Menu
 > レビュワー
 > goro さんの口コミ一覧
goroさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 203
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345678
投稿日付順12345678
変更日付順12345678
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ガス人間第一号
 わたくしめの見るところ、これは東宝円谷ものの隠れた最高傑作のひとつ。地味だけれども、ほかにはちょっとない深い悲劇性があって、すばらしい。なんといっても八千草薫の凛とした美しさ、くわえて左卜全のおちぶれた哀愁.....。本多猪四郎監督の誠実な演出があいまって、結構でした。 のちテレビ番組『ウルトラQ』に転用されることになる宮内國郎の音楽も、なかなか結構でした。
[DVD(邦画)] 10点(2009-07-30 07:03:02)(良:1票)
2.  わが町(1956)
 織田作之助原作というと、まず豊田四郎『夫婦善哉』というところだろうが、これもそれに劣らぬ傑作。いや『じゃりんこチエ』にもつながるような、大阪下町界隈ものなら、むしろこちらだ。いまは亡き新国劇の大御所、辰巳柳太郎の代表作でもある。殿山泰司、北林谷栄、大坂志郎、小沢昭一......、かつての名脇役たちも、よろしおまんなあ。
[DVD(邦画)] 10点(2008-07-09 23:28:01)
3.  白い巨塔
 これはもう山本薩夫のベストといっていい代表作で、出てくる多くの俳優陣たちにとっても、これを代表作の一つにあげないといけない。まず主演の田宮二郎。そのオーバーアクトぎみの軽々しい演技は、勝新太郎の『悪名』シリーズでたっぷりおがめるわけだが、ここでは彼自身とダブるともいわれる強烈な出世欲が前面に出て、しばしば滑稽なほど生な人間像が画面に充溢した。傑作なのは石山健二郎。黒澤明の『天国と地獄』では、いい味をだしていたけれども、スタッフを悩ますところもあったらしい。こっちのほうが実に生き生きしてる。東野英治郎に、田村高廣、小沢栄太郎、下條正巳......。藤村志保もこの頃が一番美しい。それから加藤嘉と滝沢修の堂々たる演技がすばらしい。伊福部明の弟子にあたる池野成も、このなんとも重苦しい音楽が、映画音楽としての代表作だろう。ちなみに、DVD版では選択を決定するたびに、「ただいまより、財前教授の総回診が始まります」という劇中のアナウンスがはいる楽しい趣向になっている。
[DVD(邦画)] 10点(2008-07-03 04:14:31)
4.  美しい夏キリシマ
黒木和雄の最高作品と私は思う。同様のテーマの作品は、大島渚の『少年』などがあったけれども、これは監督自身の体験にもとづくだけあって、問題の深刻さと真摯さにおいて他をぬきんでている。また、主人公の少年と親戚の少女役の演技が、とても自然で、ただものでなかった。映像もふくめて、全体にすばらしい。
[DVD(字幕)] 10点(2006-01-01 02:02:02)
5.  歌行燈(1943)
立派な作品。感じ入りました。鏡花お得意の大団円の趣向も、うまくはまりましたね。それにカメラ、なかでもあの稽古の森の中のシーンの映像美に息をのんだのは私だけではないでしょう。新派の重鎮の役者たちの安定感ある演技もよかった。若い柳永二郎がいい味出してましたね。それにしても、これが戦時中の映画だということを忘れてしまいそうです。
[地上波(字幕)] 10点(2005-09-24 05:04:18)
6.  浮雲(1955)
最初二十歳前後に観たときには、暗いばかりで、なんとも思えなかった。ところが、三十越えてふたたび観たときには、うちのめされるように感動して、どうしようもなかった。うちのめされるという言葉が、まさにふさわしかった。みなさんも三十、四十越えてから、もう一度観てみてください。
[映画館(字幕)] 10点(2005-09-19 03:28:44)
7.  馬鹿まるだし
皆さんと違って、私は山田洋次の最高傑作だと思う。「馬鹿」の荒々しさとやさしさ、危ないところと人の良さ、生真面目さとはちゃめちゃさが、実にペーソスをなしていて、極上だ。『寅さん』も初めのほうはそうした性格が出てたけれども、しだいに荒々しさを失って、国民的アイドルとして品良くなりすぎていった。それにテキ屋という危ないところのある設定が、もう時代に合わなくなっていたと思う。それに比べて、ここにはまだ戦後のどさくさ時代のバイタリティがあって、「馬鹿」の生き生きする余地があった。ハナ肇の油っこいところがすばらしい。それに渥美清もちょい役で出てくるが、実に生き生きとしていた。 桑野みゆき(小津安二郎『彼岸花』の娘役)も素敵だった。
[地上波(字幕)] 10点(2005-08-07 04:24:30)(良:2票)
8.  ナビィの恋
