では山田洋次作品らしいいからである。ラストシーンなんか本当に寅さんのようだし、寅さんを感じずにはいられないからである。私が馬鹿シリーズが寅さん程熱狂的になれないのはハナ肇があまり好きじゃないからてよりもあのキャラクターこそ渥美清で見たいからである。馬鹿シリーズが寅さんみたいにならなかった。ヒットしなかった理由は渥美清が主演でないのも理由の一つだと思う。渥美清がどれだけ凄い役者かは寅さんファンなら勿論、解るはず。だからこそ渥美清により見たい。見たかった。見たかったて言うと岩下志麻のマドンナを寅さんで見たかったのは私も同じであるように山田洋次作品による岩下志麻の怪しい魅力をスクリーンの中で映し出してる姿がこの作品を見て感じずにはいられない。
[DVD(邦画)] 8点(2013-05-06 22:08:03)(良:2票)
4.  インスタント沼 《ネタバレ》 
何だろう?この不思議な面白さはどこから来るのだろう?「転々」と同じ監督による相変わらずなストーリーの面白さよりも変な人間ばかりの変な人達による変な行動やら変な生き物やら変なセットに変な小道具など色んな意味での変な面白さこそこの三木聡監督作品の特徴なのかもしれないが、ここで描かれている世界は単なる変人だけの話ではない面白さがある。この映画は主人公ハナメの魅力、麻生久美子を主役に持ってきたことが一番の要因である。自分に見えるものだけを信じ、見えないものは信じない。そんなハナメが竜の存在を信じ、かつて好きだったあまや君の後頭部を見て、あっ!河童だ!一言言う。物事、疑ってばかりいるよりも信じて生きることの方がどれだけ楽しいことか!この映画は教えてくれている。最後のハナメのあの気持ちの良さそうな顔付き、麻生久美子の魅力でここまで楽しい映画になっていることだけは間違いない。人間、泣いてる時間よりも笑ってる時間のが圧倒的に多い。この台詞がこの映画の良さのような気がするし、まあ、とにかくこの映画は予想以上に奥が深い。最後にもう少し!水道の蛇口をひねって走る麻生久美子、インスタント沼を作ろうとする麻生久美子、色んな麻生久美子の面白さと可愛さ、コメディエンヌぶり、最近の邦画に欠けている笑いを魅力的に表現出来る数少ない女優として貴重な存在である。間違ってもつまらない映画になど出て欲しくない。
[DVD(邦画)] 8点(2010-08-21 07:23:40)(良:2票)
5.  居酒屋兆治
高倉健、相変わらず渋い。そんな高倉健に対してやりたい放題の伊丹十三、その他出演者の顔ぶれを観ると大滝秀治に田中邦衛に小松政夫って何だか「北の国から」みたいなキャストだ。作品そのものは特別面白いとは感じないし、どらかというと苦手な感じの暗さが漂う。それでも普通に観れてしまうのはこれはやはり高倉健の魅力あればこその作品で感じでして、そうそう、大原麗子も出てたよなあ!何だかとても幸せとは無縁の感じの女を演じていたけど、大原麗子という女優というよりも一人の女性の人生を見ているようで辛い。
[DVD(邦画)] 6点(2008-10-11 15:04:14)(良:1票)
6.  居酒屋ゆうれい
うわっ!平均点低いなあ!しかし、私はこの作品好きです。日本人に生まれてきて良かったと思えるいかにも日本的な雰囲気、あのセット、そして、何といって主演の二人、萩原健一と山口智子の人情味溢れる夫婦、そのコミカルさの中にある夫婦としての絆のようなものに、また、そこに集まってくる人達のあの楽しそうな顔付き、更に忘れてはならないゆうれい役の室井滋のゆうれいも見ていて楽しい。こういう心温まる人達が集まる居酒屋、その雰囲気などどこをとっても日本映画ならではの人情ものに仕上がっていて私は好きです。こんな居酒屋だったら、こんな気持ちの良い人達の集まる居酒屋だったら、例えゆうれいが出てこようが私は気にしないと思う。この映画はとにかく出ている人達が皆、本当に楽しそうに演じているのが良い。「居酒屋」と「ゆうれい」という組み合わせの妙、どこをどうとっても日本映画らしい映画!こういう人情話、喜劇がもっと見たい今日この頃、見るからにさほどお金はかかってないのは解るけど、金などかけなくても面白い映画は撮れるんだよという監督の気持ちも伝わってきて、そういう所も含めて好きな作品でもある。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-11 20:21:48)(良:2票)
