1. STAND BY ME ドラえもん
《ネタバレ》 方法論が間違っているとは思いません。『ドラえもん』の原作エピソードを使って感動的な長編映画を作れ!を言われれば、確かにこうせざるを得ない、若しくはこうするのが正攻法だろうと納得できる程度には脚本は丁寧に作っているのだと思います。しかし、それは言ってしまえば感動エピソードの幕の内弁当。昔あれだけホロッと(「さよなら、ドラえもん」だけはテレビ放映時に大泣きした記憶があるので別格ですが)感動させられた名エピソードが、それぞれたった十数分で消化されてしまう。人を感動させることが至上目的だったであろう本作の意義としては正しいのかもしれませんが、個人的には納得し辛い内容でした。 何より、『ドラえもん』というストーリー自体、藤子・F・不二雄大先生の持ち味であるシニカルさがあるから成り立っている話であると思います。何せ、不細工な女の子との結婚を辞めたいがために、未来を改変しようとする話ですから。それを“感動”という衣で隠して、「さあ、泣け!」と言われても困ってしまう。 あとはCGの質がとにかく観ていて辛かった。ドラえもんの世界を3DCGにしようと、あらゆる努力が為されたのは何となく分かります。しかし、2時間観ていて感じたことは「キャラクターの質感が気持ち悪い」という感覚でした。これは多分慣れればそんなに気にならない部分なのだとは思います。最初にあれだけ違和感を感じた、水田わさび等の声も、劇場版を毎年観に行く度に違和感は薄れ、今となっては、大山のぶ代の声も水田わさびの声も私の中ではちゃんとドラえもんの声に違和感なく聞こえている。だから今後もずっとこの3DCG版ドラえもんが続いていくのであれば違和感は無くなるだろうと思いますが、如何せん2時間の上映時間では最後まで違和感は消えてはくれなかった。 [映画館(邦画)] 4点(2015-09-02 21:31:59)(良:2票) |
2. ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON
《ネタバレ》 不快な映画でした、少なくとも私には。私はバカな映画は大好きです。バカバカしい演出の連続で「くだらね~ッ」と思う映画でも最終的には楽しませてくれれば特に文句はありません。そういう意味では私は三谷監督の「有頂天ホテル」や「マジックアワー」は嫌いではありません。寧ろ脚本参加の「12人の優しい日本人」やテレビドラマ「古畑任三郎」は大好きだ。ただしこの「ステキな金縛り」はバカな映画ではなく不快な映画だった。なぜそう思ったかというと、この映画内でのキャラクターの描かれ方がとにかく適当だからです。主人公は殺人事件の冤罪を晴らすべく、落武者の幽霊に証言を依頼しますが、落武者も無実の罪で斬首された哀れな人間です。だから彼は自分の無実をだれかに証明してもらって成仏したがっている。実に悲壮な話のはずです。しかしこの落武者の無実を証明する話が途中から適当に扱われてしまっている気がするのです。落武者が成仏する話はナアナアとなり、彼はエンディングでも普通に主人公と一緒にいるのです。彼は成仏したかったんじゃないの!?意味が分かりません。それから閉口したのはラブラドールのラブちゃん他、色んな死人を適当に現世に呼び戻すシーンです。大部分の観客はケラケラ笑ってましたが、命をこんなに軽く扱っていいんですか?これは殺人事件の犯人をめぐる話のはず。命はこんなに軽いものじゃないはずです。でも適当にいろんな人間を現世に呼び戻したりする。はっきり言って不快です。物語に対して誠実な作りではありません。こんな適当に生や死を描いといて、かの「スミス都へ行く」や「素晴らしき哉、人生」などのフランク・キャプラ映画にリスペクトしているのですからチャンチャラ可笑しい。こんな映画を作り続けるならば、個人的にもう三谷監督の映画は観たくありません。それでも次回作もヒットするんでしょうけど。 [映画館(邦画)] 2点(2012-01-02 01:30:33)(良:1票) |
3. SPACE BATTLESHIP ヤマト