日本映画には数少ないミュージカル映画の傑作。小林薫主演の沖縄映画『ウンタマギルー』(1989)もミュージカル仕立ての傑作だった。どうして沖縄映画だとミュージカル調がこうもはまるのだろう。これは結局、いわゆる本土では津軽あたりを除けば、われわれ自身の生きた民謡、フォークミュージックを失ってしまっているのだ、ということに気づいて愕然とする。この映画にでてくるアイルランド人が演奏するのが、ケルト・ミュージックだというのも意味深だ。
10点(2005-01-02 05:28:08)
9.  青春デンデケデケデケ
大林宣彦のベストワン。ところで、寺の息子役、大森嘉文はデータベースで調べると、これ一本しか出てないようですが、こんな素晴らしい役者、どうしているんだろう?  ─追伸:大森嘉文は大森嘉之の名で、「トキワ荘の青春」、「難波金融伝」などなど、出演作多数なのがわかりました。そりゃ売れっ子になるでしょうね。
10点(2004-08-01 05:26:01)
10.  HK/変態仮面
久しぶりに見た、トコトンくだらなくて、かつ笑えるC級映画。この手の映画は、たいてい途中で早回しにして、投げ出すのが常だけれども、最後まで楽しく観れた。これは快作だ。傑作「悪魔の毒々モンスター」シリーズ以来、と言ってもいいかもしれない。
[DVD(邦画)] 9点(2014-09-26 15:12:01)
11.  アウトレイジ ビヨンド
これまでの北野映画にときどき見られたようなヒューマンっぽい甘さが払拭されて、すっきりドライなところがいい。いらん無駄なシーンもないし、最後まできっちり作られていて、これは北野映画のベストワンとみた。なにより俳優陣がハンパなく素晴らしい。
[DVD(邦画)] 9点(2013-11-18 01:33:46)(良:1票)
12.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64
 1964年と題名では押し出してはいるけれども、その時代性はあくまで背景にすぎず、描かれるテーマは、いよいよ時代いかんにかかわらないような、普遍的に親子間で繰り返されるドラマに集約されつつあると感じた。思わず小津安二郎が想い起こされて、結構でした。  それにつけても、薬師丸ひろ子は、若い時より数倍ぐっといい女優になんなすったなあ。
[DVD(邦画)] 9点(2012-11-25 03:07:29)
13.  乾いた花
これは「任侠映画」というより「ヤクザ映画」、いや、この冷めたかっこよさは、むしろ「フィルム・ノワール」。親分子分の内実を冷ややかに描いたところは、『仁義なき戦い』が1973年だから、それに先立つこと約10年。「実録もの」ではないが、そこは後に東京都知事になる作家の原作だけに、哲学的といってもいいような味わいを漂わす。それにつけても、池辺良のかっこよさと、加賀まりこの小悪魔ぶりといったらない。また、東野英治郎と宮口精二という名優による親分二人が、高級レストランでスープをともに下品に飲みながら、「マナーが違うぜ」と注意したりするシーンは傑作だった。それから、親分の歯医者通いシーンは、そうか、これが北野武『アウトレイジ』の元ネタのひとつなんだな、と気づく。
[DVD(邦画)] 9点(2012-03-07 02:40:44)
14.  世界大戦争
黒澤明の『生きものの記録』(1955)といい、『ゴジラ』(1959)といい、これ(1961)といい、当時拡大し続ける超大国の原水爆競争に、いかに人々が恐怖を抱いて暮らしていたかが、よく伝わってくる。それに今と違って、当時の日本人はまだずいぶん真面目に生きていたということ。この映画は、想像のフィクションとはいえ、そうしたことの時代の良い証言だ。そういう意味で、これは抜きん出た一作といえると思う。それになにより、これを見終わると、今自分が平穏無事に生きていること、それだけでも贅沢なことなんだと、あらためて感じさせてくれるところ。逆説的ながら、ここが素晴らしい。
[DVD(邦画)] 9点(2012-02-02 02:05:32)(良:1票)
15.  洲崎パラダイス 赤信号
大人がつくった大人の映画。これなんかを観ると、日本映画もガキンチョになっちまったなあ、とつくづく思う。見ごたえあり。
[DVD(邦画)] 9点(2010-11-02 13:10:58)
16.  Mishima: A Life In Four Chapters 《ネタバレ》 
 三島由起夫はなぜあのような自決を遂げたのか。実際の伝記からの、いわば疑似ドキュメンタリーとでもいうような再現シーン(写真グラフで見たことのあるような場面を、忠実に再現している)と、代表作の小説から、ヒントとなるような内面の告白をいくつか抜粋する形で映画化し、この二つの軸をないまぜにして描く。これは三島という人間とその文学への、オマージュとでもいうべき入門編となっている。外国の映画監督が日本を舞台にするときにままあるような、とんちんかんなズレが少しもないところが、まず出色だし、なにより主演の緒形拳の、三島がのりうつったか、と思えるような、まさに鬼気迫る迫真の演技がすばらしい。そのほか、『金閣寺』の「どもり」の主役、坂東八十助が絶品だったし、『鏡子の家』の沢田研二もはまっていたし、どうゆうわけか演技陣が皆しっかりしていたのは、はたしてこの監督の手腕だったのだろうか。