7.  稲妻草紙
拝啓、木暮実千代様!あぁぁ~あたしゃ、もう貴方様に完敗(乾杯)でございます。阪妻を見つめる時のあの目付き、姿といいもう参りました。なんて眼をしているんだ?あんな風に見つめられたらと思うと、あぁぁぁ~!阪妻が木暮実千代と進藤英太郎を眼の前にして太鼓を打つ真似をするシーンが1番良い。監督があの「無法松の一生」と同じ稲垣浩監督てだけあって、あの場面は「無法松の一生」を思い出す。思わせずにはいられない。それを楽しそうに下からそっと顔を上げて阪妻を見る木暮実千代があぁぁぁぁ~あのシーン、あれだけで木暮実千代の持っている魅力が全て現れている。話そのものは特別凄い面白いとは感じない。しかし、阪妻の「無法松の一生」での富島松五郎を思わせる優しさ、そして、何と言っても背中で全てを語っているような男の哀しさがここでも健在だし、チャンバラシーンもきちんと用意しているし、他にも田中絹代、三國連太郎の好演も忘れることは出来ない。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-01 10:30:08)
8.  石中先生行状記(1950) 《ネタバレ》 
石坂洋次郎原作、成瀬巳喜男監督による三つのお話からなるオムニバス映画!でもって、舞台は東北は青森の田舎町、もう、これだけでこの映画の興味が沸いてしまう。日本で一番好きな川島雄三監督の故郷である青森ってだけで、何だかそれだけで良いのだ!一つ一つの話がどれも面白く見られる。第1話の木匠久美子って女優さん、初めて見る気がするけど、とても元気はつらつ、リボビダンDて感じで良い。どんな感じや?第2話の池部良と杉葉子が互いの父親のことで喧嘩してしまい、仲直りするシーンも良い。石中先生に秀一(池部良)のことを君はどのくらい愛しているのかね?て聞かれてこのぐらいと両手いっぱいに広げて見せる杉葉子の演技も微笑ましくて良い。二人の父を演じている藤原釜足と中村是好も良い味を出してます。そして、最後のお話、これは何と言っても若山セツ子の初々しさに尽きる。本当に笑顔が素敵です。勿論、三船敏郎も黒澤映画では見れない。別の意味で良い雰囲気を醸し出している。それでもやはり一番は若山セツ子!最後の方で三船敏郎と並んで歩きながら二人一緒に「青い山脈」を歌うところなんて、こんな演出をする成瀬巳喜男監督、原作者であって、タイトルにある石中先生でもある石坂洋次郎へのオマージュと感じることの出来るシーンを描く辺りは人間としての優しさを感じる良い場面だ!いずれにせよ、これまたほのぼのとして、良い気持ちにさせられるそんな作品を見せてもらった思いでいっぱいになりました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-12-09 10:13:07)
9.  鰯雲
おっと、にじばぶさん、お一人だけですか!どうも!どうも!こんばんは!二人部屋へ失礼して、ええ、これは成瀬作品としてはちょっと物足りない。また成瀬巳喜男監督作品にしてはあまり見られない。珍しく東京近郊の農村が舞台のしかも、カラー映画!カラーそのものは珍しくもないと思うけど、それが東京近郊のお話てのは成瀬映画ではあんまりないような気がするけど、いかんせん、まだわたくし、成瀬映画に関してはド素人でして、さほど大きく語ることは出来ないのたが、それでも相変わらず、映像はとても美しい。戦争で夫を失った淡島千景演じる未亡人と新聞記者の木村功の二人が並んで歩く海沿いのあのシーンの美しさ、そして、タイトルにもなっている雲!あんな美しい雲はそうは見れない。そのぐらい美しい雲!話そのものはいまいち、面白味に欠けるものの、映像の美しさは一度、見たら忘れられなくなりそうなほどです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-11-09 21:18:40)(良:1票)
10.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
以前に一度だけ見た時は、無理矢理泣かせよう!としている感じがしていたが、再び見ることにしたのは竹内結子の生前の輝いてる姿をもう一度見たくて見ることにしました。竹内結子演じる澪と少年祐司のやり取り、祐司が放つ台詞「ママは僕のせいで亡くなったの?」を聞くたびに切なくなって泣けてくる。この映画の少年祐司の様に実際の竹内結子の長男が思わなければ良いなと思えば思うほど、竹内結子の死という現実が重なって来て泣けて仕方ない。竹内結子の実の長男、そして2人目の子供にも強く生きて行って欲しい。そう思う。竹内結子の白、ひまわりの花の様な輝きは一生残り続ける筈です。それと見ていて中村獅童演じる巧の高校時代を演じている浅利陽介を見ていたら私が竹内結子という女優を初めて知った朝ドラあすかが見たくなってたまらない。最近の朝ドラきりやたらレンタルコーナーで見かけるけど、あすかもレンタル屋さんに並べてほしい。あすかでも白がよく似合っていた竹内結子、この映画でも白が本当によく似合ってました。竹内結子演じる澪に高校時代もどうせなら榎園実穂さんで見たかった。それだとまんまあすかだな!それよりあのエンディング曲は何なんだ?あのエンディング曲は最悪でした。映画自体は良い映画でした。竹内結子も最高でした。間違いなく竹内結子の代表作品でしょう! 訂正2020年10月9日
[インターネット(邦画)] 8点(2007-11-08 23:17:07)(良:1票)
11.  稲妻(1952)
成瀬巳喜男監督作品で二番目に見たのがこの作品でして、これは凄い映画だ!とにかくどの人物にしても感情を見事に表現している。その凄まじさとその感情表現の中で揺れる人間の心の闇をきちんと捉えているのが凄い。勿論、これはどの俳優にしても素晴らしく、中でも高峰秀子、やはりこの女優が素晴らしい。母親に散々、文句を言われ、母の愚痴に対しての感情剥き出しの演技の凄さとそして、この映画の凄い所は映画のタイトルにもなっている「稲妻」、つまりこの場合の稲妻とは「雷」のことで、その雷が鳴った瞬間、それまでいがみ合っていた母と娘の関係がごく普通の母と娘に戻るというそのこれぞ日本映画、そう、これこそが成瀬巳喜男監督が言いたかったテーマ、所詮、人間なんてものはちょっとしたことがきっかけで元の通りになれるのだと言っているような素晴らしい演出、どんなに喧嘩しようが、何かのきっかけで日常に戻れるのだ。私はこの映画のあの雷の鳴った後の二人の表情からそう感じることが出来たと共に見終わった後の何とも言えないカラッとした気持ちの良さ、本当に良いものを見させてもらった気がする。 この映画、最初は9点にしたけど、何度か繰り返し見ているうちにもしかしたらこれこそ成瀬巳喜男監督、高峰秀子のコンビ作品で最高の映画のように思えてきて、観る度に好きになっていく。よって10点に変更したいと思う。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2007-01-02 22:55:38)(良:2票)
12.  イチかバチか
川島雄三監督の遺作となるこの作品、これは面白い。やはり川島雄三監督はただ者ではなかった。遺作にしてこれだけのものを見せてくれたことにまずは感謝したいと思う。正にタイトルの如く、イチかバチかの大勝負に打って出る社長と市長との人間模様を描きつつも、人と人との結びつき、絆のようなものを描くこの川島雄三監督という人の持っている人間的観察力みたいなものをこの作品の中からも見ることが出来て良かった。川島雄三という監督は凄い傑作、それも大傑作を撮ったかと思えば、とんでもない失敗作、つまりは凡作も沢山、撮っているけど、最後の作品がこれだと言うことは、もっと長く生きていたらまだまだ、沢山の面白い作品を撮っていたと思えると、何だか心が痛むし、物凄く寂しい。僅か45歳という若さでこの世を去ってしまったこの川島雄三という監督の死は日本映画界においてとても大きな損失だと思います。最後にもう一つ!個人的願望として高峰秀子主演の川島雄三監督作品が見たかった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-27 21:21:54)(良:1票)
13.  生きてはみたけれど 小津安二郎伝 《ネタバレ》 
冒頭、映し出される小津安二郎監督のお墓と「無」の文字!そして、そんなお墓の前で一人、手を合わせる笠智衆さんの姿を見て、小津作品=笠智衆、笠智衆さん無くして小津作品は語れないと改めて思った。私にとっての小津作品との出会いは10年前でした。その時は全く解らなかったし、面白くもなかった。しかし、あれから10年、何となく観た「東京物語」で感動し、その後も小津さんの映画は何本か観ているけど、どれも良かった。昔、観て良くても今、観ると大したことのない作品が沢山、ある中で小津監督の映画はその逆で、昔は解らなくても、今、観ると凄く良く解るし、面白い。また感動する。これが本当の意味で良い映画ではないでしょうか!そんな小津作品に関わった人達、俳優(男優、女優共)に脚本家、カメラマンをはじめとするスタッフ全員、更には小津監督の家族、親に弟に妹、他にも生前、親しくしていた他の映画監督とのエピソードとインタビュー、その全てがとても興味深く描かれていて良かった。小津作品のファンで小津監督の作品に大きな影響を受けていると思われる山田洋次監督の姿も観られて嬉しい。小津監督のお墓に書かれている「無」について語られる話も凄く興味深く思えました。この作品を観て、益々、小津監督の作品に興味が沸きました。私自身、まだ観ていない小津監督の作品が何本もあるので、残りの作品も全て観たいと思わせるそんな貴重な体験をした思いでいっぱいです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-15 21:55:51)(良:1票)
14.  一心太助 天下の一大事
2日続けての一心太助シリーズ観賞です。今回もまた中村錦之助演じる一心太助の男気のあるその姿、活気のあるその人間性、曲がったことが大嫌いな男らしさが十分描かれていて、これまたなかなか見応えありです。ややシリアスすぎるのと強引な展開に不満はあるので、個人的には三番目の評価ですけど、それでも相変わらずテンポは良いし、役者にしてもみんな良いし、今の時代劇との差の大きさは明らかです。そんな中で今回は主演の中村錦之助以上に、いつもなら徹底的に嫌な奴を演じている山形勲が良い奴に思えた。それと、やっぱりぐるぐるさんの言うように絶望男のキャラが良い。ああいう役をやらせたら田中春男の右に出る者はいないと思う。最後にもう一人、丘さとみに関して、一言!「私、好きな人が出来ちゃったの!」て、それゃあ、ねえだろう!というような落ちがあるけどまあ、可愛いから許す。
[地上波(字幕)] 7点(2006-01-20 22:07:24)
15.  生きものの記録
三船敏郎演じる中島喜一は確かに普通ではないし、狂っていると思う。しかし、彼は家族を思い、人間としての本能を心から実現させようとしてみせただけである。私はそんな中島喜一の人間性に深く考えさせられました。黒沢明監督は人間の持っているエゴイズムを「羅生門」でも見せたようにここでもまた見せている。「羅生門」に比べたら作品の完成度では劣るものの、同じような戦争をテーマとして描いた「八月の狂詩曲」なんかと比べたら圧倒的に上である。まず何よりも俳優の質の高さからして全然、上です。やや説教臭いものの、白黒の画面からひしひしと伝わるその映像と凄みのある内容は一度見たらけして忘れることは出来ないし、この映画を観ても解るように黒澤明監督は並みの監督とは明らかに違う映像作家としての質の高さというものを持っている素晴らしい監督だ!
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-13 21:58:53)
16.  一心太助 男の中の男一匹
この前、同じ中村錦之助主演の「家光と彦佐と一心太助」を観て、もうどっぷりとその世界につかり、そんな私がまた借りてきたこの作品、どうやらこちらの方が先らしく、観る順番を間違えたかな?そんなこの作品はお仲の役が違うけど、本当のところはどっちがどっちなのか分らないまま観てました。そんなことはこの際どうでも良くて、まずはこのシリーズ第三作目にあたる今回は期待したほど面白くはなかったものの、それでもまずまず楽しめた。一心太助の男ぷりの良さは本当に素晴らしい!このシリーズまだ二つしか観てないけど残りも全部、観たくなります。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-26 17:42:38)
17.  家光と彦左と一心太助 《ネタバレ》 
魚(うお)~~~!面白い!面白すぎます。この作品!いやあ、こんなにも面白い、とにかく笑える作品がまだあったとは、ここのサイトに来るようになって、色んな方のレビューを見るようになり、もしも、このサイトの存在を知らなかったら、間違いなくこの面白い映画の存在も知らなかったと思うし、観てなかったと思います。こんな面白い作品を素晴らしいレビューで私に教えてくれたお二方、ぐるぐるさんとMrs.sozeさんにまずは感謝致します。もう既に2人が書いているようにこの作品、本当に面白いです。何と言っても中村錦之助の一人、二役、これに尽きる。家光と太助の入れ替わり、これがまた本当にお見事と言いますか、面白くて、特に太助の中村錦之助が良い!何だか川島雄三監督の大傑作「幕末太陽傅」のフランキー堺のような粋な感じが最高です。家光に成り済ましてのすり足、本当に笑えます。その時の「その方、魚の匂いがするぞ!」ていうじいの演技も笑えるし、また女優陣にしても素晴らしく、中でもお仲演じる北沢典子がこれまたたまらん!魚が勿体無い!のでその分、2点マイナスも中村錦之助の魅力でプラス1点てことで9点!これ、DVD欲しい!それにしてもこんなに面白い作品がたった2人だけのレビューだとは、寂しい!一人でも多くの方に観て欲しい傑作です。最後はちょっとどころかかなりしみじみと笑えて泣けて、本当に面白かった! 今のところ観た中村錦之助の出ている映画の中で「宮本武蔵・一乗寺の決斗」と並んでこの作品が特に面白いと思いました。他の中村錦之助出演映画もまだまだ観たくなりました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-16 21:19:56)(良:3票)
18.  生きる 《ネタバレ》 
あまりにも素晴らしすぎて10点でも足りない。本当にそう思う。この映画、どこが凄いかは見れば見るほど面白くてたまらない。この映画、完全に喜劇です。どこが喜劇かって?まず冒頭の主人公志村喬演じる渡辺さんについての語り口、更には病室での志村喬と渡辺篤とのやりとりが凄い。今まで一度も会社を休んだこのなかった渡辺さん(志村喬)が病院での診察を待っているあの場面でのもう一人の患者(渡辺篤)が胃がんについて語るシーン、あの後の志村喬演じる渡辺さんが初めて胃がんだと解るシーン、ここまでの持っていき方なんて、完全に喜劇ですし、小田切みきが市役所の職員みんなに一人、一人仇名を付けてるシーンなんて単なる喜劇なんかじゃない物凄いブラックな笑い。あんな強烈なシーンを見せ付けておいて、後は主人公の渡辺さんが亡くなるまでの語り口、物語、運び方、あのギラギラした風俗街の凄さ、映像の持つ力によって観客に物凄く訴える力を持った凄い映画です。主人公の渡辺さんは誰の為に生きているわけでもない。ただ自分の残りの人生をいかに有意義に過ごせるか?ただそれだけの為に公園を作る。あの志村喬の演技は凄い。しゃべり方から歩き方、目付きから何もかも本当に凄い。人間が死ぬ時はあんな感じなんだろう!そう思わせる凄さです。そんな志村喬演じる渡辺さんの葬儀の場面がこれまた凄い。個性的な顔ぶれ勢揃いの中でも左卜全の「助役とはっきり言えよ!」には完全にやられた。あんなスッキリする一言、そうはないです。とにかく凄い。何もかも凄いとしか言えない日本映画史上に残る名作中の名作です。
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-02 18:15:44)
19.  犬神家の一族(1976) 《ネタバレ》 
冒頭の日本家屋の見事なまでの佇まいの中、松子夫人(高峰三枝子)の「お父様、ご遺言を」の声に反応する佐平衛(三国連太郎)に小沢栄の古館弁護士、そして、島田陽子の珠世さんへという流れから始まる場面からして既にこの映画の持つ雰囲気、緊張感に作品の中へと入り込む。引き込む力というものがこの映画にはある。あの如何にも日本的な佇まい、雰囲気、映像美と全てがこれぞ日本映画というものを持っている。佐平衛の残した遺言の内容から次から次へと起きる殺人事件、島田陽子の珠世さんの美しさがより一層、怪しく(犯人ではないかと)思わせるほどの輝きを放っているからこそ、そんな彼女についつい見惚れてしまうほどのものが島田陽子から見られる。金田一耕助役の石坂浩二と女中おはるさん(坂口良子)のやりとりがこのドロドロした話の中で安らぎを与えてくれているのもこの映画の良いところであり、またその他の脇役に眼を向ければ、柏屋のご主人、三木のり平も何とも良い味を出しているし、ちっとも解ってないくせに「よ~し、解った」を連発する加藤武の暑中さんに他にも大滝秀治も良いし、主役から脇役まで一人として疎かにせずに描いている市川崑監督の演出の素晴らしさもこの映画の素晴らしいところで、佐清との松子夫人との会話、やりとりもこれまた泣かせる。そうです。この映画は単なるミステリーではない。母と息子の物語でもあるのです。松子夫人の「佐清に合わせてください」というここがこの映画の中でも最も泣ける場面、ドロドロした話ではあるけれど、美しい映像、美しい音楽により素晴らしい映画になっている。結末は解っていても繰り返し繰り返し観てしまうほどの魅力がいっぱい詰まった私にとって日本映画史上に名を残す大傑作映画!文句ナシの満点!
[DVD(邦画)] 10点(2005-06-30 21:20:13)
20.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 
改めてレビューし直します。この映画には他の大林宣彦監督の映画でよく見られるヒロインというヒロインは出てきません。ある雨の晩に1人の作家が住むマンションの部屋に美しくも、どこか陰のある女性がやってくる。名取裕子の様な美人が雨の晩に1人暮らしの自分の部屋に来るなんてことは、普通は考えられないし、有り得ません。有り得ないことが起きるという意味では主人公の亡くなった両親が若い姿のまま現れて、同じ空間ですか落語を見てたり、食事をしたりする。有り得ない事が次から次へと見られる映画だ。映画とはそういうものだという大林宣彦監督からのメッセージと考えられる映画なのだ。現実と非現実とが絡み合いながら繰り広げられる何とも摩訶不思議な映画、これもまた大林映画らしい夢の世界、ホラーぽい雰囲気の中にも人情的な映像感覚を感じる映画作りに、尾道が舞台の映画とはまた違う魅力が十分の映画として、またこの映画は自分の親を亡くしてる方が見たら間違いなくこの映画の主人公の様に亡き両親に会いたいとそう思わずにはいられなくなるはずです。それにしても、秋吉久美子、片岡鶴太郎の両親、それも既に亡くなっているのに生きている様な感覚を覚えてならないし、名取裕子も名取裕子で魔女としての魅力十分な上に幽霊とは思えない。思えないと言う意味では大林宣彦監督が亡くなったなんて私にはまだ信じられない。訂正2020年4月12日
[DVD(字幕)] 9点(2005-06-09 22:24:27)
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