《ネタバレ》 結論として結構楽しめました。でも逆に楽しめなかった部分も多々ありました。まず映像に関してはすごく頑張っていたと思います。特にヤマトが岩肌を破って姿を現す場面は、お世辞抜きでそこらのハリウッド大作と同レベルだったと思います。それくらい映像は凝っていたかなと。それから映像面と言えば、ハリウッドのSF大作への挑戦的な姿勢が感じられましたね。ガミラス艦隊との戦闘はハッキリってスター・ウォーズ(特にエピソード3)の完全フォロワー。登場する艦隊の姿形まで、デストロイヤーのまんまだし、古代進の相棒ロボットはどーみてもR2-D2です。また古代進の演説はインデペンデンス・デイの大統領のそれそっくり。さらにダメ押しで最後の古代進の特攻ですよ。突っ込んでいって、一瞬の無音の後の大爆発。そして流れるスティーヴン・タイラー!アルマゲドンじゃん。どう考えてもパクリなんですが、それでもハリウッド大作という大きな砦に切り込もうとする気概には好感が持てました。それらとは反対に、これじゃ駄目だなーと思ったのが、邦画の大作にありがちな人間ドラマの部分。登場人物たちが感情を独りでにゲロしだすのはどうかと思います。地球の家族との最後の交信の際に、一人で「(母親が体を気遣うよう言うのに対して)分かってるよ、そんなこと……」とか「なにしゃべればいいか分かんねーよなー」とか言うのはどう見ても不自然。舞台劇じゃ無いんだから、それは口に出さずに演技で伝えるもんでしょーが。そうそう、演技と言えば黒木メイサが所々で台詞を噛んでいたような……。あれでオッケーだしたらダメでしょ。他にも古代進と森雪が結ばれれるシーンに至る経緯が意味不明だとか、敵弾が飛び交う中で暢気に会話してたり、上官に対して平気で悪口言ったり、不満点多数。結果としてはこれくらいの点数が妥当かと思います。 [映画館(邦画)] 6点(2010-12-16 16:38:02) |
4. スパイ・ゲーム(2001)
出来は悪くない。決して悪くないのですが、ややストーリーの展開の遅さにやきもきしてしまった感はあります。トニー・スコット監督にしては、落ち着いた印象の作品でしたが、個人的にはいつもの雰囲気よりもこちらの方が好みです。ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピットという二大スターを共演させておきつつ、落ち着いた作品にしあがっている事にも好感が持てます。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-12 17:29:55) |
5. スカイ・クロラ The Sky Crawlers
《ネタバレ》 兎に角、声を担当している役者達を如何にかして欲しいと思いました。意図的にやっているとはどうしても思えないほど、感情の起伏の表現が下手です。菊地凛子と加勢亮の二人がその中でも郡を抜いて酷い。役者を起用する方も、演じる方ももう少し考えて映画を作って欲しいと切に思いました。 昔ながらの戦闘機を用いた空中戦の迫力は一見の価値ありです。逆に言えばそれ以外は別に面白いと感じませんでした。 [映画館(邦画)] 4点(2008-08-20 01:28:30)(良:2票) |
6. スウィングガールズ
《ネタバレ》 何というか、楽器、とりわけジャズをしている人間が観ると矛盾があちこちに出過ぎていて全く現実味がありませんでした。1つ、そんなに楽器は簡単に買える程安くありません。1つ、そんなに早く上達なんてしません。1つ、あんな拙い演奏でコンクール会場を沸かせるなんてことは万が一もあり得ません。ジャズという音楽を世間に広めてくれたのは嬉しい事ですが、どう考えてもジャズが好きで真剣に映画を撮ったとは思えませんでした。最後の演奏はプロを起用するべきです。学校の文化祭の劇レベルじゃ無く映画なんですから。あと竹中直人はいい加減目ざわりでした。 [地上波(邦画)] 0点(2008-08-09 11:45:29)(良:2票) |
7. スピード・レーサー
《ネタバレ》 ウォシャウスキー兄弟のジャパニーズアニメ好きが滲み出てた映画でした。元のアニメを知らない私でもそれを感じれたので間違いと思います。 本編はもうこれでもかという位分りやすい内容。製作者も話の筋はどうでもよくて、「どうだ、このレースシーンかっこいいだろ!」と言ってる気がします。 凄くお手軽に観れて、迫力満点。男の子ならほぼ間違い無く興奮すると思うので、子どもさんが居る人は是非。 [映画館(字幕)] 7点(2008-07-30 13:31:34) |