小説シーンの、日本画風に背景をアレンジした石岡瑛子の美術も斬新だった。ところで、今回アメリカからネット通販で取り寄せて観たのだけれども、このように誠実な作りの映画を、どうして未亡人が日本公開を許さなかったのか、理解できない。亡き夫だって、他人の人生をモデルに小説を発表し、裁判沙汰にまでなっているわけだし、三島自ら映画を製作・主演しているわけだし、たかが肉親だというだけの些細で偶発的なことで、この世界的に知られた日本人の伝記映画を、この日本に暮らす者には容易に鑑賞させないというのは、はっきりいって暴挙というものだ。このことひとつだけでも、未亡人は三島を理解していなかったということがわかる。今からからでもいいから、子孫はこの非をかえりみて、進んで公開を許可すべきだと思うが、いかがか。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2009-12-01 01:47:49)
17.  おくりびと
 お話の展開がよぉーくできていて、たぶん脚本の時点で十分完成されていたのだろうと思う。しかし、話がしばしば安直に流れるといえばそうかもしれないし、ときに演出がベタだ。なかでも、銭湯の女主人のお棺が火葬炉で点火され、火に包まれるカットに、野の鳥の群れが飛び立つシーンがオーバーラップされるところなど、ベタすぎて、こちらが気恥ずかしくなるくらい。とはいえ、納棺という、誰でも一度通ることになる人生の通過点に、はじめて焦点をあてたところは10点。くわえて、小津安二郎同様、古今東西をこえて世に普遍的な、親子の葛藤という誰にも身に覚えのあるドラマに、観る者をひきずりこむ。このキタナイとさえいえるやり方に、泣くな、と言われるほうがむつかしい。そんなわけで、演出のベタさに1点減点して、9点。
[DVD(邦画)] 9点(2009-08-27 15:33:25)
18.  楢山節考(1983) 《ネタバレ》 
 正直いって、今村昌平の映画は好きじゃない。猥雑な底辺の人間臭さ。そんなもの、わざわざ映画で見せつけられてもしかたがない。けれども、ここまで強烈に描かれては、脱帽する。若い醜男がなんとまあ、犬に夜這いかけて獣姦する。ちょっと前まで死にかけていた老女が頼まれて相手してやる。......漁港ではエイを、ヨーロッパでは牧童は羊を代用にして姦するという話を聞いたことがあるけれども、犬もありか。犬との獣姦シーンを観たのは初めてだ。そんな強烈な猥雑さと、貧しさゆえの残酷さ。しかし、それだけじゃなくて、神の山で死ぬということが、病気などで在宅で死ぬのとちがって、崇高な死に方なのだという信仰がちゃんと描かれていた。ひょっとすると、この老婆のように、昔の貧しい山村の生き方では、死に時と死に場所の選択が、おのれの意志にもとづいて、案外しっかりおこなわれていたのかもしれん。現代のわれわれには、意志いかんにかかわりなく、むりやり病院で、それもぎりぎりまで延命治療で生かされて、不自由に死んでゆくことしか許されていないのだ。はたしてどちらが崇高な死に方か。こんなふうに、猥雑さと残酷さにくわえて、崇高さも描かれているこの作品は、今村昌平の最良の作とお見受けする。
[DVD(邦画)] 9点(2009-01-24 03:48:33)
19.  母べえ
 派手なところや、けれん味は少しもないが、ていねいに作られていて、しかもこれまでの山田洋次くささがなくて(ラストの朗読は少々山田洋次っぽいが、これだけは余分だったように思う)、大変結構でした。子役の二人が良かったし、なかでも浅野忠信がいい味してましたね。彼のデビュー作『青春デンデケデケデケ』にも共通する雰囲気があって、ひょっとするとこうした役どころが、ほんとうの浅野忠信らしいところなのかもしれませんね。笑福亭鶴瓶、中村梅之助、でんでんらも結構でした。かつてこんなに嫌な時代があり、そのなかで人々が懸命に生きた時代があったということを、じっくり感じさせてくれました。
[DVD(邦画)] 9点(2008-10-09 09:23:56)
20.  紙屋悦子の青春 《ネタバレ》 
 カメラは多く据えっぱなしの長回し、へたに揺れもせず、淡々と語る。音楽も付かず、柱時計の音が聞こえるだけ。もう無駄なものをとことんそぎ落として、まるでわれわれもそこに居あわせたかのように、まるで共有する昔の記憶をたどるように映画は語る。ことさらドラマティックな映像は一つもないが、かえって直截な心情が伝わってくる。ほほえましい情景の連続ながら、それがせっぱ詰まった状況に裏打ちされていて、有為の青年が特攻で死ににゆかなければならない理由が、いっそう不条理に迫ってくる。かといって、戦後史観からの声高で一方的な弾劾でもなく、一方ナルシスティックな反動でもなく、実際そこにあったような市井の人間の時間が描かれている。こんな戦争映画はほかに記憶がない。黒木和雄の到達したひとつの極致といっていいのだろう。
[DVD(邦画)] 9点(2007-10-01 00:43:08)(良:3票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS